ドリアン助川のレビュー一覧

  • 新宿の猫

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    一時暮らしていたことで好きになった新宿が舞台の作品を本屋で見つけて読んでみた。

    読んで良かった。見つけられて良かった。

    途中に出てくる詩が自分にはぐっと刺さるものがあった。それは小説の構成も影響してかもしれないけれど、細かい細工が終始成されていてあっぱれと言いたくなる作品だった。

    宝物にしたいような作品。

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    2024年11月13日
  • あん

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    どら焼き店「どら春」での出会い。
    誰にも生まれてきた意味がある。
    優しい気持ちにさせてくれる物語でした。

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    2024年08月12日
  • 動物哲学物語 確かなリスの不確かさ

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    短いお話の集まりだったので、どれから読んでも良いとは思ったけど、何となく初めから読んでしまった。
    初めの何話かは、読み終えるたび心の奥底が痛んだ。中頃からは「これはオスの発想で記されたモノ」と感じて「なるほど、やはり」と思いながら読み終えた。
    読み終えて、心が穏やかな気持ちになった。
    多分、長く生きて、何時かは分からないけど、まもなく私の命が終わるのを私自身が感じているからだろう。

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    2024年04月08日
  • あん

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    ネタバレ

    あんの作り方の奥深さを少しだけ知って感動した
    またハンセン病について全く知らなかったので、この本を読んで知ることができてよかった
    この本を読み終わってどら焼きを食べたくなった

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    2024年03月27日
  • 多摩川物語

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    多摩川の岸辺の街を舞台にした8つの連作短篇集。

    どれも優しさが隠れている。
    ほろっとさせる場面もあって、心に染みてくる。
    読みやすくて短篇なのに内容も熱くてドラマ1本観たようだった。

    ○黒猫のミーコ〜無人販売所を出す雅代さんに寄り添う黒猫ミーコ。

    ○三姉妹〜古書店で働く洋平が気になるのは、料理を作る匂いなのか三姉妹なのか。

    ○明滅〜克之とマル君の友情

    ○本番スタート!〜隆之の裏方仕事・小道具は主人公でもある。

    ○台風のあとで〜雅之がホームレスから貰ったものは知恵。

    ○花丼〜「大幸運食堂」の継春さんが助けた看板屋が書いた看板は。

    ○越冬〜父子家庭と母子家庭の出会いと将来。

    ○月

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    2024年03月10日
  • 寂しさから290円儲ける方法

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    大人の童話という感想を書いている人がいて正しくその通りと思った。
    登場人物が抱えている悩みは、大人になると口に出すのはなんとなく憚られるけど皆んな抱えているものだと思う。それをファンタジーのような物語の中で表現していることで、すーっと心の中に入ってくるし、そしてアドバイスも心を軽くしてくれる。
    文章をそのまま受け止めるのではなく、本質として何を表現しているのかを想像しながら読むと、この本の深さを一層感じられると思う。
    大人って疲れるな…。そんな時にじっくり読みたい。

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    2024年01月28日
  • 多摩川物語

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     8編からなる短編集。最初の二編辺りでもう、やっぱりこの作家さん一番好きだわ〜と、ときめいた。もっと評価されていい作家さんだと心から思う。

     中でも、「黒猫のミーコ」「明滅」「台風のあとで」「花丼」は特に好きだった。

    ドリアン助川さんの文章には優しさが溢れている。その人物の心の声を、1つずつ丁寧に掬って文章にしてくれる。余白を省いて、行間を読みなさい!というスタイルではなく、読む人にも優しい。なので、読んでいる最中はあれこれ考えることなく、その人物の心が素直に真っ直ぐに心に刺さってくる。では、簡単な内容なのかというとそうでもなく、読んでいる間中、そして読後も、その風景や、人物の感情、どうか

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    2024年01月04日
  • 動物哲学物語 確かなリスの不確かさ

