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子どもの成長と教師の再生を描く離島小説。
関東で小学校の教員をしていた槙屋深津は、故郷である鹿児島県の神無島に帰ってきた。週に二便しかないフェリーで鹿児島港から約十二時間、外食する店もない、外周十五キロほどの島だ。十二歳で離れた島に二十年ぶりに戻ったのは、三年に満たない結婚生活にピリオドを打ち、島の小・中学校の臨時教諭になるためだ。
島に降り立った深津のあいさつに、伯父の返事はなかった。深津とともに島を出た母が、伯父の家にいることだけを告げた。学校の教師や子どもたち、元同級生たちは深津の帰郷を歓迎するが、小学四年生の宇良という男の子だけ現れなかった。人の善悪を見抜き、どちらかわからないうちは、姿を見せないという。深津は悪寒を覚えた。人は生きて変化している。二十年前、島で起こった事件などいつまでも引きずっているわけもない──。
島の学校に通うのは、地元の子どもだけでなく、不登校や親の虐待など家庭の事情で「島留学」をする子どもたち。全校生徒十人ほどの学校で過ごす日々、厳しくも豊かな自然への畏怖、子どもを守ると言い伝えられる島の神・ウラの存在。島での生活の中で、深津が過去と対峙し、再生していく姿を描く感動作。
Posted by ブクログ 2023年05月07日
雨の降る音、風の靡く音、「雨が喚く」「土が雄叫る」に方言が混ざる導入部分から島で起こりうることが、容易ではないだろうと想像させる。
槙屋深津は、12歳で母と島を離れ19歳で母がいなくなってから大学を出て教師になり、20年ぶりに故郷の島の臨時教諭として帰る。
小中12人の子どもと接するうちに蘇って...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月20日
都会でも島でも、
子供たちの抱える闇はあり、
そうした子供たちを守ろうと奮闘する教師がいる。
時には間違えることも嘘をつくこともあるけど、
ここぞという時に手を離さない。
そんな教師に私もなりたいもんだ。
方言がいいアクセントになってる。
ゴールデンカムイ読んでたから、
馴染みのある言葉がいっぱ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年09月24日
最近は山村留学や島留学が増えていると聞くけど、何かトラブルを抱えている子達のシェルターのような役割もあるのだろうか。
作中では虐待を受けていた子どもも受け入れていて、先生が通常の授業+心のケアも担っているのだけど、現実的にはかなり大変だろうなと思った。
島ののんびりとした暮らしをイメージして読み始め...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月12日
神無島の神様ウラは子どもを守る神。12歳の時に母と島を出た深津は20年ぶりに島へ帰ってくる。小学校中学校と合わせても10人ほどの生徒に教師として新しい生活が始まる。問題を抱える子供たちを見守りながら、自分の20年前の出来事にも改めて立ち向かう。島の人々の優しさと島を被う存在ウラの力で守られた温かい物...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月06日
奄美大島に近い小さな島の小中学校は、島外からの小中学生も受け入れている。不登校だったり、家庭の事情で親の元で暮らせない子どもたちが島民の家庭にホームステイしている。そんな学校に島出身の深津が教師として戻ってきた。小中学校合わせて10人ほどの学校、家庭に事情があるのは留学生だけではなく、深津自身にも、...続きを読む
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