今村夏子のレビュー一覧
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どんな町にも存在する「名物おばさん」。そんな人物が子供たちの語り草になるのは世の常だろうと思う。タイトルにもある「むらさきのスカートの女」もそんな「名物おばさん」の一人である。主人公はその名物女に惹かれて、なんとかお近づきになろうとする。
読み進めるとわかるのだが、本作は主人公の方がやばい、端的に言って、異常者である。はじめのほうは「むらさきのスカートの女」のインパクトに覆い隠されているが、少しずつ主人公のヴェールが剥がれていく。異様な人物を通して異常な主人公を浮かび上がらせる作者の筆致はすごい。
いやもしかして「むらさきのスカートの女」はいたって普通の人物かもしれない。冷静に考えると「む -
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2019年の芥川賞受賞作。前評判の通り、物語を通じて何も起きないのですが、主人公とむらさきのスカートの女の視点の移り変わり、小刻みなストーリー展開が面白く、一気に読んでしまいました。ミステリーっぽさがある一方で、エンタメ要素や現代社会に対する風刺もあり、何とも異彩を放つ作品です。基本的には主人公の語り口調で進みますが、実はむらさきのスカートの女は主人公自身なのではないかなど何通りもの考察ができる点も魅力の一つなのではないでしょうか。また、30代の非正規雇用かつ独身者、互いに名前ですら呼ばれないという主人公らの社会的信用の無さ、疎外感が物語に不気味さを与え、ある種の狂気染みた行動を繰り返すという
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最初の3つは自分の善意が気付かぬうちに歪んだ形に変容していく様を描いている。
「とんこつQ&A」は、自分のために行なった純粋な行為が徐々に変容していく。人のためになり、気づけば自分の理想の押し付けに。良かれと思っている行為が独善的な行為に変わっていく怖さ。
「嘘の道」は、レッテルを貼ったりラベリングをすることによる不気味さ。そして純粋な善意が事故を生んでしまう怖さ。嘘をつき巡り巡って自分に返ってくる不気味さが描かれている。
「良夫婦」は主人公の「自分の行為は相手のためを思っているだけ。悪いことはしていない」という自覚のない自己満足的な善意。個人的にはこれが1番タチ悪いと思う。
「冷た -
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今村夏子作品らしい平易な言葉で書かれているおかげですぐ読み終わった。
生理的に気持ち悪くてもう読むのやめたいと思うけど、読むのがやめられない。
見せ物小屋ってこんな感じだったのかなと思った。
ボーナスエッセイも面白かった。
ボーナスエッセイっていうタイトルもいいなと思う。
作品とかエッセイなどから作者の陰性をすごく感じていたけど、日記もちゃんと陰性に溢れていてなんか安心した。
ネガティブでも暗い人間でも、世の中に上手く適合出来なくても、生きていていいのかなと思わせてくれる力が今村夏子作品にはあると思う。
マイナスの魅力を感じさせてくれる作者。
そのままでいて欲しいなと思うけど、陽性の今村夏 -
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森田めぐみさんの『書店員は見た!』でオススメされていたので、手に取ってみた。
表題作の『あひる』を含む3作が収録された短編集。児童書のような優しい文体なのに、その奥に潜む不穏な空気感が印象的な作品だった。
物語自体はのどかな日常を描いているが、どこかシュールで足元が覚束ないような感覚に陥る。あひる然り、おばあちゃん然りどこかホラーめいた違和感…。結局何だったんだろう??と、あえて全てを明かさないフワッとしたオチにざわざわとさせられる。
これこそが、今村夏子ワールドの真骨頂なのだろうか。
いろいろな解釈や考察がありそうで、一筋縄ではいかない複雑な余韻を残す作品だった。 -
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タイトル惹かれて。
表題作は不思議で少し気味が悪い。けど、どこかにはこんな関係性もあるかも?いや、無いか?いやいや、あるかも?と、ぐるぐるした。
2篇目はなんだか悲しみが襲ってきた。なんか、主人公の家族など諸々嫌な感じだな〜。あー、いじめられてた子を庇ったら、標的が私に移ったなー…とか、思い出した。
3,4篇目は正直"?"と。特に3篇目の夫婦はマジでいるっしょ?と。モデルいるんじゃ?と、少し疑ってる私。4篇目はうーん、ウィンウィンでは無いけど、ギブアンドテイクということだと思えば、よくある話。
読みやすいかどうか…。は、好みの問題ですなぁ。