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    家のこと、実家のこと、
    仕事、いろいろあって疲労困憊ですが、この本はセラピー本としてよいです。シートン動物記やイソップ童話や星野道夫などを想起させて、脳をほぐしてくれます。いま人間の住まいに降りてきているクマの気持ちはどうなんだろうと。哲学の入門書としてもよいかも。
    素敵なイラストが心を穏やかにします。

    読書セラピーという言葉を最近知りました。
    東畑さんのふつうの相談と掛け合わすと、
    さらに深まる、と思いました。

    見ず知らずの他人から勧められる本より
    熟知性が高い人からの方が信頼できる、とかね。

    攻めの読書と、癒しの読書があるのね。

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    2023年11月15日
  • 多摩川物語

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    ドリアン助川さん、放送作家にラジオのパーソナリティに、そして作家業に多才なんだ。たくさん表現して行く行き方なんだ 多摩川は遠すぎて思い入れはないけど、8人だけじゃないまだまだ物語に富んで2出来てもいいね。正子さんの回が好きかな 娘を1人で育て上げ、逃げずに自分の言葉で立ち向かう、線香を上げにきた友達の会話で人となりも分かる。良い人だった 最後の多摩川を舟で下る回想は正子さんで切ないけど、多摩川に見守られる人生って良いと思う。あんを読んでこんな胸打つ物語をもっと読みたいです、で本屋に出ないのが切ない。

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    2023年08月31日
  • こえていける

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    なんと言っても絵が素敵。内容もそれ以上。もはやおばーさんの私も、一緒にこえていけそうな気がしてるもの。

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    2023年05月05日
  • あん

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    人と人との繋がり、人の希望を繋ぐ、人が立ち上がるきっかけ、素晴らしく感動したぁ!
    人の人生、人の想い、人生は思い通りにいかない、それでも前へ。この作品から今年が始まって良かった!
    ドリアン助川さん、ありがとう!

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    2023年01月02日
  • バカボンのパパと読む「老子」 実践編

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    考え方が大きく変わるきっかけになりそうな本。田我流味を感じるし、多分彼はこれを読んでる。笑
    本の中に答えを見つけた気分になれました。
    実際のエピソードというか、日常での考え方を盛り込んでくれたので共感しやすかった。全部の章が納得できるわけではなかったけど、今はそれでいいと思う。わかる時が来るかもしれないし。

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    あれが欲しいこれが欲しいと欲の塊になっている人は、結果として現れたものの姿しか観ることができない。無欲の人のみが、現象の向こう側にある、見えない本質を観ることができる。言葉でわかるようなものはTAOではない。

    全ての感覚は、相対性のもとに成り立っている。褒められたとしてもその座

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    2022年06月27日
  • 新宿の猫

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    新宿ゴールデン街を舞台にした奇跡。
    色弱ゆえ希望の就職活動が出来なかった山ちゃんは、テレビ界の構成作家を師と仰ぐ。たくさんの視聴者を喜ばせるために奮闘するも空回り。生活に疲れた時、ふと立ち寄ったゴールデン街の小さな飲み屋で夢ちゃんと出逢う。何やら訳ありの夢ちゃんに次第に惹かれていくが、やっぱり訳ありで思うようにいかないところが、まるで猫のようだ。
    飲み屋に集う面々が皆個性的で、自分もカウンターで飲んでいるような錯覚を覚える。
    結末は・・・「あん」や「カラスのジョンソン」と同様、ちょっと悲しい。

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    2022年04月26日
  • あなたという国―ニューヨーク・サン・ソウル―

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     本書の帯びには「9.11の悲劇を体験した作家が混迷の世に問う長編」とありました。
     ニューヨークのマンハッタン周辺を舞台に,色々な国籍の若者たちが交流する中で,自分のアイデンティティーを確認しながら,迷いながら生きていく,命の交流が描かれています。
     自分の国と自分とは同じなのか…。あるときには,重荷に感じる国。でも,立ち位置として持っていたい国。タイトルにある「国」は,実際の国であり,心の中の国である。国は自分の一部であるけれども,じゃまな存在ともなる。
     英語教室の講師が,国をめぐって言い争う若者たちに言う。
    「こういう晩に,人を区別するような話はやめてもらおうか。そういうものを,背負わ

