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天国にたまねぎはない
ある日、ぼくは死んだはずのいとこから 天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた―― 毎日をただこなすように生きてきた平凡な中学生のキートは、死んだはずの7歳上のいとこから、天国にたまねぎを密輸するバイトを持ちかけられた。ついでに、死後も更新が続くいとこのSNSの乗っ取り犯探しも命じられる。突然訪れた非日常。その中で、自身の平凡さをもてあまし、非凡であることに憧れと恐れの両方を抱いていたキートが、最後にたどりついた真実とは……。 SNSが全世代に普及している昨今、そのアカウントは死後も残り続け、鮮明な思い出を映し続ける。ある少年が、亡くなった人のSNSアカウントに向き合い、自分なりの「生きぬき方」を見つけるまでの物語。 【著者】 久米絵美里(くめ・えみり) 1987年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒。『言葉屋』で第5回朝日学生新聞社児童文学賞、『嘘吹きネットワーク』(PHP研究所)で第38回うつのみやこども賞を受賞。著書に「言葉屋」シリーズ、『君型迷宮図』(以上、朝日学生新聞社)、「嘘吹き」シリーズ(PHP研究所)、『忘れもの遊園地』(アリス館)などがある。 -
バリ山行
第171回芥川賞受賞作。 古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。 -
新装版 ホームレス中学生
「ホームレス中学生」を知らない世代に、もう一度、読んでほしい。 「うんこの神様」「味の向こう側」を再び、小・中学生に届けたい。 日本全国が涙した、子が思う、親への愛。 川島 明さん推薦! 「初めて読んだ時より笑った。 初めて読んだ時よりちょっと泣いた。 田村、やっぱりこれめちゃくちゃええ本やな」 発行部数225万部、歴代ベストセラーTOP30に入る自伝的小説が、小・中学生向けに大幅リニューアル。 「小学生でも読みやすい、ふりがな多め」など、読書感想文にもピッタリな新装版になりました。 17年ぶりの新作エピソード【お兄ちゃんの痕跡】【うちの子に迎えよう】、兄・研一との「思い出、答え合わせ対談」も特別収録。 17年前に「ホームレス中学生」を読んだ人も、懐かしい気持ちで読み返してみてください。初めて読むより、笑えて、泣ける不思議な本です。 ※QRコードを読み込むには、専用アプリ(QRコードリーダー)が必要です。(機種によっては最初からインストールされているものもございます。) QRコードの載った画像をQRコードリーダーで読み込み、閲覧ください。 読み込みづらい場合は、表示画像を拡大し、カメラが画像を読み込みやすいよう調整してから再度お試しください。 【著者プロフィール】 田村裕(たむら・ひろし) お笑い芸人。1979年9月3日生まれ、大阪府出身。 1999年、川島明と共にお笑いコンビ・麒麟を結成。 2001年『第1回 M-1グランプリ』で結成2年、無名ながらも第5位になり、2003年8位、2004-2006年は3年連続3位となる成績を収める。 2007年には自伝的小説『ホームレス中学生』(小社刊)を発売し、225万部を超えるミリオンセラーに。ドラマ化、映画化もされる。 麒麟としてもバラエティ番組に出演するほか、自身がプロデュースするバスケットボール教室「コドバス」「オトバス」を関西を中心に10校ほど開校。俳優業や、学生向けの講演会など、幅広く活躍中。 -
嗤う淑女 二人
最恐悪女が最凶タッグ!? これはテロか、怨恨か――人気シリーズ第3弾、待望の文庫化! 高級ホテルの宴会場で17名の毒殺事件が発生。犠牲者の一人、 国会議員・日坂浩一の手には〈1〉と記された紙片が。そして現場映像を解析した結果、衝撃の事実が判明する。 世間を震撼させた連続猟奇殺人に関与、医療刑務所を脱走し指名手配中の「有働さゆり」が映っていたのだ。 大型バス爆破、中学校舎放火殺人と、凶悪事件が続発。犯行現場には必ず、謎の番号札と、有働さゆりの痕跡が残されている。 さゆりは「ある女」に指示された手段で凶行に及んでいたが、捜査本部はそのことを知る由もなく、死者は増え続ける一方で、犠牲者は49人を数えるのだった……。 巻末には、人気漫画家・松田洋子氏による、当シリーズ恒例の文庫版限定あとがき漫画「嗤う女神 二柱」も収録。合わせてお楽しみください! -
動物城2333
長く人間に支配されていた動物たちは、人間と伍すだけの知能を得て独立した。 しかしかつての支配者である人間たちはそれを受け入れることができず、戦争を起こした。 長く続いた戦闘jの後、西暦2333年、動物と人間との間は冷戦状態にある。 動物王国の首都・動物城にある、街一番の探偵・ブレーメンのもとに、和平派・ワニのネロ将軍がやって来た。 人類から派遣された親善大使が殺害される殺人事件が発生したという。 いち早く真犯人を見つけ正しく公表しなければ戦争勃発につながりかねない。人間も動物も休戦の期間中も超兵器の開発に取り組んだため、今戦火を交えたら、世界は消え去ってしまう。 ブレーメンはネロ将軍ととともに調査に乗り出した! -
彼岸花が咲く島
