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誰にも生まれてきた意味がある。 どら焼き店の軒先から始まる、限りなく優しい魂の物語 線路沿いから一本路地を抜けたところにある小さなどら焼き店。 千太郎が日がな一日鉄板に向かう店先に、バイトの求人をみてやってきたのは70歳を過ぎた手の不自由な女性・吉井徳江だった。 徳江のつくる「あん」の旨さに舌をまく千太郎は、彼女を雇い、店は繁盛しはじめるのだが……。 偏見のなかに人生を閉じ込められた徳江、生きる気力を失いかけていた千太郎、ふたりはそれぞれに新しい人生に向かって歩き始める――。 生命の不思議な美しさに息をのむラストシーン、いつまでも胸を去らない魂の物語。
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年06月26日
もっと若い頃に読んでいたら、主人公のどら焼き屋店長目線で読んでいたはず。
半世紀生きた今は、隔離施設で生き抜いてきたハンセン病元患者の徳江さん目線でもストーリーを追い、映画の撮影現場にいるような、どら焼き屋が隣家のような、深い味わいのある物語でした。
樹木希林さんの映画も観てみたい。
ブラウスのシー...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月18日
ハンセン病の老婆と務所帰りの男との物語。
刑期を終え出所した千太郎は、お世話になった先代のどら焼き屋「どら春」で働き、オーナーである先代の奥さんに借金を返す毎日。
とりたてて旨くもなく、まずくもない中国産のあんを使ったどら焼き屋から逃げ出したいと考えていた千太郎に、声をかけてきた老婆。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月12日
病気で閉じ込められていた徳江さんと千太郎との不思議な出会い。
偏見の怖さにも悲しくなったが、生きるものだけでなく、周囲をとりまくものたちに耳を傾けて生きる素敵さがじんわり広がって、「誰にも生まれてきた意味がある」という言葉が、あったかく心にしみわたる感じが何とも素敵な本でした。
千太郎さん、どら焼き...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年04月22日
昔、子どもの頃教会学校のサマースクールでハンセン氏病の方たちが暮らす施設を訪問したことを思い出した。そこは、塵一つないくらい清潔で、修道院のような静けさと祈りの気配に満ちていた。かの人達の運命を考えれば、憤りや怒り倦怠の気配が漂っていてもおかしくないのに、そうではなかったことを覚えている。
この物語...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月05日
【あらすじ】
雇われ店長としてどら焼きを作る千太郎の店に、吉井徳江と名乗る老婦人が働きたいと申し出てきた。最初は追い払おうとする千太郎だったが、徳江のあん作りに対する姿勢に押され、彼女から指導を受けることになる。
あんが変わったどら焼き屋は、完売御礼の札がかかるほど忙しくなる。しかしある日、店の...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月14日
ウチの高校生が部活で朗読の課題になってると言っていたのがきっかけで読んでみた。
映画化されていたのでタイトルくらいは知っていた。なるほど、2時間くらいのドラマにするにはちょうど良さそう。
人生を諦めかけた男と人生のほとんどを理不尽に奪われた高齢の女性が出会い、心を通わせる物語。
ハンセン病については...続きを読む
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