【感想・ネタバレ】木になった亜沙のレビュー

あらすじ

奇妙で、不穏で、とびきり純粋な愛の物語
無垢で切実な願いが日常をいびつに変容させる。今村夏子の世界が炸裂する3篇に、単行本未収録エッセイと村田沙耶香による解説を付す。

※この電子書籍は2020年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

星10くらい。今村さんの本は設定が突拍子もないのに、なぜにこんなにも切なさが胸に迫るのだろう。

【きしょくの悪い変な人】が主人公な時が多いし、展開も本当に突拍子もない。
今回なんて人間が木になる。
それなのに、心が震える。
これはすごい本に出会えた!という喜びを得れる。
何か自分の中の毒を一旦出してもらえるような。

今村さんの本はハズレがない。だから、内容前もって知らずとも今村さんというだけで読みたい。どんどん次の作を読みたい。ファンである。

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2025年10月22日

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ネタバレ

木になって、わりばしになった亜沙が、初めて自分の手から誰かに食べ物を食べてもらえた瞬間。白米に両手をつっこむ景色がありありと目に浮かんだ。涙が出てしまった。私も脳内で一緒に手を突っ込んだ。わーい
しかも、どのおかずをどの順番で食べるかを、わりばし側が主体で決めてる描写が、可愛くて思わず笑った。今まで食べてもらえなかった度に、次はこうしようとかたくさん考えたのかな、って思うと切ないけれど。大好きな作品。

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2025年07月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての今村夏子の作品。
どの話も読み終わると何とも言えない気持ちにさせられた。

木になった亜沙は、もう世にも奇妙な世界観が凄かった。え?そうなる?そっちにいくのかー!と進む先が驚きの連続で、先が読めないとはまさにこの事だなと痛感した。斬新なお話だった。

的になった七未。この話が1番印象的だった
最初は可哀想な子だなと思いながら読み進めていたが、子どもが産まれてからのストーリーが切なくて。
私自信も息子がいるので、尚更自分に置き換えたら…と考えて後半涙が…。
でも最後の最後に息子と再会し、射的の弾を愛する息子から当てて貰えたのを七未は母として嬉しく思ったんだろうなあと感じた。当ててもらいたくて堪らなかったものを息子に当てて貰えたんだもの。
壮絶な人生を駆け抜けてきたけど、最期は少しだけでも幸せになれたんじゃないかと思う。

ある夜の思い出。このお話もなかなかに摩訶不思議だった。
結局人間なの?猫なの?え、どっち??と困惑したまま、解決もしないまま話は終わってしまった印象が強く、それ以外を思い出せない…。

この作品で完全に今村夏子ワールドに引き込まれたなあ。
現実にありそうな、でも無さそうな、いや、やっぱりあり得る?そんな不思議な気持ちになった作品でした。面白かったなあ。

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2025年04月12日

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村田沙耶香さんが解説で言ってた「リアリズム的な世界と幻想的な世界の境界線が溶けている」という言葉が本作品にとって一番合う褒め言葉だと思う。

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2024年11月25日

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今村夏子さんがつくる物語が好きだ
世間の善とされている価値観と比べたら救いがないように見えて、本人たちにとってはちゃんと救いになっている

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2024年11月07日

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分厚くなくて短編なので読みやすそう、ということで妹が選んできてくれた本。「木になった亜沙」という題名からはどんなストーリーなのか想像できなかったが、実際読んでみるとびっくりするような展開が何度もあって、なるほどそういうことか!と思わず叫びたくなるようなストーリーばかりで最初から最後まで食い入るように読めた。切なく寂しいけど、色々考えさせられる作品だった。

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2024年11月06日

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今村夏子ワールドにずっぽり浸れた
まるで日本のグリム童話のような日常的であり不思議な世界が広がっていた

今回文庫本には今村先生のエッセイが追加されていてそれもうれしい
いろんな方のエッセイは読んでいても今村夏子のエッセイは一番読んでみたかったから
でもご本人が相当エッセイを苦手とされているらしく、今後エッセイ本は発売される期待は薄いなと思った

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2024年10月15日

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自分の手渡したものを誰にも食べてもらえない亜沙

たったこれだけのことなのに、こんなにも人生が孤独になっていくなんて…。

わりばしになって、若い男性のもとにきた亜沙は喜びにあふれ、男性もそれに応えるかのように気持ちよく食べていて、亜沙よかったね…と思いました。


「ある夜の思い出」の、真由美にプロポーズした腹ばいの男性はなぜ人間に飼われていたのか?

