作品一覧

  • 夜のだれかの岸辺
    3.1
    1巻1,672円 (税込)
    「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」 19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。 「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、 憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。 ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)
  • あなたに安全な人
    3.6
    1巻1,837円 (税込)
    人を死なせた女と男の、孤独で安全な逃亡生活――。3.11直前の少年の死をめぐる海難事故と、沖縄新基地建設反対デモ警備中の出来事が、「感染者第一号」を誰もが恐れる地で交差する。
  • Valentine Stories
    4.0
    ドラマチックが、止まらない――。 あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日。2月14日、バレンタインデー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。バレンタインをめぐる「粒より」のドラマを8種詰め合わせた、ちょっと贅沢な限定アソート。
  • 雪子さんの足音
    3.6
    1巻1,353円 (税込)
    東京に出張した僕は、新聞記事で、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家の雪子さんが、熱中症でひとり亡くなったことを知った。20年ぶりにアパートを訪ねようと向かう道で、僕は、当時の日々を思い出していく。
  • 見知らぬ人へ、おめでとう
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    「……あの、むかし、日比谷で、いっしょにコンサート観ませんでしたか?」かつて1度だけ会ったことがあるふたりの女性の、十数年ぶりの再会……。過去をふりかえりたいわけではない。なつかしみたいわけでもない。いまのままでいいとも思っていない。だけど、あの頃となにが変わったの? 小さな願いをかかえて生きる、ふたりの女性の姿を追った表題作ほか、「野いちごを煮る」「天使」の2篇を収録。
  • 春待ち海岸カルナヴァル
    3.4
    1巻1,320円 (税込)
    自分には、愛される価値なんかない。そう思って、家業のホテルをきちんと守ってきた39歳未婚の紫麻。そこに現れたのは冴えない中年男。なぜか紫麻の足にぴったりのバレエシューズを携えて……。真面目で一所懸命、だからこそときめきからは遠ざかってしまう。そんな女性のまだ恋ともつかない心のさざなみを温かく描いた長編。

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  • あなたに安全な人

    Posted by ブクログ

    ストーリー自体は盛り上がりのあるタイプではなく、鬱々とした日常を書き出している。読み手によって受ける衝撃の度合いが異なるタイプの小説だった。何かしら脛に傷のある人じゃないと、読んでもつまらないかも。この物語の登場人物達は家族や職場、地域などのコミュニティから受け入れられなかった人々なんだと思う。それでも誰かと共にある安心を求めたから、よそよそしくても2人の生活が始まったのかな。自分が罪を犯したのではないかという不安を打ち消しながらの暮らしとそれぞれが抱える孤独、コロナ禍の生活が辛く感じられ、湊かなえよりよっぽど読後感がイヤ。

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    2024年03月05日
  • 雪子さんの足音

    Posted by ブクログ

    木村紅美(くみ)さん、初読みです。「雪子さんの足音」、2018.2発行。一息に読み終えました。20年前に住んでいた月光壮の大家である川島雪子さん(90歳)死去のニュースを知り、20年前のことを回顧する湯佐薫。とても親切でお節介な雪子さん(70歳)、大学3年の薫、高卒のOLで同い年の小野田さん。この3人の奇妙な人間関係が描かれています。度の過ぎた世話焼きの雪子さん、愛情を寄せる小野田さん、潔癖で不器用な薫。人間関係が噛み合わない切なさを描いた秀作だと思います。

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    2020年11月23日
  • 夜のだれかの岸辺

    Posted by ブクログ

    不思議な雰囲気、魅力がある。老婆との添い寝でお金をもらう女性、周りの人々との不思議な関係。淡々としているようで濃い内容。

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    2023年10月23日
  • 雪子さんの足音

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人との距離感というのは難しい。押し付けず嘘をつかず相手の気持ちを考えながら誠実に向き合う。程度の差はあれ完璧にこれをこなしている人は実は少ないのかもしれない。みんなどこかで矛盾しながらも人間関係を成立させているのかな、なんて事を考えた。

    にしても雪子さんは極端だし薫は甘え過ぎだ

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    2022年12月03日
  • 雪子さんの足音

    Posted by ブクログ

     雪子さんの不安、薫のもどかしい思い、小野田さんの抱える闇、それらを月光荘というアパートが包みこんでいる。未来に希望を見つけられないまま生きていく、そんな人たちを切り取ったお話だった。

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    2022年10月08日

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