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60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか? 本書はその思索の跡を示す。
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Posted by ブクログ
440 六〇年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決と至った。そして七〇年代が幕を開け、政治の季節は終わった。時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏に察知して...続きを読むいた著者はこの時期何を考えていたのだろうか?本書はその思索の跡を示す。
澁澤龍彦展が、彼が幼少期を過ごした埼玉県の文学館(桶川市)でやっていたので(2023年秋)、見に行きがてら本棚から引き出してカバンに突っ込み電車で読む。 読みどころは、サド裁判の顛末についての回顧調ではないリアルタイムの文章と、タイムリー!!!な「大阪万博への嫌悪」と、三島との最後の日々。 これ...続きを読むは60年代後半から70年代初頭あたりに書かれたエッセイをまとめたもので、空中庭園、ユートピアや幻想文学、バタイユなどファンおなじみのモチーフが登場。ボルヘスとの親和性への言及も見受けられて良い。あとがきにあるが、それらのモチーフへの興味はこのあと薄まるので、後年の著作より熱がこもって、やや難解な書き方にもなっているので、濃縮されたシブサワって感覚。
[ 内容 ] 60年代の後半、全共闘運動はなやかなりしころ、世情は騒然とし、著者が親交をあたためていた作家三島由紀夫は、一見その流れに歩調を合わせるかのように死の予行演習をくり返し、自決へと至った。 そして70年代が幕を開け、政治の季節は終った。 時代に対して超然としながら、なおかつ時代の空気を鋭敏...続きを読むに察知していた著者はこの時期何を考えていたのだろうか? 本書はその思索の跡を示すエッセイ集。 [ 目次 ] バビロンの架空園―失われし庭を求めて ユートピアと千年王国の逆説 ヨーロッパのデカダンス もう一つの世紀末 万博を嫌悪する あるいは「遠人愛」のすすめ 時間の死滅について ミューゼアム・オブ・カタクリズム サドは裁かれたのか サド裁判と60年代の精神分析 魔的なものの復活 A.キルヒャーと遊戯機械の発明 幻想文学について 幻想動物学 メタモフォーシス考 からくりの形而上学 ジョルジュ・バタイユ 比喩としての畸形について 妖怪および悪魔について ヨーロッパの妖怪 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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