今村夏子のレビュー一覧

  • こちらあみ子

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    3作どれも好きでした。ゾクゾクしながら、なんとなく不穏な雰囲気を感じながら一気に読みました。
    ピクニックはタイトルこそ平和だけど、中身は全く平和じゃないよね、、途中からルミたちの見え方が変わってくる。

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    2025年08月07日
  • こちらあみ子

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    すごくいい。
    あみ子、世の中の普通じゃないところを背負ったあみ子は
    堂々としていて、悲しくて、かっこいい。
    痛いな、と思う、その痛さが自分に向かってきて、
    あみ子になりたいというか、
    自分の中にあみ子がいることに気づく。
    あみ子の周りにいる人たちもそれぞれ痛くて、痛みを知っている。
    とても好きな物語だった。

    ピクニックの七瀬さんも痛い。
    ルミたちという塊で表された一人格も痛い。
    その痛みの心地よさ。
    チズさんと、関係性がはっきりしないヘルパーも不思議な解放感が痛くてよかった。

    いろんな感想をもったけれど、すべては町田康さんの解説に言い尽くされている。
    愛のある素敵な文章。
    穂村弘さんも、こ

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    2025年07月12日
  • 木になった亜沙

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    ネタバレ

    木になって、わりばしになった亜沙が、初めて自分の手から誰かに食べ物を食べてもらえた瞬間。白米に両手をつっこむ景色がありありと目に浮かんだ。涙が出てしまった。私も脳内で一緒に手を突っ込んだ。わーい
    しかも、どのおかずをどの順番で食べるかを、わりばし側が主体で決めてる描写が、可愛くて思わず笑った。今まで食べてもらえなかった度に、次はこうしようとかたくさん考えたのかな、って思うと切ないけれど。大好きな作品。

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    2025年07月08日
  • あひる

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    3つのお話からなる短編集。最初の「あひる」。友人から譲り受けたあひるを飼う家族が…と、ストーリーもタイトルも可愛らしい。なんて思っていたら大間違いだ。読み進めるうちに、背筋がゾクゾクしてくる。そして最後のお話。これを読むことで「あひる」で理解できなかった部分も納得できた。静かな文章の中の狂気。正常と異常の狭間を漂っている感覚に、私の脳もふわふわくらくらした。素晴らしい小説です。

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    2025年05月24日
  • こちらあみ子

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    ネタバレ

    映画『花束みたいな恋をした』に登場する『ピクニック』が気になり、読むことにした。

    短編3作。どれも核心にふれる部分は触れられずに、物語は展開していく。

    「こちらあみ子」
    あみ子のお義母さんは本当に生きてるのか、お兄ちゃんはどこにいるのか。夜中に怪しい物音がするが、それは一体何なのか?不穏な様子が漂う。

    「ピクニック」
    七瀬さんの恋人の話は本当か?

    「チズさん」
    私はチズさんにとってどういう存在?

    今村夏子さんの別の作品も読んでみたいと思う。

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    2025年05月24日
  • こちらあみ子

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    衝撃の作家にまた出会ってしまった。

    『こちらあみ子』の周りの環境から弾かれた存在の生きづらさ。個人的な問題だけでなく、周りへの影響力まで切り込んで描いてる作品である。
    この浮遊感、ファンタジーを読んでるような掴めなさがあるけどまた同時に寂しさとやるせなさを現実感を帯びて胸に迫る。
    不思議な作品である。言葉では言い表せないけど中毒性がある。

    『ピクニック』は、ホラーである。何が怖いってルミたちの顔と本心が見えない。話が進むにつれて、こちら側の異常さが際立ってきて恐ろしくなる。何もかも気づいているのに、分かった上で掌で転がして面白おかしく享受してしまおうという冷淡さ。同時並行の晴れやかな日常。

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    2025年05月10日
  • 木になった亜沙

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    ネタバレ

    初めての今村夏子の作品。
    どの話も読み終わると何とも言えない気持ちにさせられた。

    木になった亜沙は、もう世にも奇妙な世界観が凄かった。え?そうなる?そっちにいくのかー!と進む先が驚きの連続で、先が読めないとはまさにこの事だなと痛感した。斬新なお話だった。

    的になった七未。この話が1番印象的だった。
    最初は可哀想な子だなと思いながら読み進めていたが、子どもが産まれてからのストーリーが切なくて。
    私自信も息子がいるので、尚更自分に置き換えたら…と考えて後半涙が…。
    でも最後の最後に息子と再会し、射的の弾を愛する息子から当てて貰えたのを七未は母として嬉しく思ったんだろうなあと感じた。当ててもらい

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    2025年04月12日
  • 星の子

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    あらすじを読んだとき、あぁ、きっと「家族の崩壊」とか「家族愛による救出」みたいなテーマなんだろうなと思ったけど実際は全然違って、「信じる/信じない」というのが最大のテーマだと感じました。
    愛する両親の信仰と世間の意見の狭間で揺れる主人公の気持ちが切ないしとても共感できて胸が苦しく余韻が残る1冊。

