ドリアン助川のレビュー一覧

  • 水辺のブッダ

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    テレフォン人生相談のドリアンさんが、書かれた小説。あの優しい声の感じが本当に伝わってくるような本でした。

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    2019年09月08日
  • 水辺のブッダ

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    ネタバレ

    人生捨てたもんじゃないと思えるような物語ではないのに、優しい気持ちになる。
    今回は婉曲的でなく、ブンさんに語らせ、望太が体現するストレートな表現だった。

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    2019年07月27日
  • 水辺のブッダ

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    映画化されなかなかのヒットとなった「あん」。今回、第67回日本エッセイスト・クラブ賞受賞を受賞した「線量計と奥の細道」
    出版点数も順調に増えていて、前回の「新宿の猫」なかなかの佳作で個人的には存在感が増している作家です。
    ところが「線量計と奥の細道」は重版かからず早くもプレミアが付いている状況で、他の著書に関してもあまり置いておらず、買おうと思っても見当たらなかったりします。何とも不遇な作家だなと思います。
    さて、本書もひっそりと販売されています。表紙がなかなか綺麗なので是非皆さま手に取って頂きたい。題名が「水辺のブッダ」なので宗教的な話なのかと思われるかもしれませんが、宗教というよりも哲学と

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    2019年07月16日
  • 新宿の猫

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    テレフォン人生相談のドリアン助川さんとして知っていたのですが、小説はどうなのかなあと、読んでみました。やはり優しい人の書かれる小説だなあと思いました。これからも色々読んでみたいです。

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    2019年07月05日
  • あん

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    甘い話かと思っていたらハンセン病がテーマだったのでびっくりした。
    主人公の人物設定が曖昧で、しかもお約束の手紙オチ。
    全体的に人物像がすべて曖昧でハンセン病にむりやり製あんを盛り込んだ感があった。
    話そのものは悪くなく、一日で一気読み出来るほど退屈は無く、よって次点。

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    2019年05月30日
  • ピンザの島

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    ピンザとは宮古島の言葉でヤギの事を指すようです。でも本作は創作なので宮古島とは無関係です。
    わざわざそういう書き方をするという事は、この本がその島を題材にしていたら著しくマイナスになるという事です。外部から新しい血を入れたいという心と、それに反して島の秩序を乱す方向になる可能性のある風はいらないという相反する感情。前回読んだ額賀さんの本と妙に方向性が似ているので偶然ってすごいなと思いましたが、こちらは沈み込むように重い澱を底から掻き混ぜているような感じです。
    ドリアンさんが、島の人々をやたらとがさつに描いているのと、風習の描き方が陰惨でそこに引っ掛かりを憶えました。自分が離島の出身だったら読ん

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    2019年04月22日
  • 新宿の猫

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    バブルを迎えた頃の新宿ゴールデン街を舞台にした恋愛小説。
    主人公と、主人公が恋をする飲み屋の女の子夢ちゃんのどちらも視覚に問題があり、それが色や感覚や猫につながっていくところは上手いなと思った。
    みんなに、ではなく誰か一人の心にとどくものを、という思いは、この作者の全ての作品に通じるものかもしれない。
    大江健三郎の『個人的な体験』で、個人的な体験を掘り下げていけば、普遍的な道にたどり着く、みたいな表現があったけど、それと似ている気がする。
    実体験者だけにバブルの頃の勢いのある猥雑な雰囲気がよく出てて、こういうのは若い人が想像で書くのは難しいだろうなとも思った。
    読み始めたらイッキ読みで、このリ

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    2019年03月02日
  • あなたという国―ニューヨーク・サン・ソウル―

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    先日『あん』を読んで興味を持ったドリアン・助川さんの小説です。
    ニューヨークを舞台に、ミュージシャンを目指す日本人男性・拓人と韓国人女性・ユナの恋を描いた作品です。
    中盤までで印象に残るのは、ニューヨークの街の見事な描写です。そして人種のるつぼであるニューヨークで、人々の普段の姿のすぐ裏に潜む人種や歴史観に基づく偏見や憎悪です。助川さんの来歴を見ると「2000年3月から2002年9月までニューヨークに滞在。日米混成バンドAND SUN SUI CHIE(アンド・サン・スー・チー)を結成し、ライブハウスで歌う。」と書かれているので(時期は少しずれていますが)実体験を反映した物だと思います。私も海

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    2018年10月03日
  • ピンザの島

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    ネタバレ

    とある島で暮らすことを決めた若者の話。
    自身の弱さを知っているだけに、生きづらい人生を送ってきた主人公。島は閉鎖的な空間にありがちな住む人たちだけのしきたりがあり、人間関係があり、余程のことがない限りよそ者を歓迎することはないと思える。
    そこで、死んだ父親の夢であったチーズを、かつての父の親友と完成させようと奔走する。そして、自身の欠落した部分を埋めていく。
    島の自然やピンザ(ヤギ)などは生命力があふれていますが、島に突き出す急峻な山岳、山道の別れ道、断壁、森の原生林、海につながる洞窟など、位置関係や映像がうまくイメージできず。自分自身の想像力が足りないのか、疲れているのか・・・。
    最後をあえ

