フィオナ・マクファーレンの作品一覧

「フィオナ・マクファーレン」の「夜が来ると」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 夜が来ると
    3.9
    1巻2,420円 (税込)
    夜、家を虎がうろついている……海辺の家で一人暮らす75歳のルースのもとに、ある日ヘルパーのフリーダが現れた。不思議な魅力を持つフリーダに、ルースは次第に心を許すようになるが。オーストラリアで多数の文学賞に輝いたサスペンスと抒情に満ちた傑作長篇。

ユーザーレビュー

  • 夜が来ると

    Posted by ブクログ

    やや、や。
    家の中に虎がいる…という発端から、これは何か不穏な話?と思う。そこに翌日現れたフリーダに、読者はこれはもうあやしいと思うのだけれど、夫に死なれ1人暮らしの75歳ルースとフリーダの気持ちが時々通い合ってしまうので、ルースも読者もついふらふらと心を許してしまいたくなる。一貫して、美しいけれど足を取られる砂浜を歩いているよう。

    ”明日は我が身”と身につまされながら読んだ。
    どうやったら幸福に死ねるんだろう。

    0
    2016年03月08日
  • 夜が来ると

    Posted by ブクログ

    今も日本のどこかで起こっていてもおかしくなさそうな小説。
    寂しさによって人は騙される。騙されることに救いを求めて騙される。結末が容易に予測できる中で、その予測の通りに静かに進行していく怖さを感じた。
    現実に戻って、認知症は環境によってつくられる病気ではないかと思った。

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    2015年09月29日
  • 夜が来ると

    Posted by ブクログ

    オーストラリア、シドニー近郊のリゾート地。夫に先立たれ、海辺の家で一人暮らす75歳のルースは、ある夜、家のなかに虎がいる気配を感じる。それからほどなくして彼女の元に現れたのは、行政から派遣されたヘルパーだという大柄な女性、フリーダだった。精力的に働くフリーダに感化され、活力を取り戻していくルース。だが、二人の関係は徐々に歪み始める。孤独を埋める依存と支配、混濁していく認識能力を巧みな文章で描いたサイコサスペンス。


    二人の関係がどのように崩壊していくかはフリーダ登場の場面からすでに予感されている。結末が見えた上でじわじわ心地良い依存関係が進行していく。内心はおかしいと気が付きながらも、脳のア

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    2024年06月09日
  • 夜が来ると

    Posted by ブクログ

    オーストラリア・シドニー郊外の浜辺で一人ぐらいの女性。夫に先立たれ、孤独ではあるが、それなりに満足している生活。

    そんな中、ある夜、“トラ”の気配を感じる。不安になり、遠く離れた息子に電話。

    そして、翌朝、“ヘルパー”の女性がやってくる。

    時には親友のような、時には親娘のような関係。

    物語がすすむにつれ、主人公の女性の記憶も曖昧模糊になっていき…。


    じりじりと迫る、不安と恐怖。そして、密林のもわっとした熱気。
    物語の進行とともに、それらの濃度が増してくる。

    結末もぞわぞわとするもの。

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    2016年09月22日
  • 夜が来ると

    Posted by ブクログ

    夜にトラが来た。そのことを息子に話すと、息子の対応から、主人公は少し痴呆の可能性があることがわかる。
    その彼女を巡る物語。
    彼女の視点から、孤独や不安が語られる。思考がまとまりきらず、痴呆の人の世界はこんなものだろうかと感心する。
    母親を独りきりにしていたことを、後悔する息子達には、今介護してる身からも、同情する。自分の家庭や都合が優先しちゃうのはよくあることだし、そばにいないと症状の深刻さは気がつかない。気が付きたくない、という心理もあるだろうし。

    0
    2016年05月08日

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