感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2024年02月13日
巻末の解説や、レビューでも「怖い」「不気味」といった言葉が多く見られる。確かに、と思う。しかし、それとは別に悲しい印象も受けた。
読後、実家の両親のことが頭に浮かんだ。うちは両親と僕と妹の4人家族で、僕と妹は大学進学を機に上京したため、現在実家では両親が2人で暮らしている。
小さい頃、ペットが欲しい...続きを読む、犬か猫がいいと両親にねだった。家の外で飼うのはかわいそうだから家の中で飼いたいとお願いした。両親は、家の中が汚くなるからダメだと言って、結局ペットは飼えずじまいだった。
ところが僕と妹が実家を離れてから、両親は家の中で猫を飼いだした。里親募集で貰った猫や、野良の子猫など、どんどん増えて4匹になった。猫は家具や壁を引っ掻き回すし、粗相をする子もいて、たまに帰る実家は以前より荒れている。両親はあまり気にしていないようで、一応作った家族のグループラインには可愛い猫の写真がたまに送られてくる。
年末は必ず帰っていた実家に、去年は帰らなかった。実家というのは意外とやることもなく退屈だ。だけど今年は、猫に会いに実家に帰ってみようと思う。
Posted by ブクログ 2024年02月05日
「きたない軍手」と「大事な手袋」
主観は時として恐ろしい客観性を生み出す。
それを家族という形で歪に生み出した傑作。
あひるを可愛がる家族、おばあちゃんを取り巻く家族、モリオ兄妹を取り巻く家族。
読んでいると背筋が寒くなり、涙を流す。
Posted by ブクログ 2023年12月18日
表題の作品の不気味さが、むらさきスカートの女と同じくらいのレベルだった。
収録されている3つのお話それぞれに、つながりがあるように描かれていた。
「あひる」で誰も来なくて残った食べ物たちは、収録されている他2つのお話で、残すことなく食べられているような感覚だった。
Posted by ブクログ 2023年11月08日
何か起こりそうなハラハラ
良い結末なのか、恐怖の顛末なのか
深い意味までは読み取れないけど
嫌な気分ではないハラハラ。
うまく言えないけど、今村夏子さんがやっぱ好きだなぁ。
Posted by ブクログ 2023年09月01日
いやー不気味。
世の中の普通とはズレたことが起きるんだけど、登場人物は不気味だとか、ズレてると感じずにどんどん進むところがまさに今村夏子ワールド。
え、それでいいの?と、何度も思った。
また他の作品でも味わった気持ち悪さをぞんぶんに感じさせてくれた。
この読み手(客)が覚える違和感を解決してないの...続きを読むに、あたかも解決してるように話が進んでいく感覚は、小説でも映画でも味わったことがない。あるのは漫才とコント。
ほのぼのした悪夢
匿名 2022年06月16日
シンプルでほのぼのした文体の作品なので軽く読み進められてしまうけど、描かれていることはけしてシンプルじゃなくて悪夢のよう。気がつくとぐったり疲れている自分がいた。
Posted by ブクログ 2024年04月29日
誰も来ない誕生日パーティーの深夜にやって来た少年は誰か。みのりのおばあちゃんの行動理由は。モリオの母はなぜ軍手を捨てたのか。疑問を挙げればキリがない。平易でわかりやすい文章で書かれているのに、何もわからない。にも関わらず面白い。今村さん作品は本当に不思議な魔力が備わっている。体の内側から痒くなるよ...続きを読むうな、妊娠中によく悩まされたむずむず足症候群になった時のような読後感。
解説にあった「今村夏子の児童文学の素養の深さ」について思わず唸るほど同感。内容はまったく子ども向けではないが、子ども視点が非常に巧い。
Posted by ブクログ 2024年04月12日
見えているものしか書かれていないし、めちゃくちゃ読みやすくて親しみやすい文章だけど…
とにかくザワザワする。
みんな何かに取り憑かれている、というと言葉が悪いけど、みんな何かを信じてる?頼ってる?支えられてる?という感じ。そしてそれは代用可能なのか??