【第165回 芥川賞受賞作!】 彼岸花を採りに砂浜にやってきた島の少女・游娜(ヨナ)は、 白いワンピース姿で倒れていた少女を見つける。 記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので「宇実(ウミ)」と名付けられた。 この島では、〈ニホン語〉と〈女語(じょご)〉、二つの言語が話され、 白い服装のノロたちが指導者、歴史の担い手、司祭だった。 宇実は游娜 、その幼馴染の拓慈(タツ)という少年に〈ひのもとことば〉を教え、 〈女語〉を教わって仲良くなるが、やがて進路を選ぶ時期がくる。 「成人の儀」にのぞむ3人それぞれの決意とは――。 国籍・言葉・性別などの既存の境界線を問い直す世界を描いた問題作。 解説=倉本さおり ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
オリンピックを殺す日
スポーツビジネスの闇に一石を投じる、衝撃的サスペンス! スポーツ新聞の記者菅谷は、オリンピック取材を仕事の矜持としてきた。 そんな中、大規模なスポーツの祭典「ザ・ゲーム」が アテネで開催されるという情報をキャッチする。 情報が全くない大会の取材に乗り出した菅谷だが、 関係者は一様に口をつぐむばかり。それどころか近年のオリンピックや、 メディアとスポーツの関わり方に疑問を呈される。 出場者も多くは語ろうとしないが、選手にとってザ・ゲームが 理想的な大会であることを匂わせるばかりだ。 そして関係者が口々に言う主催者の「彼」の理念とはいったい何なのか…。 メディアを一切排除した先にあるスポーツイベントに翻弄される菅谷。 「スポーツ」と「メディア」、「巨大スポンサー」。この構造を崩し、 「オリンピック」を壊そうとする首謀者は誰なのか。 菅谷は、謎の組織の正体を暴けるのか。 パリオリンピックを目前に文庫化! 解説=西村章(スポーツジャーナリスト) ※この電子書籍は2022年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
マーリ・アルメイダの七つの月
戦場カメラマンのマーリ・アルメイダは、冥界の受付で目が覚めた。現世に留まる猶予は七つの月が沈むまで。スリランカ内戦の狂騒を魔術的に駆け抜ける、圧巻のブッカー賞受賞作。 あなたはこの物語で、人間の悲劇的な愚かさと、目も眩むような愛を目撃することになる。 ──西加奈子 最高にグルーヴィーな語りのリズム。主人公マーリ(の幽霊)と一緒に知られざるスリランカの闇を突っ切った。 ──佐藤究 全ての諍いは死者たちの呪いから始まる。時にフィクションは現実の暴力に無力だ。が、この悪夢の旅はどうだ、シュールな笑いで飄々と死体の間をすり抜けて行く。これはすぐ間近に迫る我々の明日の物語だ。 ──幾原邦彦 強烈なエネルギー、悲しいユーモア、胸が張り裂けるような感情。そして、歴史が人々へしたことへの燃えるような怒り。 ──「ガーディアン」紙 「この世界の狂気をどう説明できる?」 1990年、内戦下のスリランカ・コロンボ。 戦場カメラマンにしてギャンブラー、皮肉屋で放埒なゲイであるマーリ・アルメイダは、目を覚ますと冥界のカウンターにいた。自分が死んだ記憶はないが、ここに来る前に内戦を終わらせるための重要な写真を撮ったことは覚えている。与えられた七夜の猶予のうちに、自分を殺した犯人を捜し、内戦を終結に導くことはできるのか? 復讐を誓う青年革命家、爆破テロの犠牲になった博士、魂を飲み込む邪神、錯綜する陰謀……。死者も生者も入り乱れた地の混沌を駆け抜ける、狂乱のゴースト・ストーリー。 -
ブレグジットの日に少女は死んだ
英国で話題の疑似ノンフィクション犯罪小説。 2016年6月、EU離脱を問う国民投票が行われた日、ヨークシャーの海辺の寂れた町で、16歳の少女が暴行を受けた上にガソリンをかけられ焼き殺された。犯人は同じ高校に通う16歳と17歳の少女3人だった。 ジャーナリストのカレリは事件の地に居を移して背景を取材し、被害者・加害者の生い立ちから事件に至るまでをまとめたノンフィクションを発表した。しかし、取材を受けた者たちから本の内容に誇張や曲解、捏造があるとの訴えが寄せられ、違法な取材手法も発覚、本は回収に。 凄惨な事件が起きるまでに少女たちに何があったのか、そしてノンフィクションの内容は真実なのか――。 「グランタ誌の選ぶ最優秀若手作家」の一人イライザ・クラークが、T・カポーティ『冷血』にオマージュを捧げた衝撃の疑似ノンフィクション型犯罪小説。ごく普通の少女たちが怪物になるまでをリアルに描き、悲劇すら消費してしまう現代社会を告発したディラン・トーマス賞候補作。 (底本 2024年7月発売作品) -
呪詛を受信しました
死者から届く「死ね」というメッセージ……。 女子高生の間で連鎖する死の真相とは!? 「青春の危うさ。言の葉の呪いは葉脈を辿るように広がっていく。」 ――鈴木絢音さん(俳優)推薦! 北海道のとある町で暮らす女子高生の湊。彼女は継母と険悪な関係で、早く自立するためにパパ活をしている。ある日、湊の友人・飛鳥のスマートフォンに、事故死した中学時代の友人・美保から「死ね」というメッセージが届く。それから間もなくして凄惨な出来事が起こり……。湊の周囲で連鎖する死の真相とは? 思春期の残酷な同調圧力と心の闇が描かれた、第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉。 (著者情報) 上田春雨(うえだ・はるさめ) 1986年、北海道生まれ。筑波大学社会学類卒業。現在は記者として新聞社に勤務。第22回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として本作でデビュー。 -
もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら
映画化「もしも徳川家康が総理大臣になったら」著者による最新作 読むと、なぜか心が熱くなる。 祖父のコンサル会社を継いだ武田倫太郎は幼少期から感性が鋭く、中学の歴史の授業中に、なぜか源義経の霊を見てしまう。以降、身近な霊と対話するようになった倫太郎は、ある大企業の難しい案件を担当することになる。その場に現れたのは、あろうことか莫大な財を築いたマネーゲームの天才にして空前の成り上がり者、豊臣秀吉だった――。 生きることに虚しさを感じ、不器用で人づきあいも苦手な倫太郎は、秀吉に後押しされ難しい案件を切り抜けたが、次々と新たな課題が押し寄せる。そんな状況で倫太郎の心身には、ある変化が……。歴史、ビジネス、ミステリーなど、あらゆるジャンルと時代を超えた前代未聞のエンターテインメント小説シリーズ、最新刊! -
明智恭介の奔走
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!/【目次】最初でも最後でもない事件/とある日常の謎について/泥酔肌着引き裂き事件/宗教学試験問題漏洩事件/手紙ばら撒きハイツ事件 -
不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち
それは、「人生最高のゲーム」だった―― 日本の本格ミステリ史上屈指の名作『不連続殺人事件』。その誕生背景には、若き文学者たちが戦時下に行なった伝説の「犯人当て」イベントがあった。 荒正人・大井広介・平野謙ら、坂口安吾の〈ライヴァル探偵〉たちによる貴重な回想・証言と、小説本文を初めて一冊に。 〈解説〉野崎六助 【目次】 [小説] 坂口安吾『不連続殺人事件』 [資料編](※は書籍初収録) 平野謙:平野探偵の手記 大井広介:犯人当て奨励/「現代文学」の悪童たち※ 荒正人:『回想・昭和文学四十年(抄)』 荒正人・江戸川乱歩・大井広介:鼎談・評論家の眼※ 江戸川乱歩:『不連続殺人事件』を評す/坂口安吾の思出 埴谷雄高:遠い記憶から――『不連続殺人事件』/署名本 佐々木基一:「現代文学」回想※ [解説] 野崎六助 -
夏休みの空欄探し
本に挟まれた暗号。 謎解きに挑む姉妹。 忘れらない夏が始まる。 「役立たたない」ことが好きなクイズ研究会会長の高校2年・ライと、大学受験に向けて効率重視で「役立つこと」が好きな同級生のキヨ。対照的な性格の二人だが、夏休みの間、謎解きに挑む姉妹を手伝うことになる。謎解きの先で待つものとは――。 すべての謎が明かされた時、切なさと温かさが胸を満たす、青春恋愛ミステリー。 -
死者は嘘をつかない
作家デビュー50周年記念刊行、文庫オリジナル長篇! この小説は、「ぼく」ことジェイミーの回想記であり、そしてこれはホラーストーリーだ。 そう、だってぼくには死者が見える――。 「死人の霊が見える」という、古典的とさえ言える設定。 それがキング流に調理されると、他の何者とも違うユニークな物語が立ち上がる。 ジェイミー少年は、ものごころついた頃から死者が見えていた。死者の世界にはいくつかの決まりがあるようだった。 死者は死ぬとすぐ、死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。 長くても数日で、だんだん薄れていって消える。 普通の生者にはぼんやり存在が感知される程度だが、ジェイミーだけは会話を交わせる。 そして、死者は嘘をつけない。 文芸エージェントの母。若年性認知症を発症した伯父。 母の親友のタフな女性刑事。同じアパートの引退した名誉教授。 母のクライアントの売れっ子作家。警察をあざ笑う連続爆弾魔……。 ジェイミーはその能力ゆえに周囲の人々の思惑にたびたび振り回され、奇妙な目にあいながら、どうにか成長していく。 しかしある事件をきっかけに、いよいよ奇怪な事象が彼本人の身に降りかかってくるのだった――。 少年の成長物語を書かせれば天下一品、そして言わずもがなのホラーの帝王が、両者を組み合わせた「青春ホラーストーリー」。これが面白くないはずがない。 最後の最後まで驚きを仕込んできて読者を油断させてくれず、自身の代表作のある「ネタ」をからめてくるファンサービスも怠りなし。 どこを切ってもキングという円熟の筆で心おきなく楽しませてくれる、記念刊行にふさわしい逸品! -
3分で読める! ミステリー殺人事件
