今村夏子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今村夏子さんってこんな作風の人だったっけ…?短編集の中にたくさんの技術が詰め込まれてて、1文1文の完成度、全体の完成度、が高かったように感じた。仕事ができる、みたいな感覚で、作家としての仕事がものすごくできる、というような。ストーリーもしっかりとユニークで面白くて、不気味な世界に惹き込まれて楽しく読んだ。
表題のとんこつQ&Aと最後の冷たい大根の煮物、が特に好きだった。前者はとにかく変な世界で独特なワードも盛りだくさんで、サイコスリラーのようなぞくぞくを感じた。後者は良い話だったと思う。ずるくても下心があっても、親切にしたい気持ちも存在してて、人の多面性を見れたと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『こちらあみ子』『ピクニック』、そして『チズさん』。この短編集を読み終えた今、私は非常に不思議な感覚に包まれている。怖い話を読んでいるような、あるいはSFを読んでいるような、現実から離れた異世界に触れたような感覚。しかし、どの話も限りなく現実に近い、今村夏子ならではの剥き出しの語りだった。
中でも最も強く心を揺さぶられたのが、『ピクニック』だ。
序盤、そのタイトルから、私は主人公の七瀬とタレントの春元気との間に生じる明るい交流の物語だと思っていた。しかし、その期待は残酷に裏切られる。二人の関係は七瀬の痛々しい妄想に過ぎず、ドブ川で携帯を探し続ける狂気的な行動も、存在しない接点を繋ぎ止めるた -
Posted by ブクログ
表紙がかわいい。3篇の短編。
「あひる」以外の2編はハッキリと連作なんだけど、「あひる」の主人公は「おばあちゃんの家」のみのりだったり、モリオも学校でのりたまの噂を聞いてたんじゃないかとか。この不穏な雰囲気で、勝手にゴチャゴチャと繋がってしまう。
「あひる」
主人公もその両親も不穏。自分達には縁がなくボンヤリ諦めていた事、でも実は喉から手が出るほど欲しくて毎日祈りさえしてた事。
それが小さなきっかけで手が届きそうになったら…なんだか身につまされてくる。だいたいだんだん暴走していくのも、両者の想いの差みたいなものも切ない。唯一弟の存在が希望のような気もしますが、この先どうなるのかな。
「おば