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永遠猫の祝福
「生きるのに、誰かの許可なんて必要ない」 ――400年を生きる猫が導く、令和最愛のおとぎ話。 人の間に生き、なによりも深く人を愛した猫は、今日も誰かの心に「生きる意味」を問う……。 愛情への渇望に揺れる、母と二人暮らしの中学生・景奈がある日出会ったのは、尻尾の長い、ベージュと黒のマーブル模様の猫だった。 エルと名乗る「彼」は、舐めて瞬時に傷を癒やし、人語を操る不思議な力を持っていた。 「私はもう四〇〇年 生きている」 なぜか老いもせず、病に倒れることもなく。 永遠にも似た時間を生きるエルが、母や友との向き合い方に悩む景奈に問いかけた言葉とは――。 「彼」は、ほかにも様々な事情を抱えた人々と時間を共にする。 仕事も人間関係もすべてが嫌になり自死を考えるアラサー会社員男性、 父親の死を看取れなかったことを後悔し続ける50代の豆腐屋2代目男性、 病を患い余命宣告を受ける心優しい80代女性……。 これは巡る季節の中、傷つき迷える人々にそっと寄り添い、希望の光を灯す奇跡の猫の物語。 作家デビュー10周年記念! ドラマ化ヒット『さよならの向う側』の著者が贈る、渾身の書き下ろし最高傑作! どう生きるのか、そして、どう死ぬのか――。 「奇跡の猫」が、人々の生と死に寄り添い、生き方と死に方、生き様と死に様について、大切なことを教えてくれる物語。 ヒューマニズムの名手・清水晴木が贈る、後世に残したい感涙ファンタジー! -
じゃないほうの歌いかた
こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない 落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。 「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。 音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。 反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。 74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、 石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。 「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。 うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。 -
女王様の電話番
好きだけど、触れあうことはできない。 そんな私は異端者なのだろうか。 主人公の志川は、新卒で就職した不動産会社を辞め、現在、SMの女王様をデリバリーするお店の電話番をしている。友達には「そんな職業は辞めたら?」と眉をひそめられたが、女王様の中でも美織さんという最高に素敵な人に出会い、そこそこ幸せに暮らしていた。 ある日、あこがれの美織さんと初めてごはんを食べに行く約束をして舞い上がるものの、当日にドタキャン。そのまま音信不通になってしまう。彼女の常連のお客さんなどにこっそり連絡を取り行方を探るうちに、どうも自分の知っている美織さんとは違う面ばかりが見えてきて・・・・・・。 過去、志川が不動産会社を辞めた理由は、あこがれの男性社員・星先輩と付き合う寸前に、先輩が自分に求めている性的なことが一切無理だと気づいたからだった。好きだったのに。付き合えないと正直に言っただけで、志川は同僚に悪女扱いをされ、そのまま会社にもいづらくなり、退社することになってしまったのだ。 私はアセクシャルなのだろうか? 「ない」ことを証明するのは、悪魔の証明だ。もしかしたら、まだ見ぬピンクのひつじに会えるかもしれないのに・・・・・・。なんでも性的なことや恋愛に結びつける世の中に馴染めない主人公の戸惑いを通じて、現代社会を描く問題作。 アセクシャルの自身に戸惑い、彷徨い、清爽と一歩を踏み出す――。 小説すばる新人賞受賞から10年。物語はしたたかに進化する。 【著者プロフィール】 渡辺優(わたなべ・ゆう) 1987年宮城県生まれ。2015年に「ラメルノエリキサ」で第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他の著作に『自由なサメと人間たちの夢』『アイドル 地下にうごめく星』『クラゲ・アイランドの夜明け』『アヤとあや』『カラスは言った』『私雨邸の殺人に関する各人の視点』『月蝕島の信者たち』などがある。 -
切手がとっても高い郵便局で
「切手代として、百二万円をお願いします。相手から返事がほしい場合、さらに百二万円分の切手が必要です」 亡くなってから四十九日までの間なら、天国へ手紙を送れるという不思議な郵便局。そこでは、手紙を送りたいと願う人の年収や貯金によって切手の値段が決まる。 推しを失った会社員。恩人を裏切ってしまった男。恋人が自殺した社長……。高額な切手を買ってでも、天国の大切な人に想いを伝えたい――。生者と死者。もう二度と会えない者同士の最期の“文通”。 -
ホワイトハートの殺人
