ドリアン助川のレビュー一覧

  • 夕焼けポスト

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    ひとには悩みや孤独に思う気持ちは尽きない。
    その思いを抱えながら、生かされている時間を、どういう心持ちで生き切れば良いかが示されている。

    死は身近だ。特別なことではない。
    それを日本人が感じる機会は、現代においては限らているため、悩む人が多いのではないだろうか。

    先日読んだ、中村哲先生の本や、たかのてるこさんからも、同様のことを教えてもらった。

    それが実践できたら、もっと生きやすくなるに違いない。

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    2022年12月25日
  • 多摩川物語

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    都会を流れる多摩川沿いに暮らす、年齢も性別もさまざまな人々の何気ない日常のお話し。裕福だったり、そうじゃなかったりするけれど、共通するのは悩みがあること。けれど、ちょっとしたことがきっかけで、すうーっと雲が流れて太陽が顔を出すように解決する。
    以下本文より
    「人間はね、うちのそばの多摩川を流れていく葉っぱのように、岸辺のあらゆる景色を見て行くの。だからいい時も悪い時も、すべての景色を味わうのが人生なんだとお母さんは思うわ。」
    市井の人々の格言です。
    ドリアン先生、今回もありがとうございました。

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    2022年09月19日
  • バカボンのパパと読む「老子」

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    知る者は喋らない。喋る者は知らない。知る者は穴を塞ぎ、心の門を閉ざす。

    満ち足りていることを認識すること。

    聖人はきっちりとした性格であっても人を裁かず、鋭くても人を傷つけない。まっすぐな考えでも他人に押し付けず、知恵の光は内側にあるので自信は輝かない。

    他社が存在することによって相対性が生まれる。自身の普遍的な価値観、信念を持てるか否か。

    他人の行動を制限したり圧してはいけない。自らも自らのことを理解し、見せびらかさない。自分のことを大切だと思っていても貴い存在だとはしない。

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    2022年06月18日
  • あん

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    一気に読み終えた。成り行きで好きでもないどら焼きを焼く男と、無給同然で手伝いを申し出る老婆。どちらの人生も、自分の辿ってきた軌跡からは想像もできないし、ましてやその二人が交差することで生まれる物語なんて、どうやって産み出されたんだろう?

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    2022年03月21日
  • あん

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    ほっこり系かと思いきや
    なかなか深いお話でした
    ハンセン病のことほとんど知りませんでした
    想像できないくらいやるせなくて悲しい事があったんだと思います

    どら焼きが食べたくなりました

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    2022年02月13日
  • 線量計と奥の細道

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    お母さんに借りた。
    文章いい。各地での測定を公表することにたしかに賛否ありそう。でも実態を知ることが大事だと思う。
    ごまかし、自分の懐をあたためる政治家ははらだたしい。

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    2022年01月28日
  • 新宿の猫

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    居酒屋「花梨花」の客と夢ちゃんとボク山ちゃん、そして通りすがりに覗いていく猫たち。
    ほぼほぼボクの視点で語られる世界は小さいけれど広く、狭いけれど奥深い。そしてちょっぴり哀しい。けれど、ホッとする。
    泣いてしまった 久しぶりだった

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    2022年01月20日
  • 新宿の猫

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    ネタバレ

    よく耳にはするが、行ったことのない
    「新宿ゴールデン街」
    そこの小さな居酒屋での人間模様、猫もよう

    それぞれの暮らしが厳しくて切ない
    あがいている人人猫
    いやあ猫は達観してるかな

    ただラストがとても穏やかだったので
    静かな気持ちでページを閉じることができた

    散りばめられた詩がいいな

    うちの近所の保護猫の家族図、絵が下手だからなあ
    残念 描けないよ

    ≪ 猫たちの 秘密分け合い でも離れ ≫

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    2022年01月04日
  • 線量計と奥の細道

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    原発事故後の現状をこの目で見て伝えなければという思いと、それが地元の人の足を引っ張ることになってしうのではという思いを常に抱えての旅。著者の細やかな配慮が隅々まで感じられる一冊。芭蕉の旅も、期待外れな場所があったり、諍いがあったり、人との繋がりで意外な所に思いが込められていたりしたのだなあということが分かり、300年の時間を超えて身近に感じられた。それにしても親知らず子知らず辺りの当時の難所ぶりは私の想像を遥かに超えているようだ。

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    2021年12月09日
  • 線量計と奥の細道

