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大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たちが願う、美しき未来とは――。
特別書き下ろし短篇収録。〈解説〉瀧井朝世
【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】
※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作)
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』
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Posted by ブクログ
螺旋プロジェクト、昭和編。
戦時中、疎開地で出会った東京と田舎の少女が海族山族の嫌悪にもがきながら生きる物語。
文章力、表現力がすごい。舞台は疎開地であって戦地は直接描かれないのに、時代の残酷さが実感をもって迫ってくる。
その中にあって嫌い合う少女たちの心理描写が何よりお見事。そして、そういう子に遭ってしまったときに、どう向き合うべきかを教えてくれる。そこは昭和も現代も変わらない、今を生きる子にも大切な教訓と思えた。
ひとつひとつの要素も効果的。母親、疎開地の少年、見守る老爺、御守りの力。ラストの余韻、幾重にも込められたタイトルの意味まで、全てがつながって血が通っている。すばらしかった!
読み終えて、本を持つ手にまで熱が残るような一冊だったなあ…と、余韻を噛み締めながらふと思い出したのが、同時代に、同じように少女として生きていた「窓際のトットちゃん」。そして、「海のものと山のものをお弁当箱に入れること」と説いたトモエ学園の校長先生。
争うことなく海山をひとつに収める人が…いた…!こんなところに!笑
あと、表紙の美しさが印象的。読みながら何度も手を止めてめくり返してしまうくらい好きな絵でした。
Posted by ブクログ
海と山で始まりやっぱり海と山で終わるんだ。何か経緯とか歴史が出るのかと身構えたが、それはもう理屈じゃない大昔からあるもの そういう事なんだって事。お互いが嫌悪感に気付きそこにいるのが分かる理解したって凄い でもあってもいい筈。どれもこれも不思議だけど、老木を見つけて掘るのと光のと邪念で割れるのと興味大、清子母が亡くなったのが残念 電車に乗らず命を守るリツと教師になって会いに行く清子 あー良い話だな ちゃんとしてるな 不思議だけで終わらせないなあーって乾ルカさんの守備範囲の広さ。順番付けれんけど、心音 花が咲くとき あの日に帰りたい メグル
わたしの忘れ物 明日の僕に風が吹く 良い凄くいい みんな違うから、思えばてふてふ荘へようこそがスタートだったがよくも見つけて貰えた。
読後、タイトルにハッとした
螺旋プロジェクト7作目。
乾ルカの作品は初めてだったが、とにかく文体や表現方法が綺麗、と言うより最早“美しい”といった印象。ストーリーも然る事ながら、まず描写力に感銘を受けた。特に重要な人物の台詞は訛りが激つよの言い回しだが、何故だか読み易くスッと入ってくるのは、著者が言葉の響きや一文字一文字にかなり気を遣って言葉選びをしているからなのだろうと思う。
それに話の大筋から細かな部分にまで、螺旋プロジェクトのルールが巧みに落とし込まれていて、というかむしろ、一瞬その企画性みたいな部分を忘れさせる程の馴染ませ方が凄まじいと感じるほどだった。
現在、螺旋プロジェクトを通して読んでいる中で、TOP1、2くらいに刺さった。
このシリーズの他作品との間で伏線回収がなされる感じが読んでいて気持ち良かった。
著者の他作品も読んでみたいと思った。
請う者と請われる者。
Posted by ブクログ
・螺旋プロジェクトの1冊
・プロジェクトの8冊の中で、もしかしたら一番好きな作品だったかもしれない
・主人公とリツの、都会と田舎の、対立とも、ある意味でシンクロとも言える関係性が、緊張感もあるし、くすぐったさもあるし、そんな二人の成長の過程に引き込まれていった
・そもそもストーリーのベースとして、螺旋プロジェクトの海のものと山のものの対立構造な設定が、無理なくとっても上手に活用されていて、過去時代作品からのつながりも自然に取り込まれていて、そこにも感銘を受けた
・運命と、葛藤と、成長と、すべてが重なったラストに思いをはせずにはいられない、心に残る作品でした
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