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「普通の夫婦」っていったい何!? 社労士事務所を経営している岩瀬麻衣子は、結婚するときに仕事を辞めると申し出てくれた夫の耀太に育児を任せ、大黒柱として家計を担い、日々の仕事に邁進していた。しかし世間の不理解、お互いの仕事と家事への不満、さらに忙しさですれ違う生活のなか、ある決定的な出来事が起こり、とうとう二人は離婚することに。だが、麻衣子にはこれまで任せっきりだった育児、耀太には再就職という高い壁が立ちはだかっていて……。世間の価値観とのギャップに振り回される夫婦生活のゆくえは!? 人気シリーズ「居酒屋ぜんや」の著者が描く、新しい家族の形を捉えた、感動の長編小説。
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Posted by ブクログ
社労士事務所を経営しバリバリ働く麻衣子と専業主夫の耀太。
耀太は、5歳と2歳の子どもの育児も担い、家事もするということを納得していたが…
日々の仕事に追われながらも邁進していく麻衣子とただただ家事、育児で社会から離れていく不安や周りの目もあり、妻との会話も減っていく耀太との間にある決定的な出来事が起こり、とうとう二人は離婚することに。
普通とはなにかということを感じてしまう。
夫は稼いで妻は家事・育児が当たり前のことなのか…と。
今の時代は、共働きがほとんどで、それでも家事・育児を分担しているか⁉︎というと、そうではない。
夫は、手伝ってるよと言うが、手伝うじゃないだろうと。そこからして家事・育児は本当は妻がして当然と思っている節がある。
この小説は、まるッと逆なわけだが、立場が変わると見えてくるものも違って、離婚後に気づくこともある。
何が理想で完璧にできるか…はわからない。
だが失敗してからの気づきもある。
しかしながら子育てはしんどいよね。
孫は、可愛いいがずっとは体力もたない。
「私もさすがに、しんどいわ。いつまでも頼れるとは思わんといてほしい」
と言う麻衣子の母の言葉にそうなのだと共感した。
娘の手助けはしたいし、孫に不憫な思いはさせたくないが、ずっとは無理である。
しかし娘に辛い、しんどい思いはさせたくないのである。
そんなことを思いながら一気に読んでいた。
Posted by ブクログ
核家族が普通になり、地域の繋がりも希薄になった現代。家庭や家族を維持するのは夫婦2人の双肩にかかっている。そのために夫婦はどうあるべきなのか。
あるひと組の夫婦のライフスタイルを通して、夫婦のあり方を問うヒューマンドラマ。
◇
岩瀬麻衣子は今、深山工業株式会社の応接室にいる。深山工業は麻衣子が社会保険労務士として顧問を務める会社だ。
向かい合ってソファに座るのは、育休を終え保育園に子どもを通わせたばかりの袴田という女性社員と労務を担当する管理部長。袴田からマタハラの訴えがあったため、麻衣子は話し合いの席に立ち合っているのだった。
遅刻はやむを得ないが連絡は必ず朝のうちに入れるよう要望する管理部長に対し、袴田は次第に感情をあらわにしだした。
熱を出した子どもを病院に連れて行ったりしているときに連絡する余裕はないと言い立てる袴田。社員としての責任があるのだから連絡は何とかして入れるべきだと言う管理部長。
「岩瀬先生にもお子さんが2人いらっしゃるんでしょう? 私の気持ちわかりますよね。」
袴田が麻衣子に訴えかける。麻衣子は、小さい子どもがいると大変なのはよくわかりますと受け止めておいて、こう切り出した。
「ところでご主人は、家事育児をどの程度負担なさっていますか?」( 第1章 ) ※全5章。
* * * * *
夫婦の役割分担。
半世紀前までは「男が外で働き女は家庭を守る」というのが一般的なパターンでした。
けれど時代の変化とともに共働き世帯が増えてくると、いろいろな問題が見えてきました。
その部分をテーマにした小説が多いことから、それが社会問題として捉えられていることがよくわかります。
本作は、妻が家事育児の大半を担うという家庭が圧倒的に多く、夫は時間のある時にお手伝い程度しか関わりを持たないという現状を、端的に切り取ったシーンで始まります。
麻衣子は会社側の要望を是とし、袴田の大変さを認めつつ家事育児における夫の分担を増やすようアドバイスします。2人の幼子を持つ麻衣子の意見は重く、袴田も強く言い返せません。
ここまでなら、垣谷美雨さんをはじめ多くの作家が問題視する「男は家事育児には役に立たない」ストーリーかと思いますが、テーマは別のところにありました。
