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Posted by ブクログ
浅草の公園で寝ていたら、財布とバッグが盗まれた。
男は無一文になった。
隅田川沿いのホームレスたちのコミュニティに入り込み、いつの間にか路上生活が性に合っていた。
都市に出かけて採集し、工夫して新しくものを作る。
コンロを手に入れて暖かい食事を作るようになり、バッテリーを手に入れて家電製品を動かす。
廃材を手に入れて家を作り、お金にするためにテレホンカードやアルミ缶を採集する。
隅田川には人が集まった。
ホームレスだけじゃなく、何か面白そうだと普通の人も立ち寄るようになっていた。
そんな隅田川に現れたコミュニティにも終わる時が来る。
男は最後に隅田川という自由から旅立ち、より大きな自由へと旅に出る。
これは実在する、あるホームレスの話だ。
クリエイティビティは最新技術の追求なのか。
現代人が忘れた、生活そのものの求道者を描く。
Posted by ブクログ
ホームレスとして暮らす主人公・硯木と隅田川沿いのホームレス仲間たち。「ホームレス」と言ってしまうとイメージが良くないけれど、お金ではなく知恵と工夫で生き抜いていく姿に、生き物としての本来の暮らし方を考えさせられた。
暮らしを楽しみ、ふわりと、しかし前向きでしなやかな生きていく――読んでいて楽しく、爽快な気持ちに。
p250
人間は、アイデアを使い、工夫し、方法を発明することで自分にとって必要な最小限の空間を発見することが出来る。さらに壁に囲まれた空間だけを家を感じるのではなく、脳味噌を使うことで、壁を通り抜けて広大な世界を自分の空間と体感出来る。
硯木は無意識にこの極小と無限大の感覚を同時に持ち合わせていた。彼にとって、自分が路上生活者であるということは、今はもう消え去っていた。
彼は自分のことを、住所も、コンクリート基礎でしっかり固められた家も持っていないが、地球という地面で生活する『ただの人間』であると考えていた。
硯木にとって、それはとても自由な気持ちになれた。
Posted by ブクログ
今から20年以上前、舞台は1990年代後半の東京、主役の路上生活者が読み手を終始わくわくさせてくれる物語であった。著者は東京の路上生活者を取材した「TOKYO 0円ハウス 0円生活」という本を書いており、その取材ネタを元に小説に落とし込んでいるので準ノンフィクション的な小説である。
僕自身、出世しないタイプというか、宝探しや小さなリサイクルや小屋建てや青空宴会が大好きであって読んでてずっとわくわくだった。またこれは小説の要素だと思うけどクロやモチヅキさんのようなひたすらに利他的な仲間がすごくいいなあと思った。
テレカ、モーニング娘。、時代を感じる一方、あの頃は今より絶対息苦しくない緩い時間で生きてたなあと。インターネットは膨大な知識とコンテンツを人に還元した代わりに、過剰な生産貨幣社会も生み出し、時間と心にゆとりが無くなったきたのは間違いないと思う。
あと寝れなくする目的で設置してるベンチ中央の手すりとか花壇、いつもながら見るたびに酷いよなあって思います。
Posted by ブクログ
「TOKYO 0円ハウス 0円生活」を小説にしたもの。
上記の本の内容がほぼそのまま組み込まれていて、
「0円ハウス」を読んだ後だと、
「これはここの話か~」という発見があって面白い。
軽妙な語り口で読みやすいけれど、
小説としては少し物足りない。
問題があっさり解決しすぎている。
けれども、
たぶんこれは小説というよりは、
希望を含めた未来予想図として描かれているんだと思う。
そういう意味でいうと、
「一般意志2.0(東浩紀)」に似ている。
チョウメイさんの船になるパソコン管理の家や
スーさんのリヤカーハウスでの日本一周というのは、
「0円ハウス」で取材された人が語った夢であるが、
それが現実として描かれていることがその証拠。
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