首里の馬(新潮文庫)

首里の馬(新潮文庫)

605円 (税込)

3pt

問読者(トイヨミ)――それが未名子の仕事だ。沖縄の古びた郷土資料館で資料整理を手伝う傍ら、世界の果ての孤独な業務従事者に向けてオンラインで問題を読み上げる。未名子は、この仕事が好きだった。台風の夜に、迷い込んだ宮古馬(ナークー)。ひとりきりの宇宙ステーション、極地の深海、紛争地のシェルター……孤独な人々の記憶と、この島の記録が、クイズを通してつながってゆく。第163回芥川賞受賞作。(解説・大森望)

詳しい情報を見る

閲覧環境

首里の馬(新潮文庫) のユーザーレビュー

3.8
Rated 3.8 stars out of 5
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    〈あの建物に詰まっていた資料が正確なものかどうかなんて、未名子だけでなく世の中にいるだれにもわからない。ただ、あの建物にいた未名子は、それぞれ瞬間の事実に誠実だった。真実はその瞬間から過去のものになる。ただそれであっても、ある時点でだけ真実だとされている事柄が、情報として必要になる日が来ないとだれが

    0
    2025年03月22日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作品ということで、難解なイメージで読み進めた。 前半は物語の世界観が掴めなくて、あまりページが進まなかったけど、読み進めていくうちに段々この作品が好きになっていった。 沖縄独特の風土であったり、郷土史と近代的なネット技術の対比等、何とも言い難い切なさを感じた。 主人公自身が社会とのズレを感

    0
    2024年09月16日

    Posted by ブクログ

    このお話の映像化を望みたい。
    島の出来事や闘争の関係やらモニター越しのやり取りやら。
    ラストはヒコーキにのった景色
    興行的には厳しそうだけど…

    0
    2023年03月19日

    Posted by ブクログ

    不思議な感じ。
    人のつながりはぶつ切り。
    でも、皮一枚で繋がっている感じ。

    読み始めて、既視感のあるこのもやっとした中にナイフが仕込まれているような文章の感覚⋯⋯を辿って、思い至る。芥川賞っぽい感じだ。すごく惹かれて読むけれど、霧の中に迷い込んだような。
    芥川賞受賞作です。

    0
    2025年02月23日

    Posted by ブクログ

    「いい科学者は、いい問いができる人のこと」ー
    昔こんな言葉を聞いたことがある。よい研究者になりたいと思うなら、ぼんやりと思い浮かんだ疑問を本質の近くまで鋭くしていき、水辺に石を投げ入れるがごとく、人や考えを動かしながら、本質を映し出せる人、というのが今のところの解釈だ。そんな問いを出せる人世の中に何

    0
    2024年06月19日

首里の馬(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

高山羽根子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す