絵葉書のような村の猟奇殺人。 容疑者は、“善き隣人”の誰か。 「多層な登場人物と息詰まる展開、 心理描写が交錯する出色の犯罪小説」 ――ジェフリー・ディーヴァー 「掛け値なしのストーリーテラー」 ――リー・チャイルド 英アカデミー賞3冠&ITV過去最高視聴率を誇る人気ドラマ、 『ブロードチャーチ』の脚本家による、現代英国ミステリの最前線! 藁葺きの家並みが美しい英国南西部の海辺の村で起きた殺人事件。 殺されたのは村の名物パブ〈ホワイトハート〉の店主で、裸で縛られ、 頭に王冠を戴くように牡鹿の枝角が括りつけられていた。 刑事ニコラは都会の組織犯罪部から転属早々、新米巡査と事件解明に奔走するはめになるが、被害者と村の住人の隠された“顔”が暴かれてゆくなか、百年前もこの地で鹿角を用いた連 続殺人があったことが判明し─― -
本好きに捧げる英国ミステリ傑作選
現代英国を代表するミステリ作家にして愛好家マーティン・エドワーズが、英国探偵小説の一時代を築いた巨匠たちの名品から精選した「本」にまつわるミステリ傑作選。毒を盛られた愛書家が、死の直前に蔵書に書き残したアンダーラインの真相。売れっ子作家の妻を殺したい男が仕掛けるアリバイトリック。編集者が作家クリスチアナ・ブランドに宛てた原稿依頼書を誤って受け取った女性による奇妙な犯罪の顛末……。犯人当てからクライムストーリイ、〈奇妙な味〉からショートショートまで、様々なバリエーションで本好きに捧げる十六のミステリ!/【目次】序=マーティン・エドワーズ/作家に授ける殺人講義=G・D・H&M・コール/救いの天使=E・C・ベントリー/暗殺者クラブ=ニコラス・ブレイク/メガテリウム・クラブの奇妙な盗難事件=S・C・ロバーツ/殺意の家=フィリップ・マクドナルド/荒っぽいゲーム=A・A・ミルン/本の中の手がかり=ジュリアン・シモンズ/ある原稿=グラディス・ミッチェル/ある男とその姑=ロイ・ヴィカーズ/灰色の幽霊=マイケル・イネス/拝啓、編集者様=クリスチアナ・ブランド/あらかじめの殺人=マージョリー・ブレムナー/性格(キャラクター)の問題=ヴィクター・カニング/名誉の書=ジョン・クリーシー/きみが執筆で忙しいのはわかってるけれど、ちょっとお邪魔してもかまわないだろうって思ったんだ=エドマンド・クリスピン/章と節=ナイオ・マーシュ/解説=小山正 -
天下の値段 享保のデリバティブ
江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦! -
黄昏時の魔女
旅する魔女と、人々との絆。 それは温かく、強く、優しい―― 魔女や魔法使いが存在するこの世界に、紅という名の魔女がいた。 紅は祈りとともに小さな奇跡を起こし、永い命を少し削っては大きな魔法を使う。 旅先で出会った母子を癒やし、夫を喪った妻の次の一歩への背中を押し、家出娘たちの門出に祝福を与え――その交流の中で紅も探すのだ。自らの「生きる意味」というものを。 そしてまた、魔女は旅を続ける。傍らに「小さな奇跡」を携えて……。 最後はきっと、泣いてしまう―― ヒューマンドラマの俊英・沖田円が紡ぐ、最高に切なく温かい4つの感涙ストーリー! -
図書室のはこぶね
10年ぶりに返却された本の謎―― 「はこぶね」のような図書室がつなぐ〈本と人〉の物語 10年前に貸し出されたままだったケストナーの『飛ぶ教室』は、なぜいま野亜高校の図書室に戻ってきたのか。 体育祭を控え校内が沸き立つなか、1冊の本に秘められたドラマが動き出す。 未来はまだ見えなくても歩みを進める高校生たちと、それぞれの人生を歩んできた卒業生たち――海を見渡せる図書室を舞台に描く、感動の青春小説! 第71回「青少年読書感想文全国コンクール」課題図書『銀河の図書室』の原点の物語 解説/松井ゆかり 装画/カシワイ -
県警の守護神 ~警務部監察課訟務係~
新ジャンルを生んだ話題の警察小説、文庫化! この新人がデビューしたら私の立場が危なくなるんじゃないか、と思うくらい評価した。 ──今野 敏氏 異色の警察小説ながら、元警察官の私も思わず「あるある!」と感じるリアリティな描写が光る作品です。魅力ある登場人物たちが織りなす緊迫のドラマ、ぜひご覧ください! ──販売担当N 憧れの警察官に転職した元競輪選手の桐嶋千隼は、ある日、バイクの自損事故現場で轢き逃げに遭ってしまう。病院で目を覚ますと、バイクに乗っていた少年は死亡していた上、桐嶋はその責任を巡る 訴訟を起こされていた。途方に暮れる桐嶋を訪れたのは、弁護士資格を持つ異色の巡査長・荒城──通称「県警の守護神」だった。真実よりも勝利を求めるやり方に反発するも、訴訟に巻き込まれていく桐嶋。さらに調査を進めるうち、訴訟は同日に起きていた警察官発砲事案にも繋がっていき……。 警察官を護り、国民を護る。警察×民事訴訟、小説界に新風が吹く! 第二回警察小説新人賞受賞作。堂場瞬一氏との特別対談も収録。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『県警の守護神 ~警務部監察課訟務係~』 の文庫版となります。 -
誘拐劇場
近畿地方のベッドタウン・水倉地区で起きた薬物事件。バニッシュと呼ばれるペーパーアシッド、最初の被害者は小学生だった。 県では薬物撲滅キャンペーンが展開され、イメージキャラクターとして俳優・師道一正が選ばれた。クリーンなイメージで俳優としても超一流、人を魅了することに長けた彼は、探偵としての能力も発揮。県警の義永誠刑事に協力して、事件の恐るべき真相を看破した。 事件解決の名声も手伝って師道は国会議員となり、水倉を地元として帰ってくる。そして囁かれはじめる黒い噂。 事件解決の熱狂の最中にも師道に違和感を持っていた支倉彼方と義永刑事の娘・真理子は、師道の真実に迫ろうと仲間を集め、位置情報アプリ「MK2」を使って水倉丘陵に隠されているはずの秘密を調べ始める。 そして誘拐事件は起こった。 二転三転する物語と手に汗握る知的攻防。善とは悪とは? 『スイッチ 悪意の実験』『伯爵と三つの棺』の潮谷験が贈る、傑作ジェットコースターミステリー! -
