今村夏子のレビュー一覧
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なんだこれという、一言では言い表せないような読後感。読みやすい文章と短い物語で一気に読み終えただけに、不可解で謎めいた雰囲気が際立った。純粋なミステリーやホラーではないのだろうけど、それに似た不穏で背後につきまとうような怖さを感じた。書評で様々な解釈ができると言われており、自分に当てはまる解釈を探し出してすっきりさせたいという気持ちになった。後味が悪いという意味でのモヤモヤではなくて、読んだ後の解釈への興味を駆り立てるワクワクにも近くて、中毒性があるというのも少しわかる気がした。サクッと読めて変わった読書体験ができるので、タイパに富んだ小説だと思う。
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ネタバレ友達が貸してくれた本
1時間半くらいで一気読みした
純文学は難しいなあと思いながら読んだ
黄色いカーディガンの女は、むらさきのスカートの女の生活についてすごく把握してた こわい
求人情報をむらさきのスカートの女が座るベンチに置いたり、シャンプーの試供品を女の家の玄関ドアにかけて置いたり、たくさんの痕跡を残しているから、黄色いカーディガンの女に気が付かないなんてことあるのかな?と疑問に思った
最初の方のむらさきのスカートの女のイメージは、社会に適応することができず、生活していくお金だけの為に日雇いなどのアルバイトをしている寂しい人だった
しかし清掃業のアルバイトを始めたことで、周りと仲良くな -
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読みやすい純文学といった感じであった。
セリフが多かったのでスラスラと読むことができた。
私がむらさきのスカートの女を観察する二人称視点の物語なのだが、観察の様子が細かく時々むらさきスカートの女の一人称のように錯覚することがあった。
それでもスラスラと読めてしまう文章を綴る今村夏子の文章力には驚いた。
むらさきのスカートの女へのイメージは目まぐるしく変わっていった。
生活水準の低い哀れなおばさんかと思いきや、愛嬌のある若い女性に見えて、狂った女にも見えてくる。
最初こそはむらさきのスカートの女に不気味な印象を感じたが、次第に私にも不気味な印象を覚えてきた。
ストーカーのようにむらさきのス -
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ネタバレ2016年芥川賞受賞作。
’黄色いカーディガンの女’の視点で話が進む。
’黄色いカーディガンの女’は’むらさきのスカートの女’と友達になりたいようで、ずっと意識して一挙手一投足を追っている。
むらさきのスカートの女を追うために、無銭飲食をしてそのことにまるで罪悪感を抱いていないかったり、その意識の仕方が異常で狂気じみている。
と、同時に自分の生活はままなっておらず、仕事先の備品を売ってお金を作っていたり、裁判所から明け渡しの催告状が届いていたり、、
色んな読み方ができる本だと思った。
・黄色いカーディガンの女は他者に意識が向きすぎて、自分の行動を顧みられていない。他者に意識が向いた分、自 -
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最初の3つは自分の善意が気付かぬうちに歪んだ形に変容していく様を描いている。
「とんこつQ&A」は、自分のために行なった純粋な行為が徐々に変容していく。人のためになり、気づけば自分の理想の押し付けに。良かれと思っている行為が独善的な行為に変わっていく怖さ。
「嘘の道」は、レッテルを貼ったりラベリングをすることによる不気味さ。そして純粋な善意が事故を生んでしまう怖さ。嘘をつき巡り巡って自分に返ってくる不気味さが描かれている。
「良夫婦」は主人公の「自分の行為は相手のためを思っているだけ。悪いことはしていない」という自覚のない自己満足的な善意。個人的にはこれが1番タチ悪いと思う。
「冷た -
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今村夏子作品らしい平易な言葉で書かれているおかげですぐ読み終わった。
生理的に気持ち悪くてもう読むのやめたいと思うけど、読むのがやめられない。
見せ物小屋ってこんな感じだったのかなと思った。
ボーナスエッセイも面白かった。
ボーナスエッセイっていうタイトルもいいなと思う。
作品とかエッセイなどから作者の陰性をすごく感じていたけど、日記もちゃんと陰性に溢れていてなんか安心した。
ネガティブでも暗い人間でも、世の中に上手く適合出来なくても、生きていていいのかなと思わせてくれる力が今村夏子作品にはあると思う。
マイナスの魅力を感じさせてくれる作者。
そのままでいて欲しいなと思うけど、陽性の今村夏 -
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森田めぐみさんの『書店員は見た!』でオススメされていたので、手に取ってみた。
表題作の『あひる』を含む3作が収録された短編集。児童書のような優しい文体なのに、その奥に潜む不穏な空気感が印象的な作品だった。
物語自体はのどかな日常を描いているが、どこかシュールで足元が覚束ないような感覚に陥る。あひる然り、おばあちゃん然りどこかホラーめいた違和感…。結局何だったんだろう??と、あえて全てを明かさないフワッとしたオチにざわざわとさせられる。
これこそが、今村夏子ワールドの真骨頂なのだろうか。
いろいろな解釈や考察がありそうで、一筋縄ではいかない複雑な余韻を残す作品だった。