【感想・ネタバレ】神無島のウラのレビュー

あらすじ

子どもの成長と教師の再生を描く離島小説。

関東で小学校の教員をしていた槙屋深津は、故郷である鹿児島県の神無島に帰ってきた。週に二便しかないフェリーで鹿児島港から約十二時間、外食する店もない、外周十五キロほどの島だ。十二歳で離れた島に二十年ぶりに戻ったのは、三年に満たない結婚生活にピリオドを打ち、島の小・中学校の臨時教諭になるためだ。
島に降り立った深津のあいさつに、伯父の返事はなかった。深津とともに島を出た母が、伯父の家にいることだけを告げた。学校の教師や子どもたち、元同級生たちは深津の帰郷を歓迎するが、小学四年生の宇良という男の子だけ現れなかった。人の善悪を見抜き、どちらかわからないうちは、姿を見せないという。深津は悪寒を覚えた。人は生きて変化している。二十年前、島で起こった事件などいつまでも引きずっているわけもない──。
島の学校に通うのは、地元の子どもだけでなく、不登校や親の虐待など家庭の事情で「島留学」をする子どもたち。全校生徒十人ほどの学校で過ごす日々、厳しくも豊かな自然への畏怖、子どもを守ると言い伝えられる島の神・ウラの存在。島での生活の中で、深津が過去と対峙し、再生していく姿を描く感動作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

やや心理描写がむづかしいとおもえたか、だんだん後半になると面白くなってきた。子どもたちの心理がよく分かる。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

中学受験の国語の出題文。
ハラハラして読み進める。大人の想像力で読むとちょっと怖い。小学生には難しいと思われる。親の子どもへの振る舞いを考えさせられ、身につまされる。

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2024年06月25日

Posted by ブクログ

悲しいニュースが無くならないけど、子供たちは必死で生きている。大人は、大人であることに対し、気持ちがいっぱいになって、どうすることもできず、責任を放棄してしまう。そのほうが楽だから。
でも、後悔に苛まれ、前へ進めない。
最後に前へ進むことを決めた、大人と子供に幸あることを祈ります

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

さて、島の子供の神様ウラは、存在するのか。それとも、人の心が見せるものなのか。
鹿児島の離島に赴任する形で帰郷した深津先生を主人公に、島の子どもたち、離島留学のような形で転入してくるワケありの子どもたち、少年の時の深津を追いかける鬼…

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

12歳まで暮らした離島に、臨時教師として20年ぶりで戻った男。
当時と変わらない島の空気、子供たち、そしてガジュマルと神様。

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2024年07月09日

Posted by ブクログ

ウラはどこにでもいない
だから子が親を捨てる道もあっていい
子供の虐待があまりに日常になってしまっている今、大人が真剣に取り組まないといけない問題

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

故郷の島に12年ぶりに帰ってきた男性教師と、島で生活する子どもたちとの交流を描いた作品。深津が幼い頃に受けた傷と現代を生きる子どもたちが抱える傷それぞれに向き合っていく一生懸命さがよかったです。

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2023年08月27日

Posted by ブクログ

雨の降る音、風の靡く音、「雨が喚く」「土が雄叫る」に方言が混ざる導入部分から島で起こりうることが、容易ではないだろうと想像させる。

槙屋深津は、12歳で母と島を離れ19歳で母がいなくなってから大学を出て教師になり、20年ぶりに故郷の島の臨時教諭として帰る。

小中12人の子どもと接するうちに蘇ってくる自分の子ども時代の怖い記憶。
それは、母に捨てられ祖父に虐待を受けて弟と共に転入してきた莉里のことを見ているうちに湧き上がってくるものだった。