そのへんによくありそうな話なのに、こうや...続きを読むって丁寧にみると怖いなと思う。
Posted by ブクログ 2024年04月03日
今村夏子感満載だった〜
登場人物全員どこかおかしいところがあるけど、それを自覚せずに物語が進む感じが不気味。
特に、あひるで家に見に来た子どもが2階を見上げて人がいる!って叫ぶところがなんとも気味が悪い…
あとおばあちゃんの家で、自宅に電話をかけたのにおばあちゃんが出たのもゾワゾワした。
不気味...続きを読む、奇妙な雰囲気を味わえて楽しかった
Posted by ブクログ 2024年03月26日
なんの前情報もなく思い立って読んだ短編集でこんなに考えることになるとは
交換されるあひる、私の存在感のなさ、おばあちゃんの扱い、と現実に実在する恐怖?というかなんというかドキッとした
Posted by ブクログ 2024年03月22日
今村さんの作品は、本当に不思議。でも、ごく日常の世界が描かれている。
人間の視野、興味関心、執着などが細かく、でもどこか隠しているように表現されていて、なんともいえない後味を残す。
Posted by ブクログ 2024年03月07日
あひるを飼い始めたある家族の物語です。
父がいて母がいて、娘は医療関係の資格を取るために家でずっと勉強しています。
飼い始めたあひるの名前はのりたま。
のりたまを目当てに近所の子どもたちが訪れるようになり、家はいつも賑やかです。
そんなふうに物語の建付けは牧歌的です。
ですがなぜか、漂っている空気は...続きを読むずっと不穏です。
何かに気づかないふりをして隠しながらごまかしながら、きっかけがあれば一瞬にして崩れてしまう均衡を、薄氷を踏むように慎重に保っていくのが家庭なのではないかと感じました。
Posted by ブクログ 2024年01月27日
暴力的な事件や残忍な殺人者が出てくるわけでもないのに、読みやすい文章から不穏さを常に感じさせられます。
読後感も良くないですが特に表題作のあひるは、がしっと心を掴まれるような作品です。
「最近はもう、誰も外のトイレを使わない。」
Posted by ブクログ 2023年09月17日
あひる
三羽目ののりたま。誰も来なかった誕生日会。宗教。仕事をせず資格試験に落ち続ける娘。夜中に家に来てカレーとケーキをドカ食いして帰る子ども。
みのり
インキョ。家にいた血縁ではないおばあさん。年をとるにつれて元気になっていくおばあさん。孔雀。
森の兄弟
手汗をたくさんかいてしまう、ちょっとい...続きを読むじめられていて貧乏な少年。小屋にいるおばあさんはみのりの家のおばあちゃん。孔雀。
なんも解決してない。全部わかんないまま終わる。
ずーっとなんか不穏な感じでちょっと怖くて最高。
Posted by ブクログ 2023年09月03日
身近な生活の中の闇な部分が、日中の明るさの中で描かれてるようなそんな本だなとおもった
おばあちゃんと、そのあとの兄弟との伏線回収的なのもよかった
Posted by ブクログ 2023年07月04日
あぁーゾワゾワする!!
日常に潜む気持ち悪さ。
死んだあひるのかわりに新しいあひるを迎える時の違和感
交換可能な愛玩動物
もし人間だったら…
何にも起きていないのに、不快感を感じる
今村さんすごいわー
Posted by ブクログ 2023年02月04日
何も起きてないんだけど怖い。
お風呂場で天井から水が背中に落ちてくるとか、
視線を感じて振り向くと鏡にうつる自分と目が合ったとか。
日常に潜むちょっとした不快感。
それをさらっと書かれているからこそ不快感が増す。
好きでした
Posted by ブクログ 2024年05月05日
いつか読みたいと思っていた今村夏子さん。なるほど独特。表題の他は繋がりがある短編二篇だけれど、その繋がりに意味や意図があったかというとはたして。劇的な結末を望む人には合わない作家かも。あと一、二冊読んでみたいな。
Posted by ブクログ 2024年05月05日
今村夏子の作品は二つ目。
ゾワっとする怖さとなんとなく分かる懐かしさと微かな希望が見られる読み手によって感想が分かれる作品だと思う。
あひる以外の2作品は子供の頃の追体験ができるかのような描写が多くて、特に食べ物と思い出が繋げられる所はみんなも一つはあるだろうなと思った。
私も子供に食べ物から何か思...続きを読むい出に繋がるような事、たくさん増やしてあげたいと思った。
Posted by ブクログ 2024年02月11日
『おばあちゃんの家』と『森の兄弟』は一旦置いて、アヒルの感想だけ。
他読者さんも言ってたように、不穏な怖さと数々の謎を残して物語終了。
・3匹のあひるは何だったのか
・なぜ3匹が入れ替わり立ち替わりあてがわれたのか
・子供達は何しに家に来ていたのか
・物語終盤の、半年一緒に住んでいるはずの弟の赤...続きを読むちゃんを見たことがない主人公
これらの謎の答えがわからない。
