水辺のブッダ

水辺のブッダ

小説・文芸
1,584円 (税込)

7pt

ベストセラー『あん』著者新時代の感動長篇。

多摩川の河川敷で、仲間のホームレスたちと共に生活する望太。一度は死を選びながらも、彼らに救われ、やるせない思いを抱えながら生きている。
そこからさほど遠くない街で、女子高生の絵里は、世の中に対する怒りとむなしさを抱えて暮らしていた。家族の中での疎外感に耐えられなくなったころ、ある男と出会い、事件に巻き込まれてしまう。
そしてふたりの過去が次第に明かされてゆく・・・。

誰の人生にも、冷酷な人間の心の闇に触れて絶望するときがあれば、人と出会い、深く語り通じ合い、光に満ちた美しい瞬間もある。

世の中の片隅で懸命に生きる人々の傍らに立つドリアン助川が描く、ふたりの“生きる”物語。

河瀬直美監督、樹木希林・永瀬正敏主演で映画化もされ、世界12言語で翻訳出版され国内外でベストセラーとなっている『あん』の著者の、新時代最初の感動長篇!(2019年5月発表作品)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    小学館
  • タイトル
    :
    水辺のブッダ
  • タイトルID
    :
    614265
  • ページ数
    :
    320ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年05月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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水辺のブッダ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     多摩川の河川敷に住むホームレスたち(主人公は新入りの望太)の物語と,単位制高校2年生の絵里との物語が並行して進んでいく。もちろん,最終的にはどこかで接点はあるという設定。
     随所に出てくるホームレスの古株ブンさんの言葉が,なぜかわたしの心に染み入る。どん底ともいえる状態の中で生きている意味とは何なのか。彼らの未来とは何か。今この時間とは何か。ドリアン助川の心の言葉が,この古株の言葉を通してわたしに迫ってくる。
     そして,やっぱり,ドリアン助川の目は温かい。人生に失敗した(と思っている人)も,普通に歩いているサラリーマンも,同じように生きていくべきであるし,未来はある。望太の結末と絵里の結末は,形は違えども,向かった先は同じだったと思う。

    0
    2022年01月13日

    Posted by ブクログ

    なんという物哀しい物語なのだろうか。
     底辺の人たち。多摩川の川べりのダンボールハウスの住人。
     望太は、「もういいだろう」とケリをつけるときだと、新宿のダンボールハウスを片付け、ひたすら歩いて、多摩川の上流のブルーシートが点在するところまで歩いた。
     これが、自分の人生だったのか。と感じて、冷たい水の中に入っていった。そして、流された。

     そして、多摩川のブルーシートの人たちに助けられる。
     助けられて、望太は「生きる、資格が、ないんだ」というと、ブルーシートの住人の一人が、「ここじゃ、資格はいらねえよ」という。そのまま、望太は多摩川のブルーシートの住人になるのだった。

     温かい食べ物を届けてくれるヨシさん。ヤクザ風のタテやん。正体不明のシバタ。哲学者風のブンさん。仲間の一員となり、ブンさんと親しくなる。ブンさんは、インドを放浪してきたという。
     多摩川は、御霊(みたま)を流す川だという。亡骸を多摩川は流していた。それはインドのガンガーとよく似ていて、ガンガーでは、ブンさんが行ったときは死体が流されていた。

     ブンさんは、「生きる資格がないとしても、あなたには生きる義務がある」と望太にいう。望太は小さい子供がいた頃、会社で泥棒呼ばわりした男を殴り殺して、刑務所に入っていたのだ。それをブンさんに打ち明けた。生きる資格がないと言って。ブンさんは、「どう償えるのか、生涯かけて考え抜きなさいよ。命ある限り、生き抜くんですよ」と諭す。単独で、存在しているものはない。すべて関係性の中にある。望太は、ブンさんに惹かれていく。

     ヨシさんは、ブンさんは怪しいところがある。汚れた仏という。

    望太は、ブンさんに木彫りをすることを勧められる。流木を見つけ、流木の望む形に彫るようになる。
    両翼のない翼をいつの間にか掘っていた。ブンさんは「空から街を見たいのですね」という。

    望太は、小さな頃の別れた娘、絵里に会いたかったし、探していた。ブンさんと話をしながら、神様がいない世に、祈ることの意味は何か?を問いかけられ、そして、保育施設を紹介された。
    ブンさんは、そこに彫ったものを寄付していたのだった。その保育施設が、望太の探していたものを見つけるのだった。それにしても、絵里の人生も大変だ。たった20歳だというのにたくさんの苦労を背負って生きていた。この結末。この物語の終わり方に、どんな人生の余白があるのだろうか?

