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元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。
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Posted by ブクログ
2020年、単行本として刊行。
初めて読む作家さんかもしれない。
ホラー短篇集だが、読んでいくと、語り手の「私」はいつも三津田信三さん本人らしく、作家が誰かの話を聞いて、仮名に直して書き綴ったという体裁を取る。作者三津田信三さんは自分と同じくらいの歳かと思ったが、Wikiによると7つ上の1962(昭和37)年生まれとのこと。
ホラーミステリという、両者融合の書き手として知られているようだが、本書でも確かに謎解きらしいものが一つはあった。が、ほとんどの作品は、霊的現象の背景にこれこれこういう怨念が原因としてあって、結果、こうなった、という、一般のホラーにもあるような解明は無く、ただ、それが起こったという報告ばかりがある。
意外と、けっこう怖い感じのホラーである。何が起きるか分からないが何かが起きそう、というその感覚が怖いのである。そして何かは起きるのだが、何故それが起こったのかという説明は得られないままに終わる。そこがなんともいいような気がした。
ホラー短編集として優れているかもしれない、と思った。妙に古くさいような漢字表記を多用する点はあっても。
Posted by ブクログ
5つのホラー短編集。最終話で、それまでの4話が緩ーくつながっていますが、そこはどうでもいいかな。『予告画』は絵に描いたことが現実になる不思議な少年の話。でも最後の種明かしが、少しトリッキーで、正直ちょっとわかりづらかったです。際立って良かったのは『よびにくるもの』祖母からある旧家に香典を届けてくるよう頼まれた主人公。家の人にも一切挨拶などせずに、届けるだけですぐ帰ってくるようにとのこと。しかし、ついつい家の人の頼みを聞いたことが、恐怖の始まり。旧家の雰囲気や出来事。その後始まった事件に、得体の知れない怖さがありました。これを読むだけでも、価値がありました^_^
Posted by ブクログ
『怪談のテープ起こし』がおもしろかったらこっちも。
かなり読みづらい!とくに家族構成を説明するフレーズが、珍しく何回もその一文を読み直しても理解できなかった。
それ以外にもちょこちょこ、普通の、本当に普通のホラーやミステリー小説を難なく読める感覚からすると、なんでだよな文章が多い。
あと作者が主人公のお話は楽しいのだけど、ここまで本筋とは関係ない自分の作品の話をしまくるのはどうなのと思った。
「これを執筆してる時にこんな縁があってこの話が〜」を言いたいだけなのに、"これを執筆"の部分が豊かすぎる笑
語り手の主人公が作者風で、縁や偶然やそれでは片付けられないものの繋がりにリアリティあるから楽しいだけで、語り手のことが好きなわけではないのよ。
Posted by ブクログ
安定のメタ恐怖小説。
オチのしっくりこないぼんやりとした恐怖でも、実話怪談とは何かが違う。
メタ小説ということで実話怪談よりもファンタジー寄りのホラーなんでしょうか。それがとても面白い。
とくに最初のお籠りの山の話が良かった。
山で口笛を吹いてはいけないとか、魔除けで有名な柊や南天が結界のように植えてあるとか、名を名乗ってはいけないとか、いつかどこかで聞いたことのあるような民間信仰をうまく取り入れることで、なにか邪悪なものがその場所にいるのではないかという不安を読み手に感じさせる内容になっている。
星4か迷ったけれど、残念ながら最後の話がよくわからなかったので僭越ながら星3にさせていただきました。でも三田氏の本はハズレがない!
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