【感想・ネタバレ】破局のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

冷めた目線で自分の行動、感情をまるで他人事のように事細かに綴る主人公には気持ち悪さすら感じる。まるで別人格が自分の行動を観察しているかのよう。

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

かなり好きだった。芥川賞の作品が好きな人向け

最後の方まで人間の皮を被ったクローンの思考を内側からのぞいているような気持ち悪さがあった
気になる表現は色々あるが、友人や恋人の話が無駄に冗長な辺りも同じ空間にいながらも違う次元から物事を捉えているようで気持ち悪さが素晴らしかった

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2024年04月03日

Posted by ブクログ

なんとも独特な世界観
読んでいるうちに何故か不安な気持ちになってくる
それがまたクセになるから面白い
性描写や自慰のシーンでは生々しくて少しウッときたけれど、あれが24歳の若さなのかしらと、昔むかしを思い起こされた

ラストシーンは不条理な結末で
あーーーっなんでーー!!??!!?
と思わず声が出そうになってしまった

女ってずるくて面倒ですね(女だけど思った)

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

書き出しから、安定して不安定さが醸し出される。
大事件が起きるでもなく、ある大学生男子の何気ない日常が淡々と綴られていくだけ…? いやでも何かがおかしいぞ、決定的に何かがずれている…と、読者は正体不明の不安に襲われ、ぞわぞわする胸騒ぎを抱えることになる。

道徳や倫理の観念が専ら自己の外側にしか見出せない、という点において、主人公はいわば原始的な欲求のみに忠実に従って生きる獣のようなものか、と当初思ったが、動物であっても種によっては備わっている優しさや情愛のようなものもおそらく主人公の内面から湧き上がってくることはないだろうから、さらに不気味な存在と感じられる。
いわゆるサイコパスにカテゴライズされる表層上は有能な人物が、何かのボタンの掛け違いをきっかけに転げ落ちていく様が、創作でありながらも極端に走ることなく、ごく身近で起こり得る事例として描かれているところが、また不気味さを感じる著者の力量である。
人間の醜悪な部分をクローズアップするディテールの書き込みは、サイコパスならずともすべての読者が持つ弱点をずばりと抉り、その切れ味は本当に恐ろしい。

デビュー作「改良」が見事に正常進化を遂げている芥川賞受賞作、と言えるだろう。
遠野遙は癖になる。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

主人公自身や、度々入ってくる場面描写がどこか奇妙。「何か違和感を感じる」小説は割と数があるけど、遠野さんの世界観は本当に独特で、違和感どころか確信的におかしい。その世界観にハマってしまって一気読みした。
しかし、物語の一番の事件は、その主人公のおかしさは直接的に関係ない。自他のあくまで普通の感情に翻弄されてしまったという印象だ。
トラブルというのは、誰かの持ちうるおかしさではなく、ごく普通の感情によって起こるのかもしれない。

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2024年03月11日

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ネタバレ

なんだかわけがわからなかった。
なにか事件が起こるわけでもなく、ただ陽介が送る日々が綴られているだけなのにどこががおかしくて気持ち悪かった。陽介が語っているような文体なのに、実際の陽介の喋り方や性格と全く違っているのも怖かった。
1番面白かったのは麻衣子の小学生時代の話だ。たぶん男は小児性愛者で前々から麻衣子に目をつけていたのだろう。その後が気になった。
灯の性欲が日に日に強くなっていった理由も気になった。
芥川賞受賞作品だと読み終わってから知ったが、そんな感じするなと思った。結構好みで、面白かった。

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2024年02月05日

Posted by ブクログ

自分のことなのに他人事みたいに捉えていて不思議、そしてなんだか哀れ 女性へのマナーとか、パッと見たらよくできた人間なのに中身はすっからかんでそこに惹かれた女性も狂ってゆく いつもあとがき読まないけど読んだ オチの後味の悪さもよかった

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

ちょっと側から見たらよくある大学生の話だが
主人公の淡々とした思考回路が猟奇的
自我が感じられない辺りがまさしくゾンビ
認知と言動のアンバランス感が気持ち悪くていい

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2023年12月05日

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コンビニ人間が好きな人には面白いはず!と聞いて読みましたが、文体が滑稽で面白かった‼️出てくる人みんな、少しずつ変だよね。主人公の親友的存在の膝というあだ名の友人が、唯一の癒し。たまにはさまれる、膝からの長文メール(LINE?)がたまらない。

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2023年04月19日

Posted by ブクログ

陽介みたいなタイプは少し苦手。
自身の思い描く男性性・女性性に対する理想像への異常な執着が随所に見られ、気味が悪かった。
筋肉が男らしさの象徴という理由だけで筋トレしてそう、、

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2023年04月16日

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ネタバレ

「〜はずだ」という「世の規範」を基準に生きる究極の自己喪失。慶應生で頭はいいのに自我がない。誤解を恐れずに言えば"気持ち悪い"主人公。
自己肯定感はあるように見えたが、それすらもあるべきだという「世の規範」に沿った「模範生」だからなのかな。
性欲が強くなっていって主人公への愛より性を欲していく灯や、別れてから無理やり部屋に押し入ってセックスしてしまう麻衣子は、感情の起伏のない主人公との対比がなされていると思ったし、(彼女らが欲望を持ちすぎとはいえ)主人公の不気味さをより際立たせると思った。
生徒たちにゾンビ理論とかいう持論を熱弁する主人公、恐ろしすぎるでしょ。でも主人公は熱意を持ってしまうほどゾンビとして生きることを正義としているんだよね。怖いね。
一人称視点だからこそ、語り手の主人公の不気味さがある。

