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「それは、そのうちね」そう、お妙がにっこり笑う。お花が
「料理を教えて」というと、お妙はきまってそう有耶無耶に
してしまうのだ。養い子のお花は、引き取ってくれた只次郎
とお妙の役に立ちたいだけなのに――。一方、かつてお妙と
只次郎の世話になった薬問屋「俵屋」の小僧・熊吉は十八歳
になり、手代へと昇進していた。出世頭には違いないが、小
僧とは距離ができ、年嵩には疎まれ、心労が半端ない……。
蕗の薹の芥子和え、タラの芽の天麩羅、ホクホク枸杞飯、そ
してふわふわの鰻づくし! 彩り豊かな料理と共に、若い二
人の成長を瑞々しく描く傑作人情時代小説、新装開店です!
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Posted by ブクログ
「居酒屋ぜんや」の新シリーズ始まる。
前作から五年後の設定で、母親に捨てられてお妙たちが預かっていたお花も14歳になった。
やはりお妙たちが目をかけていた子供、熊吉は18歳。
今度はこの若者たちの視点でお話が進むことになる。
爽やかに、若々しく再出発。
この先の進む道に、希望と悩み。恋も・・・あるのかな?
『菫の香』
お花は、只次郎・お妙夫婦の正式な養女となっているが、いまだにお妙を「おっかさん」と呼ぶことができない。
実母のお槇はお花のトラウマである。
お妙もお花も、心から相手を大切に思っているのに遠慮しあってギクシャクするのが切ない。
『酒の薬』
熊吉は、奉公する薬種問屋・俵屋で、若くして手代に出世した。当然、妬まれる。
『枸杞の葉』
お妙に子ができたら、自分はもう要らなくなるのでは?と悩むお花。
おえんの実の子である、おかやの気楽さ、図々しさが気に障る。
『烏柄杓』
俵屋はお妙の父が作っていた薬・龍気養生丹を復活させて商売しようと考えた。
熊吉は、俵屋から目をかけられていることは分かっているが、それは養女として大切にされているお花とは違う、自分の立場に悩んでいる。
『夏土用』
お花が只次郎に拾われたのは、「大暑(二十四節気)」の日だったと思い出す。
只次郎が、どうしてもお妙のうなぎ料理が食べたいと言い出して、常連の旦那衆に声をかけて「鰻づくし」の会を開くことになった。
ーーーーーーーーーーーーーー
お花を大切に思うからこそ、無理に居酒屋の仕事を押し付けたくないお妙の気持ちは、もしかしたら血がつながらないからこそできる配慮なのかも。
お妙の料理はどれも美味しそうなのでいちいち触れないけれど、鰻づくしは悶絶である。
食えない、どこか怖いところのある俵屋の旦那は、とても魅力的。
おえんの娘・おかやは、まだ7歳ながら頭の中は男と女のことでいっぱいなのが母親そっくり。
そして、升川屋はまたやらかした!一方、息子の千寿は8歳で出来たイケメンに成長。
お妙(35歳)と只次郎(29歳)が、見守る立場の大人となり、若者たちの目を通して描かれるというのも新鮮なもの。
魅力的なキャラクターたちを、ずっと見守っていきたい。
Posted by ブクログ
居酒屋ぜんや、シリーズ第一弾。
大好きな人情時代小説のシリーズもの!
そして江戸の和料理はどうしてどれもこれも美味しそうに思えるのかー。(添加物というものが入ってないからか?)
いまでいう毒親に育てられたお花ちゃん。結果的に親に捨てられて、居酒屋ぜんやの店主お妙の養い子となる。また捨てられないように、役に立たないと、今の幸せを維持しないと、と必死になるお花ちゃん。育った環境もあってか、自分に自信がなく、そして子どもらしくないお花ちゃん。わかるー、育ちって本当に大事。でもそれを子供ながらに考えられるってそれだけですごい客観性を持ってるのよ、お花ちゃん!大丈夫だよと伝えたい。
居酒屋ぜんやの、鰻づくしはホントにどれも私には珍しく、そして美味しそうだったー。食べたいのは、鰻と茗荷の和え物、鰻と豆腐の蒸し物。次々とこの鰻づくしをたいらげていく旦那衆のコメントがまたたまらない。この鰻メニューはお花ちゃんのアイデアメニュー!ラストにお花ちゃんの気持ちが変わり、やっとお妙さんから料理を教えてもらえることとなる。今後が楽しみー。頑張れ、お花ちゃん!
Posted by ブクログ
「それは、そのうちね」お妙がにっこり笑う。
お花が「料理を教えて」というと、お妙はきまってそう有耶無耶にしてしまうのだ。
養い子のお花は、引き取ってくれた只次郎とお妙の役に立ちたいだけなのに──。
一方、かつてお妙と只次郎の世話になった薬問屋「俵屋」の小僧・熊吉は十八歳になり、手代へと昇進していた。
出世頭には違いないが、小僧とは距離ができ、年嵩には疎まれ、心労で胃が痛む……。
蕗の薹の芥子和え、タラの芽の天麩羅、ホクホク枸杞飯、そしてふわふわの鰻づくし!
彩り豊かな料理と共に、若い二人の成長を瑞々しく描く傑作人情時代小説、新装開店です!
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