ドリアン助川のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分が見ている世界は自分が居るからこそ存在するのだという考え方に救われる気がした。
差別により不当に制限された暮らしの中で徳江さんがみつけた生き方に、どう言葉にして良いかわからない感情を抱いた。
不当な差別や偏見がなければ失わずに済んだ人生も存在するから、簡単に、尊敬とか凄いとか言えないけれど、徳江さんの闘い方はやはり簡単に真似できないと思う。
自分がこの作品の世界に元患者ではない立場で存在したら、千太郎やワカナのように徳江さんの人間性と向き合えるだろうか。
偏見で他人の人生を縛る側になりたくないとは思うが、実際はオーナーの奥さんやワカナの母のように「世間」を盾にして差別する側に簡単に立ってし -
Posted by ブクログ
この物語を読み終えて、
向き合えなかった過去と向き合うことで、人生は再生されていくのかもしれない、
そんな思いが静かに残った。
人は、思い出そうとすると心の奥がチクチクと痛むような出来事に対して、
無意識のうちに蓋をして生きてしまうことがある。
ちゃんと見つめるには、あまりにも怖くて、
見なかったことにしたほうが楽だからだ。
主人公は、どうしようもない運命を背負いながら、悩み、迷い、それでも懸命に生きている。
何か大きな罪を犯したわけでもないのに、
まるで自分を罰するかのように生きてきた人のようにも見えた。
作中で恩師が主人公に直接伝えたがっていた
「いついかなるときも、潮の流れが止むこ -
Posted by ブクログ
多摩川の岸辺の街を舞台にした8つの連作短篇集。
どれも優しさが隠れている。
ほろっとさせる場面もあって、心に染みてくる。
読みやすくて短篇なのに内容も熱くてドラマ1本観たようだった。
○黒猫のミーコ〜無人販売所を出す雅代さんに寄り添う黒猫ミーコ。
○三姉妹〜古書店で働く洋平が気になるのは、料理を作る匂いなのか三姉妹なのか。
○明滅〜克之とマル君の友情
○本番スタート!〜隆之の裏方仕事・小道具は主人公でもある。
○台風のあとで〜雅之がホームレスから貰ったものは知恵。
○花丼〜「大幸運食堂」の継春さんが助けた看板屋が書いた看板は。
○越冬〜父子家庭と母子家庭の出会いと将来。
○月 -
Posted by ブクログ
8編からなる短編集。最初の二編辺りでもう、やっぱりこの作家さん一番好きだわ〜と、ときめいた。もっと評価されていい作家さんだと心から思う。
中でも、「黒猫のミーコ」「明滅」「台風のあとで」「花丼」は特に好きだった。
ドリアン助川さんの文章には優しさが溢れている。その人物の心の声を、1つずつ丁寧に掬って文章にしてくれる。余白を省いて、行間を読みなさい!というスタイルではなく、読む人にも優しい。なので、読んでいる最中はあれこれ考えることなく、その人物の心が素直に真っ直ぐに心に刺さってくる。では、簡単な内容なのかというとそうでもなく、読んでいる間中、そして読後も、その風景や、人物の感情、どうか -
Posted by ブクログ
考え方が大きく変わるきっかけになりそうな本。田我流味を感じるし、多分彼はこれを読んでる。笑
本の中に答えを見つけた気分になれました。
実際のエピソードというか、日常での考え方を盛り込んでくれたので共感しやすかった。全部の章が納得できるわけではなかったけど、今はそれでいいと思う。わかる時が来るかもしれないし。
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あれが欲しいこれが欲しいと欲の塊になっている人は、結果として現れたものの姿しか観ることができない。無欲の人のみが、現象の向こう側にある、見えない本質を観ることができる。言葉でわかるようなものはTAOではない。
全ての感覚は、相対性のもとに成り立っている。褒められたとしてもその座