教師として、子どもに不安や恐怖を感じさせてはならないという思いは、自分の過去を冷静に振り返ることにも繋がってくる。

過去を抱えながらも大人に傷つけられた子どもたちを守ろうとする思いが伝わってくる。

島独特の方言や風習に触れると故郷を思い出してしまった。
すっかり離れて久しいが、家族とは何かを改めて考えさせられた。




こどもの日、みんなはどんなふうに過ごしたのだろうか。




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2023年05月07日

Posted by ブクログ

自分の生まれた島に教師として戻ってきた主人公。なぜ戻ってきたのか?なぜ島を去らなければいけなかったのか?ミステリーの要素が強いので一気読み。
現場の教師たちの声がリアルで、あさのあつこさんらしいと思った。子どもがどう育つかというのは、周囲の大人次第だと痛感させられる小説だった。

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2023年05月06日

Posted by ブクログ

都会でも島でも、
子供たちの抱える闇はあり、
そうした子供たちを守ろうと奮闘する教師がいる。

時には間違えることも嘘をつくこともあるけど、
ここぞという時に手を離さない。
そんな教師に私もなりたいもんだ。

方言がいいアクセントになってる。
ゴールデンカムイ読んでたから、
馴染みのある言葉がいっぱい。

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

重い!重いけど鹿児島弁がいい。
濃厚濃縮で重いけどあさのあつこ的な容赦ない現実を見ろな。久々に厳しめでした。子供が辛いのは本当にやきもきする

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2023年11月08日

Posted by ブクログ

最近は山村留学や島留学が増えていると聞くけど、何かトラブルを抱えている子達のシェルターのような役割もあるのだろうか。
作中では虐待を受けていた子どもも受け入れていて、先生が通常の授業+心のケアも担っているのだけど、現実的にはかなり大変だろうなと思った。
島ののんびりとした暮らしをイメージして読み始めたけど、虐待の陰がずっとちらつく重たいテーマの物語。
神様のウラがもっと登場して、子ども達を助けてくれたらいいのにと思った。

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2023年09月24日

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ネタバレ

親から虐待を受けた子供が、子供を守ってくれる神様がいると言われる自然豊かな島で優しい教師や島民に見守られながら、トラウマを克服しようとする話

・・・割とありがち

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2023年07月18日

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神無島の神様ウラは子どもを守る神。12歳の時に母と島を出た深津は20年ぶりに島へ帰ってくる。小学校中学校と合わせても10人ほどの生徒に教師として新しい生活が始まる。問題を抱える子供たちを見守りながら、自分の20年前の出来事にも改めて立ち向かう。島の人々の優しさと島を被う存在ウラの力で守られた温かい物語。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

奄美大島に近い小さな島の小中学校は、島外からの小中学生も受け入れている。不登校だったり、家庭の事情で親の元で暮らせない子どもたちが島民の家庭にホームステイしている。そんな学校に島出身の深津が教師として戻ってきた。小中学校合わせて10人ほどの学校、家庭に事情があるのは留学生だけではなく、深津自身にも、深津の同級生だった紗友里にもあった。島の神様ウラは子どもを守る神様だという。ウラは、本当に子どもたちを守ってくれるのか?

DVや育児放棄をテーマにしていて、なかなか重い。教師が、大人が、傷ついた子どもにできることは何か。考えさせられる。

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2023年06月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子どもの成長と教師の再生を描く離島小説。……うん、確かに。でも感動の押し売りのような宣伝文句はいらないな。

父親亡き後、母と共に離れた島に、戻るなと言われていたにもかかわらず、教師として戻ってきた深津(ミツ)。子どもの減少に伴い、島外からも生徒を受け入れている。深津は、さまざまな事情がある子どもたちと向きあうなか、自分の過去を直視せざるを得なくなる。

離島とか、子どもを守る神さまとか、曰くありげな過去とか…… ファンタジーもホラーもミステリも書く著者だけに、方向性が読めず、もやもやと読み進め…… →冒頭の感想へ。

子どもが子どもらしく成長するために、闘おうとする大人たちの話だった。

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2023年04月11日

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