作品一覧

  • むらさきのスカートの女
    4.1
    1巻650円 (税込)
    「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性が気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で彼女が働きだすよう誘導し……。ベストセラーとなった芥川賞受賞作。文庫化にあたって各紙誌に執筆した芥川賞受賞記念エッセイを全て収録。
  • こちらあみ子
    4.1
    1巻660円 (税込)
    あみ子は、少し風変わりな女の子。優しい父、一緒に登下校をしてくれる兄、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいる母、憧れの同級生のり君。純粋なあみ子の行動が、周囲の人々を否応なしに変えていく過程を少女の無垢な視線で鮮やかに描き、独自の世界を示した、第26回太宰治賞、第24回三島由紀夫賞受賞の異才のデビュー作。書き下ろし短編「チズさん」を収録。
  • 木になった亜沙
    4.0
    1巻680円 (税込)
    奇妙で、不穏で、とびきり純粋な愛の物語 無垢で切実な願いが日常をいびつに変容させる。今村夏子の世界が炸裂する3篇に、単行本未収録エッセイと村田沙耶香による解説を付す。 ※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 星の子
    3.9
    1巻650円 (税込)
    林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい宗教」にのめり込み、その信仰が家族の形をゆがめていく。野間文芸新人賞を受賞し本屋大賞にもノミネートされた、芥川賞作家のもうひとつの代表作。《巻末対談・小川洋子》
  • とんこつQ&A
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。 “普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。 大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」) 姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」) 人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!
  • あひる
    3.8
    1巻572円 (税込)
    我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。喜んだ両親は子どもたちをのりたまと遊ばせるだけでなく、客間で宿題をさせたり、お菓子をふるまったりするようになる。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。なにげない日常に潜む違和感と不安をユーモラスに切り取った、著者の第二作品集。
  • 父と私の桜尾通り商店街
    3.5
    1巻704円 (税込)
    店を畳む決意をしたパン屋の父と私。引退後の計画も立てていたのに、最後の営業が予想外の評判を呼んでしまい――。日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集!
  • こちらあみ子

    Posted by ブクログ

    衝撃の作家にまた出会ってしまった。

    『こちらあみ子』の周りの環境から弾かれた存在の生きづらさ。個人的な問題だけでなく、周りへの影響力まで切り込んで描いてる作品である。
    この浮遊感、ファンタジーを読んでるような掴めなさがあるけどまた同時に寂しさとやるせなさを現実感を帯びて胸に迫る。
    不思議な作品である。言葉では言い表せないけど中毒性がある。

    『ピクニック』は、ホラーである。何が怖いってルミたちの顔と本心が見えない。話が進むにつれて、こちら側の異常さが際立ってきて恐ろしくなる。何もかも気づいているのに、分かった上で掌で転がして面白おかしく享受してしまおうという冷淡さ。同時並行の晴れやかな日常。

    0
    2025年05月10日
  • こちらあみ子

    Posted by ブクログ

    一通りそれぞれの作品を読んでから自分なりに考えてみた後解説を読んだ
    「一途に愛する者は、この世に居場所がない人間でなければならない」「逸脱せよ」
    悩んで悩んでどんどん引きずりこまれそうな感じがした

    あみ子の「なんで誰も教えてくれんかったんじゃろう」「教えてほしい」があまりにも純粋でぐさっときつつ、周りの人が距離を置いたことにもどこかで共感してる気がしてうーん
    このどうしていいか分からん気持ちをずっと忘れないように、ずっと考えないとダメな気がした

    ピクニックやチズさんも読みながらずっと心が落ち着かない
    もう一回読む

    0
    2025年05月04日
  • むらさきのスカートの女

    Posted by ブクログ

    すごく読みやすかった。
    「わたし」視点でむらさきスカートの女の行動や癖が語られるだけの独特な世界観が印象的でした。
    「わたし」のストーカーの才能がすごい。

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    2025年04月30日
  • むらさきのスカートの女

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    つい笑ってしまうのに、常に不穏な空気を感じずにはいられない。今村先生ワールド全開の傑作。
    むらさきのスカートの女。語り部「わたし」によって語られるその最初の姿は、街の変わり者といった様相である。次第に、むらさきのスカートの女を観察し続ける「わたし」に対して読者は少しずつ不気味な印象を抱き始める。しかし、「わたし」の語るむらさきのスカートの女のことが気になって読む手が止まらない。 中盤、「わたし」は一緒に働くことになったむらさきのスカートの女を観察したいがために、公休日なのに出勤しようとする。しかし制服を忘れたことに気づいて家に帰ったため、この日はむらさきのスカートの女の事は語られなかった。この

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    2025年04月22日
  • むらさきのスカートの女

    Posted by ブクログ

    人間は、自分とは違う理想像を誰しも持っているものだ。黄色いカーディガンの女と、むらさきのスカートの女。自分と対照的な女をストーカーのように観察する語り手の女。奇妙な世界の中でストーリーが進むのが、個人的には新鮮な感じがしてワクワクした。自分も2人の世界をまた外からこっそりと覗き見ているような気分になった。果たして、むらさきのスカートの女ってなんだ?そんなやついたのか?全ては黄色いカーディガンの女しか知らない。

    0
    2025年04月17日

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