作品一覧

  • とんこつQ&A
    3.8
    1巻726円 (税込)
    中華店とんこつの一員でいるため奇怪な努力を続けるわたし。 ナゾの読後感に唖然・鳥肌ッ!! へんてこ小説の金字塔! ***** 常識ってなんやったっけ?と、おかしな展開になっていく。面白不気味。 ――3時のヒロイン・福田麻貴 1/11放送「王様のブランチ」(TBS系毎週土曜日 あさ9時30分より生放送) 根拠の薄い不安定な強さが周囲を引きずりこみ、世界を歪ませる―― そんな危うい実体を「ほらほら」と容赦なく描きだす今村夏子、無敵。 ――平松洋子(解説より) ***** 大将とぼっちゃんが営む町中華とんこつ。「いらっしゃいませ」もろくに言えない従業員のわたしは、接客対応マニュアル「とんこつQ&A」を自作し居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――。表題作をはじめ、予想しえない展開に鳥肌が止まらない、ほのぼのと不穏が奇妙に交わる全4編! 「とんこつQ&A」 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは―― 「嘘の道」 姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが…… 「良夫婦」 いつもお腹を空かせている近所の少年・タム。彼の心を開くため、友加里は物で釣ることを考える。 「冷たい大根の煮物」 お金を借りて返さないことで有名な芝山さん。ずるずる仲良くなってしまった「わたし」は……
  • 木になった亜沙
    3.9
    1巻680円 (税込)
    奇妙で、不穏で、とびきり純粋な愛の物語 無垢で切実な願いが日常をいびつに変容させる。今村夏子の世界が炸裂する3篇に、単行本未収録エッセイと村田沙耶香による解説を付す。 ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • むらさきのスカートの女
    4.0
    1巻650円 (税込)
    「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。文庫化にあたって各紙誌に執筆した芥川賞受賞記念エッセイを全て収録。
  • 父と私の桜尾通り商店街
    3.5
    1巻704円 (税込)
    店を畳む決意をしたパン屋の父と私。引退後の計画も立てていたのに、最後の営業が予想外の評判を呼んでしまい――。日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集!
  • 星の子
    3.7
    1巻650円 (税込)
    林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。《巻末対談・小川洋子》
  • あひる
    3.9
    1巻572円 (税込)
    我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。喜んだ両親は子どもたちをのりたまと遊ばせるだけでなく、客間で宿題をさせたり、お菓子をふるまったりするようになる。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。なにげない日常に潜む違和感と不安をユーモラスに切り取った、著者の第二作品集。
  • こちらあみ子
    4.1
    1巻660円 (税込)
    あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。

ユーザーレビュー

  • こちらあみ子

    cnm

    購入済み

    今村夏子さんのデビュー作で話題の一冊。昨今注目度の高い、学習や感情面での障害についての問題提起的なものも感じつつ、自分の理解できない人間に対して「気持ち悪い」と感じてしまうことについて考えさせられる。

    0
    2025年12月01日
  • むらさきのスカートの女

    Posted by ブクログ

    今村夏子さん、初めまして。
    大好きです。

    語られる視点が、私にとっては初めての視点で、それがとっっても新鮮で面白くて大好きでした。

    信頼出来ない語り手とも言えるのかもしれないけど、それとはなんかまた感じ方が違う、本当に不思議な読書体験でした…!!

    どういうことかというと、語り手が、「むらさきのスカートの女」を追う「黄色いカーディガンの女」なんですね。

    その黄色いカーディガンの女から見た、むらさきのスカートの女を語ってくれるのですが、ストーカー状態なので、ほぼ作者が神の視点でむらさきのスカートの女の全ての行動を語ってるように思うんですよ…でもふとした瞬間に本当の語り手である黄色いカーディ

    0
    2025年11月29日
  • こちらあみ子

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今村夏子さんは、世の中の “ 普通 ” とは、ずれた人たちをただ、そのまま書く人、という印象。そこが好きです。
    絶対に忘れられない小説を書く作家。

    あみ子はもうまさに。少し風変わり、なんて可愛いものではない。
    周りのチョコだけ舐めあげたクッキーを、好きな男の子にあげるのですよ。。クッキー食べようと思ったけどまわりのチョコ全部舐めたらお腹いっぱい→のり君が好きだからこれあげよう!…なんという完璧なあみ子理論。
    のり君に告白するシーンは壮絶の極み。

    あみ子にロックオンされたのり君が不憫でしょうがないし、再婚相手の子供があみ子だった母親にも同情してしまう。なのに。

    なぜだか、「あみ子に傷ついて

    0
    2025年11月27日
  • 星の子

    Posted by ブクログ

    信じるってなんだろう
    信じているものが怪しくても本人たちが満足して納得して幸せなら他の人があれこれ言う権利はあるのか
    信じることって悪いことなのか何を信じればいいのかそんなことを考えさせられる作品だった
    淡々と物語は進むが常に信じることについて問われている気がして悶々とした

    0
    2025年11月24日
  • とんこつQ&A

    Posted by ブクログ

    読んでてめちゃめちゃ楽しかった。

    表題作は、日常を装いつつも、違和感がふんだんに詰め込まれた非日常であり、ツッコミ不在のコント劇を観ているかのような面白さがあった。

    また、全編を通して、「嬉しいけれど〇〇」「悲しいけれど〇〇」といった、割り切れない感情の揺らぎが感じられ、その揺らぎにこの小説の奥深さがある気がした。

    0
    2025年11月23日

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