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Posted by ブクログ
木村さんの作品は二作目。
前回読んだ「夜の隅のアトリエ」が重苦しい雰囲気を持っている読む人を選びそうな作品だっただけに、軽く衝撃。
ずいぶんとライトタッチ。
だってタイトルが「春待ち海岸カルナヴァル」だもの。
カルナヴァルはカーニバルの事。いかにも楽しそうじゃないか。
おそらく南伊豆辺りを舞台にしたカルナヴァルという名のホテルが舞台。
サンドイッチや瓶入りオレンジジュースをバスケットに入れて提供される朝食が美味しそうで。
このバスケットを海岸まで持って行ってカモメに盗まれそうになりながら食べるなんて、なんて素敵。
姪っ子が妖精を信じて毎晩牛乳をそっと軒下に忍ばせる下りや、幻のジャズトランペッターの話、夫との思い出とともにホテルを訪れる夫人の話。
出てくるエピソードがどれもほんわかしていて癒される。
ホテルを営む姉妹のやりとりに、女同士ってこうだよね~と共感したり。
もちろん本筋の主人公の心の葛藤もリアルだし、淡い恋の行方も気になった。
実際にあったら泊まりに行きたいと思わせるホテルと、魅力的な人々。
海に向かう電車の中で読みたい本です。
Posted by ブクログ
海岸べりの小さなホテルでの、経営者の姉妹と母親、そして彼女たちを取り巻く人々との日々を綴った物語。父の死から始まる数々の挿話は、派手な事件ではないけれど、日々のなかで起こりうる人々の些細で、けれど大切な気持ちのゆらぎを、丁寧にすくいとっていて、寄り添うようなやさしさを感じました。
主人公の紫麻のひそやかに一途に募らせてゆく想いはときにこそばゆかったり、はがゆかったりで、微笑ましくてよかったです。相手がけしてイケメンではなくどんどんと妙なところばかりが明らかになるのに、それでもやめられないのが、なんだかやたらとリアルだなあなどと感じました。
それにしても、作中の食べ物がおいしそうでたまりませんでした…、バスケットに入れたサンドイッチがすごく食べたいです…!
Posted by ブクログ
可愛らしい装丁に惹かれて手に取った読者は、きっと読みながら主人公のキャラクタとのギャップに違和感を覚えたんじゃないでしょうか。私はそうでした←
父親がある日突然亡くなり、母親も調子を崩したため、ホテル・カルナヴァルをイケイケ()な妹とその娘と共にやりくりしなければならなくなった主人公、紫麻。
40歳を目前にして独り身の彼女は、ある日、外出先で出会った男性に惹かれ、彼の訪問を心待ちにするようになるが…。
私は彼のことが好きみたいだ、好きなんだ、って自分に言い聞かせるとこでは完全にシンパシー感じた(笑)。ネガポジどっちの意味でも、そういう時ってあるよねー(笑)。三十路の女が何ヲトメなこと言ってんねんって感じですねすんません(笑)。
内気な人、と帯でも書かれている通り、ナイーブな主人公の静かな生活がメインに描かれています。そんな彼女の恋の顛末も、ドラマチックな展開は見せません。ものすごい生々しいよ特に結論(笑)。
でも、そんな主人公、内気というより、世界が狭いの方が表現として適当じゃないかしらとちょっと辛い目で見てしまいました。将来の自分の片鱗を見たような気がしたからこそ、少しの苛立ちを交えて、そう思ったのかもしれません。
心地よいぬるま湯に浸かるのは快適だけど、どうして一歩、外に踏み出そうと思わなかったの?
という主人公への問いかけは、私自身に返ってくる言葉でもあります。
い…痛い…←←自業自得
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