あらすじ
元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。
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単行本で読んだ作品の再読だが、内容を知っているはずなのに怖かった。作品ごとに読後感は異なり、印象は違えど、最後に謎が解けない不快感は共通いる。特に最後の「逢魔宿り」は今までの四作を読んだうえで読むとより恐ろしいものである。
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単行本からの再読。
「某施設の夜警」と「よびにくるもの」が不気味で好きです。
本書と同時に『みみそぎ』も読んでいたのですが、ノートの記録と「よびにくるもの」との似た描写に、どっちの物語を読んでいるのか分からなくなりそうになりました。
「怪談のテープ起こし」のような単行本からの追記も期待しましたがそのままでした。
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怖かった~
怖いのに読む手を止められず。
雨降り夜に家人が出掛けた家で1人読んで、後悔した 苦笑
最近になって三津田信三を知って、作品を何作か立て続けに読んだけど、読んだ中ではこれが一番面白かった!
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作家が集めた怪異譚を語る短編集。……かと思いきや、最後には今までの話が繋がる連作短編でした。どの話も最終的な解決はつかないまま不思議というか怖いね、と思いつつも他人事だったのがいつの間にか自分も…という、あとでヒヤッとする怖さ満載でした。
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2020年、単行本として刊行。
初めて読む作家さんかもしれない。
ホラー短篇集だが、読んでいくと、語り手の「私」はいつも三津田信三さん本人らしく、作家が誰かの話を聞いて、仮名に直して書き綴ったという体裁を取る。作者三津田信三さんは自分と同じくらいの歳かと思ったが、Wikiによると7つ上の1962(昭和37)年生まれとのこと。
ホラーミステリという、両者融合の書き手として知られているようだが、本書でも確かに謎解きらしいものが一つはあった。が、ほとんどの作品は、霊的現象の背景にこれこれこういう怨念が原因としてあって、結果、こうなった、という、一般のホラーにもあるような解明は無く、ただ、それが起こったという報告ばかりがある。
意外と、けっこう怖い感じのホラーである。何が起きるか分からないが何かが起きそう、というその感覚が怖いのである。そして何かは起きるのだが、何故それが起こったのかという説明は得られないままに終わる。そこがなんともいいような気がした。
ホラー短編集として優れているかもしれない、と思った。妙に古くさいような漢字表記を多用する点はあっても。
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さすがの語り部、良質なホラーである。じんわりと、しみチョコのような怖さが精神に浸透してくる。
日本の土着的な背景を持つ、しめったような土臭いようなカビ臭いような雰囲気がほんと堪らない。出会いは「のぞきめ」だったと思うけど、一貫して作者の持つ文体の雰囲気が変わってない。
定期的に読みたくなる三津田ワールド。多作ゆえまだまだ課題図書があるのは良きかな。次は何を読もうかなー。
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結界が張られた山奥の家で七つの規則を守り「おこもり」をした少年の奇妙な体験談の『お籠りの家』、大人しい少年の描いた絵が暗示する事故に纏わる『予告画』、ある装幀家が雨の日に出会った老人と少女、少女の父親と思われる男性から奇妙な体験談を聞かされ恐ろしい推測が浮かび上がる表題作の『逢魔宿り』という、どの作品も「作者が他人から聞いた体験談を基に小説化したもの」であることが示されるも、まるで現実に起こった出来事ではないか、という徐々に忍び寄る恐怖が常に感じられて恐ろしく感じつつも面白かった。
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5話からなる短編集。家シリーズみたいに時代はバラバラ。ただ、所々に白いものが出てきます(白猫さんだったり、奥さんだったり)。あと、三津田さんが手掛けられた書籍のお話も出てくるから、本当に起きたことも含まれてるのかな…錯覚しそうになったりもする。
5話目でそれまでのお話全てと繋がっていくんだけど、家シリーズみたいに完全に繋がってる訳ではなく。関連してると言った方がいいのかも。そんな関係性のあるお話で締めくくられてました。
だから、個人的には5話目が微妙でした。。そこだけノンフィクションだと思って読んだら、めちゃ怖いけど…
2話目が少し毛色が違ったのかな。1、3、4話はシチュエーションが嫌だ、怖い。1話は子どもだから逃げられないけど、3と4の人は断りなよ〜って思いながら読み進めてました。
一気に読んだらまた違った感想になるかもしれない。お話同士の繋がりとか、設定とか、もっと想像して楽しめる気がする。。
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得体の知れないものに追われ続ける恐怖感。神や魔物に魅入られてしまう、その悍ましい。今目の前に存在するものが、人なのか人ならざるものなのかその判別すらままならない現実。怪異の謎を解いて行きつつも、核になる部分はやはり闇の中へ封印してしまう。後味悪い読後感が恐怖を増幅する。
