感情タグBEST3
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今村夏子さんの書く登場人物は何故いつも社会的地位が底辺で頭が少し弱く普通と少しズレている人ばかりなんだろ
今村夏子さんの中ではそれが普通なのか
普通ってなんだろ
誰かの夢の話を聞かされているような話ばかり
本当にありそうで無さそうな
無さそうでありそうなそんなお話
キチガイばかりでイラつくけど
なぜか読みたくなってしまう
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とんでもなく悍ましいことがサラリと一言書かれてそれ以上言及されなかったり、小さな違和感が散りばめられて、それらが積み重なって異質な世界が作られている。とてつもなくシュール。こんなに惹き込まれるのは何故だか自分でもわからないがとても好き。夜に静かに一人で読みたい。
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痛いとこ突くし、野暮でクドいし。意識の中で処理する恥ずいとこ、わざわざ集めてる。スマートな時代に鈍臭い哀愁?みたいなの漂ってる。でもこれってシンパシーかな。自分も生き辛さ感じてるし、結構怯えてるし。
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「父と私の桜尾通り商店街」というタイトルと表紙からほのぼの系を想像したけど、良い意味で裏切られる。
短編集で全て、ぞわっとするようなムム?みたいな感じがあるのだけれど、個人的にはひょうたんの精が一番好きかな。良い話になるかと思いきやぐぐっと方向転換しちゃう感じがいい。
せとのママの誕生日も、書き方によってはかなり事件性のある話なのに淡々と綴られてるからか、やり過ぎーって思いながらも何かこわ面白くなってしまう。
解説も含め、今村さんだなぁって本だった。
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7つの短編からなる短編集です。
今村夏子さんワールドで溢れてます。
?な話もあれば、ハッピーな終わり方で終わる短編も。
3つ目の短編、ひょうたんの精、これはウリキンウワバ!につきますね
4つ目の短編、せとのママの誕生日という話は、なんとも奇妙な、あんたら3人何してんの!笑という感じ。
それにしてもなかなか、せとのママ起きない、、、
ひとつひとつの短編は15分程度で読めるので、通勤時にちょうど1つ読める感じでナイスでした!
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クセになる不穏。やはり今村ワールドですね。
紫のスカートを読んだときから、
『なにかが起きそう、、こわいこわい』
と読み進めてしまう今村ワールド。
イヤミス程ではない、まさに『不穏』感。
のわりに、毎度毎度よくわからないオチ。
だけど読みたくなる今村ワールド。
嫌じゃないけど、不穏な雰囲気。
なんなんだこの世界観は(笑)なぞです。
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今村さんの短編が7つも入っているなんて!
なんて豪華!!
『ルルちゃん』と『せとのママの誕生日』が特に好きだった。
『ルルちゃん』はたまに外で顔を合わすだけの関係じゃ相手の素性なんて分かったもんじゃないなとしみじみ思ったし、ルルちゃん人形を救出してきた主人公に共感できた。
『せとのママの誕生日』は笑ってしまったのだけど不謹慎だっただろうか。日頃の行いは人生の死に様を決めるんだ。ママの誕生日祝いをしてあげるために集まった、なんて和やかな感じで始まったのにめちゃくちゃママは恨まれてるじゃん。
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短編が6つ.多くの人が絡む話ばかりで、個人個人の相互のつながりが社会生活の中で重要な位置を占めていることを明らかにしていると感じた.どの話も面白かったが、元ホステスたちがママの誕生日を祝う「せとのママの誕生日」がなぜか親身が感じられて楽しめた.スナックでカラオケに狂乱した時代があったことを懐かしく思い出した.表題作も良かったが、商店会からの悪口をものともせずパン屋さんをやってきた父の心意気が素晴らしいと感じた.