名探偵 密室殺人 ダイイングメッセージ パロディか悪ふざけか!? ミステリーの“お約束”をネタにした 異次元のショートショート集 世界25言語に翻訳された 『人生写真館の奇跡』著者 書き下ろし24作! (あらすじ) 孤島でわらべ歌に見立てた連続殺人を計画する家族、倒叙ミステリーの世界に憧れる主婦、難読ネームに翻弄される犯人、神隠しに遭った人間だけが入れるという奇妙な研究会、どんな物語もアッと驚く結末にできる大発明、夜の釣り場に現われる怪異、どうしても決め台詞を言いたい名探偵……。奔放なイマジネーションが迸る、ミステリーのお約束と戯れた驚天動地の傑作ショートショート集! (著者プロフィール) 柊サナカ 1974年、香川県生まれ。第11回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として『婚活島戦記』で2013年デビュー。他の著書に『人生写真館の奇跡』『古着屋・黒猫亭のつれづれ着物事件帖』『一駅一話! 山手線全30駅のショートミステリー』「谷中レトロカメラ店の謎日和」シリーズ(以上、宝島社)、「機械式時計王子」シリーズ(角川春樹事務所)、「二丁目のガンスミス」シリーズ(ホビージャパン)、「天国からの宅急便」シリーズ(双葉社)、『お銀ちゃんの明治舶来たべもの帖』(PHP研究所)、『ひまわり公民館よろず相談所』(KADOKAWA)などがある。 -
奥会津の人魚姫
娘の死を写した 一枚の写真に隠された謎に迫る 衝撃のミステリー小説 親友千景の誘いで奥会津を訪れた鍛冶内は、千景の結婚相手である美少女乙音と出会う。 美しい上に性格のいい乙音にすっかり魅了された鍛冶内だったが、 千景は彼女がいないところで意外な話をする。 それは先日湯船で溺死したのが本当は乙音で、 自分が結婚したのは乙音とは双子の間柄だった汐里ではないかというのだ。 汐里は千景との過去のいきさつが原因で性格がねじまがってしまっていたが、 唇下のホクロ以外見分ける術がない。そして溺死した全裸の娘を撮影した 絶美な写真「奥会津の人魚姫」のフレームを鍛冶内の前で露わにする。 ステージ4のガンに冒され、死期が近い千景の命を掛けた頼みを受けた、 鍛冶内による愛憎を巡る謎解きが始まった。 -
赤虫村の怪談
愛媛県の山間部にある過疎の村・赤虫村(あかむしむら)には、独自の妖怪伝説が存在する。黄色い雨合羽を着て暴風を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」、そして古くから伝わる“クトル信仰”。フィールドワークのために村を訪れた怪談作家・呻木叫子(うめききょうこ)は、村の名家・中須磨(なかすま)家で続く不可能状況下での連続殺人に関わることになる。周囲を足跡一つない雪原で囲まれた大木に全裸で吊るされた縊死体。内側から施錠された石蔵で発見された焼死体。妖怪伝説の禍を再現するような事件は、やがて人知を超えた終結を迎える──第17回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。/【目次】プロローグ/第一章 無有の怪談/第二章 位高坊主の怪談/第三章 九頭火の怪談/第四章 苦取の怪談/第五章 蓮太の怪談/第六章 赤虫村の怪談/エピローグ/解説=多田克己 -
鳥と港
“これから”の働きかたの物語。 大学院を卒業後、新卒で入社した会社を春指みなとは九ヶ月で辞めた。所属していた総務二課は、社員の意識向上と企業風土の改善を標榜していたが、朝礼で発表された社員の「気づき」を文字に起こし、社員の意識調査のアンケートを「正の字」で集計するという日々の仕事は、不要で無意味に感じられた。部署の飲み会、上司への気遣い、上辺だけの人間関係──あらゆることに限界が来たとき、職場のトイレから出られなくなったのだ。 退職からひと月経っても次の仕事を探せないでいる中、みなとは立ち寄った公園の草むらに埋もれた郵便箱を見つける。中には、手紙が一通入っていた。 「この手紙を手に取った人へ」──その手紙に返事を書いたことがきっかけで、みなとと高校2年生の森本飛鳥の「郵便箱」を介した文通が始まった。 無職のみなとと不登校の飛鳥。それぞれの事情を話しながら「文通」を「仕事」にすることを考えついたふたりは、クラウドファンディングに挑戦する。 『ブラザーズ・ブラジャー』『人間みたいに生きている』の新鋭が描く“これから”の働きかたの物語! -
凍原
下を向いても上を向いてもこの町は銀鼠色だ―― 17年前、弟を行方不明で失った松崎比呂は、刑事となって釧路に帰ってきた。その直後、釧路湿原で青い目の他殺体が発見される。先輩刑事の片桐周平と捜査を進めると、そこには激動の時代を生き抜いた女の一生が深く関わっていた。 直木賞作家が放つ長編ミステリー、北海道警釧路方面本部シリーズ第1弾! 解説は新直木賞作家の河﨑秋子さん(『ともぐい』)! 24年5月から桜木紫乃、4作連続刊行! 第一弾『凍原』に続き、6月には『氷の轍』、7月『起終点駅(ターミナル』、8月『霧(ウラル)』と続きます。 -
言葉の園のお菓子番 未来への手紙
『活版印刷三日月堂』著者が心を込めて描く、 共感の声が届き続ける感動の人気シリーズ、第5弾! 『活版印刷三日月堂』などのヒットシリーズを手掛ける著者が、出会い、言葉、繋がること、喪失と再生、成熟をテーマに描く、「言葉の園のお菓子番」シリーズ5巻。 書店員の職を失ったあと、亡き祖母が所属していた連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉は、連句をはじめて三回目の春を迎え、新しい仕事にも積極的に取り組むようになっていた。そんななか、自分と同世代が集う「きりん座」のメンバーとの交流をきっかけに、大学時代に抱いていた想いが再び浮かびあがり……。 封印していた気持ちに向き合い、一葉は自分の心を見つめ直していく。