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5つのホラー短編集。最終話で、それまでの4話が緩ーくつながっていますが、そこはどうでもいいかな。『予告画』は絵に描いたことが現実になる不思議な少年の話。でも最後の種明かしが、少しトリッキーで、正直ちょっとわかりづらかったです。際立って良かったのは『よびにくるもの』祖母からある旧家に香典を届けてくるよう頼まれた主人公。家の人にも一切挨拶などせずに、届けるだけですぐ帰ってくるようにとのこと。しかし、ついつい家の人の頼みを聞いたことが、恐怖の始まり。旧家の雰囲気や出来事。その後始まった事件に、得体の知れない怖さがありました。これを読むだけでも、価値がありました^_^
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しまった、澤村伊智と続けて読むんじゃなかった。頭の中で話が混在してしまうじゃあないか。どちらも擬態語が怖いんです。ざっざっざっとか、ぺた、とか。もうやめて(笑)。
5話独立した「モキュメンタリー」かと思ったら、5話目で全話をまとめてかかられたうえに、三津田信三の著作の中で私が最もおののいた「入らずの森」まで出てきたよ、と思ったらそれは宇佐美まことでしたね。あれは『ついてくるもの』の中の短編「八幡藪知らず」でした。
嗚呼、どうしてホラー苦手なのにこんなに読んでしまうのか。インターフォン怖いがな。で、これ、モキュメンタリーですよね!? 実話ではないことを祈る。
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『逢魔宿り』とは言い得て妙のホラー短編集。
基本パターンは今まで通りだが、読む度に新しい恐怖を味わわせてくれるから素晴らしい。
個人的な最恐は、七緒の祖母と老野生家の因縁が気になって仕方ない「よびにくるもの」。老野生家訪問時の様子も自分が経験しているような臨場感と生々しさで終始トリハダ。
7歳の息子と歳が近い男の子が主役の「お籠りの家」と子どもの絵がテーマの「予告絵」も落ち着かない怖さだった。
「お籠もりの家」のおばあさんはどうなったんだろう…後を引く謎がまたいっそう自分を三津田氏ホラーの虜にさせる。
Posted by ブクログ
最後の『遭魔宿り』でぞっ(-"-;A ...アセアセ
ホラーはこうであってほしいという私の欲望は満たされましたので、満足です。
面白かったですし♪
家の構造。続く怪異がねぇ、民俗学ぽくてたまらなかったです。
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『怪談のテープ起こし』がおもしろかったらこっちも。
かなり読みづらい!とくに家族構成を説明するフレーズが、珍しく何回もその一文を読み直しても理解できなかった。
それ以外にもちょこちょこ、普通の、本当に普通のホラーやミステリー小説を難なく読める感覚からすると、なんでだよな文章が多い。
あと作者が主人公のお話は楽しいのだけど、ここまで本筋とは関係ない自分の作品の話をしまくるのはどうなのと思った。
「これを執筆してる時にこんな縁があってこの話が〜」を言いたいだけなのに、"これを執筆"の部分が豊かすぎる笑
語り手の主人公が作者風で、縁や偶然やそれでは片付けられないものの繋がりにリアリティあるから楽しいだけで、語り手のことが好きなわけではないのよ。
Posted by ブクログ
安定のメタ恐怖小説。
オチのしっくりこないぼんやりとした恐怖でも、実話怪談とは何かが違う。
メタ小説ということで実話怪談よりもファンタジー寄りのホラーなんでしょうか。それがとても面白い。
とくに最初のお籠りの山の話が良かった。
山で口笛を吹いてはいけないとか、魔除けで有名な柊や南天が結界のように植えてあるとか、名を名乗ってはいけないとか、いつかどこかで聞いたことのあるような民間信仰をうまく取り入れることで、なにか邪悪なものがその場所にいるのではないかという不安を読み手に感じさせる内容になっている。
星4か迷ったけれど、残念ながら最後の話がよくわからなかったので僭越ながら星3にさせていただきました。でも三田氏の本はハズレがない!
Posted by ブクログ
何を思ったか間違って削除してしまった・・・
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人から聞いた5つの奇妙な体験を小説化。
洒落怖好きの人には特におすすめ。
謎の訪問者や儀式、子どもが描いた絵など
一見関係なさそうな体験談だが実は同一の怪異で
どこかで繋がっているのではないか、
と思えてしまう。
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そして私事ながら転職をしまして勉強時間の確保と
ニート期間に崩れた生活リズムがまだ調わず、
一気に読むスピードが落ちてしまった・・・。
はやくペースを戻したい・・・。
Posted by ブクログ
短編のお話が5話あります。4話目までは全く関連なく独立した内容で完結するのですが、その4話があってこその、5話目の恐怖、気持ち悪さです。
読み手には、ノンフィクションとフィクションの部分の区別がつかないので、現実味があるのに不思議で気味が悪くて、良い意味で謎も謎のまま放置され、ぞくぞくします!
こちらの本のオススメの読書環境は、断然【雨の日】です!
Posted by ブクログ
そこまで怖くないがちゃんとホラー。
とくに【よびにくるもの】は、徐々に迫ってくる怖さがあってぞっとした。
久々にホラーを読んだのでドキドキしている。
Posted by ブクログ
手堅く、間違い無く面白いが、三津田さんの作風と言うか
怖がらせ方に慣れてしまった。
初めて、三津田さんの作品を読み始めた頃の怖さを感じなくなってきたな(涙)