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どの話も不穏だったり素っ頓狂だったりするのだけれど、語り手は「そんなに変ですかね?」とでも言うかのように淡々と語りかけ続けるのでますます心はざわつくし、余白もたっぷりなので色々と考えて、考えさせられてしまう。
ゆみ子がこの人のどこに惚れたのだかさっぱり分からない、伸樹さんの空っぽな感じが1番怖かったです
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今村夏子さんの本は2冊目です。
日常のようなお話しですが、どこかズレている人々。
本人たちは一生懸命なので不気味に感じます。
好きなお話
「せとのママの誕生日」
3人が店に入っていく場面で、明らかに生きていないのでは...と思ってしまった。
「モグラハウスの扉」
SFっぽくて、この短編集のお話の中ではあまり不気味さは無く読みやすいです。子どもの頃にモグラさんみたいな人に会えていたら楽しそう。
「父と私の桜尾通り商店街」
主人公良かったねと思ってたけど、そうはいかないですね。
「冬の夜」
個人的にはバッドエンドと捉えました。
色んな解釈がありそうですよね。
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不気味で不穏な空気と、なぜかクスッとくるような笑いと愛しさを両立させている不思議な作品。
癖になる人はなるだろうなと思う。
「ひょうたんの精」がすき。
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始めて読む作家さん。
近年芥川賞を受けた人だ。
短編集。
表紙がすてき。
でも、そのかわいらしい表紙に騙されてはいけない。
ほっこり、心温まる…という感じではない。
登場するのは一見普通の人々。
そんな人々の変哲のない生活のはずが、どこかに狂気をはらんでいるというかなんというか。
ちょっとぞわぞわしてくる。
(クセになるかも…)
彼女たちの一生懸命さが時にいとおしくもなったりする。
解説に、ご本人のインタビューがある。
本編を読んで、どう理解していいんだろう、と当惑する部分もあるので、ありがたい。
作家さん自身が各篇のことを語ってくれているのだが、「えっ? それそういうことだったの?」ということ多数。
大丈夫か、自分の読解力!
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文体は読みやすく、とっつきやすいが
日常の中の不穏さと主人公の切実だか合理性のなさが癖になる。
「一生懸命さが痛々しいというか見ていられないです。でもそこが魅力だと思います。』
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今村夏子の作品はホラーとかミステリーとかではないと思っている。それぞれの登場人物のひたむきさが生み出す狂気が、純粋に物語を加速させているだけ。この狂気が、ときに恐怖、ときに愛情を呼び起こすのだけど、その表現の塩梅がとても巧みだと思う。
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初・今村夏子本!
さすが芥川賞受賞作家。たまにゾワッ、たまに「どゆこと?」となるオチにハマってしまいました笑
人間のちょっとズレている部分って、どんな人にもありますよね。普段見えていないだけでひょっとしたときに垣間見える変なトコ。そういうところに注目できると人生また面白くなるんだろうななんて思ったり。
他の今村夏子さんの本も読もうと思いました。面白かったです。
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7つの短編集。出てくる人みんなあまり関わりたくない感じの人たちだった笑 個人的には今村さんの作品は読みやすいけどオチはなくいつも読み終えたあと気持ち悪い?不安な気持ちになる。でも読んでしまうし、この本どんな本だったっけ?ってならない気がする。
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こんな人いる、こんな場面ある、と思っていると、あれ?自分が知っているそれらとは何かが違うぞという不安や違和感があふれてくる。
決して心地よいとは言えないけど先が気になり、安定を探して読み進めてしまう。
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この本の他の人の感想を読んでいたら、
『星の子』の作者さんも今村夏子さんだと気づき、
思わずえ!?と声が出るほど驚いてしまった。
ギャップが凄すぎる。
本作の世界観は
『むらさきのスカートの女』と同じテイスト。
不思議で、精神的なグロさが襲ってくる。
なのに、短編小説ですらーっと読み切ってしまう。
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今村夏子の小説には、なにかしら違和感が存在する。
一般世界では起こらないような出来事が起こったり、登場人物がおかしな行動をとったり…しかも、普通の顔で変なことしているし、おかしいことが起こっても何事もなく時が流れている。
そんな気持ち悪さがちょっと快感でもあり、普通の世界を壊すような感覚があって面白いんだと思う。
あとがきでも書かれているが、登場人物に少し痛々しさがあるのもまたいい。
恥ずかしい、かわいそうと思うような登場人物が出てくるが、意外とどの人も自分の状況にへこたれず、たくましく生きていく感じが好きだ。
(こんな読み方であってるのかわからないが)何も考えず、読んでストレス発散になるような小説だと思う。
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不思議、不思議、不思議。
