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林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。《巻末対談・小川洋子》
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「星の子」
2020年10月9日公開 出演:芦田愛菜、岡田将生、大友康平
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Posted by ブクログ
信じるってなんだろう 信じているものが怪しくても本人たちが満足して納得して幸せなら他の人があれこれ言う権利はあるのか 信じることって悪いことなのか何を信じればいいのかそんなことを考えさせられる作品だった 淡々と物語は進むが常に信じることについて問われている気がして悶々とした
昨年映画を観てすごくよい作品だと思ったけれど、小説も素敵だった。映画で感じた空気感と小説だからわかる繊細な心情の動きが合わさり、より深みをもって読めた気がする。 信仰を持たずに生きていると、宗教、特に新興宗教に入信している人たちに対しては「ヤバい」という一方的な線引きを行なってしまいがち。しかし信じ...続きを読むるものがあるということは、弱さでも奇妙さでもなく純粋さに通ずると思う。まっすぐだから信じられる。その過程には不幸もあるし、幸福もある。何を信じても、信じなくても、それは変わらないのだと思う。 映画の時には特に印象強くなかったけれど、春ちゃんの彼氏の宣誓がすごく素敵だった。
物語を読み進めていくにつれてだんだん「わたし」の状況がわかってくる不思議な読書感。 私自身も大学時代バイト先の友人に誘われて集会に行ったことがある。何人かのグループに分かれて、話になって座って自分の話をした記憶がある。 全面に宗教は出てこなかったし、誘ってきた女の子も全面には宗教感は出してこなかった...続きを読むけど、そういう人なのだというのはなんとなく知ってた。 周りの友人も誘われて集会に参加したことがあると言っていたが、詳細については内容語りたがらなかったし、入会したという話も聞かなかった。 身近にも危険は潜んでいる、そんな事を思い出した。 子供の頃から親が熱心な人だと、それが当然のものと思って抜け出すのは難しい、与えられた環境を変えるのは困難だ。宗教が原因で婚約が破棄になった話も聞いたことがある。問題なのは、宗教親に悪気はなく、かれらもまた被害者たりうるということ、解決の糸口はどこにあるのか。
あらすじを読んだとき、あぁ、きっと「家族の崩壊」とか「家族愛による救出」みたいなテーマなんだろうなと思ったけど実際は全然違って、「信じる/信じない」というのが最大のテーマだと感じました。 愛する両親の信仰と世間の意見の狭間で揺れる主人公の気持ちが切ないしとても共感できて胸が苦しく余韻が残る1冊。
以前、情報番組で宗教二世をフィーチャーした回を見たことがあります。その宗教は度々トラブルを起こして世間を騒がせていました。 匿名で番組に出演していたAさんは、親が信者であり、自身も生まれた時からその団体に所属しています。 客観的に見ると、怪しいしアウトでは?と思ってしまいますが、信者がいるというのも...続きを読むまた事実。 その団体が起こした事件を、信者はどのように思っているのか、なぜそれを受けても信じ続けるのか、ずっと疑問でした。 本作の主人公・ちひろも宗教二世です。 ちひろの属する宗教は人に迷惑こそかけないものの、かなり怪しいものです。それは、ちひろの同級生や叔父さんの反応でも描かれています。 宗教の内部にいながら、外側の感覚も合わせ持っているちひろの視点や心の動きは、Aさんに通ずるものがあると感じ、とても興味深かったです。 ちひろもAさんも、自らが属する宗教のおかしな点、ちょっとした違和感に気が付いています。 物語終盤、ちひろが「両親になかなか会えない」場面があります。同じ合宿に参加し、同じ会場にいるはずなのに、その姿を数日間見かけませんでした。 なんてことないすれ違いだったのです。大人数が参加していますし、そんなことも起こり得ます。 しかし、両親に会えない間、ちひろは言いようのない不安に駆られます。 ちひろは、宗教が原因で好きな人から変な目で見られたり、嫌な思いをたくさんしたものの、その団体に居続けることを選びます。それはちひろにとってこのコミュニティーこそがホームだからなのでしょう。 先に述べた情報番組の最後でAさんは、「自身の団体におかしな点があることは認識しているが、それでも、これからもこのコミュニティーの中にいたい」と語っていました。 小さい頃から慣れ親しみ、仲間もたくさんいるその場所で生きていきたいというのは、ごく自然なことなのです。