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    ドリアン助川先生の優しさが伝わってきます。
    なぜ少年たちは、焼け焦げた校舎の前で野球をしなければならないのか、なぜこの子たちを一年半もの間放っておいて、多額の寄付金が遠くはなれた「もんじゅ」の維持費に使われるのか・・・
    やっぱり何かおかしいな、この国は。

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    2021年09月21日
  • あん

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    ハンセン病という病気になった吉川。
    病気に対する間違った認識はまだあるんだな。
    生きることについても考えさせされた。
    何かのことに熱中できるっていいことだな。

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    2021年08月04日
  • 新宿の猫

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    構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。
    そんなある夜、何となく立ち寄った新宿ゴールデン街にある花梨花という小さな居酒屋で、野良猫を可愛がる夢ちゃんという女性店員と出逢う。客には無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」は惹かれてゆく。
    2人は次第に距離を縮め、猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが…。

    読んでいる最中に、これはもしかしたら、程度は分からないけれど作者の実体験も入っているのかな?と思った。というのも、夢ちゃんは詩作が趣味で、その夢ちゃんに影響されて主人公も詩を書き始めるくだりがあって、2人が書いた詩も作中に登場するから(作者は詩人で

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    2021年05月27日
  • 水辺のブッダ

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    主人公の望太は社内で起きた窃盗の罪を自分に被せようとした同僚を殺してしまい、6年間服役した。退所後も定職につかず、今はホームレスとして暮らしている。離婚した妻は娘の絵里を連れて再婚。しかし娘には父親の名さえ教えず、死んだことにしている。そして絵里は新しい家族の中でネグレクトされている。近くで生活しながらお互いに知らないこの親娘を交互に描きながら物語は進みます。
    河に身を投げ自殺しかけた望太を救ったホームレスの指導者や仲間、どこか仙人めいたホームレスの老人・ブンさん、性依存症の女性、ホームレスを襲撃する若い男、望太が暮らす多摩川の流れのそばには様々な傷を持った人物が登場します。
    そして家を出た絵

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    2021年05月18日
  • 多摩川物語

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    過小評価されている作家の筆頭であるドリアン助川。名前が悪いのでしょうか。
    「あん」で知名度が上がって見な手に取るかと思いきやいまいちパッとしないです。「新宿の猫」とかかなりの佳作だと思うんですけどね。
    本作は題名通り多摩川のほとりの町での連作で、どれもこれも少々苦くてでも希望にあふれた物語です。この苦みというのはドリアンさんの本には欠かせない要素で、誰しも何かを失って生きている事を感じられるんですね。優しい視点で描かれながらも、人生の味というのは苦みも含めての事なんだなと思わせてくれます。

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    2021年04月05日
  • あん

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    樹木希林、永瀬正敏をイメージしながら入った。仔細な描写がある分、より刺さった。単純に可哀そうとか言う話ではない。

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    2021年02月11日
  • 新宿の猫

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    あっというまに読んだ。

    目。瞳。
    みんな違う色だし、みんな違うものが見える。
    でもそこがすてきなところ。

    そして最後の注釈がまたいい。

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    2020年03月08日
  • 新宿の猫

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    1962年生まれ、ドリアン助川さん、初読みです。「新宿の猫」、2019.1発行。新宿ゴールデン街が栄えた時代、斜視の夢ちゃん22歳が働いている「花梨花」という居酒屋を舞台にした物語。猫たちは自分の家族として、17匹の猫の家族図を冷蔵庫に貼り、廃墟となったホテルの一室で猫たちを世話し続ける夢ちゃん。そんな夢ちゃんに魅かれる構成作家で色弱の山ちゃん。「猫たちに幸せあれ」、そんな気持ちがこみあげてくる作品です。

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    2019年10月30日
  • 星の降る町 六甲山の奇跡

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    二人の言葉のやりとりが心地よく、読んでいて楽しめたが、結末が曖昧な感じで、その後の展開が気になった。

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    2019年06月14日
  • 新宿の猫

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    お互いの気持ちを最後に詩として表現しているところが、読んでいて一番ホッとした場面だった。
    別々の道に別れてしまったけど、再び会うことができ本当に良かったと思えた一冊だった。

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    2019年05月15日
  • あん

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    ずっと気になってた映画の原作。
    今まであまりふれてこなかった、ハンセン病の小説。樹木さんはどう演じたんだろう。
    ドリアン助川さんは、思春期の頃ラジオ聞いてたので、小説を書かれていることにびっくり。
    季節の移り変わりに、桜の描写が描かれているので、想像しながら読むこともすごくきれい。
    美味しい和菓子、どら焼、あんこが無性に食べたくなる!映像もぜひ見てみたい一冊でした。

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    2019年03月21日