作品一覧

  • 太陽を掘り起こせ
    3.8
    1巻2,090円 (税込)
    ある日、世界から太陽が消えた。芳枝は一人息子の健太郎を失い、暗い家に閉じこもっていた。だが、その扉を叩く見知らぬ男の子があらわれる。その子は太陽を探しに行くのだという――。「あなたは、だれなの?」闇の中で子どもが大人を導いていく。物語の本源に迫る重層的な語りの構造が、闇の底に驚くべき結末を準備する。代表作『あん』が23言語で翻訳され、世界のリテラシーエージェントが注目するドリアン助川の希望の書。
  • 動物哲学物語 確かなリスの不確かさ
    4.0
    1巻1,804円 (税込)
    どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。衰弱した弟との「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。暗闇から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。日本・南米の生き物たちが見た「世界」とは? 映画化された世界的ベストセラー『あん』著者による構想50年の渾身作は、動物の生態に哲学のひとさじを加えた21のストーリー。スピノザから老子まで哲学の入門書よりやさしく学べて、明日を「生きる」意味が見えてくる。
  • 寂しさから290円儲ける方法
    値引きあり
    3.7
    1巻792円 (税込)
    「なにかお困りの方、メールをください――」 悩みを抱える人のもとに出かけていって、おたすけ料理をこしらえて解決へと導く謎の男“麦わらさん”。相談料はたったの290円。男の目的は? 金額にはどんな意味があるのか? 優しくて可笑しくて、少し哲学が入った11篇の連作短編小説。
  • こえていける
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    生活の中ではさまざま壁(ハードル)があらわれます。そんな壁を目の前にするとくじけてしまいそうなときもあります。でもそれは乗り越えられるものなのかもしれません。生活の中のいろいろなエピソードから、どうしたら壁を乗り越えられるのかを考えます。
  • 新宿の猫
    3.8
    1巻792円 (税込)
    何をやってもうまくいかない「ボク」は、明日が見えない闇のなかでもがいていた。そんなある夜、ぶらりと立ち寄った小さな飲食店で、さまざまな猫の特徴がしるされた一枚の紙に心をうばわれる。それは店で料理をつくる夢ちゃんが描いた「猫の家族図」だった。行き場を失った猫に寄りそう彼女は、「ボク」に猫と自分の秘密を打ち明け、ふたりは大切な約束をする――。夜の底からあふれだす優しさ、胸に灯る温かないのちの物語。
  • 線量計と奥の細道
    3.8
    東日本大震災の翌年。著者は放射線量計を携え、芭蕉の『奥の細道』全行程約二千キロを辿る旅に出た。折り畳み自転車を漕いで行き、時には列車や車も利用。津波被害や放射性物質汚染を被った地域では、無言の奮闘を続ける人々に出会う。三百年前の俳諧紀行に思いを馳せつつ、放射線量を測って進む旅。被曝に怯えと逡巡や葛藤を抱きながら、“生きる”を考えた魂の記録。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。
  • 星の降る町 六甲山の奇跡
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    孤独な少年と、行き詰まった洋菓子店の老職人が過ごす不思議な一夜。流星が降る時、二人が見た人生の哀しみと希望の真実。1970年代の神戸・芦屋を舞台に、心傷ついた人々がそれでも生きる意味を見つける一夜の物語。
  • ジョンを背負って7000メートル
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    12月9日。構成作家のボクは、ジョン・レノン追悼番組で使った彼の巨大な写真パネルを、たった一人で六本木から新宿ゴールデン街の店まで約7キロも歩いて運ぶことにした。 他、『ナッツ』『プリズムの記憶』の二編を収録。 ※本書は『世界の果てに生まれる光』(角川書店 2007年刊行)を改題し電子書籍化したものです。
  • 食べる 七通の手紙 <電子版>
    -
    1巻1,100円 (税込)
    ドリアン助川、 作家デビュー最初期の傑作! 宮沢賢治、川崎のぼる、ポル・ポト、兼高かおる、青島幸男、ダーウィン、「茅ヶ崎の和製ギンズバーグ」……七人の人物に宛てた手紙型エッセイ集。 人間・ドリアン助川のそれまでの集大成にして、その後の活動の萌芽を感じさせる視点に溢れた名エッセイ、電子書籍で復刊。 電子書籍化にあたり、「若書き」を振り返るあとがき(書き下ろし)を収録。 (初版:1996年三修社刊) 目次 イーハトーブの孤高 宮沢賢治様 《ウニ》 偉大なる漫画家 川崎のぼる様 《トンカツ》 大虐殺者 ポル・ポト様 《塩》 旅のプリマドンナ 兼高かおる様 《機内食》 東京都知事 青島幸雄様 《沙魚(はぜ)》 進化論学者 チャールズ・ダーウィン様 《バナナ》 親愛なる茅ヶ崎の詩人 和製ギンズバーグ様 《黒鯛》 あとがき
  • 夕焼けポスト
