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人生に目的などありはしない──すべてはここから始まる。
曖昧な幸福に期待をつないで自分を騙すべからず。
求むべきは、今、この一瞬の確かな快楽のみ。
流行を追わず、一匹狼も辞さず、世間の誤解も恐れず、精神の貴族たれ。
人並みの凡庸でなく孤高の異端たれ。
時を隔ててますます新しい澁澤龍彦の煽動的人生論。
【目次】
第1章 幸福より、快楽を
第2章 快楽を拒む、けちくさい思想
第3章 快楽主義とは、何か
第4章 性的快楽の研究
第5章 快楽主義の巨人たち
第6章 あなたも、快楽主義者になれる
※電子版には文庫収録の三島由紀夫氏による推薦文は掲載しておりません。
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Posted by ブクログ
【要約】
・幸福と快楽がある。幸福は「現実原則」があり、ルールの中での満足、また持続性で主観的なもの。一方快楽は一時的で客観的なもの。快楽をより求めるべき。
・快楽主義とは、エロに寛容、権力や常識にとられない、自分のやりたさを貫く、自分を生きる、今を生きる。
・労働や勤勉さを尊重する考えから、遊びや消費、瞑想などへ尊重する価値観へ切り替えるべき。また与えられたレジャーに目をくらませてはならない。
・快楽は発見である。自分で見つけなけらば意味がない。
【思ったこと】
・自分は凄く我慢しているんだなと理解。もっと自分の快楽に素直になっていい。特に快楽に沿って動いた次の日に後悔することがある。これは改めて快楽を自己肯定すべき。
・人生に意味はないのだから、もっとエロチズムに素直になってよし。
・何が自分にとっての快楽かはやらないと分からない。だから色々動いてみるべし。
・自分の考えを素直に受け止めて他人にも意見を通していく。
・単純労働は避けていく。人からの指示になるから。仕事にも遊び部分を入れていき楽しむ。
Posted by ブクログ
ブク友さんが読んでいて「そういえば私も持っていたかなぁ」と本棚から出してきて読んだ。再読。
とはいえ内容はまるで覚えていなかったのでほぼ初読。
他の作品とちょっと毛色が違って、世俗的なことや現代的なことに関しても色々言及しているので興味深く読む。私の中ではなんとなく「西洋の昔の人やもののことを書く人」というイメージなので。まぁ現代に生きていれば世俗的なことだってその人なりに思うところはあるわけで。
巻末の解説でこの本の初版がカッパブックスから出たことを知る。なるほど、と思う。だから雰囲気がちょっと違ったのかー、と。普段なかなか聞けない話を聞けて儲けた、と思う。
小説の「高岡親王航海記」が20代の頃にさっぱりわかっていなかったように、この本も若い頃にはなんとなく読み飛ばしたんだろうな。
追伸:樽のディオゲネスが出てきたので嬉しかった。
Posted by ブクログ
似た考え方の人いたわ~。
というかそりゃいるよな。80億人もいれば。いや、もうなくなった方を含めれば、何人の人間がいるんだろう。
ここではっきり申しますが、オルガスムの美学の最高の理想は、情死だろうと思います。
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密室から広場へ一歩踏み出すためには、まず羞恥心を捨て、嫉妬心を捨て、独占欲を捨てなければなりますまい。2人だけの密室の恋愛になれたわたしたちには、これはなかなか難しいことです。
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まず、第一に注目すべきは、サドが男性のペニス、女性のヴァギナのみを性器と考えているのではない、ということです。
人間の体には、男でも女でも、いろんな孔が開いていますが、サドは肛門であれ口腔であれ、あるいはその他の肉体の凹所であれ、全ての孔をヴァギナと同格なものとみなしているのです。
また、その孔に挿入すべき突起物にも、たんに、男性のペニスだけでなく、口の中の舌、指、あるいは発達した女性のクリトリスなどが使われます。
つまり、肉体のありとあらゆる孔とよび突起物を用いて楽しむわけで、エロチックな快楽には性器だけが利用されうると信じている世の中の通常人には、到底考えられない複雑な態位による乱行も、こうして可能となるのです。