    0
    2026年03月27日

    Posted by ブクログ

    妻子と幸せに暮らしていた望太はあることがきっかけで殺人事件を犯してしまい服役後、多摩川沿いでホームレスに。妻の再婚後は子どもの居場所も不安定になり多摩川の河川敷で川を眺めて過ごすことも多くなった。もう少しで会えそうだったのに不運にも会えず。幸せになってほしかった。

    0
    2025年05月20日

    Posted by ブクログ

    主人公の望太は社内で起きた窃盗の罪を自分に被せようとした同僚を殺してしまい、6年間服役した。退所後も定職につかず、今はホームレスとして暮らしている。離婚した妻は娘の絵里を連れて再婚。しかし娘には父親の名さえ教えず、死んだことにしている。そして絵里は新しい家族の中でネグレクトされている。近くで生活しながらお互いに知らないこの親娘を交互に描きながら物語は進みます。
    河に身を投げ自殺しかけた望太を救ったホームレスの指導者や仲間、どこか仙人めいたホームレスの老人・ブンさん、性依存症の女性、ホームレスを襲撃する若い男、望太が暮らす多摩川の流れのそばには様々な傷を持った人物が登場します。
    そして家を出た絵里は典型的なDV男と同棲し、やがて知らずに望太に接近します。
    ブンさん(=水辺のブッダ)のスピリチュアルな言葉もなかなか面白い。さらにそれとの関係は曖昧ですが、エンディングで望太と絵里がつながる様に得る前向きな悟りはとても心地良く。
    この手の話にありがちな押しつけがましさの少く、良い話でした。

    0
    2021年05月18日

    Posted by ブクログ

    読書記録63.
    #水辺のブッダ
    #ドリアン助川 作

    罪を犯し刑期を終えた主人公
    入水自殺を図りながらも多摩川べりのホームレスに救われ、よるべなく生活

    同じ水辺の地域に暮らす女子高生
    父親はなく、母親と新しい家族とも疎外感を感じる日々
    で危うい世界に落ちていく
    2人の世界線が交わる日が…

    あなたは決して一人ではない
    意識する事で存在が生まれる、全ては関係性の中にある

    『あん』の桜のように花のイメージを感じた本作
    アカシアの花は舞い落ちる花びらを浴びる花見

    作中、「ダリット」の記載
    インドでのカーストにも入らない最下層の人々
    強制労働や児童労働、ダリット女性への性暴力、加害者の不処罰

    以前読んだ作品で手作業による糞尿処理の仕事のを描いた『三つ編み』を思い出し、これらに関する書籍への関心を深めたい

    0
    2024年08月29日

    Posted by ブクログ

    重くて、最後まで暗い。
    ホームレスになった父と、
    家族に蔑ろにされ、どんどん道を踏み外す娘。
    どこかで救われてほしかったけど、悪循環は断ち切れず。
    どんより。

    0
    2021年06月21日

    Posted by ブクログ

    読後感がスッキリ!という作品ではない。
    この作品から得たものを、自分で抱え込んで、考え続けていくんだろうなと思う、そんな本だった。

    やむを得ない事由から人を殺めた男は、殺人犯の子という誹りを我が子に与えないためという理由で、妻と子を捨てる。
    服役し、ホームレスとなった男は、その暮らす河原で師とも思える男と出会う。
    ホームレス生活の中で、男は人生と向き合い直すことをことを考え始める.....

    そして、あとは読者が考え続けていくことなのだろう。

    0
    2019年11月21日

    Posted by ブクログ

    過ち犯しててしまった父と孤独になった娘の物語。

    殺人で服役し、出所して最終的に多摩川にたどり着いた望太は、多摩川のホームレスのカリスマ的存在・ブンさんに出会う。

    ブンさんの生きる姿に魅了されながら、娘の姿を追う望太。

    娘の絵里は、継父との折り合いが付かず、道を外れ、DVに耐えながら、体を張って生きていた。

    そんな二人が多摩川の近辺で奇跡の再会を果たそうとするが。。。


    抽象的な表現が過多で、イメージを今ひとつ掴めにくかったのと、ブンさんのキャラが確立してなかったのが惜しいところかな。

    0
    2019年10月19日

    Posted by ブクログ

    テレフォン人生相談のドリアンさんが、書かれた小説。あの優しい声の感じが本当に伝わってくるような本でした。

    0
    2019年09月08日

    Posted by ブクログ

    映画化されなかなかのヒットとなった「あん」。今回、第67回日本エッセイスト・クラブ賞受賞を受賞した「線量計と奥の細道」
    出版点数も順調に増えていて、前回の「新宿の猫」なかなかの佳作で個人的には存在感が増している作家です。
    ところが「線量計と奥の細道」は重版かからず早くもプレミアが付いている状況で、他の著書に関してもあまり置いておらず、買おうと思っても見当たらなかったりします。何とも不遇な作家だなと思います。
    さて、本書もひっそりと販売されています。表紙がなかなか綺麗なので是非皆さま手に取って頂きたい。題名が「水辺のブッダ」なので宗教的な話なのかと思われるかもしれませんが、宗教というよりも哲学という感じです。
    訳あって子供には死んだと思われている父親が、ホームレスになりつつも子供を忘れる事が出来ず、同じホームレス仲間と生活しながら、いつか自分の子供の役に立ちたいと願い日々を送る話です。
    お涙頂戴に終始しないのでこれで人気爆発って訳にはいかないと思いますが、個人的には好きな本であります。

    0
    2019年07月16日

水辺のブッダ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    小学館
  • タイトル
    :
    水辺のブッダ
  • タイトルID
    :
    614265
  • ページ数
    :
    320ページ
  • 電子版発売日
    :
    2019年05月15日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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