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    2022年01月19日
  • 水辺のブッダ

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     多摩川の河川敷に住むホームレスたち(主人公は新入りの望太)の物語と,単位制高校2年生の絵里との物語が並行して進んでいく。もちろん,最終的にはどこかで接点はあるという設定。
     随所に出てくるホームレスの古株ブンさんの言葉が,なぜかわたしの心に染み入る。どん底ともいえる状態の中で生きている意味とは何なのか。彼らの未来とは何か。今この時間とは何か。ドリアン助川の心の言葉が,この古株の言葉を通してわたしに迫ってくる。
     そして,やっぱり,ドリアン助川の目は温かい。人生に失敗した(と思っている人)も,普通に歩いているサラリーマンも,同じように生きていくべきであるし,未来はある。望太の結末と絵里の結末は

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    2022年01月13日
  • 新宿の猫

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    何と生々しくかつ温かい描写なのだろうと思ったら、半分自伝の小説だそう。

    人生におけるままならなさ、自分を貫こうと奮い立つ日、上手くいかない苦しさ、それをいなす日々、その日々の中でみつける楽しさも、時折来るどうしようも無く辛い出来事も、辛さが薄れていく年月も、全てが丁度良い温度で綴られている。

    仰々しいかもしれないけれど、この小説は人間讃歌、とさえ言いたい。

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    2022年01月01日
  • 夕焼けポスト

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     素敵な表現がたくさんでてきます。読後,今,生きているこの時間を大切にしたくなる,そんな本です。ドリアン,優しいな。
     著者は,ラジオ放送のパーソナリティーをつとめている時に,実際に,いろんな悩みを訴えてくる視聴者に,彼の言葉で応えるということもやっていたらしい。本作品は,夕暮れ時だけ現れるポストに入っている手紙への返事を通して,多角的に物事を見ること=観自在菩薩の助けを頂くことを教えてくれる。しかし,人には言うことができても,本人自身が感じている悩みには角度を変えてみることができない。これもまた,ドリアン助川の姿と重なってくる。「他人にエラソウニ言うけど,自分はどうなのだ!」と叫ぶ曲が,彼(

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    2021年12月13日
  • 新宿の猫

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     もう「叫ぶ詩人の会」の歌を聞いて以来,ドリアンのファンになってしまったので,評価は付けられない(5以外にない(^^;;)。
     さて本書について…
     新宿に住む十数匹の野良猫を題材にして小説が書けることが面白い。主人公の山ちゃんという男性(ボク)。小さな焼き鳥屋の店員の夢ちゃんという女性。その焼き鳥屋に集まる常連は,なかなかクセのあるメンバーだ。
     小説の常で,内容についてちょっとでも紹介すると,読むときのドキドキさがなくなる。だから,これ以上は書かない。
     ただ,いろんな創作や文学や芸術は,一般大衆の大多数を相手にするのではなく,目の前にいる一人に向けて行うものではないか…という作者の訴えに

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    2021年12月12日
  • あん

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    読んでいて涙が止まらなかった。
    和菓子屋に勤めてはいるが、いいかげんに生きていた主人公と美味しく『あん』を炊く謎のおばあさんの、柔らかいやりとり。
    次第に明らかになるおばあさんのつらさ、悲しさと、物語のそのような柔らかい空気間があいまって読んでいて、涙が止まらなくなった。
    大好きな本。

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    2021年08月30日
  • あん

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    月並みな感想だけれど、ものすごく感動した。なんだか、周りの全ての人に優しくなれるような、壮絶な生き方をしてきた人の話。言葉が刺さる。ずしっと心に響いた。それでいて読んだ後は清々しい気分。良かったなぁ。

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    2021年03月17日