ドリアン助川のレビュー一覧
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ネタバレ花丼、越冬と月明かりの夜に、が好きだった。
花丼
もう家賃などの支払いも無理で、客も入らないどうにもならなくなったオーナーは、自死しようとしていた人を助ける。そして自分の食堂に連れていく。
すぐに温かいものを食べさたいが、仕込み前で何もない。仕方なく、まかない飯を出す。そうしたところ、大喜びで、お替りまでする。
その後、花丼と名付けたこのメニューを食べに来る人がたくさんあるように。あの時救った人は看板屋さんだった。食堂に、花丼の看板を置いてくれていた。
越冬
シングルマザーとシングルファザーの話。それぞれの子どもが、学校で隣の席に座っていたことから、一緒にバードウォッチングに行く。距離が、 -
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毎度毎度祈りのような本を書く人です。「あん」でブレイクしたにもかかわらずあまり売れていない所には、この内面に根差した真摯な姿勢が逆作用しているのでしょうか。
特定の人にしか見えない夕焼けポストに届く時空を超えた悩み相談。チャップリンやリンゴスターからも届く悩みの手紙。何ともワールドワイドです。主人公は自ら娘を亡くした痛みに耐えながら、他者の悩みに真摯に答えようとします。娘の死を乗り越えられない自分が人の悩みに相談を受ける事の矛盾に苦しみます。
直球では出てきませんがインドとブッダに基盤を置く寓話です。小説というより寓話という方がしっくりくる気がします。 -
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映画化されなかなかのヒットとなった「あん」。今回、第67回日本エッセイスト・クラブ賞受賞を受賞した「線量計と奥の細道」
出版点数も順調に増えていて、前回の「新宿の猫」なかなかの佳作で個人的には存在感が増している作家です。
ところが「線量計と奥の細道」は重版かからず早くもプレミアが付いている状況で、他の著書に関してもあまり置いておらず、買おうと思っても見当たらなかったりします。何とも不遇な作家だなと思います。
さて、本書もひっそりと販売されています。表紙がなかなか綺麗なので是非皆さま手に取って頂きたい。題名が「水辺のブッダ」なので宗教的な話なのかと思われるかもしれませんが、宗教というよりも哲学と -
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ピンザとは宮古島の言葉でヤギの事を指すようです。でも本作は創作なので宮古島とは無関係です。
わざわざそういう書き方をするという事は、この本がその島を題材にしていたら著しくマイナスになるという事です。外部から新しい血を入れたいという心と、それに反して島の秩序を乱す方向になる可能性のある風はいらないという相反する感情。前回読んだ額賀さんの本と妙に方向性が似ているので偶然ってすごいなと思いましたが、こちらは沈み込むように重い澱を底から掻き混ぜているような感じです。
ドリアンさんが、島の人々をやたらとがさつに描いているのと、風習の描き方が陰惨でそこに引っ掛かりを憶えました。自分が離島の出身だったら読ん -
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バブルを迎えた頃の新宿ゴールデン街を舞台にした恋愛小説。
主人公と、主人公が恋をする飲み屋の女の子夢ちゃんのどちらも視覚に問題があり、それが色や感覚や猫につながっていくところは上手いなと思った。
みんなに、ではなく誰か一人の心にとどくものを、という思いは、この作者の全ての作品に通じるものかもしれない。
大江健三郎の『個人的な体験』で、個人的な体験を掘り下げていけば、普遍的な道にたどり着く、みたいな表現があったけど、それと似ている気がする。
実体験者だけにバブルの頃の勢いのある猥雑な雰囲気がよく出てて、こういうのは若い人が想像で書くのは難しいだろうなとも思った。
読み始めたらイッキ読みで、このリ