推察が出来ないまま、物語が終わり、若干不完全燃焼。
ただ、私が一番不気味だったのは、祝われる人の名前がない誕生日ケーキ…
考察知りたい!笑
Posted by ブクログ 2024年02月05日
むらさきのスカートの女が面白かったのでこちらも読んでみた。
なんだろう、、読み終わったあとに残るこの不思議な感覚。明確な答えがないからこそ、考えさせられる。
そして文章が流れが本当に上手いなと思う。自然とグングン読み進めてしまう。
Posted by ブクログ 2023年11月13日
変な人と真っ当なあひる
真っ当なあひるが交換されて、最後にはいなくなる。
変な人だけが残って代々続いていく。本人は変だと気づかずに。
真っ当な人なんていなくて、変な人ばかりなんだよってことなのか、真っ当な人は消されてしまうんだよってことなのか。
細切れの会話のせいでザワザワ感が増してる気がする。
変...続きを読むな人の視点から見る変なことっておもしろい。
Posted by ブクログ 2023年10月10日
むらさきのスカートの女が大好きで、久しぶりに今村夏子さんの作品を読んでみました。
不穏な空気が漂う物語でした。読みやすい文章だけど、読んだ後どういうことだって理解できない部分もあり、考察読んで、やっと理解しました。
あひるが可哀想になってくる。
でも欲を言えばもっと不気味さが欲しかったな。
Posted by ブクログ 2023年08月22日
3部構成
1.あひる
父が同僚から貰ったアヒルの、のりたま。
近所の子供の間で人気者。
ある日病気で亡くなるが、代わりのあひるがやってくる。父と母は、それをのりたまとして、変わらず接し続けるが、主人公は気づく。
不思議で不気味な感じ、、、、。
3匹目ののりたまは、家で亡くなり、庭に埋めることに。...続きを読む
そして、弟夫婦が実家に移り住むことになり、家を工事することに。
なんとのりたまが埋まっている庭はブランコにするという話で、のりたまは潰されてしまう。。。
そこで話は終了。不気味!
人の興味は常々変化して、(のりたま▶︎弟夫婦の子供)当時興味あったことは忘れ去られてしまうねということかなと捉えました。
2.おばあちゃんの家
小学1年生みのりの話。
弟と親が病院に行っている間、みのりとおばあちゃんはおばあちゃんの「インキョ」でお留守番。
その日秋祭りがあり、どうしても行きたいみのりは学校へ行くと嘘をつき、抜け出す。
いつも使わない近道を使うと、森の中を迷子に。
何とか公衆電話を見つけ、家に電話。
何故かおばあちゃんが出て、迎えに来てくれて、助かる。
なぜ、おばあちゃんが実家の電話でたのかという謎、、、。こわいですねー。
3.森の兄弟
2.おばあちゃんの家と繋がりがあります。
2.で、おばあちゃんがボケて来て1人で「ぼくちゃん、ぼくちゃん」と喋り出すというシーンがあるが、実は森の兄弟(モリオとモリコ)に向かって呼んでいるということが分かる。
先入観でボケたと思ってしまう気持ちも分かるが、バイアスをかけすぎるのも良くないよねと、思いました。
おばあちゃん実はぼけてなかったのかなー?
読みやすい作品集になっていますが、世界観がどくとくで、なんかぼんやりしてる感じがしたので☆3にしました。
Posted by ブクログ 2023年07月11日
短編が3つあるがその中でも1番考えさせられるのは題名にもある「あひる」だと思う。あひるは代替可能なものとしてわたしの家族に利用された。わたしの家族は異常である。特に母親は孫の代わりを近所の子供を代わりとして接っし、のりたまが死んだところで何も悲しんでいないところが恐怖でもあった。また、主人公であるわ...続きを読むたしの存在感がとても薄いところも不気味であった。主人公であるのにも関わらず名前がないのは存在すら認められていないというのに繋がるのか。
Posted by ブクログ 2023年07月08日
言い様の無い疎外感を感じたり
なにかに手をつけるけど何も進んでいなかったり
いつのまにか自分だけ損してたり
主人公の不快感が伝わってくるけど
それらを薄く引き伸ばしたものが
僕の日常のような気もする
Posted by ブクログ 2023年05月22日
他人の事情を覗き見しているようで面白かった。
私達は現実でいろんなことにとらわれながら生活しているがなかなかそれを言葉にするのは難しい。あひるにはあひるで社会の歯車を表されていてそれがどこまでのものが替えが利くのか考えさせられた。その他にも様々な問題がありいろんな面で考えさせられた。
Posted by ブクログ 2023年05月13日
独立して家を出てから私の両親は、猫やインコのペットが死んでしまうと直ぐにニコニコ顔で代わりのペットを買って来て、少し違和感を感じていました。
どうしてそんなに気持ちを早く切り替えられるのかが何となく疑問に思ってました。
この作品とレビューに出会い、それは疑問では無く気持ちの悪いものだと気づきました。...続きを読む