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高名な科学者スタンガルソン教授と、令嬢マティルドの住むグランディエ城の離れの一室で事件は起こった。内側から鍵をかけられた完全な密室、《黄色い部屋》から聞こえた助けを求める女性の悲鳴。ドアを壊して入った者たちの見たものは、血の海のなかに倒れたマティルドの姿だった。襲撃者はどこに消えたのか? そしてさらに続く怪事件。その謎に挑んだのは、18歳の新聞記者ルルタビーユだった。パリ警視庁の名警部ラルサンと謎解きを競い合いつつたどり着く奇怪な事件の真相は? 密室ミステリの名品として、ミステリファン必読の古典となった傑作。/解説=戸川安宣
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Posted by ブクログ
『十角館』フェアのアガサ→ポウ→カー→エラリイ→ヴァンに続いて、6人目「ルルウ」こと、ガストン・ルルー初読み。
『オペラ座の怪人』で有名なガストン・ルルー。
移動手段は馬車の時代。1908年と年代が古いので読みにくいかと心配だったけど、さすが新訳版!読みやすくスラスラ読める。
内側から施錠された完全な密室で令嬢が襲われた。犯人は一体どこに消えたのか…
謎に挑むのは、弱冠18歳の新聞記者ルルタビーユとパリ警視庁警部ラルサン。
犯人がわかってもなかなか明かさずに、かなり焦らされる。
でも全てがわかった時に、密室トリックの謎と、なぜ焦らされたのかに「なるほど〜!」とすごい納得できた。
キーワードのような伏線回収も面白かった。
・古典が好き
・空間が狭ければ狭いほど好き
・心理的要素が絡んでいるのが好き
という自分の好みにピッタリだった。
最後まで読んで、もう一度最初からザーッと読んでしまったくらい面白かった。
何度も読みたいのでこの本は購入しよう(^o^)
(※私の好みはだいぶ偏ってるのでオススメはしません)
解説によると、この作品は密室を扱った最古典の長編ミステリとのこと。
この時代にもうこんなに完璧な密室殺人の小説が出来上がっていたとは。
ディクスン・カー『三つの棺』の密室講義の中でもフェル博士が史上最高だと言ってたな。
作中で『モルグ街の殺人』と『まだらの紐』のがっつりネタバレしてた。
この作品を読む人は当然読んでいるから問題ないんだろうけど、私も先に2作品を読んでて良かった。
そして、続編を匂わす言葉を残して終わったと思ったら、この作品には『黒衣婦人の香り』という続編があるとのこと。でも新訳版が出てない(;_;)
『十角館』フェアも残すは1人だけ!
「オルツィ」ことバロネス・オルツィ。
オルツィは作品数が少なくて、『紅はこべ』か『隅の老人』のほぼ2択。
2択はさすがに選択肢少なすぎる。。。(T_T)
『紅はこべ』は歴史小説で無理だし、『隅の老人』は新訳版が出てないので読みづらそう…。
でも綾辻さんが選んだ7人だから、きっとオルツィも読んだら何か感じるんだろうな。
いつかオルツィにもチャレンジしよう(*´∀`)
『十角館の殺人』を読んだ時には、アガサしかよくわからなくて、ルルウは男性か女性かすらわからなかった。
そのルルウがこんなに面白かったとは!
読んでみて良かった。嬉しい驚きだった。
★10
Posted by ブクログ
むむ、黄色い部屋だと。なぜ黄色…。落ち着かないやろなあ。居心地の悪さでは徹子の部屋と双璧であろう。
さておき、最古典の密室ミステリーだそうで。
まあ、スゴかったですよ。
とにかく神作品を作るぞって気概をガストンルルーから感じました、そうビンビンにな!