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    日没寸前の川沿いに、不思議なポストがあらわれる。それはあらゆる人間の願いや苦しみを受け止めるポストだった――。ポストの管理人である「私」は悩みを寄せる人々に返事の手紙を書き続ける、まるでなにかの贖罪のように。励ます側である「私」こそ、じつは出口のない苦悩にあえぐ傷だらけの人間だったのだ――。ぎりぎりからの反転、呆然とする耀き。様々な境遇にいる人たちの手紙によって織りなされるこの物語は、世界12言語に翻訳され感動を呼んだ『あん』の著者のもうひとつの原点である。
  • 湾岸線に陽は昇る
    -
    1巻660円 (税込)
    僕が僕であることを見つけるために、ずいぶん遠回りをしてきた。演劇への夢破れ、無為の日々を過ごした青春時代。やがて一念発起、放送作家になって、がしがし働いた。アマゾンへ、インドへ、東欧へ、カンボジアへ……地球の果てまで歩きまわった放浪と再生の日々。〈絶叫詩人〉ドリアン助川の魂の叫びを聴け! 挫折、放浪、再生……ガムシャラに走ってきた「金髪先生」の青春記。僕が僕であること、君が君であること……骨に響くメッセージ!
  • みんなに やさしく
    3.0
    1巻1,760円 (税込)
    タニーシャという女の子が、新しい服にグレープジュースをぶちまけてしまいました。一人のクラスメートは、タニーシャの心がきずつきませんようにと願い、そんなときママがいつも言う「みんなにやさしくしてあげるのよ」という言葉を思い出したのです。 でも、やさしくするって、どういうことなんでしょう。 転校してきた子に「いっしょに遊ぼう」と声をかけることから、いじめられている子のために立ち上がることまで、クラスメートは「やさしく」についていろいろと考えます。「やさしく」とはなにか、どんなふうにすれば「やさしく」がつたわるのか、どうふるまえば一人の友だちを助けてあげられるのか、この本には、じーんとくる上に、あなたがいっしょに深く考えることができるお話が書かれています。
  • 水辺のブッダ
    3.3
    1巻1,584円 (税込)
    ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。 多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。 そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。 そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。 誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。 世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。 河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品)
  • 新宿の猫
    4.1
    1巻1,650円 (税込)
    構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。そんなある夜、ぶらりと入った新宿の小さな居酒屋で、野良猫をかわいがる「夢ちゃん」という女性店員に出会う。客には不愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」はしだいに惹かれていく。ふたりは猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが――。生きづらさを抱えた命が伝え合う、名もなき星のような物語。
  • バカボンのパパと読む「老子」
    3.5
    1~2巻660~704円 (税込)
    あっ、わしと似ているのだ!! 「バカボンのパパ語訳」による老子本、待望の文庫化! 今、日本はとんでもない問題を数多く抱えている。そんななか、老子の「無為自然」の考えがきっと役に立つはず。生きるということは自然の摂理とともにあるということ。そこから始めるしかないのだ。しかし、漢字だらけの老子の文章を読み解くのは難しい。そんなときにあらわれたのが、「バカボンのパパ」だった――。とっつきにくい漢文をわかりやすく解説する、「バカボンのパパ語訳」による老子本の登場。これでいいのだ。 老子の全81章を ・原文と読み下し文 ・日本語訳 ・バカボンのパパ語訳 で読み解く。 「バカボンのパパ」による超訳を試みた画期的な老子本の登場。 バカボン一家のみんなも紙面で活躍! 「わしと一緒に『老子』を読むのだ」
  • あなたという国―ニューヨーク・サン・ソウル―
    3.6
    1巻1,320円 (税込)
    孤独の街(ニューヨーク)で、二人は出逢った。ミュージシャンとして成功を夢見る拓人と、脚本家となり夢の物語を紡ごうとするユナ。互いの心の隙間を埋め合った二人は、日本人と韓国人の障壁も乗り越え世界を共有していく。だが拓人の道が開けかけた時、運命の日が訪れた――9・11を体験した作家が描く、心がちぎれるほど切ないラブストーリー。
  • 坂道-Les Pentes-
    -
    1巻1,100円 (税込)
    0歳、気付けばボクは生まれていた―。 元「叫ぶ詩人の会」のリーダーであり、小説「あん」がロングセラーとなっているドリアン助川が自らヨーロッパの坂道や街角を切り取った写真と、ある画家の一生を描いた長編詩をミックスしてお送りする最新話題作。

