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構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。そんなある夜、ぶらりと入った新宿の小さな居酒屋で、野良猫をかわいがる「夢ちゃん」という女性店員に出会う。客には不愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」はしだいに惹かれていく。ふたりは猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが――。生きづらさを抱えた命が伝え合う、名もなき星のような物語。
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Posted by ブクログ
新宿ゴールデン街を舞台にした奇跡。 色弱ゆえ希望の就職活動が出来なかった山ちゃんは、テレビ界の構成作家を師と仰ぐ。たくさんの視聴者を喜ばせるために奮闘するも空回り。生活に疲れた時、ふと立ち寄ったゴールデン街の小さな飲み屋で夢ちゃんと出逢う。何やら訳ありの夢ちゃんに次第に惹かれていくが、やっぱり訳あり...続きを読むで思うようにいかないところが、まるで猫のようだ。 飲み屋に集う面々が皆個性的で、自分もカウンターで飲んでいるような錯覚を覚える。 結末は・・・「あん」や「カラスのジョンソン」と同様、ちょっと悲しい。
何と生々しくかつ温かい描写なのだろうと思ったら、半分自伝の小説だそう。 人生におけるままならなさ、自分を貫こうと奮い立つ日、上手くいかない苦しさ、それをいなす日々、その日々の中でみつける楽しさも、時折来るどうしようも無く辛い出来事も、辛さが薄れていく年月も、全てが丁度良い温度で綴られている。 仰...続きを読む々しいかもしれないけれど、この小説は人間讃歌、とさえ言いたい。
もう「叫ぶ詩人の会」の歌を聞いて以来,ドリアンのファンになってしまったので,評価は付けられない(5以外にない(^^;;)。 さて本書について… 新宿に住む十数匹の野良猫を題材にして小説が書けることが面白い。主人公の山ちゃんという男性(ボク)。小さな焼き鳥屋の店員の夢ちゃんという女性。その焼き鳥...続きを読む屋に集まる常連は,なかなかクセのあるメンバーだ。 小説の常で,内容についてちょっとでも紹介すると,読むときのドキドキさがなくなる。だから,これ以上は書かない。 ただ,いろんな創作や文学や芸術は,一般大衆の大多数を相手にするのではなく,目の前にいる一人に向けて行うものではないか…という作者の訴えには,納得する。 この小説も,1人に向けて書かれたもの。その1人は,わたしであり,あなたである。そして,このレビューも,今,これを読んでいるあなたに向けて書こうと思って書いているのである。
構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。 そんなある夜、何となく立ち寄った新宿ゴールデン街にある花梨花という小さな居酒屋で、野良猫を可愛がる夢ちゃんという女性店員と出逢う。客には無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」は惹かれてゆく。 2人は次第に距離を縮め、猫につ...続きを読むいての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが…。 読んでいる最中に、これはもしかしたら、程度は分からないけれど作者の実体験も入っているのかな?と思った。というのも、夢ちゃんは詩作が趣味で、その夢ちゃんに影響されて主人公も詩を書き始めるくだりがあって、2人が書いた詩も作中に登場するから(作者は詩人でもある)。 新宿ゴールデン街にある小さな居酒屋の描写も妙にリアリティがあって、いかにも実在しそうな雰囲気。 読み終えた後にある一部分がノンフィクションであることが明かされて、やっぱり、と納得した。 「ボク」は色弱というコンプレックスを、夢ちゃんは生い立ちの壮絶さと斜視気味であるというコンプレックスを抱えていて、生きる上でのハンディを感じた経験から生きづらさを抱えながらもどうにか生活を立てていた。 そんな2人だからこそ、多く言葉を交わさなくても分かり合える部分があったし、惹かれ合ったのだと思う。 それが実を結ばないとしても、ずっと心の中に在って忘れることはない相手というのは実際にもいる。同じ世界の中で幸せでいてくれることを心から願える相手。 ドリアン助川さんの小説には生きづらさを抱える人が多く登場する。読んでいて共感する部分もあるし、うまく立ち回れない登場人物に胸苦しくなることもある。 だけどいつも優しい。他人から見れば幸福な人生には見えないかもしれないけれど、それぞれ幸せなかたちを見つけて生きていく人たちの姿が描写されているから。 読み終えた後はじーんと温かい気持ちになる。 この小説もそうだった。すぐ側にいそうな平凡な人たちのひっそりとした人生ドラマが、丁寧に綴られていた(ちなみに猫の描写もとても丁寧だった)。 「ボク」と夢ちゃんの、お互いを守り大事に思う気持ちが眩しく、そして切ない物語だった。
あっというまに読んだ。 目。瞳。 みんな違う色だし、みんな違うものが見える。 でもそこがすてきなところ。 そして最後の注釈がまたいい。
1962年生まれ、ドリアン助川さん、初読みです。「新宿の猫」、2019.1発行。新宿ゴールデン街が栄えた時代、斜視の夢ちゃん22歳が働いている「花梨花」という居酒屋を舞台にした物語。猫たちは自分の家族として、17匹の猫の家族図を冷蔵庫に貼り、廃墟となったホテルの一室で猫たちを世話し続ける夢ちゃん。そ...続きを読むんな夢ちゃんに魅かれる構成作家で色弱の山ちゃん。「猫たちに幸せあれ」、そんな気持ちがこみあげてくる作品です。
お互いの気持ちを最後に詩として表現しているところが、読んでいて一番ホッとした場面だった。 別々の道に別れてしまったけど、再び会うことができ本当に良かったと思えた一冊だった。
売れない構成作家の卵と過去に傷を持つ女性の淡い恋の物語。 バブル期の新宿ゴールデン街にたたずむ居酒屋・花梨花。 山崎は色弱で、希望した就職ができず、有名構成作家の元で仕事を始めたが、大勢の人に向けたメッセージを生み出すことに喘いでいた。 花梨花にふらりと入った山崎は、店員の夢ちゃんと出会う。 ...続きを読む 夢ちゃんは斜視があり、不思議な雰囲気を持つ女性で、猫好きでもあった。 その店では、店の窓に現れる猫を予想して賭けをする「猫じゃん」をしていて、夢ちゃんお手製の「猫の家族図」が張ってあった。 次第に夢ちゃんに惹かれていく山崎は、ある日、夢ちゃんの悩みを聞くことになったが、2人の間は突然引き裂かれてしまう。 時代は流れ、2人は再会する。 ドリアンさんが描く雰囲気が好きです。
新宿ゴールデン街。ちょっと怖くて胡散臭いけれどちょっと憧れます。 かつての捻じれた若者達が大人になった今、昔どうしてそうなったのか分からない事だらけで、どの扉を開ければ未来につながっているのか全然分からなくて、悶えていた時の気持ちは今も残っているでしょうか。 たくさんの猫がひょっこり顔を出す居酒屋。...続きを読む店員の女の子の書いた猫の家族図。猥雑でどこか暖かな人々。色弱というハンデを背負って夢であった映像の道を絶たれ、いつも背中を丸めてもがいているような主人公。初速は遅いけれど読んでいるうちに心に加速がついて、心が次々追い抜かしていく風景はかつて自分が見た風景だったような気がしました。 昔が懐かしく、過ぎ去った時間が戻らない事が悔やまれるように、今の時間も同じように戻れない愛おしい時間だと感じさせてくれる本です。 ドリアンさんの視点は優しい。 また信頼できる作家を一人発見。
新宿ゴールデン街。 夢ちゃんと「猫の家族図」 「金のあじさいと銀のあじさい」のエピソードがとても悲しい 猫しか信じられなかった…
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新宿の猫
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ドリアン助川
四宮義俊
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