なにせストーリーテリングが上手い、推理小説以前に読み物としてのレベルの高さが尋常じゃないです。
謎をもったいぶって、値打ちこいて、まあ自らガンガンハードル上げていくタイプのルルーさん。最後の法廷のシーンでのテンションはこっちが心配になるほどに期待感を高めてきます。
基本、主観は助手役の弁護士視点なんですが、探偵さんが書いた書簡を引用して探偵目線でのシーンを作ってみたりと、随所にテクニックを見せつけてくるルルーさん。さすがです。
で、肝心のトリックやオチですが…、これは漫画です。誰やねんです。
しゃーない100年以上前の作品ですからね。
続編読めば分かるのかな。
まあ差し引いてもとんでもない小説かなと。
以上、100年前の約束された神作、黄色い部屋の謎の感想でした。しかし、なぜ黄色…。
Posted by ブクログ
ルルー氏はあの有名な「オペラ座の怪人」を書いた作者であると言う事で御座いますが、年代的には「黄色い部屋の謎」の方がどうやら先に書かれた作品の様であります。
こちらは早川書房様からも「黄色い部屋の秘密」として発売されており、散々悩んで私は創元推理文庫の方をを購入。
勿論ハヤカワ文庫も数多く所有致しておりますが、如何せん合うカバーがないのがデメリット。
ただ私は大好きな水色のA4カラーコピー用紙を文房具店で購入し、それをカバー代わりに使っておりますので、まあ問題ないと言えばないのでありますが(笑)。
では、あらすじを。
勲章を授与されるほど有名な科学者であるスタンガルソン教授と、その令嬢マティルド。
二人が住む森の外れにあるグランディエ城には父親の仕事用の実験室があり、其処でアカデミーに発表する研究を続けながら娘も助手として父親を支えていた。
この日の夜も父親と娘、そして昔から一家に使えている老人ジャックは三人で実験室にいたが、先に休むと言い残して娘はすぐ隣にある寝室へ入って行った。
しかし、暫くして突然娘の悲鳴が聞こえて来る。
慌てて父親とジャックがドアをぶち破ると、其処には寝間着姿の娘が瀕死の重傷を負い、血の海の中に倒れていた。
窓もドアも鍵が掛けられていたその「黄色い部屋」と呼ばれる密室には、娘の姿しか見当たらない。
一体、襲撃者は何処へ消えたと言うのか?
この事件の謎に挑んだのは若き新聞記者、18歳の青年ルルタビーユ。
パリ警視庁の名警部ラルサンと謎解き合戦を繰り広げながら、父親、ジャック、娘の婚約者、城の門番夫婦等、何か隠し事がありそうな関係者達を次々と問い詰めつつ、徐々に事件の真相に迫って行く。
果たして、どちらが先に犯人を突き止めるのか?
密室で娘を撃ち、其処から見事に消え失せた人物とは?
残念ながら私は「オペラ座の怪人」は未読でありまして、こちらの「黄色い部屋の謎」も100年以上も前に書かれた作品で御座います故、果たして世界観に馴染めるかと正直不安ではあったのですが。
そんな心配は、全くもって無駄で御座いました!
物語の初っ端から世間がこの「黄色い部屋の事件」で盛り上がっている様子が書かれており、娘の容態や父親の崩れ落ちるような心神喪失ぶりも共感出来る所があって、あっと言う間に物語に引き込まれて行きました。
探偵役のルルタビーユが18歳の若さである事に驚いたのですが、彼は真っ赤で真ん丸の福顔で人当たりが良く、どんな荒んだ人間も魅了する気のいい男だそうで御座います。
いや~、様々な証拠や登場人物達の聞き込みにより事件は二転三転して行く訳なんですけれども、どの人物も何となく怪し過ぎて読みながら大分振り回されました(笑)。
ルルタビーユは持ち前の頭の回転の良さで、周りがちょっとイラっとしてしまう程「自分だけは分かっている感」を出したりもするのですが。
最後、犯人が分かった時は「えーっ?そんなのアリ?」と、ちょっと吹き出しそうになりました(笑)。
まあ…思い返せば所々おかしな行動を取っていたと言えば取っていたのですが、逆にそう言う行動を取る事も…ある、か…なぁ…?と勝手に自分を納得させてしまっていたので、やっぱり其処で疑うべきでした(笑)。
ラストの展開は、まだこの物語には続きがありそうな雰囲気を醸し出しており、実際続編が出ているようなのですが、恐らく絶版になっているのではないかと思われます。
東京創元社の皆様!!!是非とも続編の再販を!!!!!
Posted by ブクログ
ホームズとおおよそ同時代の1907年に発表されたフランス古典ミステリ。
舞台はフランスの田舎、物理学科学者のスタンガルソン教授とその娘マティルドの住むグランディエ城。窓も扉も内側から完全に施錠された密室「黄色い部屋」の中でマティルド嬢が何者かに襲われる。犯人の行方は不明。実行不可能と思われる事件の謎を、18歳の新聞記者ルルタビーユとパリ警視庁警部ラルサンが追う。
密室トリックの謎解き自体はまあ当時だとそういうことも可能だったんだろうという感じだけど、ハウダニットで引っ張る推進力がありワクワクする。各登場人物の人間模様が豊かで魅力的。勝手なイメージだけど、何となくフランスっぽい感じがする。本作中でたびたび "匂わせ" のある「黒衣婦人の香り」は続編『黒衣婦人の香り』で。いつかこちらも読んでおきたい。
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