バンクハザードにようこそ
司法書士の東雲は、箱根銀行に勤める友人、燎原が多額の金を横領して自殺したと、燎原の妹の杏子から聞く。二人は燎原が死ぬ前に残した、「箱根銀行は二百億もの金を粉飾しており、その責任を自分一人に押し付けようとしている」というメッセージを見つけ、燎原の自殺の謎を探ること、また、箱根銀行に復讐し、必ず潰すことを誓う。東雲は、実は詐欺師であることを杏子に打ち明けた。予算未達に追い込まれ融資先を必死に探す本店営業部、インサイダー取引の惧れのある未公開株に手をかける運用部、マスコミ対策に追われる広報部、赤字決算の粉飾をした経理部……。不正と陰謀にまみれた悪徳銀行を、天才詐欺師が鮮やかに追い詰める、痛快エンターテインメント! -
完璧じゃない、あたしたち
自分を呼ぶのに「私」も「あたし」もしっくりこない妙子が出会ったのは、一人称からフリーな夏実(「小桜妙子をどう呼べばいい」)。ほか、恋愛、友情、くされ縁……名前をつけるのは難しい、でもとても大切な、女同士の関係を描く23篇。読後に世界の景色が変わる1冊。 -
たえまない光の足し算
若者たちの生を鮮やかに描く、芥川賞候補作 第173回芥川賞候補作 若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来! 「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。 美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。 「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。 “プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。 「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」 「なにが」 「人と人とのむすびつきがさ」 ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園 21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界! -
イシナガキクエを探しています
2024年4月から5月にテレビ東京で放送されたモキュメンタリー番組『イシナガキクエを探しています』。放送中に案内される問い合わせ窓口の電話番号が実在するなどリアリティを追求した結果、ネット上では番組内容が事実だと誤認する人や考察する人、「不気味」「怖い」などの声が続出し、一時Xでは日本トレンド1位になる騒ぎになりました。 書籍では放送の舞台裏を知った人物による視点で描かれた書き下ろしの内容とともに、未公開の音声や資料を収録。さらに物語の最後には「イシナガキクエ」に関する特別な映像も用意しております。番組を知らない初めての方でも読める内容となっておりますので、ぜひ本作をお楽しみください。 <あらすじ> 長年にわたり「イシナガキクエ」という女性を探してきた米原実次は、テレビ東京に協力を依頼するも2024年2月に死亡。彼の遺志を継いで公開捜査番組が放送された。全3回放送されたこの番組は、深夜帯にも関わらず大きな反響を呼び、番組に届いた情報は8,000件に及んだ。一方でこの番組は、多くの疑問を残しながらも、非常に中途半端な状態で最終回を迎えることになったため、視聴者の間では大きな物議を醸すこととなった。あの終わり方ではそれも致し方ないとはいえるが、少なくとも番組のスタッフたちは、本当にこれで良いのかと、逡巡し、葛藤していたことを知ってほしい。若くして逝った妹の遺志は継いでやりたかった。私はそのために筆をとったのだから。 -
ほくほくおいも党
お父さんに家族との対話を要求します! 高校三年生の千秋は、父と兄との三人暮らし。左翼政党員の父は、勝てない選挙に出続けて六年。兄は父の出馬をきっかけにいじめられ、引きこもりになった。母は同じころ家を出た。政治と政党に没頭し話の噛み合わない父だが、千秋は対話をしたいと願う。 すれ違う三人の家族を中心に、左翼政党員を親にもち風変わりな名前の自助サークルに集う「活動家二世」たち、震災のボランティアをきっかけに政治活動に出合う青年、高校の生徒会長選挙のドキュメンタリーを撮ることで新たな視点を得る高校生──それぞれの姿を家族の物語とともに描く全六話。 わたし選挙権の話なんてしてないじゃん。話聞いてよ──「千秋と選挙」 母の言葉とわたしの言葉はちがうのに、わたしは母の言葉を借りてしまう──「佐和子とうそつき」 どっちもそのひとで、どっちも親子の本当じゃん──「和樹とファインダー」 ボランティアって素晴らしいと思ってん──「康太郎と雨」 親父は結局、子どものことなんて考えてないんです──「健二とインターネット」 話すことを諦めたら、わたしはお父さんを憎んで、憎んで憎んで、死んでほしいと思っちゃうかもしれない──「千秋と投票日」 -
南アルプス山岳救助隊K-9