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  • 多摩川物語
    4.0
    1巻660円 (税込)
    映画撮影所の小道具係を辞めようかと悩む隆之さん、客の少ない食堂で奮闘する継治さん、月明かりのアパートで母をしのぶ良美さん……。 多摩川の岸辺の街を舞台に繰り広げられる心温まる人生のドラマ。 収録作品は「黒猫のミーコ」「三姉妹」「明滅」「本番スタート!」「台風のあとで」「花丼」「越冬」「月明かりの夜に」の全8篇。 名もなき人びとの輝ける瞬間が胸を打つ、珠玉の連作短篇集。
  • ピンザの島
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    斡旋屋に島の水道工事のアルバイトとして送り込まれた若者が、島のヤギから搾乳しチーズを作るという、無謀な夢にとりつかれる。 湿気の多い南国でチーズを熟成させることの難しさ、島の複雑な人間関係と恐るべきタブー…… すべてを乗り越え「至高のチーズ」はできるのか? ミステリアスに鼓動する小さな島を舞台に、生きることの圧倒的な奥行きが浮かび上がらせる傑作長編小説!
  • あん
    4.3
    1巻1,650円 (税込)
    誰にも生まれてきた意味がある。 どら焼き店の軒先から始まる、限りなく優しい魂の物語 線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。 千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。 徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。 偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始める――。 生命の不思議な美しさに息をのむラストシーン、いつまでも胸を去らない魂の物語。
  • 新宿の猫

    Posted by ブクログ

    一時暮らしていたことで好きになった新宿が舞台の作品を本屋で見つけて読んでみた。

    読んで良かった。見つけられて良かった。

    途中に出てくる詩が自分にはぐっと刺さるものがあった。それは小説の構成も影響してかもしれないけれど、細かい細工が終始成されていてあっぱれと言いたくなる作品だった。

    宝物にしたいような作品。

    0
    2024年11月13日
  • あん

    Posted by ブクログ

    どら焼き店「どら春」での出会い。
    誰にも生まれてきた意味がある。
    優しい気持ちにさせてくれる物語でした。

    0
    2024年08月12日
  • 動物哲学物語 確かなリスの不確かさ

    Posted by ブクログ

    短いお話の集まりだったので、どれから読んでも良いとは思ったけど、何となく初めから読んでしまった。
    初めの何話かは、読み終えるたび心の奥底が痛んだ。中頃からは「これはオスの発想で記されたモノ」と感じて「なるほど、やはり」と思いながら読み終えた。
    読み終えて、心が穏やかな気持ちになった。
    多分、長く生きて、何時かは分からないけど、まもなく私の命が終わるのを私自身が感じているからだろう。

    0
    2024年04月08日
  • あん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あんの作り方の奥深さを少しだけ知って感動した
    またハンセン病について全く知らなかったので、この本を読んで知ることができてよかった
    この本を読み終わってどら焼きを食べたくなった

    0
    2024年03月27日
  • 多摩川物語

    Posted by ブクログ

    多摩川の岸辺の街を舞台にした8つの連作短篇集。

    どれも優しさが隠れている。
    ほろっとさせる場面もあって、心に染みてくる。
    読みやすくて短篇なのに内容も熱くてドラマ1本観たようだった。

    ○黒猫のミーコ〜無人販売所を出す雅代さんに寄り添う黒猫ミーコ。

    ○三姉妹〜古書店で働く洋平が気になるのは、料理を作る匂いなのか三姉妹なのか。

    ○明滅〜克之とマル君の友情

    ○本番スタート!〜隆之の裏方仕事・小道具は主人公でもある。

    ○台風のあとで〜雅之がホームレスから貰ったものは知恵。

    ○花丼〜「大幸運食堂」の継春さんが助けた看板屋が書いた看板は。

    ○越冬〜父子家庭と母子家庭の出会いと将来。

    ○月

    0
    2024年03月10日

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