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Posted by ブクログ
体制や組織からはみ出しながらも正義を貫く人たちへの清武さんの眼差しはいつも優しくてあたたかい。石つぶては外務省機密費流用事件を追ったルポタージュだ。登場するノンキャリの二課刑事たちは、みな個性的で気骨があって魅力的だ。
機密費のような使途が柔軟なお金は政治を行ううえで必ず必要だろうし、その意味で清廉たることはできないと個人的に思う。問題なのはそのグレーゾーンを扱うものの心持ちだろう。松尾克俊ひとりで5億以上流用できているならば外務省という組織のチェック機能は破綻しているだろうし、組織的に隠蔽して松尾克俊ひとりに罪をなすりつけているのであれば外務省という組織は腐っている。どちらにしても組織としては酷かったのだろうと思う。
潔癖でありすぎることは息苦しいことだし、この世から悪事がなくなることはないだろう。その意味で一罰百戒だとしても警笛を鳴らし半鐘を鳴らすことで世を啓蒙する二課のような組織が必要だろうと思う。
気になるのは警視庁がより管理的な組織となり捜査手法も可視化されたことで検挙件数が減っていることだ。きっとここにもグレーゾーン問題がある。管理し数値化しリスクヘッジすることは一見正しく清廉に見えるが、そんなに理想通りに社会は動かない。贈収賄を野放しにしないような組織に警視庁が変わっていてほしいなと思う。潔癖な組織や社会は理想に過ぎない。健全な組織や社会はグレーゾーンや余白を認める寛容さとそれを悪用しない規律があるものなのだろうと思う。
Posted by ブクログ
先にドラマ版の石つぶてを見てしまったせいか、読み進めるワクワク感が無かったが、これを見てドラマ版はよくできているなとおもったし、ノンフィクションの本書を下書きに、映像化する際に、人間関係や登場人物の性格、伏線の張り方を少し変えてドラマチックに演出していることが分かって面白かった。
また、松尾氏の汚職事件簿でもある一方で、刑事の戦いも物語であり、型破りな刑事が多く登場するが、今は管理社会でその存在は許されず、同時に検挙数も下がっているという。日本社会に様々な問題があるが、警察内部においてすら、ある種の息苦しさというのが存在するのだなと改めて思った。
Posted by ブクログ
「しんがり」が良かったので、こちらも手に取る。
期待に違わず面白く一気読みでした。事件そのものは、私の中では山一の方が衝撃的で、こちらも同じ外務省で、この後に世間を騒がした、佐藤優・鈴木宗男の一連の事件の方が印象に残っている。
本書もノンフィクションではあるが、出来のいい映画を見ている様に一気に話が展開していきます。捜査をする刑事がホント濃い人ばかりで、こんな組織の中では、自分は絶対に生き抜けないとつくづく思いました。
摘発された松尾も、最後は外務省を守ったのか。捜査では明らかにできなかったそこを、作者が突っ込めたら凄い傑作になってると思う。
この人の作品はもう少し読んでみたい。
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小説・文芸
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