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緑と赤
どうして伝わらないのだろう。こんなに近くにいるのに。2013年夏、大学三年生の金田知英は、友人と夏休みに海外旅行へ行くため、パスポートを取得した。自身が在日韓国人であることは知っていたが、「韓国人であること」を意識しないように育てられた知英は、パスポートの色を見て、改めて自分の国籍を意識した。知英の友人でK-POPが大好きな梓、新大久保のカフェで働く韓国人留学生のジュンミン、ヘイトスピーチに憤り抗議活動に目覚める地方在住の良美、日本に帰化をしたのち韓国で学ぶことを選んだ龍平、そして知英。自分は「なにじん」なのか、自分の居場所はどこにあるのか、隣にいる人とわかり合えないのはなぜなのか。ふたつの国で揺れる知英の葛藤と再生を中心に、五人の男女が悩みながらも立ち上がる姿を描く傑作長編。 「馴染まない。生まれて初めて手にするパスポート。赤や紺ではない、濃い緑色。表には、まったく読めないハングル文字。英語で、REPUBLIC OF KOREAとも書かれている。ページを開くと、まぎれもない自分の顔がそこにあった」――(本文より) -
トリックスターズ
名門城翠大学を舞台に繰り広げられる殺人予告ゲーム。時代がかった陰惨な宣告ははたして現実となってしまう。 新入生のぼくは客員教授の青年、佐杏冴奈と出会う。彼は有名人だ。その理由は本物の「魔術師」だから。なぜか気に入られたぼくは、先生の酔狂に巻き込まれてしまう。 こうしてにわか探偵と助手は殺人予告ゲームに参加することに。事件すらも楽しむ先生の享楽的頭脳は冴え渡り、ぼくは振り回され、事件は二転三転、疾風怒濤の展開へとなだれ込む。 あっと驚く結末は、もう一度読み直したくなること必至。極上エンターテインメント! -
オペラ座の怪人
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影……。「オペラ座の怪人」と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そして、その運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは? そして怪人と歌姫の真実とは? 不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行! -
ココロ・ドリップ
そのカフェには、一風変わった飾り棚がある。 ここに並ぶ“贈り物”は誰のものでもないし、誰のものでもある。なにか気に入った物があれば持ち帰ることができるが、条件がひとつだけ。 “贈り物”を受け取った人間は、それと同じくらい価値のある物を、別の誰かへの“贈り物”として、飾り棚に残さなければならない。 このカフェは待合室なのだ。“贈り物”は人との出会いを待ち、人は“贈り物”との出会いを待つ。そしてときには“贈り物”が人と人とを繋ぐ。 香味豊かな一杯の珈琲のように、あなたに幸せなひとときをお届けする物語。 -
T.R.Y.
1911年、上海。服役中の刑務所で暗殺者に命を狙われた日本人詐欺師・伊沢修は、同房の中国人・関(グアン)に助けられる。その夜、伊沢は革命家である関からある計画への協力を要請された。それは、革命のための武器の調達。それも、騙し、奪い取る。そのターゲットは日本陸軍参謀次長――。暗殺者から身を守ることを交換条件としてこの企てに加担した伊沢は、刑務所を抜け出し、執拗な暗殺者の追走を受けつつ、関たちとともに壮大な計画を進めていく。騙し騙されるサスペンスフルなコン・ゲームとスピード感、全選考委員の大絶賛を受けて第19回横溝正史賞を受賞した超大作! -
エキナカには神様がいる
知っているだろうか? 一日に数十万の人が利用している、東京の某ターミナル駅には「神様がいる」という噂がある。その神様はいつも、優しい目で私たちを見守ってくれている。 理不尽な上司の元で激務をこなし、疲労困憊の会社員。金を無心してくる元彼につきまとわれて悩んでいる女性。一人ぼっちでエキナカを寂しげに徘徊する小学生。記憶を失って行き場のない老女……。そんな彼らを、「エキナカの神様」は決して見放さない。 -
ドルフィン・ソングを救え!