今村夏子さん『むらさきのスカートの女』からの2作目! ある出来事から宗教を信仰する主人公ちひろとその家族の話。 ちひろは実際のところ宗教を信仰しているかは分からないが、ちひろの友達や親戚の宗教に対する感じ方も書かれており、ちひろは当たり前のことをしている感覚だが、客観的に見た時に全然違うのが気味悪い...続きを読む。実際にちひろが公園で両親がある行動をしているところを見かけた時の気持ちは計り知れない。 読後感はスッキリするわけでは無いが、「もしかしたらこういうこと??」みたいな感じはあって怖い。 ただちひろには家族に振り回されず自分らしい人生を歩めるといいなと思った。
じわっと怖いラスト じわじわっとくる作風 何がくるのか言語化できないけどじわじわ迫ってきてゾワっとするのがなかなかクセになる作家さん
いわゆる宗教2世である、中学3年のちひろの目線で 物語は進みます。 両親が宗教にのめり込んだきっかけは病弱だった自分。 なんとも言えない状況だけど、そして姉は出て行ってしまったけど、意外にもちひろは明るく過ごしている。 その明るさが切ないなぁ。 信仰って救いなんだろうけど、難しい。 ラストは私には薄...続きを読むら怖かった。
何年か前に映画『星の子』の完成報告イベントで、芦田愛菜さんが語った「信じること」についての言葉 『「信じる」とは、理想像に期待するのではなく、相手のすべてを受け入れること。揺れる自分や相手の様々な面を受け止めることが、本当の信じる姿ではないか。』 この言葉がずっと心に残っていて、ようやく原作を手...続きを読むに取ることができた。 物語は、病弱な子どものために宗教にのめり込んでいく家族の話。 元首相暗殺事件をきっかけに、宗教二世として壮絶な人生を生きる人々の存在を知った。だからこそ、「子は親を選べない」という現実が、より一層残酷に感じられた。 そう考えながら読み始めたが、そこに描かれていたのは、「愛している」「繋がっている」からこその痛みと残酷さ。 異様な家庭環境に育ちながらも、周囲には理解者がいて、本人も両親の異常さに気づいている。けれど、そこに悪意がないからこそ、かえって苦しさが増していく。 この物語にあるのは、現実にあり得る優しさと葛藤。 まっすぐな愛情が誰かを傷つけるように、「信じる」とは理想を抱くことではなく、揺れる心ごと相手を受け入れることなのだと気づかされる。
大人は子供にとって、大きく強い。それは良くも悪くも。常に大きな影響を与えている。 親のみでなく、教師、友達の親、または全くの他人であっても。 子供はその影響から逃げることができずに、凹む、破れる、割れる。そしてまた、いびつに組み立てる。(自分の手で) 大人の善意がかえって子供を絶望させることもある...続きを読むし、子どもの無垢な想いも大人の些細な虚栄に打ち砕かれることがある。 これは子供にとっては暴力だ。 幼い頃の私にとっても、大人は得体の知れないものであった。 唯一頼れる母親も、いつも違う顔をしていた。 父は一際遠くにいる人だった。 教師は決して味方では無かった。 今となれば、大人だって人であり、それぞれに弱さを持つことがわかる。しかし子供には理解できない。 今村さんの他の著書「こちらあみ子」の母や、本作の教師、南の心理を子供が図るのは難しいだろう。故に子供は傷つくしかない。 今村さんはその混乱を子供視点で描いてくださる。 歳は大人になっても、私の中には、まだ子どもの私がいるのだと思う。 私は今でも大人の男性が怖い。 ならばどうしよう。 本作では「信じること」しかないと言っているように思う。それが偽りの神でも、悪意ある友でも。 人は、信じることしかできない。 「ぼくは、ぼくの好きな人が信じるものを、一緒に信じたいです」 そばにいても同じものが見えていない。 近づいてもすれ違ってしまう。 でも、だからこそ、近くにいられるときは、どんな言い訳をしても、少しでも長く、肩を寄せていたい。 一緒に月を見ていたい。ずっと。 それは私にとって、唯一の止まり木だからです。
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