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夫は毎晩のように泥酔する。一歳の娘がいるのに、なぜ育児にも自分の健康にも無頓着でいられるのだろう。ふと、夫に父の姿が重なり不安で叫びそうになる。酒に溺れ家庭を壊した父だった。夫は、わたしたちはまだ、立ち直れるだろうか――。家族だから愛しく、家族だから苦しい。それでもわたしが夫に、母が父に、父が人生に捨てきれなかった希望。すべての家族に捧ぐ、切実なる長編小説。(解説・桜木紫乃)
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Posted by ブクログ
タイトルがまず刺さりました。 日頃ほんとうにそう思います。 何もかも許せたら、自分だって相手だってもっとよく過ごせるはずなのに。 共感する部分が多くてしんどいながらも引き込まれて読み終わりました。
一木けい『全部ゆるせたらいいのに』新潮文庫。 読んでいて、昔懐かしいささやかな家庭の描写に喜びを感じる一方で、切なさと悲しさで心が痛くなるような小説だった。 一種のアル中小説と言っても良いだろう。 酒で憂さを晴らすとか、酒は百薬の長とか、適度な酒ならとか都合の良いことを言うが、酒は一滴でも身体...続きを読むにも、精神衛生にも良くない。本書に描かれている通り、酒は家庭崩壊の原因にもなる。どうして法律で禁止されないのか不思議でならない。 毎晩のように泥酔する夫の宇太郎に自身の父親の姿を重ね合わせ、不安に押し潰されそうになりながらも、何とか家庭にすがる千映。 娘の恵が産まれてから、より一層、仕事に力を入れる夫の宇太郎だったが、その反動なのか日に日に酒量が増え、泥酔し、物を無くしたり、警察の世話になったりと不安を募らせる千映。 千映の父親がアルコール中毒だった。大学院に通っていた時に母親と知り合った父親は子供が出来ると、バイト生活から一転、大学院を辞めて、名の知れた企業の正社員になる。その反動で、酒量が増し、泥酔したり、暴力を奮ったりと家庭崩壊の危機にあった。 宇太郎や千映の父親が酒に溺れる気持ちも解らないではない。自分も会社で仕事が忙しく、毎日のように深夜残業が続き、酒を飲んでいた時期がある。深夜に仕事を終え、飲みに行き、飲み屋から会社に出勤したこともある。記憶を失ったり、物を無くしたり、翌日は起きれなかったりということもあった。あのまま飲み続けていたら、今の人生は無かったかも知れない。酒を止めて10年になる。酒を止めてから、身体も心も楽になった。 本体価格590円 ★★★★★
良かれと思って与えた愛の形が人を苦しめることってあるんだなって、そんなことを考えながら読みました。それぞれの立場に立てば理解できても、許せないし、でも諦められないし。誰かと生きていく難しいなって思いました。家族ってある種の呪い。幸せであろうと不幸であろうと、離れようとしてもなかなか離れられなくて、嫌...続きを読むいにはなりきれなくて、恐怖や不信感に支配されていても、父親だから…夫だから…っていうところに着地する。でもそれは悪くない。 ただ、当たり前のことだけど暴力や暴言で人を支配しようとするのは弱い人のやることだと思った。はけぐちがなかったのかもしれない、追い込まれて、逃げられずにいたのかも知れたない。でもそれを守るべきはずの家族に向けて良くないやり方で消化させようとするのは悪だと思う。愛は対話、愛は信頼、愛はもろくて美しいからこそ尊い。千映のこれから先の人生が、囚われずあたたかな人生であることを願った作品でした。
なかなか興味深い題材で、感情移入しやすかった。また読み返したい。アル中の父を持つ女性の話。私の父もお酒をかなり飲む人だけど、ここまでではないし、暴力、警察沙汰があるわけではなく飲みすぎて病気になったりお金がすぐなくなっちゃうくらいだけど、アル中って本当に怖いなってことを再認識しました。 すべての章に...続きを読む、愛という文字が含まれていて、そこもなんとなく好きなところ。 愛について、考えさせられました。勝手にしろって突き放せたら楽かもしれない、それでもあなたが好きだとゆるせたら楽かもしれない。だけどどっちにも振り切ることができない辛さ、不安定さ、やるせなさ。勝手に期待してそれを裏切られて、失望して、期待することをやめようとしてるつもりなのに結局は期待してしまってまた裏切られての繰り返しの負のスパイラル。そんな自分にも嫌気がさしてしまう。 お酒が入っていない時の父、愛してくれた父、自分のためになにかしてくれた父、撫でてくれた父。 殴ってきた父、汚い言葉で罵ってきた父、昨日と今日で言ってることが矛盾する父。 全部同じ人間なのに、全然違う。いいところがたくさんあるから期待してしまう、嫌なところが沢山あるから捨ててしまいたい。この矛盾が苦しいね。
