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「女妖」「書妖」「地妖」をキーワードに幻想小説、随筆、評論を精選するオリジナルアンソロジー。文豪怪異小品集シリーズ第14弾。
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Posted by ブクログ
東雅夫による澁澤龍彦のオリジナル短編集。 澁澤龍彦を読むのは随分久しぶり。 一時期、澁澤はもういいかなという気分だったけど、改めて読むとやっぱり面白い。 特に小説通い。「高岳親王航海記」の一篇「貘園」も良いが、遭難した女と赤ん坊が海を彷徨う幽霊船に拾われて旅をする「マドンナの真珠」が面白い。奇想小...続きを読む説の佳作。
作品紹介・あらすじ あやかしの少女と人形、餓死した少女の屍体を写し取る画家、恋人の金魚に嫉妬する男、大海を漂う亡者たちの船…… 物語作家・澁澤龍彦の精髄を収めた〈女妖について〉、雑誌「幻想文学」に寄稿した評論、関連エッセイを網羅した〈書妖について〉、幼年期を過ごした東京・田端や思い出深い鎌倉など土...続きを読む地にまつわる記憶を綴った〈地妖について〉の三章立てで、ドラコニアの世界を味わうオリジナルアンソロジー。 文豪怪異小品シリーズ、第十四弾。 ***** 久しぶりに読む澁澤龍彥。 「高丘親王航海記」「ねむり姫」「唐草物語」などは非常に面白く読み終えた記憶がある。特に「高丘親王航海記」は「無人島に持っていくならどの10冊」なんて問いがあったら、まず選ぶと思う。 そんな大好きな作家のアンソロジーなのだけれど、これがどうにも期待外れだった。 本書は大きく3つの括り、すなわち「女妖について」「書妖について」「地妖について」に分かれているのだけれど、「女妖について」以外はエッセイや対談、彼が携わった日本の幻想文学専門の雑誌「幻想文学」における「幻想文学新人賞」の選評などが掲載されている。選評などはまだ幻想文学に関連する内容だとしても、「地妖について」などは乱暴な言い方をすれば「エッセイ:鎌倉に住んで」といった趣で、幻想文学との直接的な関係は希薄に感じられた。 「女妖について」は全体の約3分の2を占めているので、幻想小説のアンソロジーとして申し分ないのかもしれないけれど、本書のタイトルが「深夜の祝祭 澁澤龍彥怪異小品集」なのだから、やはり「怪異小品」としては「書妖について」「地妖について」はどうなのだろう、と疑問に思ってしまった。この2つの括りも決してつまらない内容ではないのだけれど。もちろん澁澤龍彦の作品自体に不満があるわけではなく、アンソロジーの編纂の仕方に違和を感じてしまった。
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