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Posted by ブクログ
宗教2世の幼少期を描いた作品。世の中の常識とか、社会でうまく立ち回るためのノウハウなどの大部分は親から学ぶものだけど、両親が宗教にどっぷり浸かってしまってると、子どもは世の中と自分とのズレに気付けずそのまま成長してしまう。
みたいなことを表現した小説なんだろなと最初は思っていたが、どうやら主人公は自身の境遇をそこまで不幸だと思っていないっぽい。親は歪んではいるものの、娘に与える愛は本物で、文章全体にうっすら不気味さが漂っている中でも微笑ましいシーンがいくつかあった。
唯一心残りなのは、姉のまーちゃん。まーちゃんは、家族と世間とのズレに気づいてしまって、それに耐えきれなくなったんだろうなぁ。クセのある両親を「そういうもの」として受け入れた主人公と、「こんなの普通じゃない」と拒絶した姉。幸せになるのはどっちだ。
Posted by ブクログ
自分の病気がきっかけで両親がカルトにハマってしまった女の子から見た、家族と宗教と外の世界。
両親がハマってるカルトについて主人公が善悪のジャッジを下さずに「そういうもの」として認識してるのが、幼い頃からその環境に置かれてたらそりゃそうなるよなぁと妙にリアルに感じられた。
読みながら「この人がこの子を助けてくれるのかな?」って思った人たちがもれなくクズで逆に主人公を傷つけて、心が苦しくなった……
描写されてないけど、もしかしたら姉のまーちゃんが家出を決意するまでの間にも同じような悪意に晒されたりしたのかなと思ってしまった。つらい。
両親との絆を再確認したラストは美しいけど……うーん、やっぱり私は高校進学を機に家族とカルトとは距離とってほしいと思ってしまうかな
でもこのまま親と一緒にカルトにハマり続けるのも彼女の主観では決して不幸ではないのかもしれない、難しい……
Posted by ブクログ
昨年映画を観てすごくよい作品だと思ったけれど、小説も素敵だった。映画で感じた空気感と小説だからわかる繊細な心情の動きが合わさり、より深みをもって読めた気がする。
信仰を持たずに生きていると、宗教、特に新興宗教に入信している人たちに対しては「ヤバい」という一方的な線引きを行なってしまいがち。しかし信じるものがあるということは、弱さでも奇妙さでもなく純粋さに通ずると思う。まっすぐだから信じられる。その過程には不幸もあるし、幸福もある。何を信じても、信じなくても、それは変わらないのだと思う。
映画の時には特に印象強くなかったけれど、春ちゃんの彼氏の宣誓がすごく素敵だった。
Posted by ブクログ
以前、情報番組で宗教二世をフィーチャーした回を見たことがありる。その宗教は度々トラブルを起こして世間を騒がせていた。
匿名で番組に出演していたAさんは、親が信者であり、自身も生まれた時からその団体に所属している。
客観的に見ると、怪しいしアウトでは?と思ってしまうが、信者がいるというのもまた事実。
その団体が起こした事件を、信者はどのように思っているのか、なぜそれを受けても信じ続けるのか、ずっと疑問だった。
本作の主人公・ちひろも宗教二世。
ちひろの属する宗教は人に迷惑こそかけないものの、かなり怪しいもの。それは、ちひろの同級生や叔父さんの反応でも描かれている。
宗教の内部にいながら、外側の感覚も合わせ持っているちひろの視点や心の動きはとても興味深かった。
Aさんもちひろと同じように、自らが属する宗教のおかしな点、ちょっとした違和感に気が付いていた。
物語終盤、ちひろが「両親になかなか会えない」というシーンがある。同じ合宿に参加し、同じ会場にいるはずなのに、その姿を数日間見かけない。
なんてことないすれ違いだった。大人数が参加していますし、そんなことも起こり得る。しかし、両親に会えない間、ちひろは言いようのない不安に駆られる。
宗教が原因で好きな人から変な目で見られたり、嫌な思いをたくさんしたものの、ちひろは最終的にはその団体に居続けることを選ぶ。それはちひろにとってこのコミュニティーこそがホームだからなのだろう。
先に述べた情報番組の最後でAさんは、「自身の団体におかしな点があることは認識しているが、それでも、これからもこのコミュニティーの中にいたい」と語っていた。
小さい頃から慣れ親しみ、仲間もたくさんいるその場所で生きていきたいというのは、ごく自然なことだと気づく。
Posted by ブクログ
ヤバい宗教の会員の両親に育てたれている子供が主人公ですが、自分の子供の頃と重なる部分もあり、気持ちは少しだけわかりました。
うちの両親はクリスチャンなのですが、宗教の中でもポピュラーなので、そこまで苦労はしませんでしたし、アメリカではむしろマジョリティなので、アメリカにいた頃の方が楽でしたが、日本ではやはり親の言うことと世間の反応のギャップにズレを感じていました。
そんな感情を如実に表しているのが著書であり、創◯学会やオ◯ム真理教の会員2世の方々なんかも共感できる部分が多いのかなと思いました。
ただ、昔から変わらず日本人の宗教に対する偏見は、世界に比べてかなり多いとう印象もずっと持っています。
Posted by ブクログ
なぜだか夢中で読み進め、このあとどうなるんだろうと思ってページを捲ったらお話が終わってしまった。
安易な救いも、涙を誘うような展開もないまま閉じた世界が閉じて行った。
星を眺めるあのラストをどう解釈したらいいんだろう。幸せな家族の、そこには確かに愛情があるという描写、とも取れなくはないけれど、私は不気味さや不穏さを感じるな、と思った。
砦の外にいる人間に危害を加えるわけではなくても、周りから見た時の宗教や信仰は奇怪で意味不明で恐ろしいものだったりする。信じるものが違う時、距離を置く以外の方法で解決しうる人間関係ってあるのかな。この本を読んでいて、私は主人公におじおばのところに逃げて欲しいなと思ったし、絶対逃げるべきとさえ思ったけど、本人の見ている世界は周りが思うほど深刻では(まだ)ない、というところが生々しかった。
公園で見かけた、見慣れたはずの両親の姿を「はじめて見た」と思う場面が印象深い。あと、先生の似顔絵が計算用紙になる所が好き。
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