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閉塞的な故郷で起きた怪事件。 血脈、正義、そして権力闘争が絡み合う。 小説だからこそ描ききれた、圧倒的人間ドラマ 堂場瞬一、作家としての原点〈汐灘サーガ〉第2弾 地方都市・汐灘の海岸で発見された女性の変死体。県警は散弾銃による自殺と結論づけたが、捜査一課の石神謙は他殺の線で独自捜査を続ける。一方、地元政界は、引退する大物代議士・剱持隆太郎の後継指名を巡り混迷を深めていた。石神と剱持、交わるはずのなかった二人の運命が今、交錯する――。 〈解説〉渡辺祐真
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Posted by ブクログ
「汐灘サーガ」第二弾。 汐灘の海岸で発見された女性の変死体。 県警は、散弾銃による自殺と結論づけるのだが、捜査一課の石神は、所轄の板東とともに捜査する。 女性が妊娠中だったことで、他殺の疑いが濃くなるのだが、上司からは捜査の中止を言い渡される。 圧力がかけられたことにより、一層闘志を燃やして勝手に...続きを読む捜査を続ける。 一方、汐灘1区を選挙区とした代議士の剣持隆太郎は、長男の一郎に受け継がせたいと考えていた。 一郎は、父の後を継ぎ汐灘建設の社長を務めていて、妻の父の豊田もまた建設会社社長であると同時に、隆太郎の後援会の会長でもある。 狭い地方の人間関係は、なにかしらどこかで繋がりがある。 剣持隆太郎と石神の父も友人という以外の繋がりもあった。 汐灘という途轍もなく寒いイメージを抱く土地で、刑事として地道な聞き込みや警察内部の軋轢にもめげずに事件を追う石神と政治的な駆け引きや保守内部の分裂に向き合う剣持隆太郎が最後に対峙するところは凄味があった。 政治には事件がつきものなのか…と。
海岸で発見された女性の変死体からストーリーは展開する。汐灘シリーズは今回も暗いムードだ。政治絡みの小説はドロドロしていて好きだったりするけど、自殺か殺人かという話に絡むとまあ何と、と想像通りの展開となっていく。 シリーズ1作目は20年後の時代に映す人間の生業みたいなところもあったが、今回初めてどっぷ...続きを読むりと昭和で地方ローカル。 結末はやはりそうなのかからの裏切り、策略、抗争、保身などなど。後味の悪さもこの小説の魅了といえばそうだ。断絶というタイトルは断ち切ることのできないものに囚われた人と、断ち切らねばならないと強い思いを持った人たちのせめぎ合いというところか。 シリーズ最終戦に挑む前に少し時間を置きたい気分。
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堂場瞬一
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