今村夏子のレビュー一覧

  • むらさきのスカートの女

    購入済み

    妖しい雰囲気に耽溺

    ⚫️至ってシンプルな文章にもかかわらず、妖しい夢を見ているような世界に誘われる。⚫️何が言いたいのかはワケワカメであった。読了感はTV版エヴァンゲリオンを観た後に近い。⚫️むらさきのスカートの女はコミュ障気味のようだ。コミュ障が最低限度の社会生活を営むためには、元気な挨拶と一人でも友達を作ることが必要である。友達作りはハードルが高いように思えるが、ボッチだと思っていても、黄色いカーディガンの女のように友達になりたいと思っている人は意外といるものだ。至ってシンプルな感想を持つ。

    #切ない

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    2023年10月12日
  • あひる

    匿名

    購入済み

    ほのぼのした悪夢

    シンプルでほのぼのした文体の作品なので軽く読み進められてしまうけど、描かれていることはけしてシンプルじゃなくて悪夢のよう。気がつくとぐったり疲れている自分がいた。

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    2022年06月16日
  • こちらあみ子

    ネタバレ 購入済み

    小説とは

    小説とは、読者に気づきを与えきっかけを作るツールなのだなと改めて気付かされた。
    ただただ、現実。
    誰も悪くないけれどそれが現実で痛い。
    あみ子なりに感じ傷つき、忘れ、喜び、悲しみ。彼女の事は誰が1番理解をしてくれてだんだろう、と想像した。各々の関わりの深さと関係性。
    家族ってそれでも家族。生きる上で色々な問題が起こるし、あなただったらどう解決する?と聞かれているような気もした。もし、自分が登場人物の母だったら、同級生だったらと想像した。
    私自身、あみ子の幻聴と決めつけていて面くらい、
    ただの読者としてもあみ子を信じていなかった事に気付かされた。
    天晴。

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    2021年02月03日
  • むらさきのスカートの女

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    ちょっと変わった人の日常がちょっと変わった人の観察を通して読者に提供される。
    日常生活の中でギリギリいそうな加減のちょっと変わった人の描き方が上手い。

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    2025年12月07日
  • あひる

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    表紙がかわいい。3篇の短編。
    「あひる」以外の2編はハッキリと連作なんだけど、「あひる」の主人公は「おばあちゃんの家」のみのりだったり、モリオも学校でのりたまの噂を聞いてたんじゃないかとか。この不穏な雰囲気で、勝手にゴチャゴチャと繋がってしまう。

    「あひる」
    主人公もその両親も不穏。自分達には縁がなくボンヤリ諦めていた事、でも実は喉から手が出るほど欲しくて毎日祈りさえしてた事。
    それが小さなきっかけで手が届きそうになったら…なんだか身につまされてくる。だいたいだんだん暴走していくのも、両者の想いの差みたいなものも切ない。唯一弟の存在が希望のような気もしますが、この先どうなるのかな。

    「おば

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    2025年12月06日
  • とんこつQ&A

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    様子のおかしい人しか出てこない。共感もない。勇気をもらうこともない。

    けど、人間を描いているように思う。

    そんな意図はないだろうけど、社会風刺のように読めなくもない。
    みんな気づいてないだけで、とんこつQ&A的な病に、世界が侵されている可能性すらあると、私は思っている。自分の言葉で話すのはそれくらい難しい。
    自分の言葉すら存在しないのかもしれない。
    人間は単なるパターン認識装置なのかもしれない。

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    2025年12月05日
  • とんこつQ&A

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    ネタバレ

    いやぁ今村夏子ワールド!!です。
    短編だが、ひとつひとつの話の内容にテーマがあって、その都度考えさせられるものだった。
    【とんこつQ&A】は、どう考えても大将とぼっちゃんはおかしなことを言っているのに、それに惹き込まれていく主人公。
    社会の常識ではなく、『この空間の常識』に囚われていく異空間物語。
    【嘘の道】は、散々他人のことばかり悪く言う親や子どもがどうなっていくのか。
    そんな話かなと思う。
    恐ろしかったのは、姉が引きこもりになっているのは描写されていたが、その姉を説明する弟もまた、引きこもりなのではないかと想像させるような文章があった気がする。
    そして、親の存在が一切描かれていない。
    あの

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    2025年12月01日
  • むらさきのスカートの女

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    短い物語であったが、所々に不思議な感じの余韻があり、知らず知らずのうちに魅了されてしまった。
    人生における生きにくさを、歯がゆくなるような感じで表現していたところが気に入った。

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    2025年11月29日
  • とんこつQ&A

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    四篇の小説を読み終わって
    感想をと言われると
    なんだかよくわからない
    何かが突っかかったまま
    違和感を感じている
    いいとも悪いとも言えない
    人々の行動
    ありそうでなさそうで
    日常のようで非日常のようで

    それでもこの世界が
    愛おしくも思える
    どの人もなんだか
    一生懸命に生きているから

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    2025年11月27日
  • むらさきのスカートの女

