今村夏子のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
小説とは
小説とは、読者に気づきを与えきっかけを作るツールなのだなと改めて気付かされた。
ただただ、現実。
誰も悪くないけれどそれが現実で痛い。
あみ子なりに感じ傷つき、忘れ、喜び、悲しみ。彼女の事は誰が1番理解をしてくれてだんだろう、と想像した。各々の関わりの深さと関係性。
家族ってそれでも家族。生きる上で色々な問題が起こるし、あなただったらどう解決する?と聞かれているような気もした。もし、自分が登場人物の母だったら、同級生だったらと想像した。
私自身、あみ子の幻聴と決めつけていて面くらい、
ただの読者としてもあみ子を信じていなかった事に気付かされた。
天晴。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ宗教2世という難しいテーマに挑んだ作品だが、それに対する態度は曖昧で、主人公が幸福だとか不幸だとかを外部から決めつけていいのか、という引っかかりを感じさせるような小説だった。
そもそも今村夏子作品って、一人称視点の人物の認識にのめりこんでしまって、その認識が歪んでいるとしても歪んでいるとは言わせてくれないような、相対化してしまっていいのか引っかかりを覚える作品が多い。「星の子」もまたそういう作品だと思う。
最後の場面にある不穏な雰囲気はバッドエンドかどうかの考察を呼び込むだろうし、実際主人公が成長した後、この時を振り返って何かを思うかもしれない。けれど、この時の主人公が感じている幸福さは、読者側が「幼さゆえに悲しい未来が待つことに気付いていないだけだ」と相対化してしまえないような確かさがある。だから揺さぶられるのだと思う。 -
Posted by ブクログ
『むらさきのスカートの女』を読んで以来、今村夏子さんの独特の世界観とユーモアたっぷりの文体にすっかり魅了されてしまいました
今作も4作品が収められた短編集ですが、どの作品もほのぼのと不穏が入り交じった、いい意味で奇妙な作品群でした
「とんこつQ&A」は危うい閉塞感を伴いながら、最終的にほのぼのとしたハッピーエンド(?)で終わっています
また「冷たい大根の煮物」も、最後まで芝山さんとの距離は縮まらないけれど、
あとに残された「自炊」という行為にほのかな温かみが余韻となって残ります
今村さんの描く人間はちょっと変わり者だけど、どこにでも存在して、
そして皆自分の中にも少しずつ潜んでいるから、共感できるのだと思いました -
Posted by ブクログ
ネタバレ言ってみれば何も起こらない、ただある街での小さな出来事のお話なのに。
読者である私は、気づけば「むらさきのスカートの女」を観察する「黄色いカーディガンの女」を観察する女になっていました。
はじめは「むらさきのスカートの女」がどこか異質で、鈍臭く、近寄りがたい存在として感じていた私ですが、次第にそんな彼女を執拗に観察し、もはやストーカーのように追い続ける「黄色いカーディガンの女」に対し気味の悪さを感じてしまい、、、
一体何が起こったんだろうと思わせる、はっきりとは示されない結末にサイコ的な怖さを感じます。
そして本を閉じて、表紙を見てまた静かな怖さを感じました。