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十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影……。「オペラ座の怪人」と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか? オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そして、その運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは? そして怪人と歌姫の真実とは? 不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行!
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Posted by ブクログ
2時間21分を続けて5回観るくらい面白かった最高の映画だったが、横恋慕男の大癇癪がこんなに耽美で面白いものかと衝撃を受けた。
「美しい芸術を永遠に追求する孤独」と「愛する人の家族として生きる団欒」のどちらを選ぶか?を描いている本作で、主人公のクリスティーヌは私達であり、私達はクリスティーヌであった。
仕事と出産、趣味と恋人。
クリスティーヌが迫られている選択は私達が日頃常に迫られている選択であり、クリスティーヌの迷いは私達の迷いであった。
クリスティーヌが 芸術を選ぶか/愛を選ぶか? 才能を選ぶか/凡庸を選ぶか? を見ることを通して、私達はもう一度自分自身の選択を思い出していく。
比喩的に「怪人=芸術、ラウル=愛」で表現している作品であった。
クリスティーヌを脅しながら音楽と孤独を与えた怪人
クリスティーヌに寄り添い自由と安心を与えたラウル
どちらが"クリスティーヌ"を愛しているかは明らかであったが、同時に、どちらがより"クリスティーヌの才能"を輝かせられるかもまた明らかであった。
だからこそクリスティーヌは迷っていた。
怪人とラウルには人間性の差が大いにあり、後から考えるともはや迷う余地などないと思われるのだが、クリスティーヌは劇中、何度も迷う。
「私と分かち合って たったひとつの愛 たった一度の人生を」
何と人生を分かち合うか。これは作品のテーマであると思う。
芸術や才能を諦めきれずに何度も葛藤するクリスティーヌは本当に等身大に感じる。他人事には感じられない悩みであり、だからこそ自分の気持ちを押し付けて彼女の話を聞こうともしない怪人ではなく、彼女の不安も葛藤も全て受け止めて抱きしめてくれたラウルを選ぶのは至極真っ当であると思う。
オペラ座の地下に何年も住みつき、どれだけの芸術や、数えきれないほどの愛の物語に触れてきてもなお、自身の中にある愛を正しく表現できなかったことに対して、怪人に哀れみを覚える。
ただ、個人的には、クリスティーヌは怪人とラウルのどちらを選んだとしても、それなりに幸せになったのではないかと思う。
そもそもどちらを選んでも、本来正解であるはずなのである。
それは私達が才能の道と愛の道、どちらを選んだとしても正解であるのと同じように。
怪人のキモさがなければ本作はもっと難しく、あるいは終焉しない物語になっていただろう。
Posted by ブクログ
不朽の名作というのがどの程度のものなのかと思いながら読んでみるも面白い。
最初こそ登場人物の多さに読みにくさを感じたもののそれを乗り越えれば不可解な出来事の種明かしが待ち遠しくて仕方がなかった。
しかしながら読んでいる最中に、どうせファンタジーなオチなんでしょという疑念も消えなかったのだけれど、読み終わってみればしっかりとある程度納得感のある話が展開されて謎のお得感があった。
昔の小説ならではなのか独特な言い回し、今ではしないだろうという台詞の表記の仕方もあったが、今読むとそれが個性に感じられるから面白い。
現代の小説と一番違いを感じたのは読者に対する読みやすさへの配慮かもしれない。海外の小説だからかもしれないけども。
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