今村夏子さんの著者を読んだ中で一番不思議なストーリー集だった。不思議で奇妙で、でも何だか憎めない登場人物達。これこそが今村ワールドなのかも。
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「一生懸命さが痛々しいというか見ていられないでもそこが魅力」
一生懸命さが空回りしてしまう。誰しが経験することだがこの物語にでてくる女性は生真面目でそこがそれぞれの作品の不気味さや深さを増させているのだろうなと感じた。
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少々不器用でかなりズレた女性たちを描いた短編集。
ホラーあり、ファンタジーあり、そして不条理あり。今村夏子ワールドを堪能できる7話を収録。
* * * * *
気に入ったのは第3話「ひょうたんの精」。こんな話は大好きです。それにしても、七福神ってみんな神様じゃなかったの? なんか怖いよ。
それから、ほのぼのした展開で進む6話目の「モグラハウスの扉」。珍しくハッピーエンドかと思いきや……。みっこ先生の目には本当にモグラハウスが映っていたのか!? 気になります。
そして表題作となる最終話。
商店街組合の中で村八分の状態に置かれたパン屋父娘の話で、娘の視点で描かれます。
パン屋父娘といえば最近読んだばかりの『じゃない方の渡辺』を思い出し、斜陽傾向の商店街にある小さなパン屋を、娘さんが父親を盛り立てつつ繁盛させていく話かなと(半ば希望的な)予想を立てて読んでいきました。
まったく違いました。娘さんのパン屋魂に火がつきはするのですが……。
そこはやはり今村夏子さんでした。
思えば、7つの話すべてが予想外の展開になり、呆気にとられているうちに締めくくられているのです。(いや、そもそも物語に収拾をつけようとしているフシすら感じられないのだけれど……。)
ああもやもやする。この気持ちをどうしてくれるのかと、今村さんの作品を読むたびにいつも思います。
けれど、しばらく時間が空くと今村ワールドを覗いて見たくなるのが不思議です。
ある意味、期待通りの作品でした。
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行間から漂う「ぞわぞわ」という不穏さを巧みに操った、ある意味魔術のような作品集だったように思います。
決定的な対立や事件が起こるわけでもなく、これといったわかりやすい結末で終わるわけでもないけど、だからこそ後を引く、スッキリとさせてくれない読後感がクセになってしまう。一種の中毒性みたいなものを感じます。
表題作の「父と私の桜尾通り商店街」では、店をたたむはずだったパン屋の「私」が、最後にやってきたお客さんに執着して徐々に暴走していく様子が、ブラックながらもどこかチャーミングかつ、ユーモアもあるように描かれていて面白い。
人とのつながりへの希求、承認欲求だとかで、私の行動は解説できるのかもしれないけど、そういう細かいところを、説明でなく、私の言葉や感情、行動で、ちょっとずつ狂っているところを見せていく手腕が素晴らしかったし、いい意味で気持ち悪くてよかった!
そうしたブラックでシュールな面白さと、一種の狂気みたいなものは他の作品でも表現されています。
たとえば「モグラハウスの扉」の工事現場の男性に執着する女性教諭も、読みようによってはホラーなんだけど、ギリギリでユーモアと不穏さの間をせめぎ合っている感覚、危うさみたいなものがいいなあと思います。
他にも「ルルちゃん」の最後の最後で誰の何がおかしいのか分からなくなっていく感覚、「せとのママの誕生日」のどこまで彼女たちが本気で、どこからが冗談なのか、全く説明されないまま、奇妙な展開が延々と続いていくのも印象的。
一方でリアルな描写も光ります。
夫や義理の姉、その子どもたちに振り回される妻を描いた「白いセーター」
二人の出産したてのお母さんの様子を細かく描写していく「冬の夜」
二編ともどこかにありそうな風景や会話、トラブルをリアルに描きます。
それでいてそれぞれ短編の結末に明確な結末がなく、その後の展開を想像させることでぞわぞわさせるのも一種の技のように思います。
ぞわぞわというのは不穏さや不気味さのことになるんだろうけど、それを直接的に描写せず、徹底して登場人物たちのずれてる会話や思考、行動から描いているように感じました。
そうしたずれが不穏でもあり、ずれているがゆえに一種の笑いやユーモアにもなる。だからこそなんとも言いがたい感覚の作品が、この短編集には集まっているのかと思いました。
そしてそのようにずれを描く視線が、今村さんの作品の魅力の一つなのかと思いました。
Posted by ブクログ
表題のお話が1番好きだった。今村夏子さんの文体に慣れてきた感があって、ミステリーを読むときのように心で準備して読むようになってしまっていたから、時間を空けて読んでみました。
やはり少し常識はずれというか、人とはズレている人たちが毎回出てきて、そんな人たちもやっぱり同じ社会で生きていて、時に滑稽で時に悲しさや切なさを纏っている。そんなことを思った。
あと一冊で今のところ出版されている今村さんの本を読み終えてしまうので、次の本はもう少し後に読みたいなと思っている。
Posted by ブクログ
なんだろうな…真っ直ぐでちょっとしんどい短編集。登場人物はみんな愚直で、だからこそ少しずつズレていって、しんどい。
特にバッドエンドでもなくかといってハッピーエンドでもなく。少し不穏だけれど決定的な何かがあるわけではない、短編たち。流れていく。だけど、なんだろう、しんどい。
「私自身、人付き合いが得意では無い」という今村さんの書く文章は、人付き合いが得意でない人独特のぎこちなさや息苦しさがリアルに描かれていると思う。
そこばかりが気になってしまうから読んでいてしんどいのだな。
「白いセーター」が切なくて好きだ。
“伸樹さんは、結婚しないと離婚できないよ、といった。”
巻末インタビューよかった。これからも書きたいものを書いていってほしい。