あのとき踏み出せなかった一歩を、自分の力で踏み出すために──。 人と人が深くつながることも、ゆっくりと自分自身を見つめ直すことも難しくなりつつある昨今、深いつながりをもたらす「連句」の場と、出会った人との「言葉」を通してのやり取りのなかで、20代後半の一葉が自分の心を見つめ、人との縁に助けられながら前を向いていく、切実で、やさしい物語6話で構成された連作集。 「変化しながら前へ進み、後ろには戻らない」という連句のルールとシンクロするように、迷いながら進む道の先は新しい出来事や出会いに繋がり、過去の痛みはいつしか豊かな可能性へと変わっていきます。 過去と向き合い未来へと進む勇気がしずかに胸に満ちてくる感動の人気シリーズ、待望の最新巻! <目次> あたらしい風 未来への手紙 自分史上最高の夕焼け 光の痕跡 「いま」と「いつか」と 連句の神さま -
雨と短銃
慶応元年、倒幕を志す坂本龍馬の仲介により薩摩藩と長州藩は協約を結ばんとしていたが、一件の凶事が締結を阻む。上洛していた薩摩藩士が稲荷神社の境内で長州藩士を斬りつけ、行方を晦ませたというのだ。このままでは協約の協議の決裂は必定、倒幕の志も水泡に帰す。事態を憂慮した龍馬の依頼で、若き尾張藩の公用人・鹿野師光が捜査に乗り出す。果たして下手人は、どのようにして目撃者の眼前で逃げ場のない鳥居道から姿を消したのか。後世に語り継がれる歴史の転換点の裏で起きた不可能犯罪に、名もなき藩士が挑む。破格の評価を受けた『刀と傘』の前日を描いた長編時代本格推理。/解説=縄田一男 -
台北プライベートアイ
邦訳版もミステリー文学賞をダブル受賞! 劇作家で大学教授でもある呉誠(ウ―チェン)は若い頃からパニック障害と鬱に悩まされてきた。ある日、日頃の鬱憤が爆発して酒席で出席者全員を辛辣に罵倒してしまう。恥じ入った呉誠は芝居も教職もなげうって台北の裏路地・臥龍街に隠棲し、私立探偵の看板を掲げることに。 にわか仕立ての素人探偵は、やがて台北中を震撼させる六張犂(リョウチャンリ)連続殺人事件に巻き込まれる。呉誠は己の冤罪をはらすため、自分の力で真犯人を見つけ出すことを誓う。 監視カメラが路地の隅々まで設置された台北で次々と殺人を行う謎のシリアルキラー〈六張犂の殺人鬼〉の正体は? 探偵VS犯人のスリリングなストーリー展開と、ハードボイルド小説から受け継いだシニカルなモノローグ、台湾らしい丁々発止の会話。 台湾を代表する劇作家が満を持して放った初めての小説は台湾で話題を呼び、台北国際ブックフェア大賞などを受賞。フランス、イタリア、トルコ、韓国、タイ、中国語簡体字版が刊行された。 2021年に邦訳が刊行されると日本でも話題を呼び、2022年には第13回翻訳ミステリー大賞とファルコン賞(マルタの鷹協会日本支部主催)のダブル受賞を果たした。 ※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
一鬼夜行
江戸幕府が瓦解して五年。 強面で人間嫌い、周囲からも恐れられている若商人・喜蔵の家の庭に、ある夜、不思議な力を持つ小生意気な少年・小春が落ちてきた。 自らを「百鬼夜行からはぐれた鬼だ」と主張する小春といやいや同居する羽目になった喜蔵は、次々と起こる妖怪沙汰に悩まされることに―――。 めっぽう愉快でじんわり泣ける人情妖怪譚! -
いろいろな幽霊
失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、方向音痴の幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた、ふしぎな短編集。/【目次】[幽霊と記憶]一 注目すべき社交行事/二 進路指導カウンセラー/三 手斧(ておの)、数本の燭台(しょくだい)、針刺し、シルクハット/四 マイロ・クレイン/五 記憶喪失/六 きのうの長い連なり/[幽霊と運命]七 ヒッチハイカー/八 願い事/九 遊び方/十 運命の天秤(てんびん)/十一 どんなにささやかな一瞬であれ/十二 集まり/十三 ミラ・アムスラー/[幽霊と自然]十四 ゾウたち/十五 白馬/十六 さらなる諸動物/十七 ミツバチ/十八 風景を損なうもの/十九 木々の納骨堂/二十 空から降ってくるもの/二十一 作中で太鼓が鳴る物語/二十二 お砂場計画/二十三 再生可能資源/[幽霊と時間]二十四 十三回の出現/二十五 来世と死の事務処理機関/二十六 死亡記事/二十七 中間地点/二十八 時の巡り/二十九 ヒメハヤ/三十 前後に揺れる物語/三十一 小さなロマンスとハッピーエンドを含むタイムトラベルの物語/[幽霊と思弁]三十二 ファンタズム対スタチュー/三十三 足跡/三十四 乗客たち/三十五 新たな生、新たな文明/三十六 暗黒は震えつつ通り過ぎた/三十七 プリズム/三十八 彼の女性性/三十九 人々がいて、彼らはかつて生きていた/四十 第一一五連隊の兵士たち/[幽霊と視覚]四十一 アクション!