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2023年04月07日

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知人に勧められて読みました。全然好みではなかったけれど、主人公の認知の歪みがあまりにもリアルでよくできた作品だと思った。自分が正しいルールに従って生きる正しい人間であると思い込んでいる人がどれだけ多いのだろう。

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2024年03月28日

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感情への鈍感さ。主人公の中では理屈が通っているんだけど、何かが圧倒的に欠けている。ちょっと前に別れた彼氏、全然対話ができなかったんだけど、こういう人だったのもかもしれないなと思った。

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2024年02月26日

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平易な文章表現があまり好きになれなかった。何より内容が空虚。なぜ芥川賞に、という疑問が払拭し切れない。しかし読後色々考えたが、この空虚さや平易さが正に現代のカオスな世の中を生きる迷走した若者を如実に表しているのでは無いかという考えに至った。
平易かつ空虚だからこそ読み手に様々な読解を与える作品なのかもしれない。
自分にとって新しい読書だったけれど、芥川賞と聞かなければ最後まで読まなかったと思う。(それくらい読んでる時は退屈だった。)そういう意味では権威やネームバリューに左右されて読書してしまっている自分に気付かされる作品でもあった。

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2024年02月25日

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スラスラと読み進めた結果、あっけなく結末を迎え、解説を読んで「なるほど」となった。解説を読んでからまた読み直すと新しい発見がありそう。

初見ではどこか違和感を得ながらも読んでるうちにいつの間にか「破局」を迎えてしまったが、2回目に読むと何が「私」を「破局」に追い込んだのか気づけるかなと思った。

「私」は自分を規則正しくルールに則って生きてる善良な人間だと思っているけど、それはあくまで社会的に定められた範疇で、正しいとされる規律やマナーに他人行儀に従っているにすぎない。「世間的にはこれが正しいとされる」「父親がそう言っていた」他人などが決めたことに倣ってるだけで、本心からそうしてるわけではない。頭でわかってるだけで、心では何も感じていないというか。

そうした現代人の歪みのようなものを、ユーモアも織り交ぜながらうまく文章表現に落とし込んでる点が、芥川賞につながったのだろう。

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2024年01月03日

Posted by ブクログ

読みやすかった
結局、みんなそれぞれ至らない部分がある作品
それぞれの気持ちも理解できる内容
モヤっとが残る

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2023年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

めちゃくちゃ芥川賞だなって感じの小説だった。特に変態的でもない、男の真っ当な性欲の気持ち悪さをここまで克明に書いているのがすごいなと思った。
「私」の思考は一見すると正しいように思える思考なのに、「私」に対してどうしようもない気持ち悪さを感じてしまう。それがよかったなと思う。
「私」は一人称の地の文さえなければ、文武両道で女性に対して思いやりを持ち合わせている、いい青年であるはずだ。
「女性には優しくしないといけないから優しくする」「同意を得てない性交はダメだからしない」「彼氏だから灯の下着を見てもいいが、彼氏でない人間に灯の下着を見る権利はない」
「私」の行動は、自分の意思がどうこうではなく、社会でこうなっているからこう、といったように、他者の価値観に支配されている。それがとても気持ち悪かった。本当に傍から見たら筋トレ好きの青年なんだけどな……。
真面目で正しい青年の、正しいがゆえに社会常識に縛られすぎている気持ち悪さ、というのは面白いなと思った。

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2023年09月06日

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主人公は他者の気持ちを推し量ることが出来ないようですね。自閉スペクトラム症なのでしょうか。そういう思考の方から見た世の中は、こんなふうに映るのか…と知ることが出来ました。本人はいいでしょうが、家族や周囲の人は大変なんですよね。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大学生で就活中の主人公は、ある日出会った女性に徐々にひかれていく。ラグビーOBとして後輩を指導し、筋トレや性行為ばかりしている主人公は、その女性と出会ったことで破滅の道を歩んでいく。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

スマートなのか泥臭いのか、どっちなんだろうな。「私」ののっぺりとした感じが、若いし、青いし、世代で一括りにはしたくないけど。そういう世代だなと思った。頭でっかちで、計画的に人生を築き上げている独りよがり感。公務員志望のどちらかというと優秀で、体育会系の勝ち組・陽キャっぽい印象を演じてるように見える。蓋をあけたら、幼いところ、未熟なところ、見た目のマッチョさとは裏腹に繊細で、もろい。前半の彼の人となりにページをさきすぎて「破局」部分が駆け足だった印象はある。

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2023年04月18日

Posted by ブクログ

いわゆる今時の、そして、中身の無い男が主人公。ある一組のカップルが出会って別れるまでを描いただけだが、読後のなんか胃に残ってる感じ、芥川賞と聞いて、ああ、なるほどね、と思った。(芥川賞とは若い小説家に権威を与えてこれからを応援するためのものだと個人的に思っている)
文体は客観的だがところどころ描写がわかりにくいところがあり、私の読解力の問題かも知れないが、まだまだ若い作家。これが刺さるのはどんな人なんだろうか。

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2023年02月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当たり前のような日常の中で起きた男の悲劇の物語、主筋と全く関係の無い描写も多く、
その行間を読む読者が試されるように感じた。偶然だけどこれを読む前の小説の主人公も灯だった。

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2022年12月29日

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