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    2025年03月01日
  • あひる

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    今村夏子さんがすき。
    不気味な、でももしかしたら身近に居そうな人たちのことを書いている気がする。
    あひるの他の短編ふたつは主人公の視点が別で描かれていて、繋がっています。

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    2025年02月25日
  • あひる

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    子供の視点からやわらかい文体で描かれる不穏な世界。ずっと霧の降りた森の中にいるような物語。誰かが見ないようにそっとしまっているものを見てしまった時の気まずさ。

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    2025年01月09日
  • こちらあみ子

    購入済み

    ずっとゾワゾワ

    表題作「こちらあみ子」ではハッキリとした怖さ、ピクニックではなんなのかわからない違和感がずっと続く

    #怖い

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    2024年12月27日
  • 木になった亜沙

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    村田沙耶香さんが解説で言ってた「リアリズム的な世界と幻想的な世界の境界線が溶けている」という言葉が本作品にとって一番合う褒め言葉だと思う。

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    2024年11月25日
  • 木になった亜沙

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    今村夏子さんがつくる物語が好きだ
    世間の善とされている価値観と比べたら救いがないように見えて、本人たちにとってはちゃんと救いになっている

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    2024年11月07日
  • 木になった亜沙

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    分厚くなくて短編なので読みやすそう、ということで妹が選んできてくれた本。「木になった亜沙」という題名からはどんなストーリーなのか想像できなかったが、実際読んでみるとびっくりするような展開が何度もあって、なるほどそういうことか!と思わず叫びたくなるようなストーリーばかりで最初から最後まで食い入るように読めた。切なく寂しいけど、色々考えさせられる作品だった。

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    2024年11月06日
  • 木になった亜沙

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    今村夏子ワールドにずっぽり浸れた
    まるで日本のグリム童話のような日常的であり不思議な世界が広がっていた

    今回文庫本には今村先生のエッセイが追加されていてそれもうれしい
    いろんな方のエッセイは読んでいても今村夏子のエッセイは一番読んでみたかったから
    でもご本人が相当エッセイを苦手とされているらしく、今後エッセイ本は発売される期待は薄いなと思った

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    2024年10月15日
  • 星の子

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    以前、情報番組で宗教二世をフィーチャーした回を見たことがあります。その宗教は度々トラブルを起こして世間を騒がせていました。
    匿名で番組に出演していたAさんは、親が信者であり、自身も生まれた時からその団体に所属しています。
    客観的に見ると、怪しいしアウトでは?と思ってしまいますが、信者がいるというのもまた事実。
    その団体が起こした事件を、信者はどのように思っているのか、なぜそれを受けても信じ続けるのか、ずっと疑問でした。

    本作の主人公・ちひろも宗教二世です。
    ちひろの属する宗教は人に迷惑こそかけないものの、かなり怪しいものです。それは、ちひろの同級生や叔父さんの反応でも描かれています。
    宗教の

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    2025年02月22日
  • あひる

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    巻末の解説や、レビューでも「怖い」「不気味」といった言葉が多く見られる。確かに、と思う。一方で、親の視点から見るとそれとは別に悲しい印象も受けた。

    読後、実家の両親のことが頭に浮かんだ。うちは両親と僕と妹の4人家族で、僕と妹は大学進学を機に上京したため、現在実家では両親が2人で暮らしている。
    小さい頃、ペットが欲しい、犬か猫がいいと両親にねだった。家の外で飼うのはかわいそうだから家の中で飼いたいとお願いした。両親は、家の中が汚くなるからダメだと言って、結局ペットは飼えずじまいだった。
    ところが僕と妹が実家を離れてから、両親は家の中で猫を飼いだした。里親募集で貰った猫や、野良の子猫など、どんど

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    2024年02月13日
  • むらさきのスカートの女

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    むらさきのスカートの女のことを語り手がひたすらに追いかけて語るという構造なのに、読み手はいつのまにか“黄色いカーディガンの女”のことが気になって仕方なくなってしまうという奇妙さ。
    これが芥川賞作品か!という感じでした。色々な意見あると思いますが、私はちょっと奇妙な部分も軽く笑える部分も楽しんで読めました。

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    2025年10月26日
  • 木になった亜沙

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    自分の手渡したものを誰にも食べてもらえない亜沙

    たったこれだけのことなのに、こんなにも人生が孤独になっていくなんて…。

    わりばしになって、若い男性のもとにきた亜沙は喜びにあふれ、男性もそれに応えるかのように気持ちよく食べていて、亜沙よかったね…と思いました。


    「ある夜の思い出」の、真由美にプロポーズした腹ばいの男性はなぜ人間に飼われていたのか?

    読み終わっても、頭の中から?がなくならず、不思議な世界に迷い込んだ気分に浸りました。

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    2024年01月28日
  • 父と私の桜尾通り商店街

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    今村夏子さんの書く登場人物は何故いつも社会的地位が底辺で頭が少し弱く普通と少しズレている人ばかりなんだろ
    今村夏子さんの中ではそれが普通なのか
    普通ってなんだろ

    誰かの夢の話を聞かされているような話ばかり
    本当にありそうで無さそうな
    無さそうでありそうなそんなお話

    キチガイばかりでイラつくけど
    なぜか読みたくなってしまう

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    2024年01月27日