南アルプス山岳救助隊K-9シリーズ、 徳間文庫10巻目! 南アルプスを飛び出し、静奈、アメリカへ! 山小屋のアメリカ人スタッフが秘めた暗い過去とは? 好評山岳ミステリー最新作! いつも陽気な北岳白根御池小屋のアメリカ人スタッフ、ニック・ハロウェイの元気がない。 親友のピーターがアメリカ・ヨセミテのスルーハイク途中で亡くなり、 アメリカに戻らなければならないという。大学時代、二人は国家機密にかかわる国防関係の組織に所属していた。 だが組織は抹消、メンバーの大半が不審死を遂げる中、 ニックとピーターだけが国外に脱出できたのだ。 ピーターは夢だったヨセミテからマウント・ホイットニーまで続く 「ジョン・ミューア・トレイル」単独制覇のためアメリカに戻り、 旅の途中で”事故死”したという。 アメリカに戻れば命の危険にさらされる。 それでも親友に代わりスルーハイクを成し遂げたいというニックに、 山岳救助隊の神崎静奈は同行を申し出る……。 【文庫書下し】 -
あの夏をラムネの瓶にとじ込めて
これはなんの記憶? 高一の雨宮さつきは、自分の記憶にない映像が頭に流れる奇妙な既視感に悩んでいた。ある日、神社で目眩に襲われると、なんと戦時中の広島で路面電車の車掌として生きる前世の姿・ハナになっていた。不慣れな勤務中、乗客の剛に助けられ、彼の優しさに心惹かれていくが、ハナの幼馴染・楓も剛に想いを寄せていることを知る。広島に原爆が投下される1945年8月6日が近づく中、さつきは大切な人たちを助けようと奔走する。人を想いやる気持ちが起こす奇跡とは――。 -
盗んで食べて吐いても
どうかあなたに、希望の光がさしますように。 「太ったら、食べちゃダメなの」。幼いころに聞いた母の言葉をずっと忘れられないでいる早織。 早織は小学校6年生ごろから体重が増えはじめ、体型を何よりも重視する母は彼女の食事量を厳しく制限した。お菓子はダメ、お代わりはダメ。でも、もっと食べたい、もっと痩せたい。 早織は食べて吐くを繰り返すようになり、吐くための食料を手に入れるため、食べ物を万引きするようになってしまう。結婚をして夫と娘と仲良く暮らしながらも、彼女は万引きをやめられないでいた。 そんなある日、早織は妹からの電話を受ける。それはずっと避けていた母の命が、もう長くないと告げるものだった――。 母の呪縛。痩せたいという願い。間違いだとは分かっているのに、今日も彼女は正解を選べない。 既刊続々実写ドラマ化、『殺した夫が帰ってきました』『塀の中の美容室』で大注目の著者が描く新境地の傑作小説。 -
螺旋墜落
墜落まで60分。 タイムループが尽きる前に 大惨事を食い止めろ。 英タイムズ紙 2024年度ベスト・スリラーに選出! 一気読み以外ありえない ノンストップ航空SFサスペンス! 数学教師チャーリーの乗った旅客機は午前0時に墜落、乗客乗員は死亡した。 だがチャーリーは23:00に目を覚ます。そして機は再び午前0時に墜落した。 次に気がつくと時刻は23:01。彼女はタイムループに囚われたのだ。 墜落を阻止できるのは彼女ただひとり。 だが失敗のびにループ開始が11:02、11:03、11:05、11:08と繰り下がってゆく――。 英タイムズ紙〈2024年度ベスト・スリラー10選〉に選ばれた傑作。 -
怪獣殺人捜査 高高度の死神
神出鬼没の災厄―― 死神。 ――彼が現れたからといって、よくないことが起きるわけではない。 よくないことが起きた場所に彼が現れるのだ。 飛行中の飛行機内で殺人事件が発生。 機内が混乱に陥る中、大型飛行怪獣が姿を現す。 無事に着陸できるのか? 怪獣省の予報班の岩戸正美は、エースとして活躍していたが、彼女をもってしても不可解な事件が発生することがある。そんな時に決まって姿を現す警察庁特別捜査室の船村秀治。船村に彼女は振り回されているが、彼の悪い予感はよく当たる。船村に頼まれ、岩戸が搭乗した飛行機の中で、飛行中に殺人事件が発生してしまう。閉鎖された空間での混乱の中、危惧していた飛行怪獣が姿を現してしまう。 別日にはロシアに現れた二種の怪獣が日本の方向に南下。うち一種が武器庫を襲い、核をのみ込んだという。その怪獣を特定するため、岩戸は船村と北海道に渡る。 また、七年前に山中の集落で放火殺人事件があった。犯人は捕らえられ、死刑が確定していたが、同時期に事件現場の北で小型怪獣が現れていたため、この事件も怪獣が引き起こしたもので冤罪が疑われた。執行まで限られた時間の中で、岩戸と船村は事件の解決に奔走する。 『名探偵コナン』『ウルトラマン』シリーズの脚本家・大倉崇裕による〈怪獣×本格ミステリ〉シリーズ第二弾! -
英国幽霊屋敷譚傑作集
英国では奇妙なことに幽霊が居着いている物件ほど高く評価される傾向にある。殺人や凶事が起きた建物を巡る趣味もあり、幽霊は現在でも英国人の親しき隣人である――夫を裏切った末悲惨な最期を遂げた若妻の亡霊の出没する邸宅、館主の宴を訪れた黒衣の婦人の呪いが破滅を招くゴシック譚、田舎の農場屋敷に雇われた家庭教師が耳にした一族の愛憎劇に由来する幽霊騒動など、多彩な13篇を厳選し、収録する。ヴィクトリア朝の精華たる美しくも恐ろしいホーンテッド・マンション・ストーリーをご堪能あれ。/【目次】●英米・女流「幽霊屋敷」競作 「幽霊屋敷」エマ・ホワイトヘッド/「幽霊屋敷」マーガレット・ヴァーン/●ふたつの「開いた扉」競作 「開いた扉」シャーロット・リデル/「開いた扉」マーガレット・オリファント/●幽霊談義小説競作 「ブレイクスリー屋敷の幽霊談議」ウィリアム・マッドフォード/「奇談の屋敷」アンドルー・ラング/●J・E・プレストン・マドックの二屋敷 「バロカン屋敷の幽霊」J・E・プレストン・マドック/「ライスリップ僧院屋敷(アビー)の幽霊」J・E・プレストン・マドック/●応報と理不尽 「パディントン領主屋敷(マナーハウス)の幽霊」チャールズ・オリア/「ヨークシャーの幽霊屋敷」ダドリー・コステロ/「農場屋敷(グレインジ)の幽霊」フランシス・ブラウン/●異色競作 無名作家と巨匠 「岩礁の幽霊灯台」チャールズ・F・F・ウッズ/「ゴアズソープ屋敷の幽霊選び」アーサー・コナン・ドイル/編者あとがき――幽(かそ)けき扉、霊への階(きざはし) -
