今村夏子のレビュー一覧

  • こちらあみ子
    星の子に続いて、こちらあみ子とピクニック、三作品読んだ感想。
    共通して、ラストを読者に丸投げするんですね。決してハッキリとは書かない。
    あの人が実はどう思っていたのかとか、あの人の優しさの真意はとか、これからどうなっていくのかとか、全てあなたが決めてね。と一任されて終わる。それがモヤモヤするし、はた...続きを読む
  • こちらあみ子
    なぜもっと早く読まなかったのだろう。片方しかないトランシーバーから聞こえる声なき声をちゃんと拾い、たとえそれがかなり奇妙でも嘲笑うことなく温かみとして感じられる作者の人柄と、巧みな腕に唸らされる3篇。折に触れ読み返したい。
  • 星の子
    なんでかおもしろい。

    完全に歪んだ家族のかたちとは言え、元を辿ると「わたし」の病気を心配する親心が発端というのをちゃんと記憶していて、成長して大きくなって、その歪みと周囲からの目に自覚的になって、そのせいで人並みの恋も叶わないのに、「わたし」がそんな親を親として受け入れている様子が、いじらしくて切...続きを読む
  • 父と私の桜尾通り商店街
    善良だけど、どこかネジの外れた人達。
    こういう感じの人いるなぁのあるある感。
    子供の頃の記憶が呼び覚まされる。
    今村夏子の本は、素敵な人、素敵な暮らしが出てこないので安心する。
    幸せそうではないけど可哀想でもないのも良い。


  • むらさきのスカートの女
    面白すぎて一気に読み。
    黄色いカーディガンの女が自分と重なる部分もあって…。
    紫の女を観察してる主人公も、実は誰かからの観察対象だったかもと思うと、ちょっと怖いなと。
  • 星の子
    映画の「万引き家族」を見た時も思ったけど、外野がどうこう言う事じゃない絆ってあるなって思う。何を信仰していようが、渦中の本人にとっては大切な家族や友人。でも、この先、主人公はどうなるのだろう。考えると少し胸が痛む。

    信仰宗教を信じる両親を割と冷静にみつつ世間とのずれを感じながらも淡々と生きるちひろ...続きを読む
  • 木になった亜沙
    短編集。

    ・木になった亜沙
    ・的になった七未
    ・ある夜の思い出

    あたしにとって丁度良い表現ばかりだった。
    「あ。ここはこんな感じであっさりしちゃうんだ。」
    って感じとか。

    色々とびっくりしちゃうんだけど、
    「んもう、読書の醍醐味だわさ。」
    って嬉しさしかない。

    苦手だと思った『こちらあみ子』...続きを読む
  • こちらあみ子
    純粋なだけの悪気ないあみ子が、残酷すぎて結果切ない話。あみ子と周囲のぎりぎりなやりとりにハマり、面白くていっきに読んだ。どこが気持ち悪いのか聞くあみ子と坊主頭がかわす場面が良かった。好きな本の一冊になりました。
  • こちらあみ子
    『星の子』に続く2作目として読みました。
    今村夏子さんの作品は、一見風変わりで奇妙な描写の中にある、登場人物のピュアな会話や感情、そのギャップが独特な雰囲気を持っていて、魅力を感じます。
    普段世間の中で生きるために、封印していたり、考えないようにしたり、我慢したりしているものや感情を呼び覚ましてくれ...続きを読む
  • むらさきのスカートの女
    短歌の先生がお薦めしていたのを思い出して読んでみた。

    むらさきのスカートの女と子どもたちが、リンゴを食べるシーンがジーンときて、しまった。鬼ごっこするなんてファンタジー。
    わたしが、ひとりでオレンジ食べちゃう置いてけぼり感がまた何とも言えない。

    わたしが、むらさきのスカートの女に話しかける場面、...続きを読む
  • むらさきのスカートの女
    むらさきのスカートの女と黄色いカーディガンの女の話。
    むらさきの女と友達になりたいと思いながら、就職先まで誘導して結局友達になれずに終わる。
    しかし奇妙なお話でした。そしてむらさきのスカートの女はとても面白かった。
  • こちらあみ子
    半日で一気読みしてしまった。

    「こちらあみ子」
    上手に生きられないあみ子がもどかしく悲しい。
    にいちゃん、隣の席の野球部いい奴。

    「ピクニック」
    七瀬さん怖い。同僚の女の子達の、真意の読み取れない優しさがまた怖い。
  • 木になった亜沙
    この人の小説に何か意味を求めること自体が間違っているように感じました。ただただこの世界観に浸ることが幸せなのかなと思います。目くらましを食らったような気分です。でも何故か心地いい。

    主人公たちの存在が自分の中でだんだんぼやけていくような錯覚に陥ります。そして、主人公たちを受け入れる社会にもクラクラ...続きを読む
  • むらさきのスカートの女
    結局、〈わたし〉はむらさきのスカートの女になったのだろうか…。
    読むにつれ、不気味なのは〈わたし〉の方なのではと思った。いつ仕事をしているか詳細を知っている。殆どストーカーだ。
    しかし、何故友達になりたかったのだろう。冒頭で散々似ている人はあげられたが、理由はわからない。普通に話しかけてみたら良かっ...続きを読む
  • こちらあみ子
    「こちらあみ子」のほうは、あみ子が本当に不思議だなと思った。でも、自由なあみ子が私は好きだった。
    あみ子は、周りに何をされてもそれを気にしないところがあって、そこがおかしかった。
    でも、あみ子は何も思っていなくても周りの人を傷つけてしまっていたから、あみ子も周りもかわいそうに思えた。
    「ピクニック」...続きを読む
  • むらさきのスカートの女
    芥川賞受賞作という事ですごくわくわくしながら読んでいた。
    簡潔に言うと、ざわざわ する。
    もやもやするような、違和感のある気持ち悪さが全開だった。
    どういった所かというと、ネタバレになってしまうのだが、主人公の〈むらさきのスカートの女〉がお店に忘れたサングラスを主観の〈黄色いカーディガンの女(権藤チ...続きを読む
  • こちらあみ子
    小説にはたいてい一人の語り手が存在し、読者はその語り手の目を通してしか、物語の中の世界を見ることができない。

    「こちらあみ子」の語り手であるあみ子の目を通して見る世界は、とても異質なものに思えた。
    たとえばあみ子にはのり君しか見えていなかった。唯一あみ子と対等に話をしてくれた隣の席の男の子が坊主頭...続きを読む
  • こちらあみ子
    読後、心のザラつきが残った。
    凄いものを読んだ、という実感だけ残って、なんでザラつくのか言語化出来ない。

    物事は相対的に見て初めてその全貌を理解出来ることが多いけど、主人公のあみ子から見る世界は不透明で、上手くいかないことの連続。それは、あみ子が世間から差別されたり虐げられたり蔑まれたりされてきた...続きを読む
  • 木になった亜沙
    哀しくて優しい。優しくて哀しい3作。

    コロコロと転がるように運命に導かれ、迷い込んでいく主人公達。そのいびつな世界を読み手はスピーディーに駆け抜けることになる。
  • こちらあみ子
    今まで読んだ作品にないものを感じた。全てを語らない作風に惹かれる。
    逸脱している主人公の存在は、何事も同調する日本人を風刺しているかの様に感じた。『こちらあみ子』も勿論だが、『ピクニック』が個人的にはイチオシ。無意識の悪って恐ろしいものだ。