今村夏子のレビュー一覧
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ネタバレ3篇ともどれもとても良かったです。
木になった亜沙と的になった七未は最後は思いがけず泣いていました、、
ある夜の思い出で、ジャックの家を探してインターフォンを押してまわって
お母さんですか?
あたな誰ですか?
ハッピーちゃんです。
警察呼びますよ。
のシーンは何回読んでも笑ってしまいます。
普通のちゃんとした大人になれるように、見えるように日々それに囚われて生活している私には今村夏子さんの小説はとても心地良いです。
何とも言えない悲しいような気持ちにもなるし、読み終わった後、ぼーっとしてしまうけど、素の自分でいられる瞬間でもあります。
エッセイも面白かったです!
むらさきのスカートの -
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こちらあみ子
ジュンシンムク、という言葉が似合う少女のようで、逆に嫌悪感を撒き散らす存在でもあるあみ子。
いわゆる知的障害、発達障害を持っているのだろう、と容易に想像できたが福祉の手などこの時代にはないのだろうな……と。
ただ「変わった子」「まともになれない子」として扱われているのが、それでも本人は気づいていないのが、救いなのか闇なのか……。
のり君はキツかっただろうな、と容易に想像できる。
子どものままのあみ子を見る度イライラしてしまうんだろうな、と。
ピクニック
むらさきのスカートの女を読んだ後に読んだので、何か起こるのではないかとひやひやした。
周囲の態度が本当に応援しているのか、小馬 -
Posted by ブクログ
自分の病気がきっかけで両親がカルトにハマってしまった女の子から見た、家族と宗教と外の世界。
両親がハマってるカルトについて主人公が善悪のジャッジを下さずに「そういうもの」として認識してるのが、幼い頃からその環境に置かれてたらそりゃそうなるよなぁと妙にリアルに感じられた。
読みながら「この人がこの子を助けてくれるのかな?」って思った人たちがもれなくクズで逆に主人公を傷つけて、心が苦しくなった……
描写されてないけど、もしかしたら姉のまーちゃんが家出を決意するまでの間にも同じような悪意に晒されたりしたのかなと思ってしまった。つらい。
両親との絆を再確認したラストは美しいけど……うーん、やっぱり -
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『木になった亜沙』
他人が自分たちの聖域にずかずか土足で入ってくる不条理。誰に迷惑をかけるわけでもないのに、せっかく手に入れた場所を奪われるという悲痛さ。で、自分たちを守るために亜沙は仲間たちと心中することを選ぶ。……え? さっきまで感情移入して見ていたのに、急に引いてしまう。なんでそこまで、みたいな。気味の悪さと理解の出来なさ。宗教団体の集団自決なんかが頭によぎる。僕が歩んできた人生や日常からは想像できない世界観の中で生きている人たちがいる。彼女たちに本当の意味で寄り添うことは僕にはできないんだと感じた。
『ある夜の思い出』
キモい話だったのにラストは急に泣きそうになった。たった一夜しか会 -
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今村夏子のユニークさは万人が感じ入るところであろう。
だけど、なぜユニークなのか、と問われると言い淀んでしまう。明確に示すのが難しいこともあるが、明確にしてしまうことをためらわせる仄暗い場所にその魅力が隠されている。平時では見えないふりをしている人間社会の裏側が顕現しまうことが恐ろしい。
では、「あひる」について。
愛くるしいあひるを介して育まれる一般的な家庭と近所の子どもたちとの触れ合い。和気あいあいであるべきテーマである。ハートウォーミングな展開も期待できる。だが当然、裏切られる。
語り手の不遇、家族間の不和、新興宗教の影、弟の粗暴と人間の実存に関わる問題がぽつりぽつりと現れてくる。 -
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優しい人でいたい。その想いは人一倍あるはずなのに、周りの人や大切な人を次々と傷付けてしまう。自分がいると周りが不幸になる、でもどうして良いのかは全く分からない。その想いはいつの間にか自分自身をも傷付ける。
あみ子は世界とのずれに臆する事なく進み続けるんだけど、自分はこのズレを敏感に感じ取ってしまって言葉を出せなくなる事が良くある。優しさよりも傷付ける怖さを強く感じてしまう。
あみ子も気付かず振る舞っているようで実は誰よりも実感してる。だからこそ、こちらあみ子、応答せよ。と、か細く唱え自分の秘めた想いを電池のないトランシーバーにぶつけるシーンは胸が苦しくなった。声は出るのに、届く仕組みだけの -
購入済み
今村夏子さんのデビュー作で話題の一冊。昨今注目度の高い、学習や感情面での障害についての問題提起的なものも感じつつ、自分の理解できない人間に対して「気持ち悪い」と感じてしまうことについて考えさせられる。
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昨年映画を観てすごくよい作品だと思ったけれど、小説も素敵だった。映画で感じた空気感と小説だからわかる繊細な心情の動きが合わさり、より深みをもって読めた気がする。
信仰を持たずに生きていると、宗教、特に新興宗教に入信している人たちに対しては「ヤバい」という一方的な線引きを行なってしまいがち。しかし信じるものがあるということは、弱さでも奇妙さでもなく純粋さに通ずると思う。まっすぐだから信じられる。その過程には不幸もあるし、幸福もある。何を信じても、信じなくても、それは変わらないのだと思う。
映画の時には特に印象強くなかったけれど、春ちゃんの彼氏の宣誓がすごく素敵だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めての今村夏子の作品。
どの話も読み終わると何とも言えない気持ちにさせられた。
木になった亜沙は、もう世にも奇妙な世界観が凄かった。え?そうなる?そっちにいくのかー!と進む先が驚きの連続で、先が読めないとはまさにこの事だなと痛感した。斬新なお話だった。
的になった七未。この話が1番印象的だった。
最初は可哀想な子だなと思いながら読み進めていたが、子どもが産まれてからのストーリーが切なくて。
私自信も息子がいるので、尚更自分に置き換えたら…と考えて後半涙が…。
でも最後の最後に息子と再会し、射的の弾を愛する息子から当てて貰えたのを七未は母として嬉しく思ったんだろうなあと感じた。当ててもらい -
Posted by ブクログ
以前、情報番組で宗教二世をフィーチャーした回を見たことがありる。その宗教は度々トラブルを起こして世間を騒がせていた。
匿名で番組に出演していたAさんは、親が信者であり、自身も生まれた時からその団体に所属している。
客観的に見ると、怪しいしアウトでは?と思ってしまうが、信者がいるというのもまた事実。
その団体が起こした事件を、信者はどのように思っているのか、なぜそれを受けても信じ続けるのか、ずっと疑問だった。
本作の主人公・ちひろも宗教二世。
ちひろの属する宗教は人に迷惑こそかけないものの、かなり怪しいもの。それは、ちひろの同級生や叔父さんの反応でも描かれている。
宗教の内部にいながら、外側の