今村夏子のレビュー一覧
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今村さんの短編が7つも入っているなんて!
なんて豪華!!
『ルルちゃん』と『せとのママの誕生日』が特に好きだった。
『ルルちゃん』はたまに外で顔を合わすだけの関係じゃ相手の素性なんて分かったもんじゃないなとしみじみ思ったし、ルルちゃん人形を救出してきた主人公に共感できた。
『せとのママの誕生日』は笑...続きを読むPosted by ブクログ -
不気味でゾクゾクするよと進められた本ですが
私にはどこでゾクゾクするのかは分かりませんでした、主人公の観察力が物凄いところにはずっと違和感がありましたが、それ以外は普通の日常を書いたお話のように思えました匿名 -
短編が6つ.多くの人が絡む話ばかりで、個人個人の相互のつながりが社会生活の中で重要な位置を占めていることを明らかにしていると感じた.どの話も面白かったが、元ホステスたちがママの誕生日を祝う「せとのママの誕生日」がなぜか親身が感じられて楽しめた.スナックでカラオケに狂乱した時代があったことを懐かしく思...続きを読むPosted by ブクログ
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どの話も不穏だったり素っ頓狂だったりするのだけれど、語り手は「そんなに変ですかね?」とでも言うかのように淡々と語りかけ続けるのでますます心はざわつくし、余白もたっぷりなので色々と考えて、考えさせられてしまう。
ゆみ子がこの人のどこに惚れたのだかさっぱり分からない、伸樹さんの空っぽな感じが1番怖かった...続きを読むPosted by ブクログ -
今村夏子さんの本は2冊目です。
日常のようなお話しですが、どこかズレている人々。
本人たちは一生懸命なので不気味に感じます。
好きなお話
「せとのママの誕生日」
3人が店に入っていく場面で、明らかに生きていないのでは...と思ってしまった。
「モグラハウスの扉」
SFっぽくて、この短編集のお...続きを読むPosted by ブクログ -
不気味で不穏な空気と、なぜかクスッとくるような笑いと愛しさを両立させている不思議な作品。
癖になる人はなるだろうなと思う。
「ひょうたんの精」がすき。Posted by ブクログ -
始めて読む作家さん。
近年芥川賞を受けた人だ。
短編集。
表紙がすてき。
でも、そのかわいらしい表紙に騙されてはいけない。
ほっこり、心温まる…という感じではない。
登場するのは一見普通の人々。
そんな人々の変哲のない生活のはずが、どこかに狂気をはらんでいるというかなんというか。
ちょっとぞわぞ...続きを読むPosted by ブクログ -
文体は読みやすく、とっつきやすいが
日常の中の不穏さと主人公の切実だか合理性のなさが癖になる。
「一生懸命さが痛々しいというか見ていられないです。でもそこが魅力だと思います。』Posted by ブクログ -
今村夏子の作品はホラーとかミステリーとかではないと思っている。それぞれの登場人物のひたむきさが生み出す狂気が、純粋に物語を加速させているだけ。この狂気が、ときに恐怖、ときに愛情を呼び起こすのだけど、その表現の塩梅がとても巧みだと思う。Posted by ブクログ
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初・今村夏子本!
さすが芥川賞受賞作家。たまにゾワッ、たまに「どゆこと?」となるオチにハマってしまいました笑
人間のちょっとズレている部分って、どんな人にもありますよね。普段見えていないだけでひょっとしたときに垣間見える変なトコ。そういうところに注目できると人生また面白くなるんだろうななんて思った...続きを読むPosted by ブクログ -
何も起きないけれど、なんだかずっとその世界を覗いていたい不思議な小説。
「わたし」もとんでもない人間だし、勤務先も、純朴に思えたむらさきスカートの女も。何が何だか得体が知れない、まともな人がいない。
こういう場所もあるよなあと思うと、私が生きているのはすごく真面目な世界の一部な気がした。Posted by ブクログ