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社会の組織と同じく、人間の肉体の組織にも、階級制度があり、分業が行われているようです。
では仕事をするための器官、舌は味をみるための器官、肛門は糞を排泄するための器官、そして、性器は快楽のための器官、と言うことになってしまいます。
これではあまりに不公平だ。あくせく働いてばかりでちっとも楽しい思いをしない器官があるではないか。
サドはそう考えてら手も舌も肛門も、分け隔てなく、エロスの快楽に参加させてやったわけなのでしょう。
これまで性器だけが、まるで専制君主制のように特権的な地位を占め、あらゆる快楽を独占している現状です。
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快楽主義の巨人
高い知性と、洗練された美意識と、きっぱりとした決断力と、エネルギッシュな行動力
この4つの条件が揃って、初めて人間は翼を得たように、快楽主義的な宇宙の高みに舞い上がることができる。
Posted by ブクログ
これは意外と面白い本だった。
題名に『哲学』とあるので少々お堅い本かと思って手に取るも、なんの著者のざっくばらんかつ、筋の通った内容である。
快楽主義とは、一貫し『人間の本能、人間の欲望に忠実である』ことであり、ヘンな常識や風習に惑わされることなく、自然体であることを説く。
・進歩や発展のない生活には、みるべき快楽もまたない(コアラの退屈さと比して)
・常識に囚われることなく、「人間の限界をつきやぶり、人間を人間以上の存在にする。」
・「親子とか夫婦とかいった関係が、人間の自由な冒険的な生き方を拘束し、世の中をじめじめした不潔なものするということを、芸術家の直感でやっているのです。」岡本太郎
・「そもそも、しあわせな家庭などというものを築いたら、もう若者のエネルギーは、行きどまりだということを知るべきです。妻子ある家庭を思えば、冒険もなにもできやしません。大学をうまく卒業し、一流会社へ就職し、課長の媒酌できれいな奥さんをもらい、一姫二太郎をこしらえ、モダンなアパートに住み、車を買い、ステレオを買ったら、まあ、あとはせいぜい、女の子のいるバーで、奥さんの目をぬすんで、ちょっとした浮気をするぐらいが関の山でしょう。まことになさけない。こんなのは、快楽主義者として、最低の部類に属します。」著者
・「ダンディの美の性格は、心をかき乱されまいとする堅い決心、その決心から生ずる冷静な態度のうちに宿る。」ボードレール
Posted by ブクログ
冒頭から「人生に目的なんかない」と言い切ってしまう所は小気味よく、目的がなければ「自分でつくりだせばよい」とカール・ブッセの「山のあなたの空遠く」から始まる詩を登場させてセンチメンタリズムを批判し、私たちを行動に駆り立てるその文章は寺山修司を彷彿とさせる。
第四章では、労働嫌悪の風潮を逆転させるために「どうすれば、労働と遊びとを一致させることができるか」という問題を取り上げ、そこから快楽主義の究極の目標を「一種のユートピア議論にはちがいありませんが」と前置きしつつ、「人間のエロス的な力の解放」であるとしている。
子どもが泣いたり、叫んだり、駆け回ったり、あるいは疲れ果てて眠ること、これら全てが快楽に繋がっている。そう考えると、子どもは自然にエロス的な力を使いこなしているといえる。
しかし大人になるとその肉体は労働のために利用され、非エロス的に矮小化していく。そこで筆者が提言するのは、肉体を単なる労働のための道具とみなすのではなく「つらい労働が全て楽しい遊びになる」ような肉体の解放である。
このような考え方は、筆者曰く、ヒューマニズム的偏見からの解放であり、自分の周りに白線を引いて行動範囲を狭めてしまうような消極的幸福論からの脱却、思想的冒険なのだ。
『快楽主義の哲学』は発表後45年以上が経過しているが、その内容からは色あせない刺激を感じ取れる。そこには時代に左右されない、人間にとって根本的なものがあるからだと言えるのかもしれない。
60年代と現在を比べて、人間の持っている肉体的・思想的自由が矮小化していないだろうかという疑問がふと頭をよぎった。ただ、思想の自由度なんて測りようもないのが事実だ。
今を創るのは今を生きている人間だけだとすれば、「今を生きる私たちが、思想的自由をどこまで拡大していけるのか」こそが問われることになる。
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