破局

破局

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

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充実したキャンパスライフ、堅実な将来設計、そして新たな恋――。肉体も人生も、潔癖なまでに鍛え上げた私に、やがて訪れた破局とは。現代の実存を問う芥川賞受賞作がついに文庫化。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    河出書房新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    河出文庫
  • タイトル
    :
    破局
  • タイトルID
    :
    1265092
  • ページ数
    :
    176ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年12月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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破局 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「それはきっと私たちが強く結びついてる証だと言った」
    本来なら愛の言葉だ。
    ここではネガティブな感情を処理してしまうための言葉になっている。これが1番好きな一文だ。
    前情報として知っていたのは、芥川賞を取った作品だということくらいだった。
    ストーリーだけで読めば、おもしろくない。人生なんてそうそう面白いことばかりではないし、この小説は人が生きることそのものを書いているのだと思えたので、楽に読めた。
    字面と文は違う。私に感情はあったかもしれない。それは欲望や規範、行動、比喩によって次々に処理されていく。泣いても、感情として受け取ることができない。私は感情がないに等しい。
    冷たい飲み物、ゾンビ、ワンピースの色、妙な擬人法や比喩。さまざまなレトリックを駆使して、異常なほど他人事で、感情のない私が作られていく。触れるものがほとんど全部冷たい世界なのに、破局を迎えたあと、最後にようやく人の手の温かさを感じる。
    それまで感情を処理し続けていた人間が、破局によってようやく感情を取り戻したようにも見えた。
    気持ち悪かった。
    感情を処理して、次へ行く。欲望や規範に従って動く。いちいち悲しいとか楽しいとか言葉にせず、そのまま生活を続ける。この虚無感はよく分かる。
    「私」は「俺」なんだよねえ、と思った。
    陽介という変な人間を外から見ているつもりだったのに、気づけば自分のことを見ているようだった。不思議だったし、だからこそ気持ち悪かった。
    感情すら大量消費されて虚無になっている私たちを描いているのかもしれない。
    悲しい、楽しい、寂しい、そんな単純な言葉だけでは我々の生を語れない。だからこそ、これほど多くの比喩や対比やレトリックが必要だったのだと思う。
    皮肉なのはそれらを使って文章そのもので虚無を作っていくのだった。不思議で深い体験だった。

    0
    2026年08月31日

    Posted by ブクログ

    大学生である自分にとっては親近感のある話でおもしろかった。
    機械的に行動する主人公には怖さも感じるが、最後には少し主人公が可哀想だなとも思ってしまった。

    0
    2026年08月05日

    Posted by ブクログ

    正しく真面目に理性的判断を繰り返していたのに、自らの思考や行動の癖により、歯車がズレてってしまう、自分の世界の崩れようを描いた作品。
    女性と男性の恋愛観の違いや男性目線の女性だったりが個人的にはすごく鮮明に明かされていたように思え、生々しい気持ち悪さも感じた。ずっとどこか理解できずに進んでいった。これが起きて最後どうなったのかや、これに対してどう思いどんな行動をしたのかがきちんとは描かれず事実ベースに進む書き方は面白く好きだった。淡々とした文章なのも主人公の性格がよく出ていて、どこか掴めず不安定で恐ろしかった。好みの作品でした。

    0
    2026年07月23日

    Posted by ブクログ

    芥川賞に値する優れた作品。此処で語るべきことは何も無く、巻末に添えられた解説が精細にこの小説の素晴らしさを明かしてくれている。貧弱な心を持つ人間からすれば、ハードボイルドな人間の精神とは理解に苦しむものだが、遠野遥は虚構とも言うべきその実態を冷徹に描いている。

    0
    2026年06月26日

    Posted by ブクログ

    久々に没入感のある読書だった、北海道までだったけど。主要登場人物が満遍なく気持ちが悪い。頭は良いのだと思うが、頭良い人達特有の特異な発想力。調べるとおそらく慶應が舞台、なんなら作者の母校も慶應だった。主人公の思考に男特有のカタさがある。悪いものは悪いから悪いみたいな。いざ当事者になればその悪いものの中に自分は入っていないから悪くないみたいな。

