上巻ではオーロラ病が蔓延し女性が次々と眠ってしまい、女性警察署長ライラまでもが眠ってしまうところで終わります。男はパニックに陥り右往左往するのみです。ここで読者の緊張が頂点になります。
後半は一転してヴァイオレンスの連続で、ジェットコースターが落下するような展開が続きます。クリントンの籠城するドゥ
...続きを読むーリング女子刑務所にフランク率いる民兵隊が攻撃を仕掛け、それとは別にアームレスリングチャンピオンのヴァネッサのグライナー兄弟追跡劇もあります。ものすごい迫力です、街中の火器が集まっているのでそりゃあそうなるよねという感じです。男たちは他人には理解しがたい流儀をそれぞれもって争いに参加しているようです、特に女性にはまったく理解できない考えで。
私が上巻で注目したクズ2人ドン・ピーターズとガース・フリッキンジャーですが、ガースはあっさりと退場しましたいいやつだったのに残念です。ドンは最後までクズを貫き通し、クズらしい最後を迎えます。
眠りについた女性たちはもう一つの世界で女性だけで生きていけることを証明するのですが、元の世界に戻ることを決断します。
表向きは以前と何も変わらない世界に戻ってしまいます、指がなくなったり家族がいなくなったということはありますが広い世界の中では小さいことであると描かれています。オーロラ病のカラクリを知った一部の人間には心境の変化が現れ小説のエンディングとなります。
オーロラ病という疫病を扱っているところから『スタンド』が、もう一つの世界の描かれ方から『ダークタワー』が連想されます。また、上巻と下巻で雰囲気が違うので、上巻を父が下巻を息子が主に執筆している気がします。こんなことは面白ければどうでも良いことですね。