時は2019年。 45歳、結婚経験なし、子どもなしのフリーター・トリコが、 人生に絶望して、睡眠薬をまるごとひと瓶飲んで自殺をはかる……。 意識を取り戻した先は、昭和の終わり、バブル期まっただ中の1989年の渋谷。 30年前にタイムスリップしたトリコは、 青春時代に好きだったバンド「ドルフィン・ソング」の解散を阻止すべく、奔走する! トリコはドルフィン・ソング、島本田恋と三沢夢二のふたりを救えるのか?! 時代は彼女に、何をさせようとしているのか? そして、最終的にトリコが行き着く先はいったい、どこなのだろうか? BRUTUSで話題沸騰。 樋口毅宏の連載小説、待望の書籍化! カバーイラストは岡崎京子。 <本書の推薦コメント> 林真理子さん(作家) 「めちゃくちゃの面白さ。私たちの80年代をこんなにもてあそんでいいのか! この天才野郎!」 -
8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら
60万人が涙腺崩壊! 結婚式を3ヶ月後に控えた岡山県の若きカップルを襲ったのは、新婦の原因不明の病。心肺停止、長い昏睡状態。6年をかけて徐々に意識を取り戻した新婦は当初、目の前にいる男性が結婚を約束した相手だと分からなかった…。今、ようやく自らの足で歩けるまでに回復した新婦の奇跡と、その婚約者の回復を信じ、支え続けた新郎の献身的な純愛。8年越しの結婚式には医療スタッフ、見舞い続けた友人達も参列し、新婦は父・母に支えられながらバージンロードを歩き、長かった空白を埋めていく。式場スタッフが撮影した動画がYouTubeで公開されると瞬く間に口コミを呼び、再生回数60万回超。 -
臆病な僕でも勇者になれた七つの教え
『女帝』『特命係長 只野仁』『カラマーゾフの兄弟』など 数々の大ヒットドラマを生み出した人気脚本家、待望の処女作! ワクワクして、勇気がわいて、 しかも涙がこぼれる。 テレビドラマ界の大人気脚本家がはじめて放つ、 最高の冒険ファンタジー小説が誕生。 青い髪に生まれ、「バケモノ」と呼ばれる少年、キラ。 失意のなか、森で出会った老師に導かれ、 どんな願いも叶えるといわれる 「七つのストーン」を集める冒険に出る。 そこで見つけた、勇気のMINAMOTOとは……。 壮大な世界観とともに描かれる、 新しい自分に生まれ変わるための 「心」のつくり方。 「最初の一歩が一番こわいけん。 ほれは見えない橋に踏み出すような勇気がいる。 ほなけんど、踏みしめた足元に橋がかかる。 わかいし(若者)よ、臆病なまま夢をつかめ」 老師はそう告げると、ふっと消えた。 キラは、再び「伝説の聖櫃」をもとめて、 クイチピチュ(虹の峰)に向かって歩き始めた。 (本文より) *目次より 第一の石「赤」 第二の石「オレンジ」 第三の石「黄」 第四の石「緑」 第五の石「青」 第六の石「紺」 第七の石「紫」 老師(ラオシー)の教え -
海難1890
奇跡の実話に基づいた大作映画のノベライズ。 1890年、親善訪日使節団を乗せたトルコの軍艦エルトゥールル号が、和歌山県串本沖で沈没。500名以上犠牲となったが地元住人たちの懸命な救助活動により69名の命が救われ、母国トルコへの帰還を果たす。 時は移って1985年。イラン・イラク戦争に伴いフセインはイラン領空の航空機無差別攻撃を宣言。各国は自国民の救出に動くが日本には手立てがない。多くの在留邦人の身に危機が迫っていた――。 日本・トルコ友好125周年記念合作映画を完全ノベライズ。時を隔てた二つの出来事には、深い絆の物語があった。 -
鏡の迷宮、白い蝶 美波の事件簿5
『水島のじいちゃん』の名代で、西遠寺家の人々と共にかのこの許嫁の別荘へ、猫のケンゾウを連れて向かうことになった藤代修矢。招かれた別荘の隣には有名な万華鏡作家が住んでいた。認知症になってしまったその隣人は、大きなダイヤモンドを所持していたのだが、置き場所のヒントをメモに残していて……(表題作)。周りで起きる奇妙な事件の真相を、『水島のじいちゃん』が華麗に解き明かしていく。修矢・かのこ編二作、美波・直海編二作に、書き下ろし一作を含む、ライトな本格ミステリ短編集。好評《美波の事件簿》シリーズ、前日譚第二弾。/解説=太田忠司 -
特捜部Q―吊された少女―
引退間際の警官からかかってきた一本の電話は、カールたちQのメンバーを十数年前に起きた異常な交通事故の捜査へと導くのだが……。デンマークの人気警察小説、第六弾! -
キング
五輪代表は誰の手に? 衝撃のマラソン・サスペンス! 大学の陸上部で同級生だった三人が、オリンピック男子マラソン代表・最後の一枠選考レースに出場する。三十歳の彼らにとって、おそらくこれは五輪へのラストチャンスだった。日本最高記録を持ちながら故障に泣かされ続け、「ガラスのエース」とも称された天才ランナー・須田は、最高の練習環境に身を置いて復活を賭ける。陸連批判をして表舞台から去り、四年ぶりに走る武藤は「俺が勝つ」と豪語。そして、優勝経験がなく、“勝ち方を知らない”青山の前には、ドーピングを勧める正体不明の男が接触してきた。青山は卑劣な手段を一旦は拒むが……。スポーツ小説の名手が手がけた、ランナーたちの人生を賭した勝負を活写する、ロングセラー『チーム』の原点ともいうべき傑作長編! -
君の色に耳をすまして
芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一の前に、古ぼけたカセットが置かれる。そして、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。 声の色を気にせず話せる彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があって――。 -
もしも紫式部が大企業のOLだったなら
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本一の大企業「内裏商事」。そこに勤めるアラサー・キャリアウーマンの紫式部には、実は長期出社拒否の過去がある。心のライバル清少納言は、同社退職後、OL生活をブログにつづり、一躍人気ブロガーに。そして紀貫之は、社内公用語をギャル語にするため、社内報に『土佐☆にっき』を連載中。平安・百人一首の世界を現代におきかえ、遠い遠い古典の世界をグッと身近にした、抱腹絶倒ならぬ、抱腹勉強のお笑いマンガ・エッセイ。 -
多摩川物語
映画撮影所の小道具係を辞めようかと悩む隆之さん、客の少ない食堂で奮闘する継治さん、月明かりのアパートで母をしのぶ良美さん……。 多摩川の岸辺の街を舞台に繰り広げられる心温まる人生のドラマ。 収録作品は「黒猫のミーコ」「三姉妹」「明滅」「本番スタート!」「台風のあとで」「花丼」「越冬」「月明かりの夜に」の全8篇。 名もなき人びとの輝ける瞬間が胸を打つ、珠玉の連作短篇集。 -
九尾の猫〔新訳版〕
次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。すでに五人の犠牲者が出ているにもかかわらず、その正体は依然としてつかめずにいた。指紋も動機もなく、目撃者も容疑者もまったくいない。〈猫〉が風のように町を通りすぎた後に残るものはただ二つ――死体とその首に巻きついたタッサーシルクの紐だけだった。過去の呪縛に苦しみながらも、エラリイと〈猫〉の頭脳戦が展開される! 待望の新訳版 -
思春期テレパス
学校で話題になった一つの噂。「そのサイトに空メール送ると、友達の“本音”を教えてくれるんだって」 秀才の大地、お調子者の学、そしてさばさば女子の翼は、帰宅部3人組。自然と集まってダラダラ時間を過ごす、心地良い距離感の友達だった。 だけど、夏祭りの夜――。 ふざけて登録した例のサイトから、一通のメールが届く。それは、翼の恋の本音――。 その気持ちを知った時から、彼らの距離は変わっていく。大人でも子供でもない時間、思春期というネバーランドは、もう彼らを待ってはくれないのだ。苦くて切なくて、でも温かい、高校生達の青春物語。 -
水の葬送
シェトランド諸島の地方検察官ローナは、鎧張りの船にのせられ外海へ出ようとしていた他殺死体の第一発見者となる。被害者は地元出身の若い新聞記者で、島にある石油ターミナルがらみの取材を兼ねて帰省したらしい。新任の女性警部リーヴズがサンディ刑事たちとはじめた捜査に、病気休暇中のペレス警部もくわわるものの、本調子にはほど遠い。複雑な人間関係とエネルギー産業問題がかかわる難事件の解決には、ペレスの観察眼と推理力が不可欠なのだが――。〈シェトランド四重奏〉を経て、クリーヴスが到達した現代英国本格ミステリの新たな高み。CWA最優秀長篇賞受賞シリーズ。 -
マンガで読む絶望名人カフカの人生論
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰より前に進もうとしなかったカフカ。その“絶望”を編み、幅広い世代からの共感を集めた『絶望名人カフカの人生論』を、誰よりもブッ飛んだ作風で知られるマンガ家/イラストレーターの平松昭子がコミカライズ。あきれながら共感し、笑いながら泣けるマンガ! 原作『絶望名人カフカの人生論』、シリーズ第2弾『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』も大好評配信中! -
家畜人ヤプー
ある夏の午後、ドイツに留学中の瀬部麟一郎と恋人クララの前に突如、奇妙な円盤艇が現れた。中にはポーリーンと名乗る美しき白人女性が一人。二千年後の世界から来たという彼女が語る未来では、日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされているというのだが……。 -
天体少年。
天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出逢い続ける。約束された出逢いの、避けられない別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。 -
さよなら、シリアルキラー
ぼくには連続殺人犯の血が流れている。ぼくには殺人者の心がわかる――ジャズは高校三年生。田舎町ロボズ・ノッドではちょっとした有名人だ。ある日町で衝撃的な事件が起きた。指を切りとられた女性の死体が発見されたのだ。連続殺人だとジャズは訴えたが、保安官はとりあわない。だが事件はそれだけでは終わらなかった。なぜジャズには確信があったのか。それは彼が21世紀最悪といわれる連続殺人犯の息子で、幼い頃から殺人鬼としての英才教育を受けてきたからだった。親友を大切に思い、恋人を愛するジャズは、内なる怪物に苦悩しつつも、自らの手で犯人を捕まえようとする。全米で評判の異色の青春ミステリ。
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