作品一覧
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3.9
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3.5
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3.8我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。喜んだ両親は子どもたちをのりたまと遊ばせるだけでなく、客間で宿題をさせたり、お菓子をふるまったりするようになる。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。なにげない日常に潜む違和感と不安をユーモラスに切り取った、著者の第二作品集。
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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ初めての今村夏子の作品。
どの話も読み終わると何とも言えない気持ちにさせられた。
木になった亜沙は、もう世にも奇妙な世界観が凄かった。え?そうなる?そっちにいくのかー!と進む先が驚きの連続で、先が読めないとはまさにこの事だなと痛感した。斬新なお話だった。
的になった七未。この話が1番印象的だった。
最初は可哀想な子だなと思いながら読み進めていたが、子どもが産まれてからのストーリーが切なくて。
私自信も息子がいるので、尚更自分に置き換えたら…と考えて後半涙が…。
でも最後の最後に息子と再会し、射的の弾を愛する息子から当てて貰えたのを七未は母として嬉しく思ったんだろうなあと感じた。当ててもらい -
Posted by ブクログ
映画があまりにも衝撃的だったので、原作も読んでみようと思いました。
あみ子は発達障害の女の子です。自分が興味を持ったことからは目が離せなくなるのですが、逆に興味のないことは記憶にも残りません。そして、人の気持ちを推し量ることが極端に苦手なので、どうしても人間関係でトラブルを起こします。この物語の中では、大好きな男の子、そして母親との間に修復不可能な溝ができてしまいます。
先日読んだ『僕たちの青春はちょっとだけ特別』は特別支援学校のお話でした。あみ子もきちんと自分に合った支援を受けていたら……と思ってしまいます。
物語の中で唯一、あみ子に普通に接してくる男の子(あみ子の中では“坊主頭”としてしか -
Posted by ブクログ
今村夏子作品2冊目の本。とにかく今村作品は、いい意味で期待を裏切ってくる。読めば読むほど、いったい何が起きたのか、起こっていたことはなんだったのかさえわからなくなる感覚に襲われる。動転するという表現が正しいのだろうか…
帯に何も起こらないのに面白いとされているが、果たして本当にそうなのだろうか?今村作品は不穏だとする書評があるが、言い得て妙であるとは思う一方私には馴染まない。
物語にはむらさきのスカートの女、それを観察する黄色いカーディガンの女が登場する。黄色いカーディガンの女の視点を通して、むらさきのスカートの女の出来事が語られている。
が、同時に、物語を読むものは黄色いカーディガンの女