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Posted by ブクログ
読んでてしんどかった。周りと違うあみ子。「のり君好きじゃ」というあみ子の言葉、のり君にとっては破壊力の持つ暴力。あみ子は真っ直ぐで優しい女の子なんだけど、周りの人たちには絶望感をもたらす。ピクニックは違う角度でまた怖かった。虚言を話す七瀬。それを応援するルミたち。七瀬の虚構を暴くのではなく、その虚構を完成させる方向に加担するルミたちの応援は本当に残酷だった。ルミたちの心情はわからないが、後戻りできないところまで七瀬を追い込んだ。結局、街を出たといった七瀬のアパートにルミ達は行き、玄関の外から聞き耳を立てている。七瀬のことを心配していないし、嘘を確認しに行っている。
Posted by ブクログ
こちらあみ子
ジュンシンムク、という言葉が似合う少女のようで、逆に嫌悪感を撒き散らす存在でもあるあみ子。
いわゆる知的障害、発達障害を持っているのだろう、と容易に想像できたが福祉の手などこの時代にはないのだろうな……と。
ただ「変わった子」「まともになれない子」として扱われているのが、それでも本人は気づいていないのが、救いなのか闇なのか……。
のり君はキツかっただろうな、と容易に想像できる。
子どものままのあみ子を見る度イライラしてしまうんだろうな、と。
ピクニック
むらさきのスカートの女を読んだ後に読んだので、何か起こるのではないかとひやひやした。
周囲の態度が本当に応援しているのか、小馬鹿にしているのか分からない絶妙なラインで、とても生々しかった。
今村夏子さんのデビュー作で話題の一冊。昨今注目度の高い、学習や感情面での障害についての問題提起的なものも感じつつ、自分の理解できない人間に対して「気持ち悪い」と感じてしまうことについて考えさせられる。
Posted by ブクログ
変わり者で、周りから迫害されているあみ子。
しかしあみ子は終始、自分が嫌われていたりいじめられたりしている自覚がない。
中学で女学生たちにトイレで蹴られても、それは「蹴られた」という事実のみで片付けられ、あみ子の心は動かない。
自分の兄が中学校で「田中先輩」として恐れられ、それによりあみ子への虐めが一時期止むが、それでもあみ子の心は動かない。故におごらないし、なんなら「田中先輩」と言われているのが自分の兄なのかどうかすらも確信が持てない。
あみ子の中で「兄」は不良になる前の家族であり、「田中先輩」とは不良になった後のよく知らない人であるからして、あみ子の中ではイコールで結ばれることがない。
きっとそれは、あみ子には事実しか見えていないからだ。
それは素晴らしい才能でありながらも、この集団主義に重きを置く日本では生きずらい。
噂を好み、集団からはじかれないように誰かをわざと集団の外に追い出す。そんな文化のコミュニティの中であみ子が生きていきやすいはずはないのだ。
そして一番の問題はあみ子の何に問題があるかを誰も教えてはくれないことだ。
「こちらあみ子、応答せよ」
この呼びかけに対して応える者は、家族の中にも学校の中にもどこにもいない。
唯一、小学生からの同級生の坊主頭の男子だけは最後に「お前は気持ち悪いところがある」ことを教えてくれるが
それも具体的にどこが悪いかは教えてはくれなかった。
その中で、最後に一番にあみ子に向かい合ったのはのり君だったと思う。
遠巻きからあみ子を迫害する他者とは違い、のり君は「殺す」と自分の想いをストーレートに暴力と一緒に伝える。
誰からも応答されてこなかったあみ子にとって、これが一番救われた瞬間だったんじゃないだろうか。
のり君に折られた歯をそのままにしているあみ子は、のり君の真っすぐな想いを口内に孕みながら今日も生きている。
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