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充実したキャンパスライフ、堅実な将来設計、そして新たな恋――。肉体も人生も、潔癖なまでに鍛え上げた私に、やがて訪れた破局とは。現代の実存を問う芥川賞受賞作がついに文庫化。
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Posted by ブクログ
芥川賞に値する優れた作品。此処で語るべきことは何も無く、巻末に添えられた解説が精細にこの小説の素晴らしさを明かしてくれている。貧弱な心を持つ人間からすれば、ハードボイルドな人間の精神とは理解に苦しむものだが、遠野遥は虚構とも言うべきその実態を冷徹に描いている。
すごく面白くて、このかたの作品を読んでいきたいと思った。 まずこの作品の特色とも言えるのは、実際に起きていることは平凡すぎるくらいの大学生の日常に過ぎない範囲なのに、醸し出している不穏さや不安定さは完全にはみ出しているところ。 主人公が平凡だと言いたいのではなくて、実際に起きている事象、つまり出来事...続きを読むがちっぽけすぎる。 それなのにこの不穏さである。 なんというか、嵐の前の静けさを呼んでいるみたいな感覚になった。だってこの主人公は遅かれ早かれ何かはしでかすだろう。 今回の作品の中に出てきたような出来事とは比べ物にならないような猟奇的なことをしでかしてしまいそうなぐらい、主人公が怖い。 でもその「怖さ」をうまく言語化できない。 それこそ人を殺したいとか、血が見たいとか言っているわけではない。本人は潔癖すぎるぐらい「正常」をなぞりながら生きている。 強いて言えばそれがおかしいことの裏付けなのかもしれない。正常な人は正常な人を真似しようなんて思わない。 主人公視点で話が進んでいくので、急に「わかるけど今その話する必要あったか」みたいな話が飛んできたりもする。 それがさらに「この主人公は何?」という気持ちを加速させていく。 面白かった。別の作品もこんな感じなんだろうか?
正しすぎて狂っている陽介の主観は、少し誇張しすぎで現実離れしているように思えたが、読み進めているうちに気持ち悪さに慣れてきて面白くなってくる。 2人の女性が淡々と話をする場面が濱口竜介の映画みたいで良かった。
第163回芥川賞受賞作。ふとしたきっかけで、この作品を知ることとなり、久しぶりに芥川賞作品の小説を読んだ。芥川賞の作品を読みまくっているわけではないのだが、なんか芥川賞っぽいというか、取るべくして取った作品な気がします。 表向きには現代社会に適応しているまともな人間に見えるが、実は社会に適応していよ...続きを読むうに演じている、ちょっとまともでない今風の現代的な人間を描いているって感じ。今の時代の純文学ってこんな感じなんだろうなと思いました。作者は、平成生まれではじめて芥川賞を受賞した人だそうです。 純文学系の作品って、あまり小説的なストーリー展開はないのだけど、それでも小説として成り立たせてしまうのはつくづくすごいと思います。 こういう作品にありがちな決して読後感はいい感じではありませんが、文体がシンプルなせいか、変に後を引くことがなく、結構すらすら読むことができました。
芥川賞受賞作品というのと、作品名で読もうと思った。 最初はよく分からなかったが、読み進めていくうちに状況が理解できた。 ところどころ?と思う文が挟まっている。違和感も覚える。主人公の感情がほとんど書かれていない。解説を読んでようやく主人公の性が分かった。 彼ほどではないにしても、感情よりも理性を大切...続きを読むにする、男性の心理や特徴をよく捉えているのではないかと思う。 お笑い芸人を目指す友人のキャラクターが好きだった。
歪で美しい物語 ベンチ上のくたびれたトートバッグを「疲れきって眠った犬のよう」さらに「二人の飼い犬のよう」と繋げるシミリーにシビれた 登場人物の描写も細やかでリアリティがある 作品中に漂う独特の世界観 これは芥川賞受賞も納得 後に知ったがBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんのご子息とのこと 芸...続きを読む術性のDNA恐るべし
本人が「気持ち悪い小説」(超意訳)と言ってた意味は分かる各章の繋がりをまだ見いだせてないけどそれでもラストの書き方はすごい実体験なんじゃないのか
何も考えず、欲のままに生きた結果。 こういう人、きっとたくさんいると思う。こういうことをして、みんなが破滅するわけではないけど、誰もが破滅の可能性を抱えているのではないか。 個人的に好きだったところは、ゾンビ映画をホテルで観るところ。映画を見始めないから、映画の人々はゾンビにならずに済んだ的な流れ...続きを読むは、これから起こる破滅を防ぐためには、最初から始めなければいいということを伝えている気がした。
内面を晒さず感情に向き合わない代わりに、法律や規範にはどこまでも従う。 他人と感情を共有することを避ける代わりに、身体の交わりには能動的。 そういう在り方が「ハイスペック」な男性性をレプリゼントしてしまうのは、ちょっと病的なんだなと思う。
おもしろかった 芥川賞をとった作品ということで身構えてしまったが全然読みやすかった。 人間味のない感じに逆に人間味を感じた。
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