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    第161回芥川賞受賞作

    最初は、都市伝説的な話だと思っていたけど、
    徐々に現実的になり、
    予期せぬ方向へと進んでいった

    紫スカートの女より、主人公の方が
    奇人で、ハッキリ言ってストーカー
    男に置き換えてみるとヤバさがわかる

    解説を読んで、あれ?そうとも捉えれる?
    と熟考しながら本を閉じて、
    装画を見てゾッとした
    読む前と後で、装画の印象が結構変わる

    短いエッセイも数話のってて、
    この作品ができる経緯や
    その後の反応や悩みも垣間見れて良かった

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    2025年11月26日
  • とんこつQ&A

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    表題作「とんこつQ&A」を含む
    4つの掌編から成る作品。

    日常からすこしずつはみ出ていく感覚と
    そこから滲む現代の病理のようなものの描写がたまらない。

    いちばんストレートに受け取れたのは
    3作目に収録されている「良夫婦」。

    日常の中に棲んでいる歪みを
    ホラーのような描写で浮かび上がらせるような作品が
    増えている印象がある。

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    2025年11月26日
  • とんこつQ&A

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    文庫版表紙かわいいのに中身強烈!主人公たちがみんなどこかズレてて、読み進めるにつれて不安になってくる…。一体どこに連れて行かれるんだ…。怖面白かった!
    何かが心にこびりつく読後感。独特。

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    2025年11月18日
  • むらさきのスカートの女

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    ネタバレ

    前情報を入れずに読んだので、むらさきのスカートの女が何者かに迫る話だと思ってました。
    しかし読み進めるうちに主人公の行動の異常さがじわじわとわかって怖かったです。

    この話は誰かを観察して全くそんなことないのに「自分の方がまだマシだ」と思う自分だと思いました。
    問題を抱えている主人公が自分より少し下に思える女を見つけて「ともだち」になろうとするという。
    他人事のように思えて大小あれどそういうことってあるよなと思ってしまいました。

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    2025年11月14日
  • とんこつQ&A

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    あらまあ、これまたおもろいわ
    うーん、今村夏子って絶対おもしろいのな
    なんだろう彼女の毒に侵されるのって、みょうにクセになるってゆうか…
    村田沙耶香のような強烈に頭をどつかれたような毒ではないのだけれど、遅効性でなんなら毒に侵されてるのにすら気付かぬうちに殺られてる感じというか…。
    強いメッセージ性がないのが逆に良いのか
    ズレてて怖いのにどこか分かりみがあるんだよなー。
    これは才能だよなぁ、うん。
    絶対おもしろい作家、今村夏子オススメです。

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    2025年11月14日
  • とんこつQ&A

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    今村夏子さんの作品は初めて読みました。短編はあまり好まない私ですが、味のある話で楽しめました。とんこつQ&Aと冷めた大根の煮物が好きです。

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    2025年11月10日
  • とんこつQ&A

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    絶妙な人間の狂気とズレてる部分。それを持ち合わせながらそのまま社会と共存している図太さというかなんというか。
    この感想をなんと表現したらよいか難しいですが、とにかく加減のバランスが最高。奇妙でこわくて、さすがで面白い!

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    2025年11月11日
  • むらさきのスカートの女

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    一気に読めました。
    途中から徐々に見えてくる語り手の正体がなんとも薄気味悪く、、、。
    最後にオチらしいこともないがなんかそれでいいかと思える不思議な作品だった。

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    2025年11月10日
  • とんこつQ&A

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    え、こわこわこわこわこわ
    文章がうまいからスルスル読めるんだけど、どことなくいやな予感が張り付いていて、最後はこええええってなる。
    「とんこつQ&A」、全員が静かに狂ってるのがめっちゃ怖くて、私のほうがおかしいのかと思った。あれ登場人物がおかしいですよね? おかみさんって言ったあとに現実を受け入れるっつーのが意味わからな過ぎてそうはならんやろ!?!?って絶叫したけど、あの話にはまともな人がいないから私の叫びは届かない……
    あと「良夫婦」もめっちゃぞわっときた。一番怖いのは旦那だよ、旦那。でもこれも究極の愛なのか?と洗脳されそうになったけど、やっぱこわいよ。最後もまた不穏な感じで終わるし

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    2025年11月10日
  • 木になった亜沙

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    4.4点
    あちら側(変な人)と、こちら側(まともな人)の境界線があいまいになって、自分はこちら側のつもりの、あちら側なのでは?てか、昔自分はあちら側だったような、どっちもだったような、それ以外だったような、全部ひっくるめて、自分だったような、なんで自分のことが書いてあるの?
    どの立場の状況も経験してたような気がする。。。
    めちゃくちゃ混乱してくるけど、すっと入ってくる、、、
    なんだこれ?
    ちょっと、この本、私のバイブルにします。
    大切なことを思い出せそうだから。

    ってなる小説です。
    伝われ〜笑

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    2025年11月09日
  • とんこつQ&A

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    なんなんだこれは、また新しい読後感で新鮮な気持ち。
    背筋に嫌な汗をかくような、じんわり不穏で不快な物語ばかり。でもものすごく沈むかというとそうでもなく、あくまでも登場人物たちにとっては日常の一部分でしかなく、そのまま、何も変わらないまままた生活が続いていくような終わり方をすることになんとも言えない不思議な気持ちになりつつ、どこか安心するような、でも救いがないような……。面白かった。

    生活感のある歪みというか……。善意が招く結果と、人として善であることは必ずしも一致しない。

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    2025年11月08日