/四十二 円(まる)い堀が魚の安らぎとなるように/四十三 スペクトル/四十四 あらゆる家の鍵、あらゆる消火栓、あらゆるコンセント/四十五 壁/四十六 遊びの時間/四十七 生涯にわたって/四十八 いっしょに連れていく/四十九 霧の向こうにちらちら見える物語/[幽霊とその他の感覚]五十 一生分の接触/五十一 二番手/五十二 かくもたくさんの歌/五十三 音響の問題/五十四 香り(ブーケ)/五十五 野原で解けていく雪の泥くさいにおい/五十六 道具学/五十七 陽射しがほとんど消えて部屋が静かなとき/五十八 男のようなもの/五十九 ささやかな感情/[幽霊と信仰]六十 現実の小さな崩壊/六十一 異常派と尋常派/六十二 不動産/六十三 どちらが結晶、どちらが溶液/六十四 無数の奇妙な結合と分離/六十五 携挙(けいきょ)/六十六 666/[幽霊と愛と友情]六十七 失われて見出(みいだ)され/六十八 鏡の中のもう一人の男/六十九 アポストロフィ/七十 鏡の中の男/七十一 回転式改札口/七十二 実話/七十三 弾丸とそれを避けるために必要なもの/七十四 膝/七十五 彼女が忘れようとしている男/七十六 永遠/七十七 遅すぎた/七十八 居残り/七十九 あなたの靴が好き/[幽霊と家族]八十 幽霊の仮の姿/八十一 困惑の元/八十二 見えない、さわれない/八十三 幽霊兄弟/八十四 第二の実話/八十五 人生/八十六 非凡な才能/八十七 遺伝性疾患/八十八 空港のターミナルからの祈り/八十九 孵化(ふか)/九十 左右対称/[幽霊と言葉と数]九十一 インコ/九十二 婉曲(えんきょく)表現/九十三 およそ八十グラム/九十四 幽霊文字/九十五 言語学の問題/九十六 夕暮れとほかの物語/九十七 電話/九十八 数/九十九 人口調査/百 かつて書かれた中でもっとも恐ろしい幽霊譚(たん)/主題の不完全な索引/謝辞/解説=勝山海百合 -
桜の木が見守るキャフェ
満開の桜も素晴らしいけれど、散り際にも楽しみはある――。 『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』『伝言猫がカフェにいます』の 著者が贈る、かけがえのない人生の物語。 庭にヤマザクラの大きな古木がある〈キャフェ チェリー・ブラッサム〉。 祖母と母から受け継いできた洋館で、緋桜(ひお)は、 季節の和菓子と茶を提供している。 訪れるのは、犬を連れて散歩にくる老人、 長年連れ添う国際結婚の夫婦、 保育園からの帰り道に通りがかった親子、 自分が進むべき道に迷う少女……。 桜の木は、今日もゆったり、行きかう人々を眺めながら、 各々が抱える悩みや秘めた思いに耳を傾け、静かに寄り添う。 四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。 文庫書き下ろし。 -
旅の終わりに君がいた
あの号泣の名作『無人駅で君を待っている』の 著者・いぬじゅんが贈る、最新書き下ろし・超感動作! あなたが最期に食べるのは―― 忘れられない「あの日」の思い出ごはん。 婚約破棄され職も失った季俣埜乃が立ち寄ったのは、キッチンカー「FINE(フィーネ)」。 イタリア語で「終わり」を意味する店名には、 「人生という旅の最後に、思い出の料理を出す」 という、店主・神代悠翔の思いが込められている。 彼が提供する懐かしい味は、傷心の埜乃を癒やすが……。 訪れる客に最後の晩餐を提供する不思議なキッチンカー。 そこは、人生という長い旅を終えようとする人たちとの切ない別れを優しく包み込む場所。 でも、なぜ人は、不思議とそこに導かれてしまうのか―― 五年前のある悲しい事故が、人を繋ぎ奇跡を起こす……心揺さぶる愛と再生の物語!! 感涙必至のヒューマンファンタジー! -
家族解散まで千キロメートル
実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――? -
繭の中の街
歴史の中で多くの出会いを見届けてきた神戸の街を舞台に、様々な形の出会いと別れを描く傑作短編集。ある時は運命的な男女の出会いを、ある時は破滅的でさえある恋を、またある時はパラレルに存在する神戸での不思議な邂逅を描く。読後感も、時にはジャンルさえも全く異なる独立した物語である一方で、それらは確かな繋がりを持ち、それぞれに響き合って作品世界を美しく彩る。読み終わった後、必ず誰かと語り合い、分かち合いたくなるような魅力に溢れた1冊。 『エデンの102号室』 大学受験に失敗し、モラトリアムに生きる布珠は、異人坂でどこか浮世離れした男性、シンと出会う。博識な彼に日に日に惹かれていく布珠は、ある日、シンの部屋で書きかけの神話を見つける。 『let’s get lost』 目まぐるしく変わっていく、どこかで見たような視界。あるいはどこかで聴いたような世界。そのなかでかつてあった大切な存在について想いを馳せる、一人の男性の物語。 『つめたいふともも』 就活に苦戦する大学生の明彦は、兄の知り合いである美羽という女性と偶然知り合う。磊落な美羽に心の癒しを得る明彦だが、やがて彼女に隠された重大な秘密を知ることになる。 『赤い恐竜と白いアトリエ』 ガントリークレーンの操縦士である左巴は、刹那的で衝動的な生き方をしている。そして、彼女の働く会社の傍のコンテナには、ただ白い絵を描き続ける一人の画家が棲んでいた。 『秋の午後、神様と』 九歳の「わたし」は、さびれた神社で覇気のない神様と出会う。 『プロフィール』 かつて地上に棲む人間と分かたれた、翼を持つ一つ目の種族が存在する世界で、港湾労働者として苦役する足守大地は彼のプロフィールに興味を持った一人の≪一つ目≫と邂逅する。 『待ち合わせの五分前(おわりとはじまりの詩)』 初めて出会う相手との待ち合わせに向かう五分前を、街が見守っている。 -
-196℃のゆりかご