読み終わっても、頭の中から?がなくならず、不思議な世界に迷い込んだ気分に浸りました。

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2024年01月28日

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4.4点
あちら側(変な人)と、こちら側(まともな人)の境界線があいまいになって、自分はこちら側のつもりの、あちら側なのでは?てか、昔自分はあちら側だったような、どっちもだったような、それ以外だったような、全部ひっくるめて、自分だったような、なんで自分のことが書いてあるの?
どの立場の状況も経験してたような気がする。。。
めちゃくちゃ混乱してくるけど、すっと入ってくる、、、
なんだこれ?
ちょっと、この本、私のバイブルにします。
大切なことを思い出せそうだから。

ってなる小説です。
伝われ〜笑

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2025年11月09日

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ネタバレ

いつも以上に辛く身を切られるようなエピソードが多くて、、、特に2つ目の的になった七未は結末まで本当に辛くて見てられない。

拒絶され続けた亜沙は人ならざるモノになり希望を手にするもやはり幸せとは程遠いエンディングを迎え、2つ目の的になった七未にいたっては生まれて間もない段階で世界からの拒絶を味わい辛い最後を遂げる。
でもやっぱりどこか他人事とは思えない感情が芽生えてくるのが今村夏子作品らしい。

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2025年10月31日

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心がぐちゃっと押し潰されるような苦しい場面が多かった。だけど終わり方がきれいで主人公にとっての救済があったので安心した。
ボーナスエッセイの「日記」で作者さんのことがより身近に感じられて嬉しかった。
今村夏子さん、結構好きです。

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2025年10月02日

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木になった亜沙のあらすじが気になって気になってしょうがなかった作品。
不思議な世界で、でもスッと入り込めて面白かった。
定期的に思い出してしまう。

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2025年08月27日

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非現実的なのに、どこかリアル。表題作もよかったけれど、「的になった七未」は読んでいて痛々しく複雑な気持ちにさせられた。

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2025年08月16日

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表題作ももちろんおもしろかったのだけど、個人的に印象が強いのは「ある夜の思い出」の方だった。
地面を這い回って生活する様子は、カフカの「変身」と同じイメージで頭の中で再生されて、まるで映像を観たような強烈な印象が残った。
非日常的な生活と運命的な出会いとアクシデントで最後は日常に戻って、「ある夜の思い出」として回顧される。
ある夜の思い出で済む話かよ…と思いながら笑いが込み上げて、今村さんは天才だなと思った。

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2025年05月25日

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どうやったら思いつくのか分からない、独特で不気味な話だった。途中で止めるのが何か不安で、読む手が止まらなくなってしまう、不思議な感覚だった。
ところどころギャグ要素もあるが、それがちゃんと笑えつつも、不気味な世界観を全く壊していないのもすごいと思った。

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2025年04月06日

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彼女たちの切実な願いは純粋で、生きていくうちに変形し、歪になっていった__
今村さんの作品はいつも私を新しい世界に触れさせようとする。なんか気味悪い、でも読みたいと気持ちが浮遊するから面白い。
ボーナスエッセイと村田沙耶香さんの解説がまた良かったのです。

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2025年03月18日

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すごーく独特の世界観を満喫できました。不気味過ぎるのですが、なぜか引き込まれて一気読みでした。
「むらさきスカートの女」に引き続き2作目に読んだ今村夏子さん作品。楽しめました。

