作品一覧

  • 影と踊る日
    3.8
    1巻1,925円 (税込)
    「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説
  • ノワールをまとう女
    値引きあり
    4.0
    1巻616円 (税込)
    企業の炎上鎮火を請け負う裏仕事人の西澤奈美は、筋力トレーニングを日課とし、冷蔵庫にはビールと栄養ゼリー。 音楽はオールディーズをこよなく愛し、話し相手はAIのユキエ。 そして、ファッションはいつも黒ずくめ。 大手医薬品メーカーに仕掛けられたデモを鎮めるべく、市民団体に潜入した奈美。 だが、そこでリーダーから紹介された同士とは、リアルな恋人の雪江だった。 新ヒロイン誕生! 第65回江戸川乱歩賞受賞作。
  • 償いの流儀
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    正義の鉄槌? なんて柄じゃないけど オレオレ詐欺に遭った「角のおばちゃん」の仇を取ろうと 証拠をつかんだ詐欺集団を匿名で警察に通報したつもりが、 逆に逮捕を逃れた残党に居場所を知られ、復讐の標的に。 背後の組織をつかみ切れない奈美が選んだ窮余の策とは? 企業のトラブル請負という仕事をめぐって最愛の恋人・雪江と師を続けて亡くした西澤奈美は心の整理がつかず空虚な日々を送っていた。そんな彼女が親しみを寄せるタバコ屋の上井久子がオレオレ詐欺に遭う。 久子を慰める術を持たない奈美だったが、自分が入居する雑居ビルのオーナーから隣のビルに入った怪しげな会社が詐欺集団ではないかという見立てを聞き、密かに証拠をつかみ匿名で警察に通報する。しかしその後、逮捕を逃れた残党の影がちらつき、たびたび襲撃を受けるように。 奈美は、彼女が育った児童養護施設の後輩で雪江を慕っていたという松井の協力を得て久子を騙した犯人を突き止め、ついには自ら拉致されて敵地に辿り着くという無謀な賭けに出る……。 満身創痍の西澤奈美、絶体絶命!
  • 石燕夜行 骨きりの巻
    3.4
    1~3巻616円 (税込)
    江戸・日本橋で夜な夜な町の誰かが骨だけにされて見つかる。そんな奇怪な噂が立っていたある日、町絵師・鳥山石燕の元に塗楽という奇妙なご隠居がやってきた。事件を解決するため彼の力を借りたいというのだが、その正体は妖怪の棟梁で……。異能の青年絵師が妖怪たちと、江戸を騒がす怪異を断つ!新たな伝奇妖怪エンタテインメントのはじまり、はじまりぃ――。

ユーザーレビュー

  • 影と踊る日

    Posted by ブクログ

    テレビの特殊詐欺対策啓蒙コーナーに出演している鈴山澪が行方不明になった認知症の高齢女性を助けた友人の行方を追う。特殊詐欺事件に絡む人達、そして自身の過去が明らかになっていく…

    0
    2023年02月23日
  • 影と踊る日

    Posted by ブクログ

    多くの警察物の作品は、警視庁であったり、あるいは大阪府警であったりと、非常に規模の大きい都道府県警が舞台であったりしますが、時には、この作品のような地方の県警が舞台になることもあります。

    地方警察が舞台の作品は、それはそれで味があります。警察の規模が小さめなので、地域との関りが濃いんですよねぇ。この作品にも、その設定は活かされています。

    いやぁ、しかし、作品に登場する多くの人が、何某かの闇を抱えていますね。主人公の鈴山澪も同じ。地方局の番組で、警察を代表して出演している彼女は、それなりに顔が知られてしまっている、文字通り“警察の顔”。そんな鈴山にも、暗い過去があることが語られています。

    0
    2022年12月29日
  • ノワールをまとう女

    Posted by ブクログ

    2019年江戸川乱歩賞受賞作品
    Twitterでお薦めされてるのをみて読んでみたが、短編集を立て続けに読んだ後だからか、よくわからないままの前半が長すぎて大変。後半からようやく物語が動き始め、最後に一気に答え合わせと結末を迎える。
    社会派ミステリー?にしてはグッと来ないのは、企業を扱っていて、社長が善人で、政治腐敗ネタが皆無だからか。
    続編があるらしいのでそっちの方が面白そう。

    0
    2022年01月04日
  • 影と踊る日

    Posted by ブクログ

    新潟県警に勤務し、地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している鈴山澪。
    共演者の山野麻子は、詐欺被害撲滅新潟市民グループの高齢者世代の代表としてこのコーナーに抜擢されていた。
    麻子が、生番組中に未だに捕まらない犯人への憎しみを口走って、その発言が炎上。
    それに絡んで1人の青年が行方不明後に水死体で発見される。

    これで終わり…となるわけではなかった。

    特殊詐欺の闇を抉り出すことだけを描いているのではなかった。
    山野麻子にしても辛い過去があり、鈴山澪も抱えている重たい過去があった。
    麻子は、自身の罪を自身で解決したようなかたちになったが、澪にはどの道が正しいのだろうか。
    スッキリ

    0
    2023年02月24日
  • 償いの流儀

    Posted by ブクログ

    神護氏の描かれる世界はハードボイルド・タッチで、私好みのテンポでストーリーが切れ味良く、且つ妖しく展開して行く。
    女性が主人公でありながらもノワール的激しさが加わり、寝不足を顧みずに一挙に読み進んだ。
    多少詰めの甘い無理のある設定も垣間見られたが、それもまた良し。
    ミステリーの要素もあり、勘の良い読者であれば、おぼろげに結末が予想可能だと思うが、それもクイズ的な楽しみの一つとなる。
    厳しい評価をしがちな読者にとっては、私程には楽しめないかも知れないので念のため。
    鷹揚な私にとっては久方振りに一挙読みの娯楽的な楽しい読書との巡り合いになった作品だった。
    暇を持て余す人には、疲労感を感じない最適な

    0
    2022年07月08日

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