    0
    2026年07月24日

    Posted by ブクログ

    すごく面白くて、このかたの作品を読んでいきたいと思った。
    まずこの作品の特色とも言えるのは、実際に起きていることは平凡すぎるくらいの大学生の日常に過ぎない範囲なのに、醸し出している不穏さや不安定さは完全にはみ出しているところ。
    主人公が平凡だと言いたいのではなくて、実際に起きている事象、つまり出来事がちっぽけすぎる。
    それなのにこの不穏さである。
    なんというか、嵐の前の静けさを呼んでいるみたいな感覚になった。だってこの主人公は遅かれ早かれ何かはしでかすだろう。
    今回の作品の中に出てきたような出来事とは比べ物にならないような猟奇的なことをしでかしてしまいそうなぐらい、主人公が怖い。
    でもその「怖さ」をうまく言語化できない。
    それこそ人を殺したいとか、血が見たいとか言っているわけではない。本人は潔癖すぎるぐらい「正常」をなぞりながら生きている。
    強いて言えばそれがおかしいことの裏付けなのかもしれない。正常な人は正常な人を真似しようなんて思わない。
    主人公視点で話が進んでいくので、急に「わかるけど今その話する必要あったか」みたいな話が飛んできたりもする。
    それがさらに「この主人公は何?」という気持ちを加速させていく。
    面白かった。別の作品もこんな感じなんだろうか?

    0
    2026年06月17日

    Posted by ブクログ

    正しすぎて狂っている陽介の主観は、少し誇張しすぎで現実離れしているように思えたが、読み進めているうちに気持ち悪さに慣れてきて面白くなってくる。
    2人の女性が淡々と話をする場面が濱口竜介の映画みたいで良かった。

    0
    2026年04月28日

    Posted by ブクログ

    第163回芥川賞受賞作。ふとしたきっかけで、この作品を知ることとなり、久しぶりに芥川賞作品の小説を読んだ。芥川賞の作品を読みまくっているわけではないのだが、なんか芥川賞っぽいというか、取るべくして取った作品な気がします。
    表向きには現代社会に適応しているまともな人間に見えるが、実は社会に適応していように演じている、ちょっとまともでない今風の現代的な人間を描いているって感じ。今の時代の純文学ってこんな感じなんだろうなと思いました。作者は、平成生まれではじめて芥川賞を受賞した人だそうです。
    純文学系の作品って、あまり小説的なストーリー展開はないのだけど、それでも小説として成り立たせてしまうのはつくづくすごいと思います。
    こういう作品にありがちな決して読後感はいい感じではありませんが、文体がシンプルなせいか、変に後を引くことがなく、結構すらすら読むことができました。

    0
    2026年03月21日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作品というのと、作品名で読もうと思った。
    最初はよく分からなかったが、読み進めていくうちに状況が理解できた。
    ところどころ?と思う文が挟まっている。違和感も覚える。主人公の感情がほとんど書かれていない。解説を読んでようやく主人公の性が分かった。
    彼ほどではないにしても、感情よりも理性を大切にする、男性の心理や特徴をよく捉えているのではないかと思う。

    お笑い芸人を目指す友人のキャラクターが好きだった。

    0
    2025年11月16日

    Posted by ブクログ

    歪で美しい物語
    ベンチ上のくたびれたトートバッグを「疲れきって眠った犬のよう」さらに「二人の飼い犬のよう」と繋げるシミリーにシビれた
    登場人物の描写も細やかでリアリティがある
    作品中に漂う独特の世界観
    これは芥川賞受賞も納得

    後に知ったがBUCK-TICKのボーカル櫻井敦司さんのご子息とのこと
    芸術性のDNA恐るべし

    0
    2025年10月12日

破局 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    河出書房新社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    河出文庫
  • タイトル
    :
    破局
  • タイトルID
    :
    1265092
  • ページ数
    :
    176ページ
  • 電子版発売日
    :
    2022年12月03日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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