こうふくろう
社会派ミステリの名手によるクライム巨編! 後味最凶の作家デビュー20周年記念作品! 2020年5月、大学生の芹沢涼風はコロナ禍の影響で息が詰まりそうになる毎日を過ごしていた。ある日、彼女が池袋の公園を訪れると、そこには同じように孤独に苛まれ、行き場をなくした者たちがいた。 血がつながっていなくても、戸籍上は同じ家族でなくても、強い絆で結ばれた「本物の家族」を作りたい――。涼風は親しくなった者たちと「こうふくろう」を立ち上げる。 しかし、いつしか想像を超えて巨大になった集団の内部では、日常的に犯罪行為が繰り返されるようになっていく。 不穏な日常、酷薄な悪い奴ら、鳥肌必至のラストシーン……これはあなたのすぐ隣にある物語。 人々の心に巣くい、世に蔓延る「闇」の根源を炙り出す、戦慄のクライム巨編! 「今までで一番ダークな作品になったかもしれません」(著者) (底本 2025年6月発売作品) -
筏までの距離
小原晩、カツセマサヒコ推薦!! 恋ではない。友情ではない。 ふたりの関係の、呼び方を教えて。 学生の頃、彼女とはよく大学の付属植物園で過ごした。花の名前もよく知らないのに。 ある日彼女は、園内の礼拝堂の前で突然、耳鳴りがすると言った。 昨日、眠れなくて、宇宙の動画を見ていた時からずっと耳鳴りがする。 宇宙で鳴っている音を想像してからずっと、と――「植物園にて」 新幹線で出会った女性と偶然にも温泉街で再会した私は、 彼女に導かれて、古びたリゾートマンションの屋上から花火を眺めていた。 30分足らずで終わった花火の後、彼女は先に部屋に行っていると言い残して、 屋上から去ったが――「筏までの距離」 デビュー作で芥川賞候補に挙がった著者が贈る、 書き下ろし2篇を含む、わたしとあなたの8つの物語。 【著者略歴】 水原 涼(みずはら・りょう) 1989年兵庫県生まれ、鳥取県育ち。北海道大学文学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。2011年に「甘露」で第112回文學界新人賞を受賞しデビュー。同作が第145回芥川龍之介賞候補作になる。著書に『蹴爪(ボラン)』、『震える虹彩』(安田和弘との共著)がある。 -
栞と嘘の季節
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか・・・・・・。「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編! 直木賞受賞第一作。 -
もぎ取れ!3億円大作戦 丹馬九重市役所特命係のおかしな1日
書店員さん激推し! 市役所発、痛快ドタバタコメディ ピンチの数だけ、奇跡が起きる。 崖っぷちコンビが挑む、非合法スレスレの資金調達ミッション! 東京で挫折し、故郷の丹馬九重(たんばここのえ)市に戻った主人公・弓沢(ゆみざわ)は、市役所のアルバイトに採用され、正規職員を目指していた。 担当していたリゾートの開発計画が頓挫し、あわやクビというところで、市役所の問題児・櫛間(くしま)とタッグを組み、市の財政難を解決する特別プロジェクトに従事することに。 作戦名は「ライオンのひげ」。 それは資産家たちを、防犯カメラの映像を利用して巧みに説得し、合計3億円の寄付を募るというとんでもないプロジェクトだった。 謎の相棒・櫛間の驚異的な場を読む力と話術により、作戦は意外にもうまくいき始めるが、 とある人物に寄付を持ちかけてしまったことから、二人は大きな事件に巻き込まれていき…… 【全国の書店員さんから推しの声、続々!】 第1回「本のサナギ賞」を『稲荷山誠造 明日は晴れか』で受賞した著者・香住泰さん待望の最新刊。 キャラの立った登場人物、テンポよく進む物語、臨場感あふれる場面転換、手に汗握るハラハラドキドキの中にユーモアのスパイスが効いた緊張と緩和。 正にページを繰る手が止まらない、一気読み必至の痛快エンターテイメント作品である。 (高坂書店 井上哲也) *** たちの悪いおっさんとあくどい寄付集めに奔走するとんでも話! なのに読後感はほっこり。 (旭屋書店 新越谷店 猪股宏美) *** 小説だからこそ面白い! 現実なら怖いです・・・ タダほど怖いものはない。自分もいつ足をすくわれるかと思うと、ゾッとします。 パンフレットを見るたびに、この物語を思い出しそうです。 どうか最恐コンビが目の前に現れませんように。 (明文堂書店 高岡射水店 野口陽子) ◆目次 第1章 捨て身のふたり 第2章 あの手この手 第3章 崖っぷちの大勝負 エピローグ -
奇跡集
同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見しらぬ男女たちがつなぐ、幸せのふしぎスイッチ。第一話「青戸条哉の奇跡 竜を放つ」――満員の朝の快速電車。ぼくは過去最凶の腹痛に耐えていた。もうダメだとその場にしゃがもうとした瞬間、隣に立つ同い年くらいの女性が、わずかに早くしゃがみこんだ・・・。第二話「大野柑奈の奇跡 情を放つ」――大学時代、わたしは小劇団にのめり込んだが、結局就職。通勤途中、具合が悪くて社内で声をかけた女性の様子が気になり、駅を一つ戻ってホームに降りると、そこには意外な先客が・・・。他5編。小さいけれど確かに人生を左右する(かもしれない)7つのミラクルを描く、連作短編小説! -
抵抗都市
