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誰にも生まれてきた意味がある。 どら焼き店の軒先から始まる、限りなく優しい魂の物語 線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。 千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。 徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。 偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始める――。 生命の不思議な美しさに息をのむラストシーン、いつまでも胸を去らない魂の物語。
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Posted by ブクログ
ハンセン病の老婆と務所帰りの男との物語。
刑期を終え出所した千太郎は、お世話になった先代のどら焼き屋「どら春」で働き、オーナーである先代の奥さんに借金を返す毎日。
とりたてて旨くもなく、まずくもない中国産のあんを使ったどら焼き屋から逃げ出したいと考えていた千太郎に、声をかけてきた老婆。
指が曲がり、体の不自由さを感じさせる老婆は吉井徳江と名乗り、どら春で働かせてほしいという。しかもあんを作って50年という。
アルバイトとして働くようになった徳江の作るあんは絶品で客足も伸びる。
しかし徳江がハンセン病患者の隔離施設だった天生園から来ていることが噂になり、客足が落ち、オーナーにも首を切るように言われる。
徳江の作り出すあんに希望を抱いていた千太郎は、店を持ち直そうと奮闘する。
生きる希望を強制的に剥奪された徳江と、犯罪に手を染めて社会不適合者になっていた千太郎との対比が、差別や人の生き方という視点で語られている。
生きる意味を見出してくれる作品。
Posted by ブクログ
出だしからとても引き込まれる作品。
自分の人生に何の希望も持てない男。
後悔と諦めの中で日々をやり過ごす中、
現れたなぞの老女との出会いが
そっと男の世界に灯りを灯し始める。
映画化されているようで、
キャストを見たら、あー、なるほど!と思わせる配役だった。
男と老女の手紙のやり取りの場面に涙。
人生の先輩、和菓子作りの師匠、
そして時には母親のように。
あたたかな励ましが沁みた。
社会の中で役立つ人でありたい。
じゃあ役に立たない人は生きる意味はないのか。
生きていたらいけないのか?
この本の中で、老女はそんなテーマについても自分らしく語っている。
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小説・文芸
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