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Posted by ブクログ
朝井リョウさん推薦本。
(朝井リョウに最近傾倒しすぎている…けど未知の文学や作家さんに出会えたりするのでやはり推し作家が1人でもいると世界が拡がって楽しい有難い)
めちゃくちゃ良かった………
ドイツの作家さん。ドイツって無骨でビジネスライクな印象で、こんなにも繊細で柔らかな筆致の書き手がいるんだなぁ、いや翻訳家さんの底力か?と思いながらするする読み進められた。
千早茜さんに似てるなぁ、なんて思っていたら
「ミヒャエルとの再会後、帰宅したザビーネはペンダントのついた金の鎖をアクセサリー用の箱にしまった。しかし、ミヒャエルの死後、それを取り出して、毎日身につけている。」
↑この文章を読んで、以前どこかで読んだ小説の締めくくりと対比になっている!なんだっけあの小説?!と思い色々遡るとやはり千早茜さんの『正しい女たち』の中の短編である『海辺の先生』の締めの一文、
「万年筆は、インクを入れたきり、ひきだしの奥で眠っている」
との対比だった…!!!感動。
この一文、読んだ当初も「この終わり方めっちゃいいいいいいいい」と感想をつけてた。笑
過去に読んだ小説の何気ない一文が、他の本を読んでいるときにフッと湧きあがるとき、最高な体験だなぁと思う。そして読書日記つけてるメリットはここにある。
Posted by ブクログ
何かの書評での紹介を見て興味を持って読み始めた。短編集だが、言葉が極めて多い、読み続けるのに難儀する類の本だった。様々な人と人との出会いや別れが描かれていているが、日常の細々した出来事というより、季節の流れや長い歴史を持つ小都市の街並みを背景として描きながら、ひたすら回顧したり思索したりする話だった。人物が抱える困難な状況や哀しみも、複雑で一筋縄ではいかないものばかりだった。ヨーロッパやアメリカの小都市の街並みや郊外の自然に馴染みがないのでイメージが膨らまないというのは、鑑賞する上で障害になった。また、なかなかアイロニカルな展開や結末が、新鮮だが共感しづらく、普段読む日本の短編集と違っていて、重厚な石造りの街の乾いた空気感を彷彿とさせる小説だった。
Posted by ブクログ
感想。ベルンハルト・シュリンクは「朗読者」の著者。そんな事忘れていたけれど。9つの短編集なんだけれどどの話も年老いた人々が何かしらの「別れ」に遭遇した時の話。亡くなった人に対するもの、随分昔に別れた恋人にまた出会うもの、ご近所の幼い頃から見守り続けていた少女の死にで会うもの。そんな別れの時に脳裏に浮かぶのは思い出で、その思い出も明るさがあるだけではなく、後ろめたさや自己欺瞞、焦燥、そんな向き合いたくないものをちょっぴり混ぜ合わせながらつらつらと脳は過去を浮かび上がらせる。そんな別れの一つ一つが身に染みるのは私もそんな歳に近づいていっているのがわかっているからなのだろう。
Posted by ブクログ
赦しと別れ
癒しと別れ
目覚めと別れ
裏切りと別れ
若い時に絡まった糸は、歳をとってからでも解すことはできる。それはまるで、深いところにしまってあったものをもう一度表に出すように、別れ、離れていく。
死は別れのプロセスの終着点
その時点で別れられなかった事は、もうずっと離れない。
作者の淡麗でどこか妖艶な文章が彩る九つの物語は、確かに男目線である事は否定できないし、歳を取っても男性なんだなぁ。
自分が歳を取ってしまうと、老齢期を描いた物語は、古い日記を覗き見されたような妙な生々しさが伴ってしまう。
なんともいえず恥ずかしい。
でも、「老いたるがゆえのシミ」……現実では、こんな結末は滅多にないから……。
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