作品一覧

  • 熊はどこにいるの
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    「わたし、殺しました、生みたての赤ちゃんを」──震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。各紙誌絶賛! デビュー18年、著者最高傑作。 「これほどの強度の小説は滅多にないし、ここには真の意味での熊がいる。」──古川日出男 「いつかこんな夢の中に自分もいたような気がする。止まらない余震のような小説。」──斎藤真理子 生きるためにもがく者、 死ぬための場所を探す者── 暴力から逃れた女を匿う山奥の家に暮らす、リツとアイ。 津波ですべてを失ったサキと、災後の移住者であるヒロ。 震災から7年の地で、身元不明の幼子をめぐり、4人の女たちの運命が、いま、動き出す。
  • 夜のだれかの岸辺
    3.1
    1巻1,672円 (税込)
    「毎晩、添い寝してほしい、ついでに朝ごはんもいっしょに食べてほしい」 19歳の春、茜は89歳のソヨミに雇われ、風変わりなアルバイトを始めた。 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞の『あなたに安全な人』に続く最新作。 「当時の私は大学にはゆかず浪人しているわけでもなく、漠然と、映画に係る仕事をしてみたい、と望んではいたものの、 憧れる都心のミニシアターのバイトに応募しては履歴書で落とされていた。 ひと月でおよそ九万円。家の食費も浮く。妥当な金額に思えた添い寝を、試してみることにした。」(本書より)
  • あなたに安全な人
    3.5
    1巻1,837円 (税込)
    人を死なせた女と男の、孤独で安全な逃亡生活――。3.11直前の少年の死をめぐる海難事故と、沖縄新基地建設反対デモ警備中の出来事が、「感染者第一号」を誰もが恐れる地で交差する。
  • Valentine Stories
    4.0
    ドラマチックが、止まらない――。 あげる人もあげない人も、もらう人ももらわない人も、チョコが好きな人もそうじゃない人も、なぜか気になる日。心がザワザワする日。2月14日、バレンタインデー。本命チョコ、友チョコ、義務チョコなど、様々な関係性でやりとりされる〈それ〉は、ただ甘いのか、ほろ苦いのか……。バレンタインをめぐる「粒より」のドラマを8種詰め合わせた、ちょっと贅沢な限定アソート。
  • 雪子さんの足音
    3.6
    1巻1,353円 (税込)
    東京に出張した僕は、新聞記事で、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家の雪子さんが、熱中症でひとり亡くなったことを知った。20年ぶりにアパートを訪ねようと向かう道で、僕は、当時の日々を思い出していく。
  • 見知らぬ人へ、おめでとう
    3.0
    1巻1,672円 (税込)
    「……あの、むかし、日比谷で、いっしょにコンサート観ませんでしたか?」かつて1度だけ会ったことがあるふたりの女性の、十数年ぶりの再会……。過去をふりかえりたいわけではない。なつかしみたいわけでもない。いまのままでいいとも思っていない。だけど、あの頃となにが変わったの? 小さな願いをかかえて生きる、ふたりの女性の姿を追った表題作ほか、「野いちごを煮る」「天使」の2篇を収録。
  • 春待ち海岸カルナヴァル
    3.4
    1巻1,320円 (税込)
    自分には、愛される価値なんかない。そう思って、家業のホテルをきちんと守ってきた39歳未婚の紫麻。そこに現れたのは冴えない中年男。なぜか紫麻の足にぴったりのバレエシューズを携えて……。真面目で一所懸命、だからこそときめきからは遠ざかってしまう。そんな女性のまだ恋ともつかない心のさざなみを温かく描いた長編。

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • 熊はどこにいるの

    Posted by ブクログ

    ある時保護された5歳程度の子供
    その子を探すシェルターの女2人と、乳児を遺棄した女とその友人
    4人の女が時系列を行ったり来たりしながら交代して語る日々
    非虐待児で男嫌いであったのに肌の触れ合いから自分の欲望に気付いてしまうリツのギリギリの苦しさが印象的
    しかし感想が難しい
    救いもカタルシスもない
    生きづらい世界を生きるしかない人たちの現実を描く
    お料理がとても魅力的

    0
    2025年10月05日
  • あなたに安全な人

    Posted by ブクログ

    ストーリー自体は盛り上がりのあるタイプではなく、鬱々とした日常を書き出している。読み手によって受ける衝撃の度合いが異なるタイプの小説だった。何かしら脛に傷のある人じゃないと、読んでもつまらないかも。この物語の登場人物達は家族や職場、地域などのコミュニティから受け入れられなかった人々なんだと思う。それでも誰かと共にある安心を求めたから、よそよそしくても2人の生活が始まったのかな。自分が罪を犯したのではないかという不安を打ち消しながらの暮らしとそれぞれが抱える孤独、コロナ禍の生活が辛く感じられ、湊かなえよりよっぽど読後感がイヤ。

    0
    2024年03月05日
  • 雪子さんの足音

    Posted by ブクログ

    木村紅美(くみ)さん、初読みです。「雪子さんの足音」、2018.2発行。一息に読み終えました。20年前に住んでいた月光壮の大家である川島雪子さん(90歳)死去のニュースを知り、20年前のことを回顧する湯佐薫。とても親切でお節介な雪子さん(70歳)、大学3年の薫、高卒のOLで同い年の小野田さん。この3人の奇妙な人間関係が描かれています。度の過ぎた世話焼きの雪子さん、愛情を寄せる小野田さん、潔癖で不器用な薫。人間関係が噛み合わない切なさを描いた秀作だと思います。

    0
    2020年11月23日
  • あなたに安全な人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    コロナ禍の閉塞感と登場人物二人の過去。
    重い気持ちを引きずりながらこの先に何かあるだろうと読み進めたが、何も起きなかった。
    まさに人生とはそんなものかもしれないし、
    こういう感情を持つことも必要だなあと思った。

    0
    2025年09月17日
  • 熊はどこにいるの

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どんな感想を抱けばいいのか、悩む小説だった。

    虐げられた女性のための家に住むリツとアイ、
    キッチンカフェで出会った(程度の関係しかなかった)サキとヒロ。
    2組の女性どうしの暮らしの中に、それぞれ現れた赤ちゃん。
    アイが夜の公衆トイレで発見した赤ちゃんは、リツとアイ、家主である「先生」に囲まれて育っていく。
    ヒロに助けを求めたサキが腕に抱いていたのは赤ちゃん…と同じくらいの大きさのバスタオルの包み…。

    命を繋いだ男の赤ちゃんは「ユキ」と名づけられるが、男性を恐れるリツのもと、女の子の服を着せられて中性的に育てられる。
    ある日その子は、住み慣れた家を逃げ出して保護される。
    女たちは、拾って育て

    0
    2025年09月08日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!