日露戦争に「負けた」日本。終戦から 11 年たった大正 5 年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見された。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と組んで捜査を開始する。だがその矢先、警視総監直属の高等警察と、ロシア統監府保安課の介入を受ける。どちらも、日本国内における反ロシア活動の情報収集と摘発を任務とする組織だった。やがて二人は知る。ひとつの死体の背後に、国を揺るがすほどの陰謀が潜んでいることを・・・。警察官の矜持を懸けて、男たちが真相を追う! 不動の人気を誇る警察小説の旗手が、魂を込めて描いた圧巻の歴史改変警察小説! -
嘘つきたちへ
過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。※本電子書籍は、『嘘つきたちへ』(ミステリ・フロンティア 2025年5月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】このラジオは終わらせない/ミステリ好きな男/赤い糸を暴く/保健室のホームズ/嘘つきたちへ -
恋恋往時
自分にないものを思って憂うのではなく、 他のひとにはなくて、 私だけが持っているらしいもののことを考えよう――。 国境と言語を跨いで射し込む光に照らされた、日本と台湾、4つの物語。 ――これからあたしたちは、飛行機に乗ってパパのところに行くのよ。 幼い頃、父と一緒に暮らすため、母と共に台湾から日本へ旅立った「私」。 四十年が経ち、祖母の葬儀に出席するため台湾に向かう「私」の心に蘇るのは、 かつて耳にした台湾語と懐かしい家の光景、亡き母の朗らかな歌声だった。(「二匹の虎」) 表題作「恋恋往時」や姉妹編「二匹の虎」をはじめ、 しなやかな生のありようを描いた4作を載録する作品集。 【著者略歴】 温又柔(おん・ゆうじゅう) 1980年、台北市生まれ。両親とも台湾人。幼少時に来日し、東京で成長する。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞しデビュー。2016年、『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2020年、『魯肉飯のさえずり』で第37回織田作之助賞受賞。著書に『来福の家』『真ん中の子どもたち』『空港時光』『永遠年軽』『祝宴』、木村友祐との往復書簡『私とあなたのあいだ――いま、この国で生きるということ』、編著に『李良枝セレクション』など。 -
【完全版】日本の幽霊事件 封印された裏歴史【電子特別版】
谷中霊園、日暮里駅、神田・お玉が池、神田~隅田川、東中野~中野一丁目、宮ケ瀬ダム、観音崎、群馬県&埼玉県・神流湖、秋葉原、面影橋、姿見の橋、歌舞伎町、品川橋~天王洲、葛飾区、旧三河島町界隈、淀橋、代々幡など。かつて事故や事件のあった場所に現れる幽霊たち。恨みを残して亡くなった場所、自殺の多い場所などを歩き、土地の記憶に耳を傾け、話を聞き、過去の新聞や歴史資料を集め、写真を撮る。史実と伝説のあわいを歩き、声なき声を蒐集した、怪奇ノンフィクション。「そこに『出る』理由。それは幽霊より怖い」京極夏彦(『東京の幽霊事件』単行本帯推薦文より)。怪奇探偵として知られ、幽霊物件や未解決の怪奇事件、心霊写真や心霊ビデオの調査、四谷怪談をはじめとする呪いの歴史的考察など、世間に流布する怪異譚を蒐集し、成立過程および社会史的背景をくまなく徹底的に調査し、執筆する作家・小池壮彦。『日本の幽霊事件』『東京の幽霊事件』を1冊にまとめた決定版。 -
憧れの貴婦人レシピ
結婚して10年の夫に不倫され離婚。仕事もお金も趣味を楽しむ気力もなしと人生どん底の華帆は、ある日飛び込んだバーで、見たことも無い美味しそうな料理と、不思議な雰囲気の男性・京太郎と出会う。 彼は歴史上の貴族女性たちが愛した料理を調査するライターだという。フランス王妃が愛した鶏のトサカを使った煮込み料理「チブレオ」を食べ、その美味しさとあたたかさに心を動かされた華帆は、京太郎の「貴婦人レシピ」の調査を手伝い始めるが……。マリー・アントワネット、ヴィクトリア女王、クレオパトラ、楊貴妃。歴史上の高名な女性たちは一体どんな料理を食べていたのか。個性豊かな仲間と絶品料理が紡ぐ、心温まる新たなグルメ小説! -
青い鳥、飛んだ
大手フランチャイズ加盟のコンビニ店主・柳田克己は、「万引き犯など最低の人間」という信念を持ち、「万引きをさせない」のではなく、決して見逃さず「捕まえる」ことにしていた。ある日、克己は菓子パンを万引きした男を捕まえようとしたが、もみ合ううちにその男を死亡させてしまう。そして克己は逮捕され、人生は暗転していく。一方、児童養護施設で暮らしていた頃に万引きで捕まった過去を持つミチル。彼女はバイトを掛け持ちしながら必死に一人で生きていたが、コロナ禍の「シーセッション(女性不況)」で仕事を次々に失い、現在は違法メンズエステ店で働いていた。必死に生きながら、自分の夢の実現を目指す彼女は時折思うことがある。あの日、捕まっていなければ。そんな二人が、ある事件を契機に巡り会うことに……。 -
魔女の館の殺人
この謎から、脱出せよ。 山奥の洋館で始まった 〈脱出ゲーム〉という名の怪奇殺人―― 理系×文系の大学生コンビが挑む リアル謎解きミステリー! 進藤理人は理学部に通う大学二年生。ルームメイトの柏木詩文とは、性格こそ正反対ながら「謎解き」という共通の趣味があり馬が合う。ある日二人は山奥の洋館で催される脱出ゲームに参加することに。だがその最中、何者かの焼死体が館内で見つかった。戦慄のなか、やがて次の犠牲者が……。館を出られる条件は唯ひとつ、九つの謎を解くこと――「殺人(マーダー)」×「謎解き(リドル)」の読者参加型ミステリー! 解説:若林 踏 -