母はなぜ、義母だと嘘をついたのか。 明日見つむぎはごく幼い頃に父と母を亡くし、母方の親戚である奈緒に引き取られた。奈緒は心に不調を抱えながらも「義母」としてつむぎを懸命に育てる一方、心の距離を取ることにはこだわり、「母」と呼ばれることをかたくなに拒んでいた。 そんなある日、病院から奈緒が倒れたと連絡が入る。持病の子宮腺筋症が悪化し、大量に出血したのだという。急ぎ病院に駆けつけるつむぎだったが、そこで医師から奈緒の病状だけでなく、奈緒がつむぎの実の母親であることも告げられる。 信じがたい話に愕然とするが、医師が持つカルテには、たしかにこの病院で奈緒がつむぎを出産したことが書かれていて――。 母はなぜ、義母だと嘘をついたのか。18年間隠された出生の謎を追う、現役医師作家が描く圧巻の家族小説。 -
あやかし屋敷のまやかし夫婦
「鍋の中でコトコトと野菜が煮込まれていくような、心の解ける音が聞こえる小説です」 ――額賀澪(作家) 「――お願いです。なんでもしますから、私をお嫁にしてください」 18歳になり、叔父夫婦の家を追い出されることとなった七瀬真琴(ななせ・まこと)。 「――契約として、結婚しませんか。 七瀬さんには一緒に家を守ってほしいのです」 そんな彼女に、肩の上に「誰も見ることのできない猫」を乗せた作家・英千尋(はなぶさ・ちひろ)はそう切り出した――。 これは、鎌倉の「あやかし屋敷」を舞台に、 あやかしに好かれない作家と、あやかしに好かれるお人よしの「契約夫婦」が、 友人から預かった大切なその屋敷を守りながら、心惹かれあっていく物語。 -
生きる演技
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平 -
カワイソウ、って言ってあげよっかw
仲良し5人組が、1人ずついなくなる。「私は悪くない」から始まる「エゴミス」! いわゆる「HSP」であるヒトミは、その繊細な性格のせいで損ばかりしてきた。大学時代からの親友4人を見て劣等感をくすぐられ、また惰性で付き合う彼氏やアルバイト先の人間関係などに辟易していた。ある日Kポップにハマってしまった彼女は、無垢なアイドル達のきらびやかな笑顔を見て、自分もすべてを捨てて渡韓しようとする。 女性5人それぞれが自らの「生きづらさ」を語るが、いつの間にか他人への浅はかな羨望、嫉妬といった黒々とした感情が渦巻き...... 「Cocoon」シリーズの作者が贈る、全く新しい「生きづらさ」文学。 -
悩める時の百冊百話 人生を救うあのセリフ、この思索
『嫌われる勇気』の著者は、就職難、介護、離別などさまざまな苦難を乗り越えてきた。氏を支え、救った古今東西の本と珠玉の言葉を一挙に紹介。マルクス・アウレリウス、三木清、アドラーなどNHK「100分de名著」で著者が解説した哲人のほか、伊坂幸太郎の小説や韓国文学、絵本『にじいろのさかな』、大島弓子のマンガなどバラエティ豊かで意外な選書。いずれにも通底するメッセージ=「生きる勇気」をすべての「青年」と「元・青年」に贈る。 •はじめに――生きる意味を求めて •第一章 人とのつながり •第二章 与えるということ •第三章 誰でも愛せる •第四章 ゆっくり遊んで生きる •第五章 人生は合理的でない •第六章 人生を自分で選ぶ •第七章 人生は苦である •第八章 死を忘れるな •第九章 いのちの満ちた世界で生きる •第十章 世界を変える 第十一章 人生をどう生きるか -
つながる読書 ――10代に推したいこの一冊
SNSでつながった読み書きのプロたちによる本のプレゼン大会はじまります! 小説家、エッセイスト、研究者、学芸員、書評家、詩人、大学教員、中学高校教員、予備校講師、美術家、編集者──14名の豪華執筆陣が、それぞれの「推しの1冊」を“プレゼン”。それを別の人が読んだら、どう感じる? 人それぞれの思いが、さまざまな言葉に乗って織りなされていく。本で他者とつながることの面白さを実感できる、新感覚の読書体験。本の持つ無限のつながりの中に飛び込んでみよう! 【編者より】副題である「10代に推したいこの一冊」という文言からブックガイド的な本を想像なさる方も多いかと思いますが、いわゆる一般的なブックガイドではありません。豪華執筆陣の方々に、それぞれの「推しの一冊」を、自らの人生や思想、生き方などを踏まえながら“プレゼン”していただきました。そして、そうした“プレゼン”を踏まえての、私と読書猿さんとの対談、さらには詩人・草野理恵子さんの手になるエッセイ等、どのページをめくっても内容のパンパンに詰まった、宝石箱のような一冊です。 【目次】第1部本のプレゼン/第2部 本とつながる、本でつながる 小池陽慈×読書猿/第3部 つながる読書/おわりに 小池陽慈/《特別寄稿》どこにでも落ちているいいものはなーんだ? 草野理恵子 -
ゴースト・ポリス
エクソシストの交番警官、猟奇殺人犯を追う! 桐野哲也は東北大学法学部を卒業後、地方公務員採用で警察官となった。彼が仮配属された神奈川県藤沢市辻堂にある鳩裏交番は、おそろしい ほど美男の班長・小貫幸也をはじめ“ごんぞう――自主的窓際警官“ばかりが集まった交番で、緊急配備の連絡にさえ誰も反応しない。県警で厄介者扱いされている“ごんぞう”たちの好物は巡回連絡で、家に上がり込み世間話ばかりしている。その平穏を脅かすかのように湘南でホームレスばかりを狙った連続殺人事件が発生した。小貫と桐野は近隣住民の協力を得て、真相に辿り着くが…。 第一回警察小説大賞、満場一致の受賞作! ベストセラー『教場』『震える牛』の著者と、その編集担当者が選んだ超大型新人! ※この作品は単行本版『ゴースト アンド ポリス GAP』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
