あらすじ
元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
作家が集めた怪異譚を語る短編集。……かと思いきや、最後には今までの話が繋がる連作短編でした。どの話も最終的な解決はつかないまま不思議というか怖いね、と思いつつも他人事だったのがいつの間にか自分も…という、あとでヒヤッとする怖さ満載でした。
Posted by ブクログ
5話からなる短編集。家シリーズみたいに時代はバラバラ。ただ、所々に白いものが出てきます(白猫さんだったり、奥さんだったり)。あと、三津田さんが手掛けられた書籍のお話も出てくるから、本当に起きたことも含まれてるのかな…錯覚しそうになったりもする。
5話目でそれまでのお話全てと繋がっていくんだけど、家シリーズみたいに完全に繋がってる訳ではなく。関連してると言った方がいいのかも。そんな関係性のあるお話で締めくくられてました。
だから、個人的には5話目が微妙でした。。そこだけノンフィクションだと思って読んだら、めちゃ怖いけど…
2話目が少し毛色が違ったのかな。1、3、4話はシチュエーションが嫌だ、怖い。1話は子どもだから逃げられないけど、3と4の人は断りなよ〜って思いながら読み進めてました。
一気に読んだらまた違った感想になるかもしれない。お話同士の繋がりとか、設定とか、もっと想像して楽しめる気がする。。
Posted by ブクログ
しまった、澤村伊智と続けて読むんじゃなかった。頭の中で話が混在してしまうじゃあないか。どちらも擬態語が怖いんです。ざっざっざっとか、ぺた、とか。もうやめて(笑)。
5話独立した「モキュメンタリー」かと思ったら、5話目で全話をまとめてかかられたうえに、三津田信三の著作の中で私が最もおののいた「入らずの森」まで出てきたよ、と思ったらそれは宇佐美まことでしたね。あれは『ついてくるもの』の中の短編「八幡藪知らず」でした。
嗚呼、どうしてホラー苦手なのにこんなに読んでしまうのか。インターフォン怖いがな。で、これ、モキュメンタリーですよね!? 実話ではないことを祈る。
Posted by ブクログ
『逢魔宿り』とは言い得て妙のホラー短編集。
基本パターンは今まで通りだが、読む度に新しい恐怖を味わわせてくれるから素晴らしい。
個人的な最恐は、七緒の祖母と老野生家の因縁が気になって仕方ない「よびにくるもの」。老野生家訪問時の様子も自分が経験しているような臨場感と生々しさで終始トリハダ。
7歳の息子と歳が近い男の子が主役の「お籠りの家」と子どもの絵がテーマの「予告絵」も落ち着かない怖さだった。
「お籠もりの家」のおばあさんはどうなったんだろう…後を引く謎がまたいっそう自分を三津田氏ホラーの虜にさせる。
Posted by ブクログ
最後の『遭魔宿り』でぞっ(-"-;A ...アセアセ
ホラーはこうであってほしいという私の欲望は満たされましたので、満足です。
面白かったですし♪
家の構造。続く怪異がねぇ、民俗学ぽくてたまらなかったです。