倉島警部補シリーズ
これが、公安の仕事。シリーズ第8弾! 公安のエース、倉島警部補の活躍を描く「公安外事・倉島警部補」シリーズ第8弾! 知られざる公安の日常、他部署の公安警察官、あるいは刑事との関係性を知ることができる【ザ・公安小説入門編】にして、チーム倉島の冴えた躍動に鼓動高鳴る短篇集。 表題作「ニンジャ」を含む全8篇を収録。 「アテンド」 美貌を誇る台湾の公安捜査官・林春美(リン・チュンメイ)が来日するとの報せが。彼女に惚れ込む西本はアテンドに手を挙げるが、彼女相手にそう簡単に事は進まず――? 「ケースオフィサー」 最近赴任したばかりのロシア大使館駐在武官・ゴーゴリの行確(行動確認)を指示された倉島。張り込みを続けると、彼はある日本人女性と接触していて――? 「ニンジャ」 「洗いたいロシア人がいる」白崎の提案からチームを編成、公安総務課の伊藤と公安機動捜査隊の片桐を借り出すことに。対象はあるパーティーに参加するようだがいかに潜入すべきか。そのとき〈ニンジャ〉が動き出す。 他5扁。 シリーズ第8弾ですが、この一冊から読んでも大丈夫。 -
渦の中へ おいち不思議がたり
医者を目指しつつ、女としての幸せも諦めたくないおいちは、飾り職人・新吉との結婚を決意する。しかし祝言の当日、『浦之屋』という商家で毒物混入事件が……。おいちは祝言の途中で現場に駆け付け、父・松庵とともに苦しんでいる人達の手当に奔走する。そして後日、『浦之屋』の若旦那の乳母が服毒死。犯人だと名乗り出たのは、なんと菖蒲長屋の元住人・巳助だった。この世に思いを残して死んだ人の声を聞けるおいちは、巳助が闇に呑み込まれる姿を見てしまい、事件の裏に何かあると確信。仙五朗親分とともに、事件の真相究明に動き出す。体調に異変を感じていたおいちは、この奇怪な事件の謎を解くことができるのか。シリーズ累計45万部突破! 仕事も家庭も手に入れたい娘の奮闘と成長を描いて話題の、青春「時代」ミステリー第六弾! -
信仰
信じることの危うさと切実さに痺れる11篇 「なあ、俺と、新しくカルト始めない?」 好きな言葉は「原価いくら?」 現実こそが正しいのだと強く信じる、超・現実主義者の私が、 同級生から、カルト商法を始めようと誘われて――。 世界中の読者を熱狂させる、村田沙耶香の11の短篇+エッセイ。 表題作は2021年シャーリィ・ジャクスン賞(中編小説部門)候補作に選ばれました。 文庫化にあたり、短篇小説「無害ないきもの」「残雪」、エッセイ「いかり」を追加。 書き下ろしエッセイである「書かなかった日記――文庫版によせて」を巻末に収録。 〈収録作〉 「信仰」「生存」「土脉潤起」「彼らの惑星へ帰っていくこと」「カルチャーショック」「気持ちよさという罪」「書かなかった小説」「最後の展覧会」「無害ないきもの」「残雪」「いかり」 単行本 2022年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年5月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
みにくいふたり
異国の地で出逢った美しい少女。だが、憧れの彼女は人ではなかった。 この恋は、人を殺す。 最注目の気鋭が放つ、異形の恋愛ホラー長編! 交換留学で台湾を訪れた女子高生・緑川芽衣。優等生の詠晴に学校を案内され、 クラスメイトとも打ち解け始めた矢先、無人の教室で怪しい気配に遭遇する。 その夜、自室に現れたのは、美しい容姿を持ちながら、強烈な不快感を与える不思議な少女、恵君だった。 彼女との交流を始めた芽衣は、ある事件に巻き込まれて帰国を余儀なくされる。 時が経ち、辛い結婚生活を送る芽衣の元に、台湾にいるはずの詠晴から「気を付けて」と書かれた手紙が届き……。 【目次】 第一章 虫がいい話 第二章 悪い虫がつく 第三章 虫を起こす 第四章 虫が起こる 第五章 飛んで火に入る夏の虫 第六章 虫を殺す エピローグ 装画/たけもとあかる 装幀/円と球 -
ザ・ネバーエンディング・ストーリー 東京バンドワゴン
【人気シリーズ、ついに辿り着いた第20弾!】 舞台は、昭和60年(1985年)。 最近、幼稚園児の青が楽しく読んでいるのは、〈東亰バンドワゴン〉の蔵で見つけた『不一魔女物語』という本らしい。 原書はイギリスの稀覯本で、最近日本人に落札された。その額、なんと3000万! その幻の古書を、古美術窃盗団が狙ってる!? そして、青をつけまわす怪しい人物まで出てきて・・・・・・。 我南人の今は亡き妻・秋実も活躍する番外長編。 【著者プロフィール】 小路幸也(しょうじ・ゆきや) 北海道生まれ。広告制作会社退社後、執筆活動へ。2002年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞して作家デビュー。代表作「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ、「旅者の歌」「札幌アンダーソング」「国道食堂」「花咲小路」シリーズなど著書多数。 -
父の回数