主人公である千映の父親。 孤独、理不尽などの、生きるために折り合わなければならない「現実」の鋭利な角をやり過ごす為にアルコールを用いる人。 愛するものを作らなければ、生活を支える必要がなければ、ひっそり生きていけたかもしれないのに。 「この本が作者の経験に基づいて書かれてある」と解説にあった。 ...続きを読むこのお父様の気持ちが、我がことのように感じられ、慄然とせざるを得ない。
主人公がアル中の父や、その予備軍のような夫に振り回されている場面は、なぜ「全部ゆるせたらいいのに」なの?と感じてしまうほど。けれども、愛とは信頼、信頼は積み重ねるものでしょ、と実感している人こそ知らないうちに雁字搦めになってないだろうか?と問われる。コントロールできないものを手放す勇気がほしい。
アルコールにまつわる苦しい家族の物語が描かれています 千映は毎晩のように泥酔する夫・宇太郎に対して強い怒りと絶望を感じている…とよくある夫婦ものと思って読んでいたら、父と娘の話になっていく 3、愛で選んできたはずだったはもう凄絶です 1、愛に絶望してはいけないで千映がどうして夫に対して激しい感情を抱...続きを読むいていたのかという答えが書かれています 読んでる最中ずっと苦しくてたまらなかった 総ページは240ページと少なめですが、中身はかなり重くて濃い 『全部ゆるせたらいいのに』という千映の祈りはただひたすらに悲しい ラストは未来への希望を感じられて良かった
全部許せることはないと思うんです。 アルコール依存症の父親と娘の長く、壮絶な戦い。娘は、夫のアルコールへの依存にも悩み始める。 娘は幼児の頃から 暴言と暴力と理不尽な要求に耐えながら成長していく。働き始めても、一人暮らしを始めても 家族からの呪縛は解けない。 父親を説得して病院へ連れて行くが 移動...続きを読む中でさえ飲み続ける。 彼女は、許せない父親をなぜここまで治そうとできるのか。酒に溺れる前の幸福な時間への執着なのか。たぶんどこかに残る愛情なのかとは思う。 家族だった義務感である方が、生きやすいだろうな。 無理難題を突きつけ愛情を確認する試し行動をとる大人もいる。対応を誤るとより深刻になる。 前作の「恩にも時効があっていい」それで良いのではと思う。 一木さん、好きだわ。
重度のアルコール依存症の父親をもつ千映。 そして夫にも酒への執着が見られる… 他人から見て、千映が置かれてる状況を考えたら、ゆるすなんて不可能だと思う。だけどそこで「全部ゆるせたらいいのに」と思うのは家族だから、愛がある(あった)からであって…なんとももどかしくて、切ない気持ちになる小説だった。自...続きを読む分の努力でどうにもならないことと向き合うのは、難しいよなあ…。幼い頃、父からたしかに全力で愛されていたのに、本人はそれを覚えていないのも、悲しかったな。 宇太郎と千映の物語だと思っていたら、千映と父親の壮絶な人生の物語だった。 切なく重いけど、目が離せない展開に夢中になって読んだ。
余韻…真ん中ぐらいからぐわっとノンストップで読んだんだけど感情移入してしまって今もくるしい ネタバレしないようにするとなんも書けない
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全部ゆるせたらいいのに(新潮文庫)
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一木けい
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愛を知らない
1ミリの後悔もない、はずがない(新潮文庫)
彼女がそれも愛と呼ぶなら
9月9日9時9分
結論それなの、愛
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