サトリの花嫁
「わたしが死ぬまでのわずかな間に、あなたに幸福というものを教えてあげる」 虐げられ、自分の価値を知らずに育った少女は旦那様と出会い、幸せを知る――。 幼い頃に火事で全てを失い、劣悪な環境で働く蒼。天性の観察眼と記憶力で苦境を生き抜く彼女の心の支えは、顔も知らない支援者“栞の君”だけ――しかしある日、ついに対面できた彼・城ヶ崎宗一は、原因不明の病魔に冒されていた。宗一専属の看護係として城ヶ崎家に嫁ぐことになった蒼は、一変した生活に戸惑いながらも、夫を支えるために医学の道を志すが――? 文明華やかな帝都・東京。「サトリの目」で様々な謎を解明しながら、愛されること、恋することを知る少女の物語。 【登場人物紹介】 ◆蒼(あおい) 手品団に拾われて育った天涯孤独の少女。たぐいまれなる観察力「サトリの目」を持つ。 ◆宗一(そういち) 蒼へ本を贈りつづけていた支援者“栞の君”。麗しい容姿の陰に、重い病と秘密を抱えている。 -
新宿特別区警察署 Lの捜査官
歌舞伎町、新宿二丁目、三丁目を管轄する「新宿特別区警察署」。その担当区域の地図上の形から、「新宿L署」と呼ばれている。その「L署」に本日着任の新井琴音警部は、小3の息子のインフルエンザで初出勤すら危ぶまれていた。夫の敦は警視庁本部捜査一課の刑事だが、琴音のほうが階級は上で、夫婦仲はぎくしゃくしている。大幅に遅刻しつつも琴音がなんとかL署に到着した途端、個性的な服装の女性部下・堂原六花巡査部長から管内で殺人事件が発生と聞く。歌舞伎町のホテルで全裸の中年女性の遺体が発見され、その女性の息子がノコギリを持ち逃走中というのだ。琴音は、レズビアンであることをカミングアウトしている六花から、L署が管轄するこの独特な界隈の歴史や情報を聞き、捜査に入る。その夜、二丁目のショーパブで六花に会った敦だが、上階のイベントスペースで無差別殺傷事件が発生。犯人はその場で自殺したが……。母であり妻であり警察署幹部である琴音と、レズビアンの異色捜査官として男性中心組織の中で闊歩する六花。 L署の他の面々と共に、事件解決に向けて奮闘する! -
うたう
ベストセラー『ひと』 『まち』 『いえ』に続く感動の青春譚! わたしは母を傷つけた。たった一人の肉親を、言葉のナイフで――。 あれから13年、後悔ばかりで大人になった。 でも、孤独に負けずにいられたのは、母の、仲間の、「うた」 があったから。 母がわたしを産んだ歳になった。今、わたしに、湧き出るものがある――。 27歳の古井絹枝には、晴らすことのできない後悔があった。 中学生の頃、地域の合唱団に所属する母に「一緒にうたおうよ」と誘われたものの、撥ねつけてしまったのだ。母が秘めていた想いも知らずに・・・・・・。 大学時代、絹枝はバンドを組んでいた。 ギター担当は伊勢航治郎。バンド解散後もプロを目指したが芽が出ず、だらしない日々を送っていた。 ベース担当は堀岡知哉。バリバリ働く妻がいるが、自分はアルバイトの身で、音楽への未練も僅かにある。 ドラムス担当は永田正道。大学卒業後、父が越えられなかった資格試験の壁に挑もうとするが・・・・・・。 かつての仲間が、次の一歩を踏み出そうとする物語。 -
老虎残夢
「館」×「孤島」×「特殊設定」×「百合」! 孤絶した楼閣=密室で起きた「絶対不可能殺人」 最侠のヒロインは、最愛の師の「死の謎」を解くことができるのか!? 選考委員絶賛! 第67回江戸川乱歩賞受賞作 綾辻行人「論理的に真相を解き明かしていくスタンスにはブレがなく、スリリングな謎解きの演出も◎」 京極夏彦「南宋の密室という蠱惑。武侠小説としての外連。特殊設定ミステリという挑戦。愉しい」 湖に浮かぶ孤島で、武術の達人・泰隆が遺体となって発見された。三人の武侠を招き、うち一人に「奥義」を授けるとしていた矢先のことだった。孤絶した楼閣は、特殊な武芸を身につけた彼らをもってしても侵入は不可能にみえる。泰隆の愛弟子・紫苑は、姉妹以上の絆で結ばれた恋華とともに、その謎に挑む! -
ルパンの絆
シリーズ累計45万部突破! 2度のドラマ化と映画化で記憶に刻まれた 泥棒一家、探偵家族、刑事一家の物語――劇的クライマックス! 三雲華が、Lの一族をめぐる「パンドラの箱」を開ける! 「しかしもう遅い。ここで引き返すわけにはいかなかった。おそらく全部繋がっている気がした。 杏が誘拐されたのも、和馬が殺人犯に仕立てられたのも、すべて一本の線で繋がっている。 そして、その先には、封印された私の記憶があるはずだ」――本文より 【あらすじ】 Lの一族の娘・三雲華の夫である桜庭和馬は、ホテルのバーで張り込み中、突如意識を失う。 目覚めるとスイートルームにいて、浴室には女の死体。殺人犯に仕立てられたのだ。 そのころ華に「娘を返してほしければ十億円を用意しろ」との脅迫電話が。 二つの事件が交錯し、一族の秘密が浮かぶ。シリーズ最高傑作!
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