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    2017年06月14日
  • 星の降る町 六甲山の奇跡

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    老人サジの店からお菓子を万引きした少年トルリは、サジから逃げるために登った給水塔の屋上でサジと2人きりになってしまう。そしてそこで一夜を明かすことに。サジの悲しみに心が痛くなるけど、ハッピーエンドにほっとした。金平糖の話が好き。

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    2016年11月06日
  • 星の降る町 六甲山の奇跡

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    居場所の無いトルリは洋菓子店サジの店で万引きをして逃げ,追いかけたサジとともに古い給水塔の上で二人降りれなくなる.流星の降る寒い夜,二人の間に何かが通い,新しく何かが生まれる.一歩間違えば死ぬところだが,結果的には再生の物語である.

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    2016年09月30日
  • 多摩川物語

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    短編。暗い部分がありつつも希望を感じられる。感動する部分も結構あり、電車で読めないことも。

    皆が苦しくて悩ましい生活の中、いろいろ考えながら、いつの間にか助けになったり、助け合ったりしている。それぞれの登場人物の表現が個性があって良かった。

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    2016年04月18日
  • ピンザの島

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    「ピンザの島」ドリアン助川
    大人の夢の物語。苔色。

    サラリーマンの夢といったら脱サラで、脱サラといったら田舎で有機農業、みたいなひとつのパターンがありますが、
    それを題材にしつつ”田舎でやってこうなんて簡単に考えると人生挫折するぜ”と釘を刺すようなストーリーです。
    読ませ方がうまくてさらっと読み切っちゃいました。

    結局全体的に話が中途半端に終わってしまった感があって残念です。
    離島っていまだにこんな感じのコミュニティなのかしらん。(3)

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    2014年12月19日
  • 多摩川物語

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    多摩川べりに住まう、ほんのわずかな縁で繋がっている人たちの切ない話。

    繋がっているとは言え、互いの人生にはほとんど干渉することなく。それぞれがそれぞれの重さの人生を背負って生きているだけ。

    読み終えて、あらためて気づいた。目次の前の中扉の言葉。

    「目を覚ますと、風景は変わっていた。」

    些細なことで、そんな自分自身の変化に気づくこともあるかもしれない。

    そうであればいいな、と思う人の願いかもしれない。

    そんなことを思いながら、すべての短編のあとに綴られた一篇の詩に目を落とす。

    風景は変わらない。自分も変わらない。
    ただ眠っていた間に、自分は流され、眼に映る風景も、いつの間にか時の経

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    2014年11月23日
  • ピンザの島

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    3人の若者が、工事現場のアルバイトをするために離島に向かう。そこには、コンビニはおろか1軒のお店も無く、携帯電話は通じない。そして、そこにはピンザ(やぎ)が住んでいる。
    離島でパラダイスのような自然のなか、自由に生きるイカレタ生活。そんな小説になっていくのかと思っていたら、そうではなかった。
    若者たちは、島の生活に受け入れられたわけではなかった。
    不自由な生活の上に、島の住民とのトラブル。
    しかし、その生活の中、生きる目的を持っていなかった若者たちは、何かを掴み始める。
    そして、ひとりの青年は、ひとつの大事なタネをみつけ、それともに島の暮らしを続けることを選択する。
    命を感じる小説だった。そし

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    2014年07月14日
  • ピンザの島

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    装丁がきれい。本の中身そのまま。主人公が見る・経る風景の描写がきれい。

    島の生活に憧れもあったりするが、見ないといけないものやらないといけないものが都会より多い分、関係性も密に入りくだっていくんだろう。

    途中で挫折しそうになったんだけど、それは文章が読み難いとかじゃなくて、主人公の進む方向を見るのがちょっと怖くなって。

    でも読み終えて、わかんないけど。
    彼の選択がどうなのかとか。
    選択してるけど、選択するように決まってたようなそんな気もした。

    時々痛みを思い出すくらいじゃだめなんだよなと思った。
    飯島さんの写真を見て、養豚場のこと、経済動物について考えさせられて、せめて残さないようにい

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    2014年05月13日
  • 星の降る町 六甲山の奇跡

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    TETSUYAの書く本、初めて読んだ。
    本というより、絵本,,,というより、彼の頭の中の断片にすぎないと思う。
    彼は長い文章を書かない方がいいんじゃないかと思う。
    限られた枠に言葉を選んで表現するスタイルが似合う気がする。

    この話の中で一番輝いてた文章「星がひとつ降るやろうー」のところ。
    すごく純粋できれいな文章だったのに、
    本の帯に使われていてショックw

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    2009年10月04日
  • ジョンを背負って7000メートル

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    「すばらしき迷い人たちに告ぐ!我々が抱きしめたものは全部ホンモノだ!―宮沢和史」という帯に惹かれて読んだ。 私としては「メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか」の方が面白く、力強く励まされたと思う。 そうは言っても、最後に収められた「プリズムの記憶」の後半には驚かされた。

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    2009年10月04日