話題のシスター・バイオレンスアクション『ババヤガの夜』の著者が放つ傑作小説集。 父親が死んだという連絡がある。母親は三十年以上前に父と離婚してから、まったく没交渉だった人間だ。葬式を準備する私と母の顔には、「めんどうくさい」という字がくっきり刻まれている(「かたす・ほかす・ふてる」)。 誰にも同情されず、注目もされず、生きる営みを淡々鬱々と続ける人々の心を照らすものとは? 孤独な現代人の心を揺さぶる「ダイバーシティ」ファミリー小説五編。 こんな風に書かれる主人公たちが心底羨ましい。理屈じゃなくて、肌触りが好き。独り占めしたいから読まないでください! ―尾崎世界観(シンガーソングライター・小説家) 全編、順番を付けられないくらい好きです。そして、どのお話にでてくる人も好きです。 共に生きられなくても、あなたを生かしてくれるひとはいるのだよ、と王谷さんが語りかけてくれるようでした。 ―町田そのこ(作家) これはあなたの話であり、わたしの話であり、あなたのすぐ隣で生きているひとの話だ。 ―永井玲衣 (哲学者・作家) つながりは言葉のまえに、そこにあって、じぶんの家族も、本当は名付けられないなにかだ。 本書は家族という最小の社会につけられた、無数の傷を愛そうとするこころみである。 ―海猫沢めろん(作家) この小説たちは、まさに現代の「人間喜劇」(19世紀の文豪バルザックの小説群)だ!―(担当編集) -
京都お抹茶迷宮
【電子版巻末には花守先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 京都にある零細出版社・太秦出版社に事務員として勤め始めて三年目の大庭小依(おおば・こより)。ある日、食中毒で倒れた先輩編集者の代理で、作家・皆月豊(みなづき・ゆたか)との打合せ場所に資料を渡しにいったところ、はんなり京男子な皆月のマイペースぶりに巻き込まれ、いつの間にかこの企画の担当編集を引き継ぐことに。初担当となる本は、京都のお抹茶に関する面白い逸話を探しながら人気の名所やお店を巡り、お抹茶スイーツやお点前を楽しむという紀行エッセイ本『京都お抹茶迷宮(仮題)』だ。 編集者としての初仕事にはりきる小依だが、皆月と共に取材を続けるうちに「千利休の孫・宗旦」と「白狐の恋」にまつわる不思議な抹茶の逸話を耳にする。そして、その逸話に沿うかのように、「狐の子孫」と言われる一族が営む茶舗で事件が発生して……!? -
嘘つきは同じ顔をしている【電子版特典付き】
さまざまな思惑が絡み合う《事故物件》マンション。そこに隠された驚きの真実とは……!? 弱小出版社の若手編集者・山城龍彦は、社長命令で、事故物件だと言われているマンションに住むことになった。そこで起きている怪奇現象の検証や取材をして本にまとめろというのだ。 優秀過ぎる学生バイト・小野寺はるかの援軍も得て聞き込みをし、このマンションがお化け屋敷と呼ばれている証言を得るが……。 / マンションに住む武藤大樹の小三の息子が行方不明になってしまった。そんな状況で妻は、「きっと悪魔に攫われた」と言い出す。霊感があるという妻の突拍子もない発言は初めてではなかった。 / 売れない役者兼ホストからスカウトされ、深夜番組で霊能力者を演じて人気を博していく葛木竜泉。もちろんニセ霊能力者なのだが、番組の企画で心霊マンションでロケをすることになり……。 / オカルトYouTuber・サーナこと冴木早菜。マンションを仕事場にしてさっそく怪奇現象が起こり、ネタになるとほくそ笑むのだが――。 *web小説サイト「カクヨム」で先行掲載開始! *電子書籍版特典として、書き下ろし番外編ショートストーリー「二人は仲良し」を収録。 -
熊はどこにいるの
「わたし、殺しました、生みたての赤ちゃんを」──震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。各紙誌絶賛! デビュー18年、著者最高傑作。 「これほどの強度の小説は滅多にないし、ここには真の意味での熊がいる。」──古川日出男 「いつかこんな夢の中に自分もいたような気がする。止まらない余震のような小説。」──斎藤真理子 生きるためにもがく者、 死ぬための場所を探す者── 暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。 津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。 震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。 -
悲母
天才少女はなぜマンションから転落したのか。 世田谷区のマンションから小学六年生の少女・青島まどかが転落し、意識不明の重体となった。そのニュースは、世間を震撼させる。 なぜなら彼女は、中学受験に向けた模試で全国1位を取り続ける天才少女だったからだ。事故か、あるいは受験生を狙った何者かによる犯行なのか。日ごろ、高慢な態度で周囲の反感を買っていたまどかを疎ましく思う人間は多く、彼女が所属する塾・新光学院の保護者たちは噂話に余念がない。 そんななか、唯一まどかの心の内を知る大学生チューターの玲奈は、保護者たちの言動に怒りを覚え、事件の真相を探る決意をする。塾の室長に睨まれながらも、まどかについての情報を収集する玲奈。やがて不審な行動をする保護者が目に着くようになる。 ある日、塾に刑事たちがやってきた。室長に跳ね返されるように出ていった彼らを、玲奈はこっそりと追う。次に刑事たちが向かった先は、新光学院の塾生が住むマンションだった――。 受験という、人生の転機に翻弄されるいくつもの家族と母たちの業。そしてその先にある再生の光を描き出す。家族に真に必要なものは何かを見つめる、中学受験ミステリー。
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