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Posted by ブクログ
プロ野球選手はだいたいの人からは憧れの存在だ。
そしてプロ野球選手には所属する球団があり、球団を運営するために影で様々な苦労をする裏方のスタッフがいる。
この本は、野球と全く関係のない人生を歩んできたサラリーマンが、青天の霹靂の人事異動でプロ野球球団の建て直しをせよと言われ、奮闘するノンフィクションだ。
著者の清武さんは読売新聞の社会部記者として、長年スクープを報じてきたが、ご自身もその後、巨人軍の球団代表になり2011年に「読売のドン」こと渡邉恒雄氏の独裁を訴え、『清武の乱』と言われた係争になったという有名人。ゆえに野球界の裏がわかるようなリアリティある内容でした。
このノンフィクションの中では、阪神と広島という地元密着かつ根強いファンのいる球団に異動した2人の人物が奮闘し苦難の連続の日々を描かれていた。球団社長になっても上にはオーナーがいて、自分の自由になるというものは少ない。阪神は親会社の鉄道会社の過度な干渉とOBの派閥争いがあり、広島は市民球団ゆえの予算不足で選手がいなくなってゆく。メディアからは叩かれてフロントが悪いとバッシングを受ける…実にサラリーマンの悲哀を一身に受けるような内容だった。
やっぱりプロスポーツは、1人の単なるファンとして、好き勝手に語るほうが幸せなのだろうな。
大谷翔平やドジャースフィーバーが巻き起こる現在は、なかなか日本のプロ野球界にいい話がないよなあ。
ナベツネさんがいなくなったから、何か大きな改革もしやすくなったんじゃないか…そんな無責任なことをここに書いている僕も単なる一ファンだ。
Posted by ブクログ
2000年代に球団社長を務めた阪神タイガース野崎氏、広島カープ鈴木氏が、監督の交代や選手の移籍、球団再編の局面でいかに対応したのかを追うノンフィクション。
野崎氏と鈴木氏の夫々のエピソードを並行して取り上げていますが、私は圧倒的に野崎氏の部分が面白かったです。
野崎氏が阪神電鉄関係会社から阪神タイガースに出向となったのは藤田監督の退任の時期。その頃の阪神はまさに万年Bクラスの暗黒時代。それはスカウトや編成などが旧態依然としたやり方で全く機能していなかったからでした。
阪神タイガースのオーナー久万氏、在版スポーツ紙のマスコミ、そして発言力の大きな阪神タイガースOBなど、球団の運営方法をめぐる魑魅魍魎とのやりとりが、非常にリアルに描かれています。こんなことをしていたから、強くなれなかったのか、と改めて実感。
意外だったのは、スカウト情報をパソコンでデータ化し、球団フロントで共有するシステムを、日本球界で最初に導入したのは野崎氏が球団代表だった2001年の阪神タイガースだった事です。野崎氏とシステムを提案した担当者吉村氏が改革を進めるのですが、スカウトからは拒否反応を示され、結局システムを運用するには至りませんでした。ちょうど星野監督の時代です。もしも、この時にシステムを定着させることができていたら、2005年のリーグ優勝から再び暗黒時代に戻ることはなかったかもしれません。吉村氏は後に日本ハムに移籍し、阪神タイガースでやろうとしたスカウトのシステム化を実現し、ヒルマン監督時代の日本ハムを支えることになります。
2004年の球団再編の局面では、巨人の動向を気にかけ、渡辺恒雄氏の顔色をうかがう阪神の久万オーナーに、野崎氏は振り回されることになります。しかし野崎氏は、阪神タイガースだけではなく、球界全体の発展を目標に、1リーグ制を支持していた巨人=渡辺氏に毅然と反旗を振りかざしたのでした。阪神タイガースの球団運営を近代化、正常化した野崎氏ですが、その成果を評価されるよりは、どちらかというと旧主派、保守派からは疎んじられる結果を招きました。それでも筋を通すところが、読んでいて痛快ではあります。
広島カープの鈴木氏については、黒田投手のドジャーズ移籍や、のちのカープ復帰、緒方選手の引退をめぐるやりとりなど、こちらも当事者の口から語られる興味深いエピソード満載です。
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小説・文芸
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