未だ世間に残る「男は仕事。女は家庭」という観念。その封建的な社会通念は女性を苦しめるものと考えられがちですが、はたしてそうなのでしょうか。
本作の主人公は麻衣子と、その夫である耀太です。
麻衣子は個人事務所を構え精力的に仕事をこなす、やり手の社会保険労務士です。収入は少なくありませんが、その毎日は多忙を極め、帰宅が深夜になることもよくあります。
幼子も2人いるのに、いかにして家庭生活を回しているのか。実は夫の耀太が専業主夫として家事育児一切を担っているのでした。
岩瀬家の1日を簡単に紹介しておきます。
耀太は早朝に起き、朝食の用意をしたあと子どもたちを起こし、食事の世話や登園の準備をさせながら身支度をします。
途中で起きてきた麻衣子は耀太の作る朝食を食べ、支度をして出勤。麻衣子が担当する家事はたまのゴミ出しのみと、まさに親父パターンです。
麻衣子を見送った耀太は、長男の陸人を幼稚園に連れていきます。もちろん下の子の萌香を伴ってです。
帰宅後は萌香を遊ばせつつ、長男お迎えの時間までに掃除や洗濯を済ませ、必要に応じて買い物にも出かけます。
萌香の昼食の世話のほか、陸人を連れ帰ったあとは夕食の用意をして子どもたちに食べさせ、さらに入浴と歯磨きをさせて寝かしつけと、息つく暇がありません。
麻衣子はというと、子どもたちが寝たあと帰宅。食事と入浴をしてあとは眠るだけ。残りの家事も耀太任せ。何よりその間、耀太に対する感謝や労いはありません。 ( 仕事のことをずっと考えています )
「家事育児は立派な労働」だと認めてもらえないのは女性だけではないようで、若い頃から家事一般が得意な耀太と言えど、このワンオペ状態はキツいのひとことです。
さらに耀太を苦しめるのは孤独感でした。
子どもを公園に連れて行ってもママ友グループの中には入れず、話し相手はいません。妻の帰りは遅く、夫婦の会話すらままならない毎日です。
そのうえ、日中に買い物に出かければ奇異な目を向けられ、ぐずって大泣きする萌香を引きずるようにして帰宅を急げば不審者扱いで警官に呼び止められる。孤立無援の状態と言えます。
1人前の男が勤めに出ないでいることに対して、世間の目はなかなか厳しい。男が家庭に入ると、専業主夫に対する偏見が加わって社会から孤立しているように感じてしまう。この苦しみは専業主婦以上だと思います。
本作を読んでわかったこと。
世間でよく言われるように、「男性は家事育児の大変さやしんどさがわからない」というのは誤りです。麻衣子にもわからなかったのです。
耀太の家事能力の高さは麻衣子をはるかに上回り、事務処理や交渉等ビジネスに必要な能力は麻衣子が優れているということは、結婚前から2人にはわかっていました。そのことが今回の完全分業に繋がったのは確かでしょう。
けれど、完全分業には相手の苦労に目を向けなくなるというリスクがあることまでは、2人とも考えが及びませんでした。
最初の場面で、麻衣子が袴田さんにした助言は正論です。
夫と相談して家事育児の分担をきちんと決める。子どもの急な発熱などのアクシデントへの対応も夫に協力してもらえるよう話し合っておく。理想でしょう。
けれどワンオペ状態で生活をスタートさせてしまった袴田さんには、夫にSOSを出して話し合うだけの時間的精神的余裕が今のところないというのが実情であることに、麻衣子は気づかないのでした。
男女関係なく、「家事育児をしたことがない人」には、その苦労がわからない。ならばどうしたらいいか。
そんなことを、ヒントも提示しながら考えさせてくれる作品でした。
※ 麻衣子と耀太の完全分業は破綻して夫婦の危機を迎えます。それを2人はどのようにして乗り越えたのかについては、ぜひ本編をお読みください。
Posted by ブクログ
まさに私も
妻の子どもに対する気持ちはちょっと、、、なところも確かにあったけど
男が外で稼ぎ、女が家のことをする
それがスタンダード文化なところ
男がやるとイクメン
女がやると当たり前
周りから言われた一言の裏にある
子どもたちをよくみてくれて、イイ旦那さんねー
私もやってるんだけど?!
やっぱりママがいいのね
いやいや、なんだそのママ神話
という女の私も自分がメインの稼ぎ手になると焦り、麻衣子の気持ちもわかった
自分が倒れないように喝をいれてと
ちょっとしたすれ違い、会話も相手の代わりになってみるも大事だと思う
子どもたちが大きくなる頃には、
スタンダードが変わって欲しいと願う
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小説・文芸
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