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2024年12月07日

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「木になった亜沙」が読みたくて買ったが、一番印象に残ったのは「的になった七未」だった。
七未が逃げている時に、決まって色々な人から応援されるのは不気味だった。というか変な夢を見ている感覚だった。
そして、何よりも辛すぎた。

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

幻想的な世界感で人と上手く関われないのを独創的に描き、なんとも言えない面白さとほんわかな空気感で読む手を止められない、奇妙で不思議な物語 だった。

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2024年09月28日

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違和感なく不思議な世界を体感できる小説
けど、不思議な世界=摩訶不思議なワクワクファンタジーではなく、人の温かみやつめたさ、意識下の恐怖なんかを体感できる文章
やっぱ好きだー

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2024年07月17日

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感想書くのが難しい。
現実的な夢を見ているかのような話。
自分が作った料理、よそった給食など誰も食べてくれず、最終的に割り箸になりようやく自分が手につけたものを食べてくれた話から始まり、残りの話も余韻を感じさせる本だった。

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2025年09月29日

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ウワァン、と言いたくなるような話たち。

椎名うみさんの漫画に似た香りを感じる。生々しいのにファンタジックな描写が。救いがないのにあるように見える、もしくはその逆?

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2025年09月18日

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「木になった亜沙」「的になった七未」「ある夜の思い出」の短編三作が入っている
今村先生の本はどの本を読んでもなんというか『普通』という枠に収まらない話が多いけれど、この本は特にそれが顕著だと思う
奇妙な哀しみを主人公たちに感じる
表題作が一番よかった!
難しい表現はないのに、所々難解だった…
今村先生の本はなんだか分からないのにぐいぐい読みたくなるんだよな〜文章に吸引力がある

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2025年05月11日

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亜沙の手からは誰も食べようとしない。友達もクラスメイトも家族も金魚でさえも。思い余った亜沙は木になってその木の実を動物に食べてもらおうとする。
不可思議な世界観の短編集。
亜沙の悲しみが切なくて、木になり割り箸になって食べてもらえた時はなんだかホッとした。
他に射的の的になる女性の話、四つん這いで動いて過ごした一夜の話などがある。
不条理だけどするする読める。

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2025年02月25日

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ネタバレ

急に木になったかと思えば、わりばしになる工程は淡々と丁寧に、そして間髪なく出荷されるこのテンポ感。さすがですね。これは吹き出しますわ。

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2025年02月24日

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むらさきのスカートの女に続いて
読みました。世界観が独特で唯一無二な感じ。
こちらの精神もおかしくなってくるような気がしてきてそういう人の頭の中覗いてみた感覚に陥る。

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2025年01月06日

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すごく好きな作家さんで、面白く読みました。でも今村さんの本当の良さ(こわさ?)は中長編の方が生きる気がします

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2024年12月05日

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ネタバレ

どうやっても手から食べ物を食べてくれない亜沙、最終的に割り箸になって食べてもらえる
2編目ぶつけてもらえないなみ の方がより印象的
最後に会いたかった息子に祭りの射的でぶつけられるのが悲しく切ない
3編目 背をはって動く男女の出会い 女は元に戻り結婚したが男はどうなったのか…

好きな村田沙耶香さんが好きな今村夏子さんの作品を好きと言ってくれてて嬉しい☺️

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

3話とも現実にはない世界 でも感じるものは伝わる。世の中の歪みが出ているし解決出来ないジレンマを言の葉にしてるのでは。外に出ないで15年、億劫で畳の上這いずり回る生活父親に追い出され夜の街を這いずり徘徊するジャックに出会い助けて貰う餌をあげるのぼるくん世話をするお母さんとジャックと子供を作る約束する夢か現実か。であまりにも切なくて、でも読み続ける。その後結婚して子供を作るのが救いかと、たくさんの賞を取る今村夏子さんを知ろうとしたけど届かなかった。こちらあみ子からずっと読んでも悲しくなるが先行してしまう自分はまだまだ未熟者

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

今村先生の中でも癖強作品過ぎて、読みながらずっと頭の中に世にも奇妙なタモさんとあの曲が流れていました(笑)

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2025年06月24日

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